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下位第1試合 ランページ・ヴィーナス vs 蒼黒の第五元素(2/2)


「序盤の綱引きのような展開から一転! わずか数秒の間に、ピンチとチャンスが目まぐるしく入れ替わった両チームですが!
この見応えのあるツープラトン合戦を制したのはランページ・ヴィーナス! 出た途端にダメージを負ってしまった芽依さんが下がり、リング上は再びミリアムさんvs涼子さんという構図に戻ります!」

「あーもーカッコわるっ……借りは作りたくなかったけど、5分だけ時間稼いで涼子!」

「お安い御用ですの! 5分と言わず、このまま私1人で倒してしまいますの!」

「そうそう、思い通りにはさせないよっ!!」

芽依を気遣い、強気な姿勢を保ったままの涼子ではあったが。実際今のツープラトンは、蒼黒に傾きかけていた流れを一気にランページ側へと引き戻した。
これで勢いに乗ったミリアムは、ガードの上からでもお構いなしにラリアットとアックスボンバーを連打! さすがに今度はリスクの高いスウェーを試みる余裕もなく、涼子は亀のように丸まり防御に徹するしか選択肢はなくなる。

しかし、ここまで雫と互角の勝負を演じ、ミリアムの攻撃をも凌いできた涼子。クリーンヒットこそもらってないが決して無傷というわけではなく、また息もかなり上がってきたのは傍目にも明らかだった。
そしてミリアムとて、アメリカのリングでは名の知られたパワーファイター。そのラッシュの前にかろうじて急所は守っているものの、コーナーに詰められてからは反撃すらままならない状況が続く。もはや力ずくでガードをこじ開けられるのは、時間の問題かと思われた。

(いけるっ…! このまま押し切って、あたし達が勝つっ……!!)

…だが! この圧倒的にミリアム優位な状況から、3分が経過! 
ラリアットを受け続けた涼子の腕は真っ赤に腫れ上がり、いまだミリアムも手は休めず局面は一切変わっていない。しかしそれは言い換えれば、フィニッシュだけは絶対に阻止されているということでもあった。

「…ちょっとミリアムさんにも、焦りが見えてきましたか? あと一歩というところなんですが、ホント直撃だけはもらいませんねー涼子さん」

「どれだけパワーがあろうと、攻撃自体は直線的、悪く言や馬鹿正直だからな。雫ともども、この辺がベビーフェイスのつらいところかね。
ルール違反だが芽依の方狙うとかして、もっと揺さぶりをかけてもいいと思うんだがなー」

「まあダーティな手段を使わないのは、本人達の性格もあるでしょう。ただ揺さぶりという点はランページも考えてましたか、ここで再び雫さんにスイッチ! 打撃から投げ技での攻勢に切り替えます!
しかし涼子さん、これも凌ぐ!!」

もとより序盤で雫の手の内は見切っている涼子、目先の相手が変わったところで動じるような要素はない。
だが雫もそれは分かっていたこと。ミリアムとアイコンタクトを交わし、すぐに次の動きへ移る!

「これは…ミリアムさんロープ際まで下がったかと思いきや! そこからリバウンドを使い、一気に加速して折り返す! スイッチしたのはこのためでしたか!!
今までとは一味違う、助走をつけた渾身のアックスボンバ―――!!」

「ぐううッ……!!」

涼子とてミリアムから目を切っていたわけではない。十字ブロックで喉だけは死守したが、それでも下から突き上げる重い衝撃に、両足が一瞬宙に浮いた。
そしてランページが狙っていたのは、まさにそのタイミング! ガード中に後ろへ回り込んでいた雫が、涼子の腋に頭を差し込み、腰と太ももを抱え上げる!

「っ!? 見事、ですのっ…!」

「息の合ったコンビネーションで、ついに涼子さんの守りを崩しましたランページ! ここでプロレスの基礎とも呼べる技、バックドロップ―――!!」

観念したかのように瞳を閉じた涼子に、雫もミリアムも半ばフィニッシュを確信した。…だがそれは、ぎりぎりまでパートナーの動きを悟らせないための涼子の罠!

「ジャスト5分っ! 待たせたわね涼子!!」

その表情が諦めではなく、信頼によるものだったと気付いた時にはすでに遅し。矢のように飛び込んできた芽依は、側転を加えライノホーンめいた飛び蹴りでバックドロップをカット! マットに落ちようとする涼子を、お姫様抱っこで救出する!

「惚れそうですの芽依さん…!」

「でぇい、こんな時に何の冗談よっっ/// とにかく、後はあたしに任せなさいっ!」

顔を赤らめ照れ隠しのようにやや強いタッチを交わすと、涼子を下ろし雫と向き合ってステップを刻む芽依。カポエイラ独特のリズムが、マットを伝わり雫の足元でも反響する。

(くっ…! でも、まだダメージは残ってるはず。この流れを止めるわけにはっ…!)

雫の目算ももっともではあったが、残念ながらそれは希望的観測と言わざるを得なかった。100パーセント涼子を信頼していた芽依は、リング上で何が起ころうと、ひたすら回復のみに専念していたのである。5分というのは決して適当に言った数字ではなく、それだけあれば万全の状態で復帰できる自信あってのことだった。

「ぐふぅっ!? あ゛うっ! はっ……げぶっ!!!」

「まるで試合開始直後のような生きのよさ! 果敢に組み付こうとする雫さんですが、マルテロ、シャーパ、ハーボジアハイア…変幻自在、切れ味抜群の蹴り技の前に、一方的にその豊満な身体が打ち据えられるのみ!
ここへ来て蒼黒側のアタッカー、芽依さんも本領発揮というところでしょうか?」

「涼子が粘った分、4人の中じゃ一番スタミナも残していたからな。逆に雫は、序盤から飛ばし気味だったツケが来ちまった感じか。
…まー芽依のあの攻勢は、個人的な感情も入ってるように見えなくもないがw」

その辺は本人しか知りえないところではあるが。しかしともかく、雫も前に出ようと頑張ってはいるが、足がついていかなくば只のサンドバッグ。太ももや二の腕に青痣を増やしながら、濁った悲鳴を上げる姿にようやく客席も沸き始める。

「はっはっはー! どうした雫ゥ、タフネスが売りじゃなかったのかぁー? そんなザマじゃレスラー失格だぞーwww」
「ほほ…見せパンか下にレオタ着てるのかは分かりませんが、脚を上げるたび白いものがチラチラと…。これはこれでよいコス変更ですわねぇ」
「ちっぱいの怒りは神の怒り! 遠慮はいりません、その無駄な脂肪の塊を叩き潰すのです片桐芽依!!」

試合を控えてる鈴木が混じってた気がするが気のせいだろう。
その盛り上がりを耳にして、不愉快そうに眉をしかめながらも。勝負は別と言わんばかりに棒立ちの雫に背を向けた芽依は、高々とバク宙しながら足の甲を撃ち下ろす! 即ちケニアのJKも使うカポエイラが技、マレットスマッシュ!

「あぐああぁぁ―――ッッ!!!」

「シズクっ!!」

まともに肩を抉った一撃に、ガクンと雫の腰が落ちる! 一旦下がって呼吸を整えていたミリアムだが、当然ここは黙って見ているはずがない。再びアックスボンバーで突撃、2人の間に割って入る!
が、疲労による動きの差はミリアム、そして芽依本人にとっても予想以上に大きかったか。
隙の大きい技だったにも関わらず、すぐさま芽依は体勢を立て直した。そして突っ込んでくるミリアムを、大きく身体を捻っての後ろ回し蹴りで迎え撃つ!

ドゴオオォォォォ―――――ンン!!!

「かはっ……!!」

「おおおおお―――!! 鮮やかにカウンターで入りましたアルマーダ! 芽依さんのカカトが寸分違わずテンプルを撃ち抜き……L字型に曲げたその腕は届かず、スローモーションのように横倒しになりますミリアムさん!
ブロンドの髪をマットに投げ出し、側臥位のまま動きません! これは完全に失神している模様!」

「ミリィっっ!!?」

「っと、恨まないでよね!? こっちだって、ぎりぎりだったんだから!」

「分かってる…あなた達2人とも、真っ向から闘ってくれて感謝するわ。
でも、まだ試合は終わってないわよ!」

「…おっけー。それだけの覚悟がある相手に、手を抜いちゃ逆に失礼か。
最後まで正々堂々、闘おうじゃない!!」

「望むところっ…!!」

満身創痍の身体に鞭打って、1対2となっても諦めずに食い下がる雫! その人並外れた根性に、芽依も感嘆の表情を向けるが…やはりここまでに蓄積した疲労とダメージは深刻だった。
起死回生の空中技すら放つ体力は残っておらず、もはや投げ技をまともに入れるくらいしか、雫の勝ち筋は残されていなかった。だが相手を認め、油断も慢心もしていない芽依が、みすみすその土俵に付き合おうはずもない!

「うぐうっ…くっ! ま、まだまだッ…!」

「ミドルの連打で、足の出ない雫さんを完全に自分の距離に固定しました芽依さん! これだけの蹴りを浴び続けて、なお前進しようとする雫さんも大したものですが…その闘志を断ち切る無情の一撃! 狙いすましたシャーパが、脇腹へと突き刺さりました―――!!」

「げぼおぉぉッッ―――!!!」

シャーパ…空手でいう横蹴りに似た、半身の体勢から足刀部を蹴り出す技である。どれだけ気力で身体を支えていようと、ボロボロになった腹筋を駄目押しと呼べるレベルで貫かれては、限界が訪れるのは必然だった。
吐瀉物と唾液を撒き散らしながら、くの字に折れ曲がった痣だらけの身体が後方へ数歩よろめき…そのままロープにもたれかかって、ずるずると力なく崩れ落ちる。

「……こんなこと言えた立場じゃないのはわかってるけど。絶対生き延びなさいよ、あんた達」

脚を戻し、複雑な表情で呟く芽依だったが。すぐに気を取り直したように、リング外へ転落しないよう雫を助け起こす。

「決着―――――!! 両チームとも持ち前のチームワークを見せつけ合い、二転三転した好勝負でしたが!
最後は涼子さんの粘りが生んだ、芽依さんの立ち直りが明暗を分けましたか! 蒼黒の第五元素、まずは下位トーナメント脱出を果たしました!」

「うお――でもせっかく新コスになったのに、本戦での出番はこれで終わりかよー? もっと見たかったぜ芽依タソの脚線美とか涼子様のおっぱいとか!」
「まあまだ全然消化してない伏線とかもあるし、出番自体はこれからもあるじゃろう多分」
「逆に言えば、これでランページが落ちていく様を見られるんだからな! ジレンマではあるがトーナメントゆえ仕方ないところよ」
「まったくだ、それにしてもざまあないぜ雫! 今回も善戦しながら結局負けちまうあたり、プロレスラーとして何求められてるか分かってんじゃねえかハハハ!」
「気合と根性だけじゃ、どうにもならないっていい加減身に沁みたかなー? まあそれが負けっぷりを引き立たせてくれてるわけだし、次も期待してるよー!」
「ってオイ―――!? 何やってんだ涼子と芽依のヤツ―――!?」

お腹を押さえうずくまった雫や、うつ伏せで失神したままのミリアムをオカズにしようとした観客達が、一様にどよめき始めたのも無理はない。芽依はまだ意識のある雫に肩を貸し、涼子はミリアムを背負って退出しようとしていたのである。
基本敗者はしばらく放置されたままの地下において、これは非常に珍しい光景だった。

「うええっ!? ちょ、待って。コレ許していいんかい運営!?」

「…地下において勝者は絶対、ですの。敗者を好きにしていいんでしたら、こういうのも許されるんじゃないですの?」

涼子もまだ両腕の腫れは引かず、痛々しい姿ではあるが。胸を張り自信に満ちた瞳で真っ向から射抜かれては、ヴォイドさんも大袈裟に腕をひらひらさせ、苦笑いを浮かべざるを得なかったか。

「ま、確かにな。一応ルール的には問題ねーけど、観客の不興買うだけだしあまり賢明とは思えねーぞ?」

「構いませんの。言いたい奴は勝手に言いやがれですの」

その隣の芽依も、涼子の言葉に賛同するように大きく頷く。

「あたしも涼子も、死力を尽くした相手を見世物にする趣味なんかないっての。ましてこんな、憎めない相手じゃね」

後くされのない試合になるであろうことは予想されていたが、さすがにこの結末は予想以上だったか。
そんなわけで、勝者を讃える声も瞬く間に掻き消え。熱戦を闘い抜いた4人は、花道の道中四方八方から容赦ないブーイングに包まれることになる。

だが、涼子も芽依もそんな雑音は気にする様子もなく。雫とミリアムを引き連れ、清々しい表情でリングを後にするのだった。



42分14秒
Winner 蒼黒の第五元素 2勝2敗 
Loser ランページ・ヴィーナス 1勝3敗 下位トーナメント2回戦転落
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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

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