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プロローグ ~出航前夜~

杏奈s
-高山杏奈の手記-

上流階級、セレブと呼ばれる人間の中のさらにその上。一部の限られた人間しか乗船を許されない超豪華客船、フォールンヴァルキリー(FV号)。
表向きは高級クルージングを謳い文句にしているが、その裏では非合法な格闘試合を行い、乗客の歪んだ性癖を満たすという金持ちらしい手の込んだ船であった。

1年前行方不明となったこの船に、私の生徒である姫崎優璃が乗船していたと知り、私は必死になって情報を集め続けた。
結果分かったことは、当時の乗客は何食わぬ顔で社会に戻っており、船だけが忽然と姿を消したこと。
そして優璃は奴らの見世物にされ………もうこの世にはいないということだ。

あんな優しい子が、どうしてこんなことに!
あの船に乗っていた奴らを全員この手で殴り殺してやりたいが、社会的地位の違いすぎる私には歯噛みすることしかできなかった。
しかし奴らの欲望には際限がないらしい。密かに建造されていたFVの姉妹船が近くお披露目され、大々的な処女航海が行われるという。
その船の名はカースドエンジェル。そこにはきっと、FVに乗っていた奴らもいる…これ以上の機があるだろうか。
私の教え子を殺した奴ら。貴様等全員地獄へ叩き落してやる。


ナギサs
「むう、人の世がここまで変わっていようとは…」

平安生まれの狐神、那岐沙はカルチャーギャップに戸惑っていた。
自動ドアに激突し、TVにびっくりし、エレベーターで腰を抜かすあたり、周りから見れば相当な電波である。
1000年以上僻地にある稲荷神社から離れたことがなかったので、当然といえば当然ではあるのだが。

「しかも、よく分からんがまったく力が出んぞ。あの地を離れたのってまずかったかの?」

神の力さえあればオールオッケーと考えなしにカースドエンジェルに乗り込んだ彼女だったが、その力は神社から離れるほど
弱くなるということを知らなかったりした。

「おお、そこな男。この船は今どのあたりにおるのじゃ?」

「ブエノスアイレス沖を航行中です」

「ぶえの…? 変な名の漁村じゃのう」

果たして神様は、見事賞金を病弱な少女へと持ち帰ることができるのだろうか。


勇魚s
第1節開始を目前に控え、元山勇魚はスパーリングに明け暮れていた。
スパーリングと言っても、その場所はリングの中ではなく、相手は人間でもなかった。

CA号から少し離れた海域。小型ボートの中で、水中に取り付けた暗視カメラの映像を凝視する男が一人。
そこには6メートルはあろうかという巨大なシュモクザメと格闘する、一人の少女が映し出されていた。
少女…勇魚は文字通り海中を魚のように移動し、鮮やかにサメの攻撃をかわしていく。
そして逆に捕食するかのごとき動きで、突進してきたサメの頭部にカウンターを一閃。そのハンマーヘッドを砕かれ、
憐れなサメは海中へと沈んでいった。

パチパチパチ……
一部始終を眺めていた男が、拍手で出迎える。

「見事だ。どうやら本戦でも期待できそうだね」

「当然や。アンタに受けた恩は必ず返したる。せやから…」

「分かっている。もしクイーンに勝てるようなら、君の家の借金も心配しなくていい」

顔を引き締めてうなずき、勇魚はボートに上がり眼鏡をかける。
その様子を横目で見る男…オーナーである弁天堂氏の心中を、まだ若い彼女は察することができずにいた。


ナーニャs
その少女が姿を現したとき、数多くの闘士を見てきたはずの闘技場スタッフの間に、どよめきが起こった。
99.9cm、15.4kg。5歳。闘士として扱うにはあまりに小さすぎ、あまりに幼すぎるその身体。
常識的に考えれば、試合に出したところで、一方的に嬲られ命を落とす結末しか見えようはずがない。

しかし、彼女を連れてきた関係者は自信たっぷりに言った。

「まあ、無愛想な奴ですが身体能力だけは常人を凌駕してましてね。
 欠陥品ではありますが、必ずや試合は盛り上げてくれると思いますよ」
 
もとよりかつてFVに乗っていた闘士は、ほとんどが例の事件で亡くなったか船を降りるかしている。
1からのスタートであるCAにおいて所属闘士はやや不足しており、年齢制限の撤廃もその辺の事情が絡んでいた。
しかし、クローンとはいえこのような参加者が現れるのは予想外だったと言っていい。

「論より証拠です。すみませんが、適当な相手を用意してもらってもいいですかね?」


30分後。
スタッフは全員一致で、ナーニャ=スィニエークの登録を認めたのだった。


桜花s
「な…っ? こんな格好で闘え言うんどすか?」

綾瀬桜花は、オーナーから渡されたコスチュームを見て戸惑っていた。桜花としては当然、合気の稽古などで使用する
道着に袴といったスタイルで闘うことを予想していた。しかし目の前にあるのは、胸と股間しか隠しようのない
ミニタイプのセパレートスパッツ。しかも生地は薄く、はっきりと身体のラインが浮き出てしまう。
お嬢様育ちの桜花にとって、人前でここまで肌を晒すというのは相当恥ずかしいことだった。

「嫌なら君の参加を取り消すまでだ。幼馴染の消息を知りたいんだろう?」

それを言われると言葉に詰まる。通っていた道場の師範代であり、淡い恋心も抱いていた幼馴染が突然失踪したのが数ヶ月前。
この船にいるという手がかりをようやく掴み、桜花が乗船するための条件として提示されたのが、闘士としての参加だった。

「ああ、それと私もオーナーとして君に出資している以上、負けてもらっては困るのでね。
 ランク7以下に転落したら下着姿で、9以下なら褌一枚で闘うというペナルティも加えさせてもらう。」

「(こっ、この変態…!)………分かりました。そやけども、約束はきっちり果たしてもらいますえ」

「ああ、勝ち上がったならその都度、彼に関する情報は渡してあげよう。もしクイーンに勝利できたなら、その後どうするかは君の自由だ」
 
逆にランクが上がれば、競泳水着や道着など、露出の少ない衣装で闘うことも許されるらしい。ならば、桜花に与えられた道はひとつしかなかった。

「負けられへん…必ず勝ち上がって、あの人と一緒にここを出るんや!」


あげはs
藍翅あげはは、食い入るようにTVの画面を見つめていた。
そこに映っているのは、母、藍翅たてはの現役時代の試合。淀みない動きで相手の攻めをかわし、流れるような関節技で仕留めるその姿はまさに芸術と言ってよかった。

「なるほど…ここでこう動くから、肘をこっちに入れて、脚はこう曲げて…」

レスリングとサンボを同時に習い始めて、早10ヶ月。体育の成績は決して良くなかったあげはだが、その熱意と優秀な指導によりあっという間に基本的な格闘技術は習得。その後もめきめきと腕を上げ、今や全盛期の母親にすら匹敵すると評する者もいた。

「ふう…」

画面では相手がタップし、たてはが勝ち名乗りを受けている。その様子を微笑みながら見て、傍らに置かれた写真へ視線を移す。
写っているのは、自分とたては、そして妹のしじみ。薄々とだが、人質同然に別室で過ごしているしじみが、性的ないたずらに晒されていることには気付いていた。

「まだ…こんなんじゃ足りない。もっと、お母さんに追いつかないと」

かつて、たてはが守ろうとした家族。志半ばに散った母に代わって、若干11歳の長女はその役目を背負うことを決意していた。





~BGM 「FLYING THE SKY」~

「ガンダムファイッ! レディー…ゴー!!」

CA内に設置されたアミューズメントパーク。その中の最新ゲーム機「GガンダムvsGガンダム」にて、連勝を続けている女性がいた。
「恭司…あなたは一体、何を考えているの?」

並み居るゲーマーを薙ぎ倒しながらも、麗音の表情は晴れない。研究中の化学兵器を使って研究員を殺害、逃走しこの船に潜伏しているという恭司を見つけ出すために、闘士として参加した。彼を見つけ真相を質すことができれば、冷凍刑に処された恋人の土門を救うことが出来るかもしれない。…しかし、今のところ行動できる範囲では、まったくと言っていいほど何の情報も得られなかった。
そのため少し焦りつつあった自分を落ち着けるため、ゲームに興じていたのだが。

「ランクが上に行けば、出入りが自由になる場所も増えるって言うし…やっぱり、試合で勝つしかないのかな」

考え事をしながらも、乗機ナゾガンダムで敵機を撃墜する。
その様子を、覆面をかぶったゲルマン忍者風の男が眺めていたことは知る由もない。





明日葉姫乃が、友人を守るために他校の不良に手を出し、停学となったのが1年前。
実際非があったのは相手側であったのだが、必要以上にボコりまくってかなりの重傷を負わせたことと、相手の親がいわゆるモンペであり学校に圧力をかけてきたため、異例とも言える長期停学を食らうはめになった。
結果出席日数が足りなくなり、19歳になった今でも高校三年生を続けている。

「で? これ以上学校休むのはごめんなんだけど」

「いやいや…しかし今から進学も厳しい、就職も不利な君としてはいい話だと思うんだがね。
 我々は君の合気の才能を高く評価しているんだよ。
 君が塩田剛三氏に心酔していることは知っている…真の強者の中でもまれれば、かの達人の域に少しでも近づけるとは思わないかね?」
 
「ふーん…その船の中に、そんな強い人がいるってーの?」

「君はまだまだ井の中の蛙だ。出席に関しては理事長が配慮するということで話がついている」

「強引だねえ。ま、いいや。ちょうど退屈してたところだし。折角だからその強者とやらに、合気の力見せてあげるよ」




・・・・・・フォールンヴァルキリーの血を受け継ぎ、女闘士たちの運命を乗せ航海を始めたカースドエンジェル。
その先にあるのは希望か絶望か。
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トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

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