FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第4試合 ランページ・ヴィーナス vs みこみこウォリアーズ(2/3)


「さー、タッチする間もなく月子さんが落ちたことで、苦しくなったのはみこみこウォリアーズ! ようやくベールを脱ぐ貴音さん、果たしてこの劣勢を覆す実力の持ち主なのかー……おおっ?」

「ほう…こりゃ意外だな。巴子も月子も、古武術使いなだけあって摺り足が基本だったが。
同じ巫女さんでもその二人とは真逆、アウトボクサーみたいなステップを踏んでやがる」

このスタイルに場内からはどよめきが湧き上がり、対峙するミリアムもいささか戸惑った表情を見せる。いかんせんまだ手の内が分からない相手、じっくり攻めるのも選択肢のひとつには違いなかったが…。

(あいにく、シズクみたいな戦い方はあたしにはできないしね。下手に日和っていい流れを止めるより、ここで一気に試合を決めるっ…!)

この思い切りのよさがミリアムの身上、左腕を大きくぐるぐると回すと、貴音にもアックスボンバーをお見舞いすべく前傾姿勢で突っ込んでいく!

「喰らえええぇぇぇ――――――ッッ!!!」

そしてことデビュー戦の闘士に対し、それは紛れもなく好判断と言えた。地下の雰囲気に呑まれたルーキーが、ガチガチのまま実力を発揮できずに初戦を落とすというパターンは、決して珍しくはない。

…誤算だったのはこの藤宮貴音が、そういうメンタルとはまったく無縁の人間なことだった。彼女は体格で勝るミリアムにも臆すことなく、身体を捻って右拳を撃ち込む構えを見せる!

「…そのタイミングは、さっき覚えたさ!」

L字型に曲げたミリアムの腕が、文字通り大木を切断する斧のごとく、貴音の首を薙ぎ倒すかに見えた瞬間!

ドオオオォォォーーーンン!!!

「ぎゅぶううッッ!!? …かっ、げほおっ!」

「ファッ!? なななんと、フルスイングした貴音さんの拳がカウンターで顎へと直撃! 一瞬にしてミリアムさんの身体が、マットへ叩き付けられましたーーー!!
…あの、こんな頭おかしいカウンター、私初めて見たんですけど?」

「ああ…全体重を乗せて放つことで威力を倍加させる、いわゆるジョルトカウンターってヤツだ。
しかし今の、失敗したら再起不能か最悪死んでてもおかしくねーぞ。ネジ十本くらいブッ飛んでんじゃねーか藤宮貴音」

諸刃の剣にも程がある前代未聞の一撃に、場内もしばしざわざわとした喧騒に包まれる。だが、すぐに観客の興味は這いつくばるミリアムへと惹きつけられた。

「うっ……! く、あっ……」

「ミリィっ! 大丈夫っ!?」

追撃するのに十分な隙はあったはずだが、貴音は今しがたの感触を反芻するように、ミリアムそっちのけでシャドーを繰り返す。…というか、割と仕留めきれなかったことに不満げな様子。

「アレで駄目だったか…まだ改良の余地はあるかな。もっと踏み込みを強くしないと…」

貴音がえらい物騒なことをぶつぶつ呟いてる間に、すぐさま駆け寄った雫が肩を貸し助け起こす。しかし、要は月子を沈めた必殺技が倍返しで己の身に浴びせられたのである。下半身ガクガクのミリアムは寄りかからないとまともに立つことすらできず、足にきているのは明らかだった。

「大丈夫……とは言えないか。ごめんシズク、しくじった…」

「これだけやってくれれば十分よ。あとは私が、何とかするから!」

雫とてまだ体力が回復したわけではないが、親友の奮闘を見せられ黙っていられようはずもない。ミリアムをコーナーへ避難させ、キッとした表情で貴音へと向き直る!

「まだまだこの試合、どう転ぶか分かりません! ランページとしては、時間を稼いで2対1の状況を長く続けるのが得策でしょうか?」

できればそれがベストだったが、ミリアムの状態はかなり深刻。雫としてはもうタッチするつもりは微塵もなかった。
しかしインパクト絶大な初撃を決めたことで、会場のムードも後押しし先にペースを掴んだのは貴音。もちろんジョルトが最大の武器には違いないが、彼女の真価はそのステップからも予想された、軽快なフットワークにこそあった。

逆に気合を入れて出ていったものの、どうしても雫の攻め手は慎重にならざるを得ない。あのジョルトを見せられた直後、当然といえば当然ではあったが…。

「ううっ、ぐううッッ…! あうッ!!」

「…ハエが止まるさ。丸まってばかりじゃ、勝負はつかないよ?」

そんな雫を中心に円を描きながら、貴音はスピードに乗ったジャブを次々と突き刺していく! かろうじて急所こそガードしているが、貴音の動きにまったくついていけない雫はリング中央で蜂の巣にされつつあった。

「あれだけのカウンターを持ちながら、受け身にならず自分からプレッシャーもかけられるか。巫女さんとしちゃ異色だが、こりゃなかなか面白い闘士じゃねーか」

「ですねー。肩口からまっすぐ最短距離を走るジャブが、とにかく速い! 動きを封じられたままこれを積み重ねられると、タフな雫さんとはいえさすがに苦しいか!」

実況ローズの言葉通り、このままでは間違いなくジリ貧。手を出さない限り状況は悪化する一方なのは、雫もよく分かっていた。
とはいえ無論、起死回生の空中技などはあまりに分の悪い博打すぎる。そこで雫が選んだのは、貴音がステップインした瞬間を狙ってのアームホイップ!
顔面に来るジャブに合わせて腕を手繰り、そのまま一本背負いのように勢いをつけ投げ捨てる! 決まれば一転して自分の土俵へ持ち込める、決して悪い一手ではなかったが…!

「遅いっての!」

雫が耐えきれずに仕掛けてくるところまで、貴音にとっては読み通りと言っていい行動だった。
顔はフェイント、素早くボディへと切り替えた拳が、カウンターとなって深々と雫の内臓へと穿たれる!

「ぐぶお゛お゛おぉぉぉぉ!!? ぶげえっ、い゛っ、ぐ……!!」

ジョルトでなかったとはいえ、すでに限界の近かった雫へダメ押しするには十分すぎる強打。肉付きのいい身体がくの字に曲がり、膝と共に腰も大きくガクンと落ちる。
嘔吐をこらえ、濁った悲鳴を上げながら崩れようとする雫の姿に、観客はもちろん貴音もほぼ勝利を確信したと言ってよかっただろう。…だが!

「ぶぷっ……ま、まだまだぁっ!」

「なにィ!?」

どんな時でも諦めないこの不屈の闘志こそが、才能に恵まれない雫を女子プロ界トップにまで押し上げた原動力! 貴音もここまでピリッとしない雫に対し、侮っていた部分は少なからずあったか。
それでもあの体勢から持ちこたえられるなど、普通は考えようがない。ひとえにこれが地下の怖さ、咄嗟にバックステップで間を作ろうとするも、雫が一瞬早く下半身へ食らいつく!

スポンサーサイト
[PR]

[PR]

第4試合 ランページ・ヴィーナス vs みこみこウォリアーズ(1/3)PageTop第4試合 ランページ・ヴィーナス vs みこみこウォリアーズ(3/3)

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://tikaryona3.blog.fc2.com/tb.php/196-608facfd

お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

タッグ01 タッグ02 タッグ03 タッグ03-c タッグ04 タッグ04b タッグ06 タッグ07 タッグ08 タッグ09 タッグ10 タッグ10b タッグ10c タッグ13 タッグ14

3期参加闘士一覧

地下3-1b 地下3-2 地下3-6 地下3-6b 地下3-6c 地下3-8 地下3-9 地下3-9b 地下3-10 地下3-11 地下3-12 地下3-12b 地下3-14 地下3-14b 地下3-16 地下3-17 地下3-19 地下3-20

地下3-3 地下3-5 地下3-13 地下3-15 地下3-15b 地下3-4 地下3-4b 地下3-7

地下3-Q 地下3-λ

最新コメント
最新記事
検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。