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第3試合 春夏繚乱 vs ビッグ・ボンバーズ(2/2)


「桜さん、フェイントを交えつつユキーデさんの死角から鋭い飛び蹴り! しかしそれをはね返す筋肉!」

「ヌルイ! ヌるいWA!! この程度でワタシを倒せると思うTEKA!」

「くっ! はあっ……」

ユキーデの気迫にもたじろがず自身の戦法を貫こうとする桜だが、実際ジャンダムの判断は正確だった。193cmの長身から繰り出されるスネークアッパーやカカト落としの驚異的なリーチは、即ち攻撃範囲の広さにも直結している。6m四方のリングで桜が回避に使えるスペースは見た目以上に狭く、相性が悪いというのは決して間違いではなかったのだ。
ならば鮮花の時と同様、密着するほどの至近距離を保てばいいと思うかもしれない。しかし、あれは真上から来る攻撃を防ぐことのできる鮮花だからこそ実践できた戦術。十分な威力を伴わないとはいえ、ユキーデの豪拳を喰らってその場に踏みとどまるなど並の闘士には不可能な芸当なのである。

ユキーデもそれが分かっているからこそ、何度空振りしても決して焦らず、余裕の表情を崩さない。対照的に桜の息は荒くなり、徐々にコーナーへ追い詰められつつあった。

「いいぞーユキーデ! 所詮桜の攻撃は豆鉄砲、また前みたいに強烈な腹パンを食らわしてやれ!」
「がっはっは! いかにスピードに優れようと、圧倒的な力の前にはすべてが無力! 一発でも入れば、流れはボンバーズのものよ!」
「フォッフォッフォッ…多少は力をつけたようじゃが、3期と同じ展開に持ち込まれるようではまだまだ。腕力と体力の差は、いかんともしがたいのう」

それはさながら、小動物を袋小路に追い込む肉食獣の狩りの如し。この状況、今までの桜であれば、脱出ルートを探してユキーデの足元あたりをすり抜けようとしていたかもしれない。しかし、その後ろ向きな考えこそが敗因となっていたことを、彼女はすでに自覚していた。

「どうせ逃げられないなら…せめて鮮花の役に立つためにもっ!!」

そして何と、覚悟を決めた桜はユキーデに向かい一直線にダッシュ! 回避する素振りすら見せず、全力を込めて己の拳を叩きつける!

「オまっ…正気KA!?」

完全に避けるものと決めてかかっていただけに、ユキーデも咄嗟に腹筋を固めることができなかった。その拳は先刻、鮮花が繰り返し殴りつけていた左脇腹へ直撃、内臓を駆け巡る圧迫感についにその巨体の腰が落ちる!

「所詮はネズミの悪アガキ! コレで終わりYO!!」

だが、恐るべきはユキーデのタフネスと根性。こみ上げてくる嘔吐感を気合で抑え込み、喰らいながらも即座に獄炎突きを撃ち返す!
全体重を乗せての一撃だったがゆえに、このタイミングではいかに桜の反射神経でもかわすことは不可能!

「ドラアアアアアァァァァーーーーーーーーッッ!!!!」

「ぐううッッ……!!」

「っとおーーー!! 勢いに押され大きく後方へ吹き飛んだ桜さんですが、ぎりぎりガードは間に合いましたか! 両腕でお腹への直撃は防いでます!!」

「なにィ!? だが前回は、ガードした腕をへし折られてそのまま嬲られモードだったはず!」
「うむ、ユキーデのガードクラッシュには定評がある。あの破壊力を正面から受け止めて、無事で済むはずが…」
「…いや、腕は痛めたみてーだが、あの様子じゃ骨は無事だろう。相変わらずの細腕なのに、一体何が変わったんだ?」

その理由は、鮮花というパートナーを得てからの練習方法の変化にあった。3期の頃は黙々と一人でトレーニングしていた桜だったが、より実戦的なスパーリングをこなすようになったことで、相手の力の殺し方、衝撃を逃がす方法などはすっかり身体が覚えていたのである。加えてこれは、『気』を使えないとはいえ、鮮花の流派の防御技術を積極的に教えてもらった成果でもあった。

とはいえ無論、ガードの上からでもユキーデの怪力は相当身体の芯に響く。ロープにもたれ、ふらつきながらもしかし、桜はしっかりと前を見据え今度はコーナーを踏み台にしての飛び回し蹴り!

「あなたを倒すことはできなくても…私の全力だけは、出し切らせてもらいます!」

「フッ、その意気や良シ! ならばワタシも、奥義を以って応えヨウゾ!!」

高所からハイジャンプしての大技は、二人の身長差をひっくり返しユキーデの首元へ足の甲が命中する! だが、これはさっきと違い予測されていたこともあって、耐えるのはそう難しいことではなかった。

「究極神拳! デスカカト!!」

「!!!」

そして着地しようと体勢を整えかけた桜の膝、鳩尾、脳天へ、ほぼ同時にストンピング、足刀、カカト落としが叩き込まれる! 3期でも一度だけ見せたユキーデのフィニッシュ技、光速の三連続コンボである!

「あ゛っ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーッッ………!?」

「ヌウッ、いいところデ!」

「…っ、ごめん桜! ジャンダム振り切るのに手間取った!」

しかし、紙一重で鮮花が乱入しトドメのカカトだけはオーラでブロック! 膝蓋腱と横隔膜を潰され、苦悶の表情でマットをのたうち回る桜だが、KOだけは免れすぐにタッチ。鮮花が再びユキーデと対峙する。

「春夏はホント、いいタイミングで相方のフォローが入りやがるな。相手にしてみれば仕留められそうで仕留め切れない、イメージより遥かに嫌なチームかもしれん」

「さあ、桜さんが健闘したおかげで、鮮花さんの『気』もだいぶ回復した模様! 試合開始時と同じ構図に戻りましたが、互いに疲労の色も濃い今、ここからどう動きますか!」

桜が相手の時は優位を保っていたユキーデだが、とかくこの鮮花に対して相性の悪さは如何ともしがたいのか。力任せに殴りつける攻撃はことごとく鉄壁のオーラに阻まれ、またしても超接近戦でボディを重ねられるという、序盤の攻防と変わらない光景が続く。

「…こりゃさすがに、負けパターン入ってきたかもな。パワーで押してる時のユキーデは磐石なんだが、相手の土俵にハマるとずるずるいっちまう悪い癖は、今回もそのままか。いくらタフネスが売りとはいえ、そろそろ限界は近いんじゃねーか?」

それは闘っているユキーデ、その後ろで爪を噛むジャンダムもよく分かっていた。桜はかろうじてまだ動けるとはいえ、ロープに捕まって立っているのがやっとという状態。なればこそ、この鮮花を落としてしまえば勝負は決したも同然なのだが、とにかく攻撃が通らないことにはどうしようもない。
ジリ貧と言っていい状況を打破すべく、先に動いたのはボンバーズ! 業を煮やした形相でリングに雪崩れ込んだジャンダムに、当然春夏の二人は例の技を警戒し、背中側へ注意を払うがそれは罠! 何とジャンダムは鮮花には目もくれずユキーデの両脚を掴むと、その場で扇風機のごとくぐるぐると回転、味方にジャイアントスイングを仕掛けるという謎の行動に出る!

「おっとぉーーー!? これは仲間割れかビッグボンバーズ!?」

「まあ確かにユキーデのウスノロっぷりには愛想を尽かしたくなるところだが! それと試合は別よ!」
「言ってくれル! ならば今度コソ、きっちり決めやがREプロテイン不足!」
「この距離なら外しはしねえ! 行くぞ、地獄の筋肉コンビネーションパートⅤ!!」
「ユキーデ!!」
「火玉弾!!!!」

「ちょっっ!? 何よそれぇ!!?」

ボンバーズの狙いは単純にしてシンプル。要は遠心力を利用し十分に加速をつけて放り投げることにより、ユキーデがSUPER頭突きめいた姿勢でかっ飛んでいくだけという技である。
しかし鮮花からしてみれば、193cm87kgの質量が唸りを上げて突っ込んでくるわけで、見た目にそぐわない危険性の高さは瞬時に理解できた。避けるのはもはや無理なタイミング、ならば最大出力のバリアーで防ぎ切るしかない!

IMG_0006s.jpg

「はああああああッッッ!!!」

「ウオオオOOOOO----ッッ!!!!」

鮮花の展開したオーラに頭からぶつかったユキーデは、そのままドリルのごとく回転を始める! ジャイアントスイングの勢いとユキーデ自身の石頭も相まって、度重なる攻撃をシャットアウトしてきた鮮花の障壁は、ついにピンク色の破片を撒き散らしながら粉々に砕け散った。
なおも水平方向に直進するユキーデの速度は衰えず、苦し紛れに直接両腕でガードを固める鮮花だがその程度では焼け石に水! 圧倒的な質量を持つ筋肉の前に、轟音を上げ鮮花はガードもろともマットに押し潰された。

「FuFu…決まったNA。これで後はもう一人ノ死にぞこないヲ……何ィ!?」

「間一髪! 桜さんがぎりぎりで鮮花さんを救出、下半身は下敷きになったものの、圧殺するまでには至らなかったーーー!!」

「桜! 大丈夫なの!?」

「大丈夫! それより、このチャンスを逃さないで!」

そう、通常身長差がありすぎて狙うのが難しいユキーデの頭部だが、うつ伏せに倒れている今ならどんな技だろうと決め放題。鮮花もその意図を察し、即座に両脚を引き抜いて頚動脈をロック、ヘッドシザーズのような体勢へと持ち込む!

「やらせはせん、やらせはせんぞ!」

当然ジャンダムがカットに入るべく突進してくるが、それは桜も見越していたこと。大きく両腕を広げ掴まえようとしたところで、前回ロベルティナを沈めた必殺のキャノンスパイクが、カウンターで顎を撃ち抜く!

「が、あっ……!」

桜が着地すると同時に…顔面は天を仰ぎ開いた腕はだらりと垂れ下がったまま、ジャンダムの膝も地面へと崩れ落ちた。上下に激しく脳を揺さぶられる衝撃、いかに筋肉があろうと耐えられるものではない。

「チイイッ! デカい口叩いといてこのザマKA! やむを得ん、ワタシ一人デモ…!」

「あれだけダメージを受けたのに、なんて力っ…! でも、ここで決めてみせる!」

一方でユキーデは太い首を絞められながらも、驚異的な底力で強引に立ち上がろうとしていた。鮮花も太ももをがっちりと閉じて抑え込もうとするが、『気』の使えない今、力比べではユキーデに分がある!

「ヌアアアアアアッッ!!!」

「きゃああッ!!」

「恐るべしユキーデ! あの体勢からでも、無理矢理鮮花さんの両脚を振りほどくとは!
さあ、こうなるとマットに転がった鮮花さんは格好の的! 狙いを定めた鉄拳が振り下ろされ…」

「ッ、まだまだあッッ!!」

しかし鮮花も、最後の力を振り絞って倒れた状態から前転、ユキーデの拳は虚しくマットを叩く! そして懐に入り込んだところで、突き上げるようなエルボーがへその辺りを深々と抉った!

……しばしリングに拳を突き刺したまま、彫像めいて静止していたユキーデだったが。

「このカラダ滅びてモ………  筋肉は… ふ…め…つ…
グ…ズ……  ギャアアアム!!!」

これまでの蓄積もあり、遂にその耐久力は限界を突破した。舌を突き出し白目を剥く誰得なアヘ顔を晒し、地響きを上げ胸板からリングに轟沈する。

「けっ…決着ーーーー!!! 春夏繚乱、死闘を制し二連勝で上位トーナメント進出です!!」

「そんな、そんなバカなー!! 誰だよ春夏を参加チーム中最弱とか抜かしてた奴は!」
「ぐおおおおお!! 筋肉リョナとか期待してねーよコノヤロウ!! 今日こそ桜たんが無様に負けると思って来たのに!」
「やはりビッグ・ボンバーズはビッグ・ボンバーズだったか…」
「鮮花も強いが桜も相当化けやがったな…こりゃマジで今大会の台風の目になるのか?」

アテが外れた幕切れに怒号と喧騒が渦巻く中。精根尽き果てた鮮花と桜は背中合わせでぺたんこ座りになり、荒い息を吐きつつも勝利の余韻を噛みしめていた。

「はあっ、はあっ…やったわね、桜。ナイスファイト」

「は、はひっ……ふうっ。わ、私だって、鮮花がいなかったら、とても…」

それ以上はもう二人とも、言葉を発することもできないほど疲れ切っていたが。満面の笑顔で鮮花は桜の左手を握り、腰を下ろしたまま高々と掲げ上げる。
その仕草に新しくファンになる者、更なる躍進を期待する者、はたまた上がったうえでの転落を期待する者など諸々の感情が入り乱れ、場内の歓声は一層大きくなるのだった。



39分33秒
Winner 春夏繚乱 2勝0敗 上位トーナメント進出
Loser ビッグ・ボンバーズ 1勝1敗
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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

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3期参加闘士一覧

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