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第7試合 みこみこウォリアーズ vs 退魔コンビ(2/2)

「仕方ない…ですね!」

何と月子は防ごうとも避けようともせず、その場から大きく一歩を踏み出す! 予想外の行動になぞも面食らった表情を見せるが、今さら振り下ろしたカカトを止めることはできない!

「…うぷっ」

「ふあっ!?」

一瞬のうちに両者は密着、なぞの股間に月子が顔を埋めるような格好になる。そして当然その至近距離では、カカトを肩口に命中させるなど到底不可能! 代わりに落ちてくるのが柔らかい太ももでは、ダメージどころかご褒美でしかない!

「ヒョーゥ、咄嗟の判断であんな真似ができるとは…末恐ろしいなマジで」

ヴォイドが感嘆の声を上げる中、乾坤一擲のツープラトンすら不発に終わった退魔は、驚いた表情を浮かべつつも器用に体勢を立て直して着地。なお月子は少し顔を赤らめているように見えなくもないが、なぞの方はまったく気にした様子もなかったりする。

「ふうっ…」

しかしともあれ、これで絶え間なく続いた二人の攻勢は途切れ、一旦間合いが開いた形となった。月子としても今のはかなりぎりぎりだったため、このタイミングで少し構えを下ろし、呼吸を整えるのは自然な流れ。決して気を抜いたりしたわけではない。
だが、妖魔との戦いで幾多の死線をくぐり抜けてきた火翠は、そのわずかな隙を見逃さなかった!

「なに勘違いしてんだ? まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!!」

着地直後のしゃがんだ姿勢から、両足を揃え身体を反転させてのドロップキック! 低い位置から空破弾めいた山なりの軌道を描くその蹴りは、反応の遅れた月子の顔面をついに捉える!

「ぶぎゅあっ!?」

「っとお!? もはや打つ手なしかと思われた退魔ですが! 意外な形でとうとう月子さんに一太刀浴びせましたーー!!」

「そういや神社同士の試合とかは経験してても、こーゆー雰囲気の中でやるのは初めてだったか。まあ、20分も経てばなー」

然り、今まではあまり試合でもプレッシャーを感じることのなかった月子だが、この地下の殺伐とした空気は本人が思っている以上に集中力を削り取っていた。二つ前の試合でセセリの死を見せられた上、自身のスタイルに対し降り注ぐ罵声。若干15歳の彼女にとって、いきなり慣れることのできる世界ではない。
そして火翠の足の裏は思い切り鼻っ柱に直撃。後ろにのけぞった月子の鼻孔から、ぼたぼたと鮮血が溢れ出す! ようやく開いた突破口、このまま一気に追撃をかけようとする火翠だったが!

「おk、上出来さね。いい勉強になったかな?」

襟首を掴んでコーナーまで引き戻した巴子がタッチ、上背のある身体を窮屈そうにかがめて、ロープを潜りリングへ足を踏み入れる。

「邪魔をするなっ!!」

ここまで一発入れるのに苦労した相手、回復されてはたまったものではない。火翠は勢いを殺さず低い姿勢のまま突っ込み、立ちはだかる巴子の脇をすり抜けようとする。しかし!

「おっと、今試合権持ってるのは私だよー。退魔忍さんが反則しちゃ駄目だって」

巨体に似合わぬ素早さで火翠の側面に張り付くと、右腕と左腕を絡め躊躇なく小手に振る巴子! 久しぶりの実戦ではあるが、一撃で腕をへし折る得意の投げ折りは、錆びつくどころか一層その鋭さを増していた。右肘に激痛の走った火翠は、瞬間的に危険を察し自分から前方に飛んで難を逃れる!

「…今の、堪えてたら間違いなく肘がいかれてたな。相変わらず油断も隙もありゃしねーわあの古武術」

ただそれでも靭帯を痛めたことには変わりなく、転がった火翠は顔をしかめて腕を押さえ、すぐには起き上がることができなかった。当然そこへストンピングで追い討ち、決定打を与えようとする巴子だったが、これは身体を捻ってどうにか回避。心配そうに駆け寄ろうとするなぞを制すると、改めて目の前の巨大な相手に向き直る。

「くっ…じゃあまずは、お前から倒すまで!」

とはいえ月子とはまったくスタイルの異なる相手だと分かった以上、火翠も迂闊に仕掛けるわけにはいかない。まずは巴子の周りを高速で旋回、スピードを使っての撹乱を試みるが、巴子も軸の中心でじっくりと動きを見極めにかかる。
互いに出方を窺うような格好になった中…先に動いたのは巴子。ほぼ牽制と言っていい軽いジャブのタイミングに合わせて、足の甲を踏みつける古武術独特のカウンター! 3期でも何度か見せたこの技は、スポーツ化した武道に慣れていると完全に意識の外側にあるため、避けるのは非常に難しい。
が、戻りの速い攻撃だった上に、火翠の反射神経は並ではなかった。しっかりと反応し短いジャンプでかわすと、そのまま空中で一回転、逆に巴子の胸元へ裏拳を叩きつける!

ガゴンッッ!!

「づああああぁぁぁッッッ!!!」

しかし次の瞬間、ホールに響いたのは骨の外れる嫌な音と、耳をつんざく火翠の絶叫! 足踏みまでが巴子のフェイント、誘いに乗ってしまった火翠は再び右腕をロックされると、今度は避ける間もなく垂直に抜き上げられていた。この強烈な負荷に細い肩が耐えられるはずもなく、今の音からも脱臼したのは確実だろう。

「残念。君達の手の内は、月子のおかげで十分観察させてもらったからねー。もう私の前じゃ、丸裸も同然だよ」

「あ……がっ……。く、くそっ……」

「火翠! 下がっててくださいです!!」

即座にリングへ飛び込んだなぞは巴子に向かって一直線に突進、加速をつけての飛び膝蹴りで火翠から引き剥がそうとする! だが、そう来るであろうことも巴子にとっては織り込み済み。冷静に長い腕を鞭のようにしならせての貫手で迎撃、それは寸分違わずなぞの股間、最も神経の集中している箇所へと突き刺さった!

「ぴぎいいいいぃぃっっ!!?」

よもやそんなところを攻撃されるとは予想すらしておらず、自身の勢いも加わって文字通り急所を潰されんばかりの感覚を味わったなぞは、受身を取ることも忘れ大きく両脚を広げてお尻から落下。涙目になりながら局部を押さえ、お漏らしを我慢するかのように内股で立ち上がろうとするが、ぷるぷると震える脚は生まれたての小鹿のように心もとない。

「ひ、卑怯、ですっ…! こんなっ…」

「素手なら何でもアリがここのルール、警戒してないそっちが甘いとしか」

悪びれもせずしれっと言ってのけた巴子は、続けざまに他の急所…喉仏、みぞおち、肝臓へ、容赦なく指先を撃ち込む! 

「ぴあっ!! あ゛ッ! いぐぅッッ!!」

彼女の貫手はプロレスなどでよく使われる、地獄突きのような四本貫手ではなく、人差し指と中指のみを使用する二本貫手。相当に指先の鍛錬を必要とする代わりに、ピンポイントで臓器の奥深くまで抉ることができる。さらに今のなぞは、股間の痛みに耐えているのが精一杯の、棒立ちに等しい状態。その小さな身体の生理機能は的確すぎるほどに破壊され、両手で塞いでいた尿道からは、本人の意思とは関係なく生温かい液体が溢れ出した。

「あ……ひああああぁ………ぁ……」

一拍後にあえなく両膝はガクンと折れ、なぞはマットに突っ伏すように崩れ落ちる。大観衆の嘲笑が耳に届く前に力尽きたのが、唯一の幸運と言えたかもしれない。

「なぞっ! くそおっ…よくもッッ!!」

言葉遣いはともかく、ここまでは割と落ち着いて戦況を判断していた火翠だったが。パートナーの無残な姿を目の当たりにしてタガが外れたか、激昂した表情で巴子に殴りかかる!
しかし30cm近くも身長差のある相手、いくら手を伸ばそうと顔面に拳を届かせるのは容易ではない。まして右肩を外され、左腕一本で闘うしかないこの状況では、月子より防御の苦手な巴子だろうと捌くのは赤子の手を捻るがごとし。

「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

「ぬあっ!?」

だが、持ち前の強靭な脚力は今だ健在! そしてその場からほぼノーモーションで真上に飛び上がると、ちょうどフックの軸線上に巴子のテンプルが位置するのは、これまでの攻防で理解していた。
巴子の意識がボディにしか向いていない今なら、一か八かだろうと賭ける価値は十分にある!

…惜しむらくは、右腕がだらりと垂れ下がり荷物になっていたがゆえに、身体のバランスがわずかに狂っていたことだった。激情にかられた火翠にそこまで計算することはできず、弧を描いて叩きつけた渾身の一撃は本来の着弾地点より少し下、頬へと命中。もちろん頭部へ当てられたことで巴子も口から血を流し、ノーダメージとはいかなかったが…急所を外した一撃程度で倒れるような、ヤワな闘士ではない。

「なかなかやるね…ちょっと、ヒヤッとしたよ」

逆にこうなってしまっては大きくジャンプしたことが仇となり、方向転換のきかない火翠は巴子の反撃に対し手の打ちようがなかった。殴りつけてきた左の手首を両手でがっちり掴むと、181cmの高高度から豪快な一本背負い! なす術なく火翠の身体は、背中からマットへ叩きつけられる!

「かっ……は、はっ…………まだっ……!」

「ふむ。こういう相手は、動けなくなるまでやるしかない、か」

なおも闘志を振り絞り巴子に向かっていこうとする火翠だったが、もはや全身はガクガクと震え、立っていることすらおぼつかない状態。それでも巴子は油断なく歩を進め…自身の間合いに捉えるや、一気に腕を伸ばし火翠の足首を鷲掴みにする!

「なっ…!?」

そのまま目の高さまで軽々と持ち上げると、タオルか何かを振り回すかのようなモーションで、勢いよく火翠の全身をマットに打ち付ける巴子! ビターンという小気味よい打擲音に場内が大きく湧き上がるが、喰らっている火翠にとってはたまったものではない!

「あぎゃあああああああッッッ!!!」

「もう一発!」

さらにこれまで強気の姿勢を崩さなかった火翠の情けない悲鳴も加わり、巴子の人間ブラックジャックショーに、観客のボルテージは一層上昇していった。大歓声の中これを何度も繰り返され、コスもボロボロになり、息も絶え絶えとなった火翠の姿を見て取った巴子は…。

「とどめっ!」

「ぐああああああぁぁぁッッ!!!」
「ぶぎゅうッ!?」

うつ伏せに倒れたままのなぞの背中へ、背中同士を鉢合わせるような形で、容赦なく道具と化した火翠を激突させる!
意識のなかったなぞも反射的に声を上げたものの、それは衝撃に対し身体が反応しただけにすぎない。

「……な……ぞ…。ごめ………」

足首が鬱血するほど強く握られていた火翠は、これでようやく解放され…おとがいを天井に向けたまま失神。
数秒間残心を保っていた巴子だが、重ね持ちになった退魔が二人とも動かないのを確認すると、ゆっくりと緊張を解いて月子へ向き直った。

「えげつなく見えるかな? でもま、手を抜いたらああなるのはこっちだったかもだしね」

「…心に刻んでおきます。しかし確かにこの舞台、レベルアップするにはまたとない機会ですね」

「はは、いい根性だ。月子のおかげで今回は楽させてもらったからねー、次も頼んだよー」

「…あの、鼻血出てるんですから背中叩かないでください。と言うかティッシュを早く」



かくして地下ルールでの古武術の有用性はタッグでも変わらないことをまざまざと見せつけ、見事にロリ退魔忍をリョナったみこみこは惜しみない賞賛に包まれて退出する。超ディフェンス特化の月子に向けられていたブーイングもどこへやら。観客の手の平返しはどんな競技においても同じものらしい。
一方、今だリング中央で重なり合い、無様な格好で敗北した姿を晒す退魔に浴びせられる罵声、野次、冷やかしもまたいつものこと。こうして二人を精神的に追い詰め、嬲り殺しにするのが妖魔の目的か。この一戦は退魔にとって、未来への帰還を果たすための道が、想像以上に困難であることを知らしめる結果となったのであった。

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40分21秒
Winner みこみこウォリアーズ 1勝0敗
Loser 退魔コンビ 0勝1敗
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トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

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