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第2試合 春夏繚乱 vs 甲斐姉妹(2/2)

「っとぉー、春夏は最初からそういう作戦でしたか! 『気』が尽きたところで、迷わず交代するとは!」

「ハハハッ、シングルマッチならあのまま逆転されていたかもしれないが。これで桜が闘っている間、多少なりとも『気』を回復することもできる…タッグの特性をよく分かってるじゃないか」

「しかしそうなると、桜さんがどれだけ粘れるかが中盤の鍵になりそうですが」

肩透かしを喰ったような格好になった京だが、相手が代わろうとやることは同じ。とにかく春夏のどちらかにでもダメージを与え、この悪い流れを断ち切らないことには始まらない。

「よーし桜ごときさっさと瞬殺しちまえ! いくら鮮花が厄介でも、2対1なら何とかなる!」
「おうよここで休ませるな! 所詮スピードが取り得なだけのニンジャ、今がチャンスだぜ甲斐姉妹!!」

さすがに負けっぷりには定評のある桜が出てきただけあって、一気に場内からは逆転への期待が高まる。…しかしその歓声は、数分後には困惑のざわめきに変わりつつあった。

「…はあっ、はあっ。ダッテメッコラー!」

「こんな小さな子に拳を向けるのは心が痛みますが…迷ったらやられる、それがこの世界」

『気』は別として攻防自体は比較的正面からやり合っていた鮮花に対し、桜は持ち味であるスピードを生かした、ヒット&アウェイを主体とするスタイル。それ自体は3期の時から変わっていないのだが、観客が目を見張ったのは、明らかに動きのキレ、速度が段違いにレベルアップしていたことだった。さらに散々言われていた、非力という弱点も克服したのか。縦横無尽にリングを駆け回り、視界から消えた瞬間に鋭い飛び蹴りが突き刺さる。圧倒的なスピード差についていけず完全に翻弄されっぱなしの京は、反撃の糸口すら掴めず一方的に嬲られるだけだった。

「ぐうっ、話と違う! 何だよコイツ!」

「代われ京! お前じゃ不利だ!」

少し休んだことで冷静さを取り戻したロベルティナがリングに復帰、桜もより一層警戒した表情を強める。

「確かにスピードは大したもんだが…相方と違って理不尽な力はないみたいだな。ならば捕まえてしまえば、それで終わりよ!」

そこから先は文字通りの追いかけっこ。ロベルティナも桜の実力は認めたのか、ベアハッグに拘らずなりふり構わずその長い腕を伸ばして捕まえにいく。何発か中に入られ被弾するも、意に介さず突き進む姿はまさに重戦車。こうなると桜も迂闊に近づくことができず、手数も減って次第に行動は回避一辺倒になりつつあった。

「よっしゃー負けパターン入った! これで最後にはパワーの前に屈するのがいつもの桜!」
「相変わらず逃げるしか能がねーのか! 少しは強くなったと思ったが、負け犬根性は治らなかったみたいだな!」

観客の言葉通り、その選択はますますロベルティナを勢いづかせるのみ。そして捕まれば終わりというプレッシャーは、桜の集中力を確実に磨耗させていく。この状況はもうロベルティナにとって、詰め将棋に近いと言っていい。
そこから逃走ルートの判断ミスを誘い、コーナーに追い込むまでさほど時間はかからなかった。苦し紛れに横から抜け出そうとする桜だが、ロベルティナはそれを読んでいたのかがっちりキャッチ! そして遂に、必殺のベアハッグが

「っ、空蝉っ!!」

不発! ロベルティナが抱き締めたのは、空になった桜の上着のみ! 本人は純白のスポーツブラとショーツ1枚という格好で、死の抱擁から紙一重で脱出を果たしていた。

「おお、これぞニンジャの奥義! 持ち前の身体の柔らかさと、相手が力を込めた瞬間に呼吸を合わせることによって、服と身体の間に出来たわずかな隙間からすり抜けてみせたということか! タツジン!」

「…詳しいですねヴォイドさん」

「俺はタートルズを全話録画したくらいのニンジャフリークだぜ?」

その代償として大勢の人間の前に下着姿を晒すことになったわけだが、羞恥心で頬を染めながらも桜はすぐ次の行動に移る。この相手に対して、全力で攻撃を仕掛けられるチャンスは今しかない!

「眠って!」

一瞬深くしゃがみ込んだかと思うと、全身のバネを使って垂直に跳躍。同時に大きく振り上げた右脚のカカトが、ロベルティナの顎を真下から撃ち抜く! どう見てもキャノンスパイクだが、もちろん桜がそんな技を知っているはずがない。これは彼女が自身の非力さを補うため、特訓して独力で編み出したものである。

「がっ…!!」

いかに打たれ強いロベルティナとて、頭部へダイレクトに衝撃を受けたのでは話は別。のけぞってたたらを踏んだところへ、空中で器用に体勢を立て直した桜の回し蹴りが、今度は横から同じ箇所を薙ぎ払う!
これだけ激しく上下左右に脳をシェイクされては、もはやタフネスなど関係なかった。ロベルティナの意識は肉体から切り離され、あえなく両膝をついてマットに轟沈する。

「バカなー!?」

「ナイス桜! ほら、さっさと着ちゃいなさい!」

空蝉の時点でこうなることを確信していた鮮花は、すぐに上着をもぎ取って桜へパス。信じられないといった表情を浮かべている京へと向き直る。

「さあ、どうするの? まだ続ける気?」

普段は憎まれ口こそ叩いてはいるが、京も何だかんだで姉の強さだけは認めており、それゆえに信頼を置いてこの試合に臨んでいた。どうしていいか分からず鮮花の問いかけにしばし逡巡するが、そこは甲斐の血筋。ギブアップなどプライドが許すはずがない。

「ダメ姉貴が…お前らなど一人で十分よ! シャッコラー!!」

と、強がってみせたはいいものの。動揺を隠せないその動きはすでに狂犬ではなく仔犬に等しい。そのうえ春夏は二人ともここまでほとんど無傷、鮮花の『気』まで回復している状況。勝機などあるはずもなかった。
最後は息の合ったコンビネーションの前に、何も出来ずに封殺され試合は決着。完全に予想と期待を裏切ったこの展開に、観客からは大ブーイングが湧き起こる。

「何やってんだ甲斐姉妹ー! お前らのリョナられる姿なんて見たくねーんだよ妹の方はともかく!」
「アババババーッ! 賭け金が! 私の賭け金が!!」
「ちくしょー露出趣味にでも目覚めやがったか桜! 見せるなら見せるでもう少し色気のあるぱんつ穿きやがれ!」
「分かってませんなあ白こそ至高! ジャスティス! 見てください録画したこのシーン、脚を上げた瞬間にうっすらと割れ目が」
「だがやっぱり物足りないんだよボコられてくれないと。あれだけ動いたのに鮮花の下着は見えなかったし、次はぜひ二人で脱いでくれよなー!」

「やれやれ…ひとつ勝ったくらいじゃ、手の平は返してもらえないか」

「ありがとう鮮花…私一人だったら、とても…」

「何言ってんの、あのロベルティナを倒したのは桜なんだから! …でもま、確かにちょっと子供っぽすぎだよね桜のぱんつ」

「え? あ、あのそんなこと言われても」

「花も恥じらう17歳なんだし、もう少し可愛いの穿いてもいいんじゃない? 今度一緒に見に行こーか?」

さながら今回は友情パワーの勝利といったところか。二人でキャッキャしながら花道を後にする光景は、とてもついさっきまで死闘を繰り広げていたとは思えない、よくある女子高生同士の一幕にしか見えなかった。



…その様子を観客席の一角から眺める、謎の男が二人。一人は顔の上半分を銀色の仮面で隠しており、表情は口元からしか読み取ることができない。

「…どうだね、ライトニング男爵。妹君は使えそうかね」

「…あの程度の気功ではまだまだ。今回は相手に慢心がありましたが、そう幸運は続きますまい」

そう言うとライトニング男爵と呼ばれた仮面の男は、ハズレ賭け券を手にむせび泣く隣のモヒカンに手を伸ばす。同時に腕を纏う、鮮花にそっくりなピンク色のオーラ!

「アバババババババ!!!」

そしておもむろに頭を掴むや、突如モヒカンは電気に撃たれたかのごとく痙攣する! 哀れなモヒカンは数秒も経たぬうちに、物言わぬ真っ黒な消し炭に!

「せめてこのくらいは、できるようになってもらわねば。我々の、目的のためにも」



35分59秒
Winner 春夏繚乱 1勝0敗
Loser 甲斐姉妹 0勝1敗
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第2試合 春夏繚乱 vs 甲斐姉妹(1/2)PageTop2章 ―天使と人と地球(エデン)と―

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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

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