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開会式

ざわ… ざわ…

様々なドラマを生み出した3期が幕を下ろし、半年が経った。
2期と3期の間には1年のインターバルがあっただけに、これほど早く新たな大会が開催されるのは常連客にとって嬉しい誤算。しかも、地下では初の試みとなるタッグ戦ということもあり、お馴染みCAのホールはすでに立ち見の人間で溢れかえっていた。

と、不意に照明が落とされ、立ち込めるスモークの中ひとりの人影がリングへと向かってくる。
BGM:「ツァラトゥストラはかく語りき」。 デーデーン♪

「まさか、この演出は…」
「まだ開会式だぞ? 登場するには早すぎるだろオイイ?」

どよめく観客を尻目にリング前で立ち止まり、スポットライトに照らされたその姿は予想通り3期クイーン、ローズ。
しかしその格好は以前に試合したときのリングコスではなく、ブレザーにニーソというごく普通の女子高生っぽい出で立ちである。斜めに被っている般若の面を除けば。

「あー、あー。マイクテスマイクテス。
どもー、皆さんお久しぶりですー。元クイーンのローズでーす。今回はいろいろありまして、試合の実況を担当させてもらうことになりました!」

すぱーん!

突如花道から飛び出したもうひとつの影が、加速をつけてハリセンで突っ込む!

「アホかお前は! 実況が入場セレモニーやるなんて聞いたことねえぞ!!」

「ふええ…だってコレ、3期で一度しかできなかったんだもん」

曲がりなりにも元クイーンに容赦なくツッコミを入れるその男…ではなく女の特徴的な容姿は、1期から観戦している古参の観客ならば忘れようがなかった。

「あ、こちら解説のヴォイドさんです。よろしくお願いしますねー」

「ドーモ、ローズ=サン、CAの皆さん。ヴォイドです」

病的に痩せた長身の肢体に深緑色のニンジャ装束を纏った女性とは思えぬその人物は、礼儀正しくアイサツする。
この人に関しては、1期のログをご参照ください。

いずれにせよ、始まる前から漫才めいたやり取りが繰り広げられるリング前。しかもその二人は元クイーンと1期屈指の強豪とあって、観客の間で交わされるざわめきは一層大きくなっていく。



「変わらないわねえあの子は…もう全然問題ないと思うんだけど、まだ監視するつもり?」

「DG細胞が彼女に適合した原因が判明するまでは。それが私の任務ですから」

ラウンジの一角。モニターで映し出されるその光景を、二人の女性が苦笑しながら眺めている。
かつて3期を闘い抜いた闘士…美樹村麗音と山田シオンである。3期が終わってしばらく後、行方をくらませていたローズは突如暴走、CA内を阿鼻叫喚の地獄絵図へと陥れた。その際、DG細胞に関して専門的な知識を持っていたこの二人は、共闘して何とか事態を収束させたのである。
麗音の言葉を証明するように、ローズの肌には以前見られた金属質の鱗がまったく浮かんでいない。

「でも、おかげでクイーン不在になったというのは本当みたいね。急遽この大会を開いたのも、新しい候補を探すのが目的と噂されてるわ」

「…だとしたら、なぜタッグ形式に? 不合理ではないですか」

「うーん、1試合でより多くの闘士を査定できるからから、かしら? まあ、あの運営だし単なるノリという可能性も否定できないけど」



「ちなみに私のことは本筋と関係ないんで、深く考えないでくださいー。じゃあ、そろそろ選手入場ですよ!」

やや出鼻をくじかれた感のある観客達も、その言葉に気を取り直し、改めてゲートの開かれた花道奥に注目する。同時に流れ出す、重低音のBGM!!

『ズガガガンガガンガン!(Do the MUSCLE!) ズババンババンバン!(HUSTLE MUSCLE!) Go! Go! Fight!!』

「エントリーナンバー1番、蒼黒の第五元素! 続いてエントリーナンバー2番…」

プリズムが暗闇を交差し切り裂く中、次々と入場してくる出場チーム。3期を闘った闘士が新たなパートナーと結成したチームも多いが、二人とも今回から参戦というケースも少なくはない。割合としては半々くらいだろうか。

「エントリーナンバー6番、カワイイ幸子と愉快な仲間!!」

ドオオオオォォォーーーーーーーッッ!!!

3期最終トーナメントの覇者が姿を現すと、一際歓声が膨れ上がる。なお当然幸子は自分の足で歩いてくるなんてことはせず、豪華な装飾の施された神輿の上から悠然と手を振っていた。それを下で支えているのはパートナーの睦月ココロ他、巻き込まれたスタッフの皆さん。ご苦労様です。

かくして幕内力士の土俵入りのように、14チーム、計28名の闘士がぐるりとリングを取り囲む。
あげはや真理亜、ユキーデなど3期で因縁のある闘士は早くも視線で火花を散らし、不穏な空気が漂うものの、さすがにここで乱闘を始めるような人間はいない。

「ん、14チーム? 参加チームは16と告知されてなかったか?」

「はい、残り2チームはおたふく風邪にかかって、この開会式には参加できないと連絡が来ています。
なので、1回戦の抽選はここにいるチームのみで7カード、最後に欠席したチーム同士で対戦が組まれるということです」

「正体不明の2チームか…一体何ミッショネルズなんだ…」

やや意外な事態に観客も闘士もざわめき出し、謎の2チームについての憶測が飛び交い始める。
そんな雰囲気を気にも留めず、ローズが言葉を続けたことで喧騒はすぐに収まったのだが。

「さて、改めてルールについて説明しますねー。
今回は2対2とはいっても、4人同時に闘うわけじゃありません。あくまで基本は、プロレスでのタッグマッチルールに則って行います。
つまり、試合権を持つのは各チーム一人ずつ。その二人だけが、リング上で闘うのを認められます。
待機状態のパートナーができる行動は、タッチしての試合権の交代。技をかけられた、もしくはかけられそうな味方を救出するためのカット。及び相手パートナーのカットに対する妨害。そして二人同時に放つツープラトン攻撃…以上の四つに限られます」

この説明に、初参戦となる女子プロ出身の雫がほっとした表情を見せる。

(ルール無用のアナーキーな世界だと思ってたけど…私もタッグの時によくやってた形式じゃない。これなら…)

その表情を見透かしたかのように、補足するヴォイド。

「ただし、素手でさえあれば急所攻撃や目潰しオールオッケー。これは今までどおりだ。
あと通常のタッグ戦なら片方がKOされた時点で試合終了だが、ここでそんなのはお預けすぎるよな? 2対1になろうが、二人ともKOされるまで決着にはならねーから。
もちろんギブアップするのは勝手だが、相手が受け入れなきゃ無駄だってのも覚えとけ」

雫のみならず、エックスや春日といった新顔も一様に顔を強張らせ、ごくりと息を飲む。
その台詞は日の当たる世界での格闘大会とはまったく異なることを知らしめるのに、十分な効果があった。

「ここまでで、何か質問はありますかー?」

「ああ、ひとついいかい?」

手を上げたのは雫のパートナー、ミリアムである。

「その手のタッグルールは実際のプロレスだと、半ば破ることが黙認されている部分もあったりするけど。どのくらい厳密に適用されるのかな?」

「そうですね、それもプロレスと大体同じ…その場のノリや試合の流れ次第で、ある程度逸脱しても大丈夫です。
ただし、あまりに度が過ぎると判断された場合は、私やヴォイドさんが仲裁に入っちゃいますのでそのつもりで」

「マ ジ か」

ヴォイドはともかく今のローズにDG細胞の力はないので、これはただのブラフなのだが。
しかし3期で彼女の試合を見た人間にとって、これ以上の抑止力はないと言っていいだろう。

「では次に、トーナメントの形式について説明しますー。
勝ったチームの通常トーナメントと、負けたチームの逆トーナメントが並行して行われるのは3期と同じですが、今回はその前に予選を行って、どっちのトーナメントに組み込まれるかが決定します。
予選は3回戦まで。先に2勝したチームがカチグミ、2敗したチームがマケグミトーナメントへ行くことになりますので、まずは皆さん、予選突破を目指して頑張ってください!」

「…なるほど。3期は初戦の比重が大きすぎたからね。
予選ではひとつ落としても、3戦中2勝すれば上にいけるってことでおk?」

「正解(エサクタ)!」

3期の最終トーナメントにも参加した巴子が、口元に指を当て納得したように頷く。

「逆に言えば、最初の試合に勝ってもまだ処分の可能性はあるんですね…」

怯えたような表情で周りのチームを見渡すのは生天目桜。3期では辛うじて処分を免れたと言っていい成績だっただけに、かつて惨敗を喫した相手も多いこのメンツに不安は拭えないようだ。

「大丈夫大丈夫! 今回は桜一人で闘うわけじゃないんだしさ。もーちょっと気楽に構えなよ!」

笑いながら桜のパートナー、彩海鮮花が肩を叩く。そんな感じで立ち並んだ参加者が全員、ルールについて理解したところで。

「さあ、それじゃーこれから、予選1回戦の抽選を始めますよ! 呼ばれたチームは前に出て、箱の中からボールを引いてください! まずは、蒼黒の第五元素………」



 ……………。



「…意外とばらけた中、いきなり優勝候補のChildishと幸子がぶつかるとはな。1回戦はおろか、予選全体を占う上でもヤマと言っていいカードが来やがったか」
「あの幸子なら1対2でもそうそう遅れは取らないと思うけどね。3期でのチートっぷりはまだ記憶に新しいだろ?」
「だがほとんどノーマークだった前回と違って、今回はどのチームも研究してきてるのは間違いあるまい。…まあ、そんな努力を才能差で一蹴してしまいそうなのも否定できないんだがアレはw」
「あと注目どころは、2期以来の正式エントリーとなる甲斐ロベルティナか。桜も運がないなあグヘヘヘヘ」
「だねえ、今回もあの無様な負けっぷりが見られると思うと堪らないよフォッフォッフォッ」

組み合わせが決まり、試合日程の記された電光掲示板を見ながら、早速観客は思い思いにそれぞれの予想を口にし始める。
今日の催しは開会式のみ。1回戦第1試合が行われるのは、これから3日後…すでにホールを後にした各チームは、対策会議を開いたり、最後のトレーニングに明け暮れたり、飲みに行ったりして短い残り期間を過ごしつつあった。

このタッグ編、今度はどんなドラマが待ち受け、そしていかなる結末を迎えるのか。
それはダイスという名の神のみぞ知る!
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第1試合 蒼黒の第五元素 vs ダブルエックス(2/2)PageTop1章 ―天使の覚醒―

Comment

1期のログてどこで見るんですか

Re: タイトルなし

1期と2期は主催が異なるため、ログは現在ネットには上がっていないのです。
申し訳ありませんがどうかご了承ください。

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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

タッグ01 タッグ02 タッグ03 タッグ03-c タッグ04 タッグ04b タッグ06 タッグ07 タッグ08 タッグ09 タッグ10 タッグ10b タッグ10c タッグ13 タッグ14

3期参加闘士一覧

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