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第3試合 春夏繚乱 vs ギガントヴィエーディマ(1/2)

桜さんsno-image.jpg   ピアーチsチェーニs

春夏繚乱  オーナー:かんいち氏
生天目 桜
身長154cm 体重42kg 3サイズ B81 W53 H84 年齢:17歳
試合コス:ミニスカ和服
彩海 鮮花
身長152cm 体重44kg 3サイズ B84 W56 H86 年齢:16歳
試合コス:チャイナ服

ギガントヴィエーディマ  オーナー:雪猫氏
ピアーチ=スィニエーク
身長222cm 体重 秘密 3サイズ B111(Gカップ) W68 H100 年齢:3歳
試合コス:桃銀色のラバースパッツスク水、その上から桃色のラバーミニスカのワンピース(胸の下半分までの長さ)
“ブラックマジカルプリンセス”チェーニ=タルナーダ
身長137cm 体重25kg 3サイズ B52(AAAカップ) W48 H57 年齢:10歳
試合コス:黒と紫系の背中を開けた魔法少女風衣装



甲斐姉妹が幸子を撃破し、一躍優勝候補に躍り出た第1試合…もちろんその結果自体に、不満を抱く観客はいなかったが。
それは取りも直さず、甲斐姉妹に唯一の土を付けた春夏の実力を証明するものに他ならない。ゆえに、ギガントなら大丈夫だろうとタカをくくって大枚つぎ込んだ人達の中には、今になって内心びくびくしているのも何気に少なくはなかったりする。

「昨日までは8:2か7:3でギガント有利って予想が大半を占めてたけど。ここに来て皆6:4に流れるとか、日和すぎだろレビュー勢よぉー」
「ままままあでも、予選2試合で圧倒的な強さを見せつけたギガントだ! 蓋を開ければ春夏ごとき、簡単に捻り潰すに違いないようん!」
「月子を一撃で沈めたピアーチの破壊力は、今大会No.1と言っていいからな。その上そっちばかりを意識しすぎると、チェーニのトリッキーな動きに翻弄される二段構えだ。
春夏も予選突破がフロックじゃないのは間違いないが、さすがに今回は相手が悪すぎだろう」
「ですわね…ほほ、桁違いのパワーに蹂躙されるか、舐め回されあられもない姿を晒してくれるのか。ギガントは一粒で二度おいしいのがいいところですわ」

またギャンブルを抜きにしても、ミニスカ和服の忍者とチャイナコスのJKがリョナられる姿を見たいというのは、人として自然な欲求だろう。
予選ではお預けを食ったこともあり、場内から春夏を応援する声はまったく聞こえてこない有様だった。

「やれやれ…同じ2連勝同士なのに、ひどいものね。ま、あちらさんに比べて戦い方が地味なのは否定しないけど」

「それだけ私達の方が可愛いってことよ、鮮花。そんな子がやられるのを楽しむのが、この悪趣味な世界なんだから」

「お、言うようになったじゃん、桜。ユキーデを倒して、一皮剥けたかな?」

「倒したのは鮮花でしょ……でもおかげで、敵討ちに囚われてた視野の狭さに気付けたっていうか。…さ、始まるわよ!」

照れ隠しするように鮮花の背中を叩き、リングへと送り出す桜。気負いも気後れもしてないパートナーに安堵した表情を浮かべ、鮮花は身長差70cmのピアーチと視線を合わせる!

「にへへへー。しばらく試合がなかったから、暇でしょーがなくてさー。
久しぶりのオモチャ、たっのしみーーー!!」

相変わらずピアーチの方は遊ぶ気満々というか、目の前の鮮花をどうやって壊すか考えを巡らせ、うずうずしている様子である。
そして待ち切れないと言わんばかりにマットを蹴ったところで、高々と響き渡るゴングの音!

「ヒャッハァーーー!! もう我慢できないーーーっっ!!」

同時に突進しながら右手を振りかぶり、ゴッドプレスばりに鮮花を運送しようとするピアーチ!
しかし視界一杯に広がる相手の巨体を前にしても、鮮花は極めて冷静だった。大きく息を吐くと練り上げた気を身体の外へ放出、お馴染みのバリアーを展開して掴みかかってきたピアーチの右手を弾く!

「うわっっ!?」

さらに腰を沈めて足払いも合わせるや、後先考えずに突っ込んできたピアーチは完全にその力を逸らされる格好になり、大きくバランスを崩す! けんけんをするように転倒をこらえるも、勢いを止めることはできずそのままロープを踏み越えガラスへ激突! 
ぶっちゃけもう少し相手を見ていればというか、気がはやりすぎたがゆえの盛大な自爆である。

「いった――――――!!! 何するのさ、も―――!!!」

しかしかなり派手な音がしたにも関わらず、その一言で済ますあたりはさすがクローンというべきか。
自業自得なのを棚に上げて、額を押さえながら激高しすぐにリングへ舞い戻る! そして今度こそ人形めいたサイズ差の相手を捕らえようと、両手で挟み込むようにネックハンギングを試みるが!

パアンッ!

「!!?」

一瞬早く懐へ潜り込んだ鮮花の前に、力士並の掌はあえなく空気を打ち鳴らすのみとなる。逆に下腹部へカウンター気味に入るのは、鮮花得意のゼロ距離エルボー!

「ぐうっ!? あーもー! 生意気すぎ―――!!!」

思い通りにならない展開に子供めいて癇癪を起こしたピアーチは、ムキになって何が何でも鮮花を片手で捕まえようとする!
要は自分と同じように、ガラスに叩き付けなきゃ気が済まないという我儘だったが…そんなワンパターンな攻撃を見切ることなど、鮮花にとっては容易かった。雲を掴むように自慢の腕力を空回りさせられ、完全に周りが見えなくなってしまったピアーチはここで、ロープに足を引っかけすっ転ぶ再度の自爆!

これには鮮花も驚いた表情を見せたのはもちろんだが。
モニターで観戦していたクローン研究者達も、一様に頭を抱えたのは言うまでもない。

「オイオイオイ!? 何やってんだピアーチ! 一人相撲もいいところじゃねーか!」
「今まではあの精神的な幼さがいい方に作用してたんだが…裏返せばそのまま弱点でもあったか。ちょいと盲点だったわ」
「つーかさっさと代われよもう! ダメすぎるにも程があるだろー!!」

一斉に湧き上がったブーイングを聞くまでもなく、チェーニはおちょくるような笑顔を向けながらピアーチの元に飛来。立ち上がろうとするピアーチの背中を引っぱたいて、試合権を奪う!

「うが――――!! 勝手にタッチすんなこら―――!!」

「こんな失態やらかして、舞台から降ろされないとでもー? もう2人ともボクの獲物にしちゃっていーよね、答えは聞いてない!
ピアにゃんは指をくわえて見てるといーよざまー!」

一気に早口でまくし立て、スリットから覗く鮮花の太ももを狙いダイブするチェーニ! しかし鮮花も、このチャンスに焦って深追いせず、しっかりと迎撃態勢を整えていた。
いきなりのエロ攻撃にも動じることなく、低空から飛び込んでくるチェーニの顔面に膝を合わせカウンター。その後もチェーニは飛行しながら腋や胸へとその長い舌を這わせようとしてくるが、鮮花はバリアと体術を駆使してまともに身体を触らせない!

「こ、こんな展開になるとは、いったい誰が予想したでしょうか!? 派手な一撃こそありませんが、淡々と自分のペースでダメージを積み重ねる鮮花さん!
逆にギガントはチェーニさんの方にも、ピアーチさんの不調が移ってしまいましたか? らしくない凡ミスを繰り返し、ここまでまったくいいところがありません!」

「まあラッキーなのは確かだったが、鮮花も大会当初より確実に力をつけてきてるな。それに後ろを信頼してるからこそ、目の前の相手に集中できるってのが大きいのかもしれん」

「なるほどー。そういえば『気』を出せる持続時間も、予選の時よりだいぶ伸びてますね。
アレは結構身体に浸透するらしいので、タフネスに優れたクローンといえど、このままでは……っとお!?」

「むき――――!! いらいらする―――!! チェーニだってダメダメじゃんこの―――!!!」

大人しくしてるかと思ったピアーチだが、交代しても鮮花のやられるところが見られないとあっては、やっぱりじっとしているのは無理な話だったか。
もとよりパートナー同士の連携など微塵も考えず、各々が自分勝手に動くのがギガントというチーム。鮮花へ組み付こうとしたチェーニが巻き添えになるのも構わず、リングへなだれ込んだピアーチは一直線にチャリオットタックルを敢行する!

「嘘っ!? このタイミングで!?」

しかしこれが功を奏したというか、鮮花も相手がパートナーもろとも吹き飛ばしに来るとは予想外だった。
咄嗟にピアーチの方へバリアを向ける反応速度はさすがだったが、チェーニはそれを見逃さず一瞬で背後に回り、背中を下から上へじゅるりと舐め上げる!

「ひゃあんッッ!!?」

しまったと思ったときにはもう手遅れ。背筋に走った甘い電流とともに、鮮花がこれまで維持してきたピンク色のオーラもあっさりと霧散してしまっていた。
そして丸腰の鮮花の眼前に迫る、巨岩の如きピアーチの肩! 生意気な対戦相手とパートナーを同時に始末できると、思わずほくそ笑んだピアーチだったが…!

ゴガアアッッ!!

「? あれっ?」

会心の当たりと呼ぶには違和感のある感触。顔を上げその原因を理解したピアーチは、さらにストレスを募らせ地団太を踏む!

「ご、ごめん! まさかあの状況で仕掛けてくるなんて…」

「いやいやサンキュー! アレまともに喰らったら終わってたよ!」

そう、桜もただ漫然と鮮花の無双っぷりを眺めていたわけではない。ピアーチのタックルが命中する瞬間、横から押し倒すようにしてカバーに入り、わずかに打点をずらしていたのである。

「ぐっ……!」

とはいえあの質量を鎖骨のあたりで受けたことには変わりなく、明るく振る舞ってみせるも鮮花はすぐに苦しそうな声を上げる。
それを察した桜は気遣うようにタッチ。きっと顔を上げて、射るような視線をピアーチへと向ける。

「忘れないで。春夏繚乱は、鮮花一人のチームじゃない!」

ちなみにチェーニの方も、ちゃっかり鮮花を盾にした隙に離脱しておりノーダメージ。それがますますイライラに拍車をかけ、ノータッチにも関わらずリングを降りようとしないピアーチは、そのまま手当たり次第に暴れ続ける!

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第3試合 春夏繚乱 vs ギガントヴィエーディマ(2/2)


「う――が―――!! むーかーつーく――――!!!」

リングに寝転がって手足をじたばたさせるその姿は、さながらおもちゃ屋の前で駄々をこねる子供のごとし。しかし子供であれば可愛いものだが、222cmの巨体でこれをやられては周りの人間もドン引きというか、近付こうにも近づけない。
もとい迂闊に触ろうものなら、すり潰されてミンチになるであろうことは、誰の想像にも難くなかった。

「あーあw こーなったらもうボクにも止められないねー。まーせーぜー頑張ってよお二人さん♪」

けたけたと笑いながらチェーニは上空に避難、一人高みの見物を洒落込もうとする。が、次の瞬間、彼女と同じ高さにまで跳躍してくる人影!

「ふえっ!?」

三角跳びの要領でガラスを蹴ってきた桜である! その身軽さはまさにニンジャそのもの、驚いたチェーニを一瞬のうちに蹴り落とし、ジグザグの軌道を描いてさらに高度を稼ぐ!

「ボクを踏み台にしたぁ!?」

「ルールを守れない悪い子は…!」

お約束の台詞を吐いて落下するチェーニを尻目に、桜は頂点に達したところで眼下を一瞥。目標に狙いを定めると、前方宙返りも加え力を込めて急降下する!

「少しの間、眠っていてもらいます!!」

そして強烈な重力加速度とともに振り下ろされた右脚が、寸分違わずピアーチの喉元へと着弾!

「ぐぶええッッッ!!?」

言うなれば超高高度からのギロチンドロップ! その落差によって生み出される威力は、軽量な桜の非力さを補って余りあるものだった。
文字通りギロチンの刃が落とされたに等しい衝撃を受けたピアーチは、濁った悲鳴と共に大きく目を見開き…そのまま動かなくなる。

「ななな!? ま、まさか、ピアーチまで!?」
「冗談だろ!? そう易々とあのクローンが沈むわけが…おっとキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!」

初めて見るピアーチの姿にどよめきの広がった観客席だが、すぐにそれは歓喜の声へと変わる! 墜落しつつも体勢を立て直していたチェーニが、この隙に桜の腕の下から抱きつき、コスの胸元をはだけさせていたのだ!

「きゃっ!? んっ、このっ、離れ…てっ……!」

「さっきはよくもやってくれたねー、これはお返しっ! 天国から戻れなくしてあげちゃうんだから!☆彡」

そして桜を抱えたまま、全身をまさぐりつつ上昇するチェーニ! 控えめにフリルとリボンのついた可愛らしい下着が覗き、顔を赤らめて桜も抵抗するが…そんなウブな反応を嘲笑うように、チェーニの指と舌はさらに奥へと侵入してくる!

「んっ! くふぅッ! ひんッ!?」

「えっへっへー☆ お姉ちゃんの弱点はぁー……ここかな? ここかな? それともこっち?」

「やっ、やめっ、舐めなっ、はふぅぅぅ……ッッ!!」

「よっしゃ―――!! 待ちかねたぜ、ようやく変態ょぅι゛ょの土俵に持ち込んだか!」
「もー、チェーニたんてば焦らしすぎでござるよー。でもタメが長かった分、恥じらう桜タソのリアクションがより映える…エンターティナーだね!」
「所詮桜も対魔忍同様、女の弱点を責められてはなす術もないか。くっくっくっ、古今ニンジャというものは変わらぬのう」

どうにかしてチェーニを振り払おうともがくものの、地に足のつかない空中で飛行できるチェーニに渡り合えるはずもない。されるがままに秘所をまさぐられ、嬌声をあげるたびに観客席のボルテージも上がっていく!

「桜っ!」

「知ってるー? 飛んだままイクのって、すごく気持ちいーんだよ。お姉ちゃんも、すぐ病みつきに…」

「生憎、ですがっ…! そんないやらしいことに流されるような、弱い意志は持ち合わせてませんッ…!!」

普通ならフラグ立ちまくりの台詞ではあるが…チェーニも鳥頭というか、さっき見たばかりのことを学習しなかったのが明暗を分けた。
そう、長年忍者の修業を積んできた桜にとって、空中での姿勢制御はお手のもの。確かに飛ぶことこそできず、未体験の快楽に翻弄されかけはしたが。
鮮花の呼びかけによって自分を取り戻した今、羞恥心に耐え不利な状況ながらも体勢を入れ替えていく!

「ふあっ!? なにこれなにこれー!?」

チェーニの身体を反転させ、左手で相手の右太もも裏を押さえつけるや、自分の右膝を跳ね上げ相手の右膝との間でその小さな頭を挟み込むようにロック! さらに右手はチェーニの左足首を掴み、股を開かせるように捻じ曲げる!
一見変形のキン肉バスターのようにも見えるが、桜に対しチェーニの身体が横向きであり、何より頭部を二人の膝で固定している点が異なるか。

もうお楽しみタイムだと思い込み、ぺろぺろするのに夢中になっていたチェーニが気付いた時には、すっかり身動きなど取れなくなってしまっていた。
まともに入れば命すら奪いかねない危険な技だが、桜は瞼を閉じて一旦静止した後…決意を込めた目を開いて、お尻から一直線にリングへと落下!

「奥義……釣鐘割り!!」

ガゴオォォンン!!!

そして着地の衝撃が加わり、二つの膝にがっちりと挟まれた頭蓋は、亀裂が入ってもおかしくない程のダメージを受ける!

「ゲエ――――!! 桜のヤツ、こんなえげつない技も使えたのか!?」
「誰だよ春夏は決定力不足なんて言ってた奴は? 3期とはまったくの別人じゃねーか!」
「パワーこそないが、スピードと巧みな体捌きで急所を狙い、一撃で仕留めてくる…忍者としては完璧な戦い方だなオイ」
「し、しかし…まさか、ギガントが……?」

「あばば……ばば……」

いかに頑強なクローンといえど、これはさすがに耐えられる限界を遥かに超えていた。両脚を別々の方向に曲げられ、わずかに動く上半身を痙攣させるチェーニに、もはや悪戯好きなエロ小悪魔としての面影はない。
桜が腕を放して解放すると、大量の唾液が糸を引きながら、その小さな肢体は力なくマットへと投げ出される。
相手の見た目が見た目だけに、桜もやや申し訳なさそうな表情を浮かべるが…手加減しようものなら自分がやられていたことは明らか。これが人間なら後遺症も免れなかったかもしれないが、クローンゆえぎりぎり失神しただけで済んだのは幸運だったか。

静まり返る場内の中、桜は乱れたコスを直し、鮮花の元へ向かおうとする。しかし!

「桜! 後ろっ!!」

「うがあああぁぁ――――っっ!!!!」

しばしの間リングの一角で仰向けになったままのピアーチだったが、まだ完全に意識を失ってはいなかった! やにわに立ち上げって桜へと襲いかかる、驚くべきはクローンの回復力!
さらに積み上げられたダメージの影響か、もともと不安定だった精神が振り切れたのか。いつもの無邪気な態度は影を潜め、今のピアーチはただ本能のまま、目につくものすべてを破壊する怪物へと成り果ててしまっていた。発狂したかの如く発せられる咆哮がガラスを震わせ、最前列の観客は恐怖におののき失禁する!

「…っ! まだ、抵抗するのならっ…!」

言わば規格外の体躯とパワーを持った猛獣と同じ檻に入れられているかのようなこの状況、並の闘士であれば足がすくんでしまってもおかしくはない。
だが、ユキーデに真っ向から立ち向かいメンタル面を克服した今の桜は、こんなことでは動じなかった!

「今度は本気で、落とさせてもらいます!!」

キャンパスを砕かんばかりに荒れ狂うピアーチの両腕を紙一重でかわし、相手が前かがみになった瞬間、電光石火のサマーソルトシェル! 綺麗にカウンターで入ったカカトが、大きく顎を跳ね上げピアーチの巨体をのけ反らせる! 
さらにそのまま空中で身体を捻り、横薙ぎにもう一発回し蹴りも追加!
一瞬にして上下左右に脳を揺さぶられては、どれだけ肉体が打たれ強くても脳震盪は不可避。それはクローンとて例外ではなく、天を仰いだままピアーチの両膝がマットに落ち…。

ズウゥ………ゥゥン

一呼吸置いて、頭から突っ伏すような形で上体も倒れ込んだ。

「ふうっ……」

軽快に着地した桜は、なおも集中を緩めずピアーチの様子を注視するが…完璧に入ったこの連撃はまさに必殺。鋭利なカミソリのごとく、脳と神経の接続をスッパリと切断してしまっていた。
さっきまでの暴れっぷりが嘘のように、ピアーチはもはやマットに沈んだままピクリとも動かない。そんな相手と笑顔を浮かべ駆け寄ってくる鮮花を見て、ようやく桜も肩の力を抜き、穏やかに微笑んでハイタッチを交わす!

「ジャ、ジャイアントキリング3連発――――!! 甲斐姉妹、ビッグボンバーズに続き、何と何とギガントヴィエーディマまで下しました春夏繚乱!!」

「バカな―――!! 賭け3連敗だよ俺はどうしてくれる―――!!」
「思えば初戦から覚醒の兆候はあったわけか…。ふふ、すっかりやられてしまったよ。私の目もまだまだだな桜君…」
「やばい、春夏まじやばい。もう疑う余地なんてまったくない強チームじゃん…節穴すぎんだろレビュワー共めぇー!」
「つーか、これマジで優勝も視野に入ってきた…?」
「次の相手がシュメッタリンかチャイルディッシュか分からんが、その結果次第では本気であり得るな…。何しろ甲斐姉妹には勝ってるわけだし」

「場内騒然、座布団が乱れ飛びます! 今大会、完全に台風の目!! 一体どこまで、この快進撃は続くのか―――!?
座布団を投げないでください! 座布団を投げないでください―――!!!」



…………。

なお試合中は強い意志力で抑えつけていたが、チェーニに敏感な部分を刺激されまくってた桜はしばらく火照りが収まることはなく。
鮮花には黙って早々に部屋に閉じこもり、1人たどたどしい手つきで慰めていたのは内緒の話。



21分12秒
Winner 春夏繚乱 3勝0敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser ギガントヴィエーディマ 2勝1敗

第2試合 ブラックベリー vs みこみこウォリアーズ(1/2)

ランsティアs   月子さんs貴音さんs

ブラックベリー  オーナー:武蔵氏
ラン
身長159cm 体重50kg 3サイズ B84 W56 H79 年齢:15歳
試合コス:ブラックベリーで採用されている全身をぴっちりと覆う漆黒のバトルスーツ
ティア
身長157cm 体重49kg 3サイズ B80 W55 H77 年齢:15歳
試合コス:ブラックベリーで採用されている全身をぴっちりと覆う漆黒のバトルスーツ

みこみこウォリアーズ  オーナー:sakifox氏
御山 月子
身長151cm 体重51kg 3サイズ B77 W60 H80 年齢:15歳
試合コス:白地の上着に小豆色の袴。袴の形状はキュロット型
藤宮 貴音
身長164cm 体重68kg 3サイズ B80 W69 H88 年齢:17歳
試合コス:月子と同じ巫女服。ただし月子より袴は上の位置で留め、襟の合わせ目も中心寄りか



「…つっきー、見てるだけで胸焼けしそうなんだけどコレ。」

空になった財布と「それ」を交互に見比べながら、貴音がげんなりした表情を浮かべたのも無理はない。彼女の目の前のテーブルには、山と積まれたシュークリーム。
ぶっちゃけうず高く積まれすぎて、対面に座っている月子の顔は見えないほどである。

「そうですか。私は今からこれにかぶりつけると思っただけで、胸の高鳴りが抑えきれませんが。
ああ、心配しなくても貴女には分けてあげませんので、私の食べる姿だけで胸焼けなさってください」

いつになく饒舌な月子に貴音もやや戸惑った様子を見せるが、これも好物を前にしたテンションゆえか。前髪に隠れたその瞳は、しいたけのようにキラキラと輝いているに違いなかった。

「…まあ、これでチャラにしてくれるんなら構わないけどさ。次はあの甲斐姉妹なんだから、太って動けなくなったりはしないようになー」

「甘いものは別腹です。貴女こそ、今回みたいなコンディションは御免ですよ」

「うぐっ…悪かったってば。今度はちゃんと仕事するから…」

「大体ですね、後先考えない頭悪いカウンターが貴女の持ち味なのに、それを放棄したらいったい何が残るんです? そんなんじゃこの地下では…」

そして始まる月子さんの説教タイム。貴音も余計なこと言ったと後悔するがもう遅い。
なおその間にもシュークリームはすごい勢いで減っていっており、まあ無くなるまではと観念する貴音だったが…。

「すみません、50個追加で。
代金は貴音さんへツケでお願いします」

(…くそぅ、自覚なしに相手を疲弊させるのはプライベートでも変わらないのかつっきー。
そういうのは闘ってる時だけにしてほしかった…)



―――話は、前日の試合へと遡る!

「これは意外な展開――!! 貴音さんとランさん、タイプの違うカウンター使いである両者のハイレベルな攻防が期待されたこのカードでしたが!
蓋を開けてみればティアさんとの絶妙な連携もあり、まともにジョルトを打たせませんでしたブラックベリー! リーチに勝るジャブで動きを止められたところを締め落とされ、残るは月子さん1人! 
みこみこウォリアーズ、この状況はさすがに絶望的と言っていいでしょう!」

「まったくとんだ塩試合だよ! てっきりダブルクロスカウンターとかブラッディクロスとか、見られると思って来たのにさー!!」
「まあしょっぱく見えるのも、それだけブラックベリーが貴音を研究してきてたってことだ。実力を出させずに勝負をつけるのも、また実力のうちよ」
「しかしブラックベリーとしちゃ、理想的な展開だったなー。序盤の月子との削り合いも、カウンターを駆使して優位に進めたのが大きかったか」
「加えてやっぱりみこみこは急造タッグ、うまく再交代のタイミングが計れなかったね。これはブラックベリーのカットが巧みだったのもあるけど…さて」

実況も場内の観客達の間にも、もはや勝負は決したと言わんばかりの空気が広まっていた。まあいくら鉄壁の防御を誇るとはいえ、攻撃力に乏しい月子1人では、勝ち目などないと考えるのも当然と言えよう。
ブラックベリーの2人もそれを見越して貴音を徹底的にマークしてたわけであり、まだ集中は保ちながらも、促すような口調でランが話しかける。

「…これ以上の試合続行は無意味です。ギブアップするなら受け入れますよ?」

「ふむ。それは悪くない提案ですけど…」

あまりその場の感情には左右されず、論理的な思考ができるのが月子。実際3期までの上位トーナメントなら、負けることによるペナルティは優勝の目が断たれるのみであり、ギブアップも一考の余地はあったかもしれない。しかし…。

「折角ですが遠慮しときます。それやったら、多分下位トーナメント落ちは確実ですしね」

「…確かに。では申し訳ないですが、あなたも全力で仕留めさせてもらいます!」

抽選会で告知されたこの特殊ルール。上位であっても試合を捨てる選択は禁じられたに等しく、観客は完全に決着がつくまで楽しむことができる。運営の思惑通りなのを癪に思いつつも、月子は大きく息を吐き、ランを迎え撃つべく構え直す!

かくして試合再開! もちろん観客の興味はすでに、ブラックベリーがいかにして月子の防御を崩すかという1点のみに移っている。孤軍奮闘する彼女へそのスタイルを揶揄する声が浴びせかけられるのも、酷ではあるが自然な流れではあった。

「ここからお前1人で何ができるってんだー? わざわざリョナられる方を選ぶとか、Mなんじゃねーのか月子ぉー!!」
「はははっ、でもギブアップなんて興醒めだからね、そこは褒めてあげるよ!」
「せいぜい無駄なあがきをして、儂等を楽しませるがいい! 何分持つか、賭けでもしようかのう!」

(…巴子さんなら、どう判断してたんでしょうね。っと、そんなことを考えてる場合じゃありませんか。
まあ、まだ私も相手も、全力を出し切ってはいないことですし。やるだけのことはやってみましょう)

ランもシステマということであまり自分から仕掛けるタイプではないのだが、2対1という利を生かすには積極的にプレッシャーをかけ続けるのが上策。持ち前の正確な打撃でガードの隙間を狙い、着実に月子を追い込もうとする。
後はこまめに交代して月子の体力が尽きるのを待つか、集中力が途切れた瞬間に痛打を叩き込むだけの簡単なお仕事。観客はもとより経験豊富なランとティアですら、勝負が決するのは時間の問題だと思っていた。


…しかし、それから20分が経過!

「粘ります月子さん! さすがは防御のスペシャリスト、そう易々と攻略できないのは分かっていましたが…いつも以上の難攻不落っぷり! 何とあれから、クリーンヒットを1発も許さず!
体力的には優位なはずのブラックベリーの方が、ここへ来て疲労の色を浮かべています!」

「…今まではこの雰囲気の中、集中力を維持しきれずワンチャンで落とされることも多かったイメージだが。今日は初めて先に相方が落ちたことで、何つーかいい意味で吹っ切れたな。
肩の力も抜けて自然体で渡り合ってやがる…多分周りの野次も耳に入ってねーぞコレ」

「序盤は軽めの掌打にもカウンターを合わされ、ランさんとは相性悪いかなーと思ってたんですが。長引くにつれランさんの被弾も増えてきましたね?」

「何だかんだで月子の打撃は、威力はないが隙も小さいからな。タイミングを学習して、うまく外すようになってきやがった。
…そろそろブラックベリーは、考えを改めないとまずいかもだぜ?」

ヴォイドさんに言われるまでもなく、冷静なランはすでに楽勝ムードから頭を切り替えていた。楽観的なティアの方も、思わぬ展開に渋い表情を隠そうとしない。

「データ以上のディフェンススキルね…まさか、ここまでとは」

「どーすんだラン? あたしの関節技も、全部ブロックされちまう…崩す糸口が見つからないんだが」

「大人げないと思ってたけど、もうそんなことを言っている場合じゃないわ。ティア、合わせて!」

「合点!!」

「個々の攻撃では、埒があかないと判断しましたか! ここでブラックベリー、2人同時に月子さんへと仕掛けます!
正面からランさんがジャブとストレートで注意を引きつけ、側面に回り込んだティアさんがガード中の腕を極めようとするコンビネーション!
しかし月子さん、これも肘で弾き返す!!」

「くっ!」

「まだよ! ティア、ここで休んじゃ駄目!」

第2試合 ブラックベリー vs みこみこウォリアーズ(2/2)


なおも間断なく息の合った連携で、鉄壁の防御に穴を空けようとするブラックベリーだが。死角から襲い来る2人の攻めすらも、月子はことごとく捌いてみせる!
それでも矢継ぎ早に斬り込み続けるランの姿に、ヤケになったのかと訝しむ声も出始めたがさにあらず。

この手の攻撃が月子に通用しないのは、退魔戦ですでに実証済み。もちろんランもそのデータは頭に入っており、本当の狙いはその先にあった。

「…ふっ!」

「…凌ぎ切りました月子さん! 様々な角度から執拗に攻め立てたブラックベリーでしたが、相変わらず背中に目がついてるかのような対応能力!
そしてこれは、さすがにブラックベリーの消耗も激しかった模様。ランさんティアさん共に、一旦退いて仕切り直し…い、いや!?」

「そこっ!!」

攻撃の波が止んだこの瞬間! 気が緩むまではいかないものの、わずかに息をついてガードを下ろしたその一瞬こそが、ランの目的だった。
退くと見せかけて身体を反転、大きく踏み込んでのフックが月子の顎を捉えた、かに見えたが!

「ぐふうううッッ!!?」

濁った悲鳴を上げ、ガクンと腰を落としたのはラン! その原因は胃のあたりにカウンターで入った、月子の掌打だった!

「ま、まさか…誘われた……!?」

「女子三日会わざれば刮目して見よ。…同じ失敗を繰り返すほど、愚かではありませんよ」

「く、うっ…!」

「ランっ!!」

月子の後ろにいたティアが慌てて割り込もうとするが、やや距離が離れすぎていたか。それより早くランの腕を手繰った月子は、間髪入れずに一本背負いを繰り出す!

ズダアアアァァァン!!!

「かはあっ……!」

「な、なんとぉ―――!!? 攻撃力皆無と思われていた月子さんですが、ランさんのお株を奪うカウンターからの見事な一撃!
鮮やかにランさんをマットに沈め、ティアさんとのタイマンに持ち込みました! まだ勝負は分かりません!!」

「…過去のデータに頼りすぎましたね。さて…」

改めてティアの方へ向き直り、構えを取る月子。ティアも気持ちで負けてはならないと頭では分かっていたが、信頼を寄せるランが倒された時点で、すでにそのプレッシャーに押されていた。

「最初はひよっこだと思ってたが、どうしてどうして。予選の3試合と巴子の死を経て、見違えるように成長したじゃねーか。いいねえ若いって」

「オヤジみたいですよヴォイドさん。…しかし、完全に流れが変わりましたか? もうこれ、ティアさんの攻撃が通る気がしないんですけど」

「そう思わせた時点で月子の勝ちだ。ブラックベリーも侮っていたわけじゃないだろーが、ちょっと覚醒っぷりに気付くのが遅かったな」

然り。ティアも決して攻撃の引き出しは少なくはないが…2人がかりのコンビネーションすら全部防がれ、あまつさえ直後の隙さえ罠だったという事実。
もはやティアの脳裏には、何をしても月子のディフェンスを抜くことはできないという思いが、無意識のうちに刻まれてしまっていた。

「…ぜはー……はー………はー……」

表向きはいくら諦めていない風を装っても、そんな心理状態ではヴォイドさんの言葉通り、勝負はついたに等しかった。

その後ティアは数十分に渡り月子の掌の上で転がされ、息も絶え絶えになるまでスタミナを搾り取られることになる。全身汗まみれでぐしょぐしょなため、もともとぴっちりな漆黒のバトルスーツはさらに肌に張り付き、成長途中ながら出るところが出始めた身体のラインがくっきりと浮かび上がってとてもえろい。
月子に野次を飛ばしていた観客もいつの間にか手のひらを返し、その姿を囃し立てる有様である。

なお割といつでもトドメを刺せるのにも関わらず、月子も寸止めで徹底的にティアの心が折れるまで試合を続けるあたり、博愛ドSの本領発揮といったところか(本人にその自覚はない)。

「…まだ続けますか? 続けますよね? ギブアップという選択肢はないんですからふふふ」

「こ……このっ……!」

繰り返すが本人にその自覚はない。挑発にしか聞こえない台詞ではあるが。
しかしすでにティアも限界、まだ抵抗を続ける意思は見せるものの、立っているだけで精一杯。もはや疲労のあまり、手を出すことすらできない状態だった。
それを見て取った月子は、構えを維持したまま摺り足でゆっくりと距離を詰める。

「久しぶりにお互い全力を出し尽くした、いい試合ができました。ありがとうございます」

思わず認識のズレっぷりに突っ込もうとしたティアだったが、そんな体力ももう残されてはいなかった。
お礼の言葉と共にカクンと軽く顎を揺らされただけだったが、最後の一押しとしてはそれで十分。膝が折れ、そのまま頭からマットへ突っ伏し動かなくなる。

「ぎゃ…逆転―――――!!! 月子さん、あそこからまさかの逆転勝利!!
一皮剥けた防御の化身、今日は最後まで完璧な内容を貫きました!!」

「マジか―――!! ホントに地下は何があるか分からんな…貴音が落ちたところで、賭け券破り捨てて出ていった隣の奴は元気かオイー?」
「つくづく中盤以降は、スパロボの底力がかかっているかのような補正だったな…。しかしこりゃ、次の甲斐姉妹戦も面白くなりそうで何よりだよ」
「今まではドラゴン紫龍の盾並の防御力だと思ってたが、一気に評価上がったよなあこれ。武装錬金のシルバースキン…は知名度的に微妙だろうか」
「はっはっは、しっかし圧倒的に有利なあの状況から引っくり返されるとは、ブラックベリーも情けない! 予想外の事態に対応できんようじゃ、まだまだ青いのう!」

清々しいまでの観客の豹変っぷりに、実況も解説もお前らさっきまでの言動を思い出せと言いたげな表情で顔を見合わせるが。
最終的に勝った者こそが正義。これも地下ではよくある光景、仕方のないことである。

「ふう…。あ、そういえばこのカウンター馬鹿もとい馬鹿は、一体何しに来たんでしょうかね」

すっかり忘れられていたが、貴音はいまだティアに締め落とされた時のまま、リングサイドで放置されていたりした。
つんつんと月子にほっぺをつつかれたりするも、一向に目を覚ます様子はない。

「…え。もしかしてこのカウンター馬鹿、私が連れて帰らなきゃ駄目でしょうか?」

「はいー、頑張ってくださいー」

「…ぐえー。身長差的に、背負うのとか厳しいんですけど。
やむを得ません、こうするしかありませんか」

月子も疲労は相当なものであり、もとより腕力自体大してある方ではない。
見た目など気にしてられるかと貴音の襟首を掴み、そのままずるずると引きずりながら退出。およそ勝者とは思えないシュールなひとコマではあったが、思わずほっこりした観客からは改めて今日の試合内容を讃える、惜しみない拍手が送られる。

一方で残されたブラックベリーには、容赦のない罵りと嘲笑が浴びせられるのも、またいつものこと。
予選から通してもおそらく最大の逆転劇を許してしまったこともあり、このチームも下位に落ちる可能性は十分なのではと、そこかしこで囁かれはじめるのも無理からぬことであった。



「…というわけでですね。次は私が楽に運べるように、貴女にはもっと痩せることをお勧めします。力石徹くらいに」

「やーめーてー。これ以上痩せたら、ジョルトに体重が乗らないんだってばー」

テーブルの上が空になった後も、滾々と試合内容を語りながら月子の説教タイムは終わる気配を見せず。
まあしかし、まったく役に立たなかった後ろめたさもあるのだろうが。逃げ出さずにちゃんと付き合ってあげるあたり、何だかんだで貴音も人はいいのかもしれなかった。



1時間25分42秒
Winner みこみこウォリアーズ 3勝1敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser ブラックベリー 2勝2敗

EXマッチ ランページ・ヴィーナス vs ギガントヴィエーディマ

雫さんs2ミリアムs2   ピアーチsチェーニs

C・Aで行われている夢のタッグ編で上位と下位トーナメントに分かれてしまったギガントヴィエーディマとランページ・ヴィーナス。本選で対戦する可能性がほぼなくなってしまったことを惜しむ声は多く、急遽ながらエキシビジョンマッチが組まれることとなった。白と青の和風レオタード姿の雫とストラップレスの緋色のコスチューム姿のミリアムは自分たちのコーナーで入念に体をほぐしているが、対戦相手のピアーチとチェーニは悠々とコーナーで雫とミリアムが身体を動かすたびに揺れるバストやヒップを視姦することに余念がない。


「かーわいい!あんなスレてない子たちを壊せるなんて凄いラッキー!」

「独り占めしちゃだめだよー!ボクだってすっごく楽しみにしてたんだからねー!」


 ギガントヴィエーディマの二人にとって、この対戦は試合でも何でもなく用意された極上の生贄を蹂躙すること。このタッグトーナメントでも根性やしぶとさは群を抜いているランページ・ヴィーナスの二人だったが、所詮はそこまで。むしろ窮地に立たされて必死に抵抗を続け、そして抵抗空しくマットに沈む展開を観客の誰もが待ち望んでいる。


「ひどい歓声ね・・・誰も私たちのことを獲物としか思ってないわ・・・」

「考え方を変えればいいのよ!Giant KilLing!!私たちにとって一番いいシチュエーションよ!」


 体をほぐし終え、対角コーナーへと視線を向ける二人がまず見るのは身長2m22cmという、これまで二人が見たこともない身長のピアーチ。それも、身長に見合った身体の厚みもあり、動きも巨体からは想像もできないほど素早い。軽量級ほどではないが、普通に動けるスーパーヘビー級の選手など反則もいいところだろう。そして、ピアーチの印象が強すぎるために第一印象がかすんでしまうがもう一人のチェーニも空を飛べるという普通の人間にはないアドバンテージがある。
 表情を厳しくする雫が前に出て、あまり気負い過ぎないようにと肩を軽く叩いたミリアムがコーナーに立った。対角コーナーではピアーチが前に出て、チェーニがコーナーの上に座っている。


「もう準備運動はいいんだよね!もう壊しちゃっていい!!?いいよね!?」

「プロレスラーの耐久力を甘く見ないことね・・・壊せるものなら壊してみなさい!!」


 リング中央でお互いを睨みつけ合う雫とピアーチ。その身長差は60cmと、大人と子供ほども差がある。それでも雫は気押されずに気丈に睨み上げていくが、ピアーチから見ればその気丈さは小動物の可愛らしい強がりにしか見えていない。


 カーーーーン!!!!


 試合開始のゴングが打ち鳴らされ、早速雫を捕えようと足を前に出そうとするピアーチ。だが、それよりも早く、雫がその場でジャンプし、その場飛びドロップキックでピアーチを蹴りつけようとしていく。


「挨拶代りよ!受けてみなさいっ!!」


 普通の相手なら胸元に打ち込まれるドロップキックだったが、ピアーチの身長ではかろうじてボディに届く程度の高度になってしまう。それでも一番避けづらい場所への攻撃ならピアーチも怯むのでは、と踏んだ雫。その期待は次の瞬間にあっさりと粉砕されてしまう。


「自分から壊されに来てくれるなんてばっかじゃないのー!」


 突き伸ばした雫の両足首がピアーチの右手に鷲掴みにされ、そのまま宙づりにされてしまう。予想もしなかった返し方に一瞬どうするか迷う雫だったが、次の行動を考える間もなくピアーチの右腕が振り上げられ、雫の身体が空中高くへ放り投げられてしまった。


「え・・・!?え、ええぇっ!?」


 これまで雫が闘ってきた相手に受けきられたことも、避けられたこともあるが、こんな現実離れをした返され方をされたことはない。混乱が続く雫の身体が空中で一回転し、頭部が上に、足が下に来たところでピアーチの伸ばされた右手が雫の足首を再びつかむ。


「そぉーれっ!!壊れちゃえーっ!!」

 ぐしゃあぁぁぁっ!!

「ぎゅええええぇぇぇぇぇ・・・・・・!!」


 まるで野球の練習でピッチャーがタオルを振るように雫の身体が振り回され、マットへと背中から叩きつけられる光景に観客席から歓声が、そしてミリアムの口から悲鳴のような声援が飛ぶ。


『もう終わっちゃったかー!?』
『下位トーナメント出場は伊達じゃないってか!』

「シズクーーーッ!!立って!戻って来てーっ!!」


 コーナーで可能な限り上半身を乗り出し、雫へと向けて声を張り上げるミリアムのバストに観客の視線が集中するなか、呻きながら立ち上がっていこうとする雫。ミリアムはタッチ交代を叫ぶが、雫は強引に立ち上がりながらピアーチへとタックルを仕掛け、マットに引きずり倒そうとしていく。


「負けられない・・・!私たちは勝って戻るんだ・・・!!」


 必死に想いを込めて身体を振り立たせ、ピアーチの足へ組みつく雫だったが、ピアーチの足はまるでマットに根を張ったように動かない。それどころか悠々と右手が雫のコスチュームの腰へとのび、帯をつかんでひょい、と雫を持ち上げてしまった。


「放せ!放しなさい!!」


 バタバタと手足をもがかせてピアーチの手から離れようとする雫を、ピアーチはまるで玩具を持ち上げるように高々と上げていく。


「えーっと、どうしようかな?投げてもいいし~・・・うーん迷うー!」


 腰の部分をつかまれて持ち上げられている雫のヒップにコスチュームが食い込み、雫の背後の観客から大きな歓声が上がる中、ここからどうしようかと迷うピアーチ。華奢な体型ではあっても成人女性を吊り上げたまま顔色一つ変えず悩むピアーチにからかい混じりの観客の声がかけられる。


『プロレスごっこをやればいいんじゃないかー!?』
『それいいな、そうだな、これならブレーンバスターなんていいんじゃないか!?』

「ブレーンバスターって・・・こうだっけ?あれ、こうじゃなくて・・・ああもう、めんどくさい!」


 雫を捕まえたままブレーンバスターがどういう技だったか首をひねるピアーチだったが、すぐに飽きて力任せに雫をそのまま持ち上げていく。


「きゃああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

「壊れちゃえばなんでもいいっ!!」


 技も何もなく、コスチュームの腰をつかんだまま持ち上げた雫をそのまま真下へと投げ落としていくピアーチ。3m近い高さからピアーチのパワーで叩きつけられ、雫は後頭部からマットへとめり込んでしまった。


 ズガアァァンッ!!

「・・・・・・え・・・ぁ・・・・・・」

「シズク!シズク、大丈夫!?動けるっ!?」


 マットに叩きつけられた雫の身体がそのまま転がっていくと、そこにはミリアムの立つコーナーが。両腕をサードロープにかけ、後頭部をコーナーに寄りかからせた雫は焦点を失った瞳を宙に彷徨わせたまま動かなくなってしまう。


「もう壊れちゃった?もうちょっと持つかと思ったんだけどな~」

「いい加減にしなさいよっ!これ以上何かするなら許さないよっ!!」


 壊れてしまったお気に入りの玩具を見るような目で雫を見下ろすピアーチに憤りを隠さないままコーナーから飛び出すミリアム。歯を剥いて睨みつけていくが、ピアーチから見ればミリアムも小動物が威嚇しているような可愛らしいもの。


「・・・ミ・・・・・・リィ・・・」

「シズク!?」


 その傍らで、完全にKOされてしまったかに見える雫が声を上げる。かすれてとぎれとぎれの声だが、ピアーチの攻撃をまともに受けてまだ意識があることに観客が驚きの声を上げた。
 ピアーチから意識を反らしてしまったミリアムだったが、ピアーチがその隙を突くことはなく、雫が上げた手を叩いて試合権がミリアムに移行した。


「思ってたより脆かったけど、こっちはどうかなー?」

「言っておくけどね!シズクのしぶとさは半端じゃないのよ!そして私も・・・!!」


 闘志をむき出しに睨みつけるミリアムに対し、ピアーチの視線は対戦相手を見るものではない。怒りに燃えたミリアムはリングに乗り込む勢いのままに駆け寄ると右腕を振り上げてピアーチへと叩きつけていく。


 がしぃぃっ!!

「く・・・!身体が大きいだけでここまで厄介なんて・・・!」


 パワーには自信のあるミリアムだったが、ピアーチの圧倒的な体格の前では渾身のアックスボンバーも胸元には届かず、ボディへ打ち込むのが精いっぱい。そして与えたダメージもたいしたものにはならなかった。


「やっぱりね、プロレスラーなんてこの程度なんだー。一発目はちゃんと受けてあげたんだから、今度はそっちが受ける番・・・?」

「ピアーチばっかりずるいよ!ボクだってそろそろ遊びたいー!!」


 間合いを取って体勢を立て直そうとするミリアムを追おうとするピアーチ。だが、そこに背後からタッグパートナーのチェーニの声が割って入る。


「ふ、二人掛りで・・・!?い、いいわ、来なさいっ!!」


 雫をいとも簡単に叩きのめしたピアーチに加え、チェーニまで加わればミリアムは圧倒的に不利になってしまう。だが、ここで引くことはできないとあえて前へと向かって行くミリアムだったが・・・。


「ふふーん!ほらほら、遅いよ!鬼さん、こちらー!」

「こ、くぁっ!ふぅ、ひゃうぅっ!!ど、どこを狙ってるのぉ!!」


 まずはチェーニを捕まえて動きを止めようとするが、空を飛べるというミリアムに経験のない動きをするチェーニはひらひらと蝶のようにミリアムの伸ばした腕を避けて翻弄する。それもただ避けるのではなく、胸元の谷間が際どく露出したミリアムのバストへのアタックを巧み加えていく。これほどトリッキーな動きを初めて体験するミリアムは完全に翻弄され、それまで意識の片隅にあったピアーチという脅威を失念してしまった。


「はい、鬼さん捕まえたー!!油断大敵っていうんだよね、これー!!」


 背後から伸ばされたピアーチの腕がミリアムのボディをホールドしていく。そのままピアーチが腰を伸ばしてミリアムを持ち上げて行くと、リングを旋回して勢いをつけたチェーニがマットすれすれから持ち上げられたミリアムめがけて両足を伸ばして突っ込んできた。


「ナーイスアシスト!!そーれっ!!」

 ずむぅぅっ!!

「はうううぅぅぅっ!!」


 ミリアムのバストを下から突き上げるチェーニの飛び蹴りによってミリアムのたわわなバストが際どいコスチュームの拘束を外れてポロンと乳房が露出する。どよめく観客の中、持ち上げたピアーチがチェーニの飛び蹴りにタイミングを合わせて身体を後ろへと反り返していく。


「よいっしょぉ!!」

 ずがあぁぁぁん!!

「ぐひゅ・・・・・・」


 たった一人闘わなければならなくなったミリアムへと襲いかかる、ギガントヴィエーディマのツープラトンの洗礼。プロレスをまともにしたこともないピアーチの見よう見まねのジャーマンスープレックスがミリアムを後頭部からマットへとめり込ませていく。


「ミリィ!!ミリィーーーッ!!」


 コーナーサイドから雫が上半身を起こしながら叫ぶが、凶悪なまでの一撃を受けてしまったミリアムはまんぐり返し状態のまま動くことができない。このままでは集中攻撃を受けたミリアムを見殺しにすることになってしまう。何とか救出に入ろうと身体を起こそうとする雫だったが、その前に沈黙したと思われていたミリアムから小さな静止の声が上がる。


「だ・・・め、よ・・・・・・まだ、ダメージ・・・が・・・・・・」


 かろうじて失神していないミリアムだったが、受けてしまったダメージは深く戦闘続行は不可能に近い。だが、ダメージを押しても残った雫を少しでも楽にしようと気力を振り絞って立ち上がっていく。


「うっわぁ・・・凄い根性・・・」

「か、勝つ・・・の・・・・・・勝って、ここを出るのよ・・・・・・!!」


 その根性に関心を通り越してあきれるチェーニに息も絶え絶えのミリアムが駆け寄っていく。足元はおぼつかずにほんの少しつつけばマットに倒れるほど頼りない姿だが、その闘志はまだ衰えていない。そのままチェーニを捕まえて唯一勝っているはずのパワーで勝負しようとするのだが・・・。


「ほーらほらほらー!ここだよ、ここここー!あ、ちょっと惜しい!もう少し踏み出さないとだめだよー!」

「この・・・馬鹿に・・・・・・してぇ・・・!」


 必死にチェーニを捕まえようとするミリアムだが、おぼつかない足取りでは空を飛べるチェーニに追いすがることもできない。わざとミリアムの手が届くかどうかという絶妙な距離を保ったままチェーニはミリアムを翻弄し、呼吸が続かずに転倒しかけたところで背後からミリアムにしがみついた。


「は、放せぇ・・・あんぅっ!!」


 チェーニを振りほどこうとするミリアムだったが、その声に甘いものが混ざる。ストラップレスのミリアムのリングコスチュームの隙間にチェーニが手を滑り込ませ、直接乳房を揉みしだいたのだ。


「うわぁ・・・・・・凄い柔らかーい!なにこれ、凄いよピアーチ!!」

「ひあぁ!あんっ!んぅっ!やめろぉ・・・ひうぅっ!!」


 チェーニの手が自分の乳房を揉みしだくたびに走る快感に腰砕けになりながら必死に逃れようとするミリアム。だが、背後から足をミリアムのボディに回したチェーニはミリアムの体を支えたまま宙に浮きあがり抵抗するのに必要な足場が奪われてしまった。


『いいぞー!』
『そんな破廉恥な格好してるんだ、こういうことをしてほしいに決まってるぞー!!』


 これまでリョナられる展開は数多く経験してきたミリアムだったが快楽で攻められる経験はこれが初めて。あまりの恥ずかしさに涙をこぼしながら身をよじるがそれがかえってチェーニと観客をより興奮させていく。


『ミーリアム!!ミーリアム!!ミーリアム!!ミーリアム!!』


 観客の声をそろえたミリアムへの歓声。だが、それはミリアムを応援するものではなくミリアムの痴態を野次り楽しむもの。悲痛な表情でミリアムを助けようとする雫も受けたダメージから回復しきれずマットにはいつくばりながら叫ぶことしかできない。


「にへへー、まーぜーてっ!!」


 雫の視線の先にはチェーニの快楽攻撃に悶えるミリアムに近づくピアーチの姿が。ミリアムの背後から股間に手を回すとそのまま持ち上げてアルゼンチンバックブリーカーの体勢に持ち上げていく。


「わわわっ!ちょっといきなりはやめてよねー!」


 ピアーチの乱入に慌ててミリアムの背中から離れるチェーニだが、すぐに上空に跳び上がるとピアーチの体に担ぎあげられたミリアムのお腹へと腰を落とした。


「やめてー!!いや、こんなのいやぁーーーっ!!」


 ピアーチのアルゼンチンバックブリーカーで腰を責めつけられながら股間をつかんだ手で力任せに秘所を握りつぶされて悲鳴を上げるミリアム。そして自分の上ではコスチュームを引きずり落とされて露出したバストにチェーニがむしゃぶりついている。プロレスラーではなく一人の女性に戻って悲痛な声を上げるミリアムを助けに入ることもできずに顔をそむける雫をよそに観客が湧き上がる中、ピアーチのグレープフルーツクローに耐え切れなくなったのはミリアム本人ではなくミリアムのコスチュームだった。


 バリィッ!!ブチブチッ!!

「ひいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーっ!!」


 ミリアムのコスチュームがピアーチの握力に耐え切れずに破かれ、勢いのままに秘所の毛が引きちぎられる。経験したこともない激痛に泣き叫ぶミリアムは乳房も股間も観客からは丸見えの状態になってしまった。目を皿のようにしてミリアムに注視する観客と集中して焚かれるフラッシュ。
 さらに丸出しとなった股間に再びピアーチの手が当てられ、秘所に指が差し込まれた。


「もうこんなぐしょぐしょになっちゃってるよー!ひょっとして感じてるのかなー!?」

 グッチョグッチョグッチョグッチョ!!


 苦痛と快楽を同時にミリアムに味あわせるピアーチとチェーニに蹂躙され、声も出せずに首を振るミリアム。だが、快感に対する生理的な反応で股間から愛液が噴き出し、限界が近いことを如実に示している。


「やめて・・・お願い・・・・・・もうやめてぇ・・・・・・」

「やーだよー!!すっごいいいところなんだからすっこんでなよー!!」


 マットを這いずりながら懇願する雫だが、その目の前でつい限界を迎えたミリアムがこれまで聞いたこともない甘い絶叫を上げて身体をこわばらせ・・・。


「あ・・・ああぁ・・・!!あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

「はい、それじゃやめてあげるよー!!」

「そーれ墜ちちゃえー!!」


 ミリアムのクリトリスをつかんだピアーチの指がひときわ力を込めた瞬間に股間から潮を吹きだして絶頂を迎えるミリアム。そしてその瞬間にピアーチはアルゼンチンバックブリーカーをかけたまま身体を横に倒していき、そしてチェーニは空中高くからミリアムの硬直した足の裏へと着地してツープラトンのバーニングハンマーでミリアムを脳天からマットへと叩きつけていく。


 グキイィィッ!!

「ぎゅぶうぅぅぅ!!」


 ただでさえ危険な技がミリアムが身体を絶頂で硬直させていたことでさらに危険度を増し、首から嫌な音を立ててミリアムがマットに串刺しになる。衝撃が全て首にかかり、ミリアムの意識はそのまま叩き潰されてしまった。苦痛と快楽、そして死に至らしめかねない危険な技のショックでミリアムの身体が激しく痙攣を起こし、白目を剥いて泡を吹きこぼしながら股間から潮吹きとともに失禁してしまう。


「あ・・・ぁ・・・・・・」


 無残なミリアムの姿にマットに這いつくばったまま呆然とする雫。その目の前では残った獲物を狙うチェーニとピアーチの姿が。


「あと一人かー・・・ふふ、たーのしみー!」


 試合権利を持つチェーニに羨ましそうな眼を向けながらコーナーに戻るピアーチをしり目に雫をミリアムと同様にいたぶり抜こうとするチェーニ。よろめきながら立ち上がっていく雫をゆっくりと待ち、ミリアムと同じように翻弄する気満々だ。


「よ・・・くもぉ・・・・・・」


 ミリアムの仇に向かって噛みつきそうな険しい表情で呻く雫。だが、次の瞬間の雫の行動は会場全ての人間の予想を裏切るものだった。雫はなんとミリアムに背を向けてコーナーへと駆け戻っていく。


「え・・・えっ!?パートナーを置いて逃げちゃうの!?」


 予想もしなかった雫の行動に慌てて追いかけようとするチェーニ。しかしその行動こそ雫が狙っていたもの。


「誰が・・・逃げるって・・・!これを狙っていたのよ!!」


 つい先ほどまで立ち上がることもできなかった雫がコーナーを軽快に駆け上がる姿に思わずどよめく観客席。そして雫を追いかけていたチェーニも予想外の光景に空中で動きが止まる。その隙を見逃さずにコーナートップに足を乗せた雫が華麗な跳躍で身体を水平に回し、ミサイルキックで空中にたたずむチェーニをまともに捕えていく。


「あぐうううぅぅぅぅっ!!」


 軽量でかつ空中にいたチェーニの身体が雫の起死回生のドロップキックで吹き飛ばされ、空中をすっ飛んで行く。その身体はピアーチのすぐわきのリングを覆うガラスに叩きつけられ、コーナー下へと落下した。


「そ・・・・・・うそ、でしょ・・・?」

「クカカカカーー!!詰めが甘いよチェーニ!やっぱりアタシがいなきゃ締まらないね!」


 ただのラッキーヒットではなく、雫の魂を込めたようなドロップキックに起き上がることができず愕然とするチェーニ。にやにやとしながらチェーニを見下ろすピアーチは有無を言わさずにチェーニをつまみあげると自分の立つコーナーへと落としていった。


「どっちもパートナーが戦闘続行不能みたいだし、アタシたちで決着つけようか!」

「の・・・ぞむ・・・ところ、よ・・・・・・」


 奇しくもリング上に立つのは試合開始直後のように立つ雫とピアーチのみ。両者ともパートナーを失っているが、ダメージでは比べ物にならない。だが、雫は不屈の闘志と怒りを燃やして再びコーナーへと向けて駆け出していく。


「追いかけっこー?好きだよねー!」

「言っていなさい!!・・・この一撃に全てをかける・・・!!」


 遊び半分で雫を追いかけるピアーチに対し、雫は決意を込めたまなざしでコーナーを駆け上がると十八番のムーンサルトでピアーチへと襲いかかっていく。立つことすらままならない雫を支えているのは闘志とパートナーを無残にマットに沈められた怒りのみ。文字通り死力を尽くした跳躍でピアーチを押し潰そうとしていく雫だったが・・・。


 がしぃっ!!

「はい、つーかまーえたー!!」

「そ・・・んな・・・・・・」


 雫の残された力を全て注ぎ込んだ跳躍からのムーンサルトアタックはピアーチの身体をまともに捕えたが、強靭なピアーチの肉体はその威力を悠々と受け止めきり雫を捕まえてしまった。最後の力を使い切り愕然とする雫の体が意志に反して敗北を認め力を失い、止めを刺されるのを待つばかりの獲物を抱え上げたままピアーチがリング四方の観客へと向けて抱え込んだ雫の姿をさらしものにしていく。


「えっと・・・確かこうやるんだったかなー?」


 いつでも止めを刺せるまで雫を追い詰めたピアーチだが、まだここで止めを刺すつもりはないらしい。雫のコスチュームの胸元を左手で鷲掴みにすると股間を右手で掴み、力任せにリフトアップしていく。


 ブチィッ!!

「きゃああああああぁぁぁぁっ!!」


 力任せに雫を持ち上げたことでしっかりと補強されていたコスチュームの胸元のワイヤーが千切れる音が響く。窮屈そうにコスチュームに閉じ込められていた雫の乳房がまろび出て観客が思わず胸元へと視線を集中させた。


「あれ?これは予想外・・・・・・ちょっと無防備すぎるんじゃないかなー?」


 ピアーチもそのつもりはなかったが、結果的に会場は沸き上がり、屈辱と恥辱にまみれた雫が顔を真っ赤にして涙ぐむ。そのまま雫の身体を3m以上もの高さに持ち上げたままリングを一周したピアーチが技も何もなく雫を下へと叩きつける!


 ずだあぁぁぁぁぁんっ!!

「ぐぎゅ・・・・・・!」


 背中から叩きつけられ、リング中央で大の字に横たわる雫。乳房を丸出しにしたまま大きく胸を上下させて息を荒らげる姿からはもう闘う余力などないことは明らか。


「これで3カウント・・・だったよね?プロレスラーなら返すのは当然のはずだけどなー」


 ダウンした雫の乳房にピアーチが右足を乗せ、右腕を高々と掲げると人さし指から指を一本ずつ立てていく。一瞬何をしているのかわからない観客たちだったがすぐに気付き、カウントを数え始めた。意識が混濁したまま身体をよじろうとする雫だったが、打ちのめされきった身体は弱々しく身じろぎするのみであえなく3カウントが入る。


『だめだろー!3カウントじゃ決着つかないってー!!』
『まあプロレスラーが素人に3カウント取られたんじゃどうしようもないけどなー!!』
『あはははははははははっ!!』


 わざとだったかそれともただ単に決着方法を失念していただけなのか、ピアーチに対して野次を飛ばす観客たち。だが、野次の狙いはピアーチではなくピアーチに踏みにじられている雫だ。


「う・・・うぅ・・・・・・」


 あまりの悔しさに耐えきれず涙をこぼす雫。体のあちこちに青あざが浮かび上がり痛々しい姿となっているが、それが艶めかしさを増して観客の視線を集める。


「あーあー、泣いちゃったー。そろそろ終わりにしないと可愛そうだよねー!」

『おおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!』


 完全に勝敗の分かれた両者の姿に湧き上がる観客たちの目の前で引き起こした雫の上半身を前に倒させて背中から覆いかぶさったピアーチが空中高くへと飛び上がっていく。そのまま逆さにした雫の首に両足を巻きつけると両太ももに手をかけ、大股開きにさせて行く。


「・・・・・・ごめん・・・ミリィ・・・・・・」


 雫の身体を完全に捕まえたピアーチがお尻からマットへと落下していき、首を三角絞めにされて意識が白んでいく雫の目から一筋の涙が零れ・・・。


「アルティメットスカーバスターーーー!!」

 ドオオオオオォォォォォン!!


 首、背骨、腰、股間を凄まじい衝撃が襲い、同時に首に巻きつけられた両足が着地の衝撃でひときわ強く雫の細首を締め上げる。タフネスに定評のある雫であっても当然これに耐えきることはできず、ピアーチの体に固定されたまま舌を突き出し、白目を剥いて痙攣するばかり。


「これで・・・ジ・エンド・・・・・・なーんてね!思ったより脆かったけど、楽しかったよー!」


 立ち上がって勝ち名乗りを上げるピアーチの足元に横たわる雫とミリアム。両者とも白目を剥いて泡を吹きこぼしながら失神した無様な敗者として観客の視線にさらされ続ける。
 ピアーチはまだ立ち上がれないチェーニの首根っこを猫を持ち上げるように掴みながら退場していくが、哀れな敗者はそのまま観客の視線にさらされ続けるのだった。




                      SS提供:遊馬様
                      いつもありがとうございます!

第1試合 甲斐姉妹 vs カワイイ幸子と愉快な仲間(1/4)

ロベs京s   幸子sココロさんs

甲斐姉妹  オーナー:鳥無き島の蝙蝠氏
甲斐 ロベルティナ
身長183cm 体重74kg 3サイズ B94 W73 H99 年齢:18歳
試合コス:ぱっつんぱっつんのタンクトップとショートパンツ
甲斐 京
身長148cm 体重40kg 3サイズ B66 W56 H71 年齢:11歳
試合コス:ゼッケンの付いた陸上用のユニフォーム

カワイイ幸子と愉快な仲間  オーナー:宇野氏
貫水 幸子
身長142cm 体重37kg 3サイズ B74 W52 H75 年齢:14歳
試合コス:背中に悪魔の羽、胸にハートマークのスリット、首と右手を首輪と腕輪につけたチェーンを繋いでるステージ衣装っぽいアイドルコス
睦月ココロ
身長162cm 体重??kg 3サイズ B80 W63 H88 年齢:18歳
試合コス:ピンク色の上着とスカート、白いシャツに水色のネクタイ。おそらくは学校の制服。あとストッキング。



トーナメント本戦、上位4試合が行われるこの日は、まだ1回戦にもかかわらず徹夜組が長蛇の列を作っている有様だった。もちろんその多くの人の目当てが、この第1試合であることは言うまでもないだろう。

2期本節では圧倒的な勝率を残し、最終リーグ戦でも他の闘士を寄せ付けず優勝。いまだ語り草となっている伝説の絞首祭りを唯一逃れたのが、甲斐ロベルティナという闘士だった。
片や3期終盤からの参戦ながら、恐るべき天賦の才で歴戦の強豪達を次々と撃破、無敗のまま3期を駆け抜けた幸子。タッグ初戦で真理亜にこそ土を付けられたが、まったく引きずらないメンタルの強さも示し、もはやその評価は不動のものになりつつあった。

「はっ! 2期の覇者だか知りませんが、ボクがいなかったんですからさぞ低レベルだったんでしょうね!
まあそんな箔の付いた相手なら、引き立て役としては十分です! 覇者の称号を持つ闘士は、2人もいらないんですよ!」

すでに幸子は一足先に入場を終えており、すっかり恒例と化したミニライブで新曲を披露してから、いつものビッグマウスを叩く。一方、花道の途中で京と共に待機するロベルティナも、余裕の表情でその様子を眺めていた。

「ふふ、せいぜい我が世の春を謳歌することだな。試合が終わればそんなことも言えなくなる…つーか京、何でお前までサイリウム振ってんだ? ファンだったのか?」

「ファンって程じゃないけど、クラスでも人気あるんよ幸子。自慢できると思ってね」

(…こいつもこうしてりゃ、普通のJSに見えるんだが)

実際本職のアイドルとしても今や知らぬ者のない幸子は、通常のライブですら流されたチケットが6桁を越えるレベル。無論地下の客層にとってははした金であるが、京としては役得には違いない。
ともあれ観客(と京)はしばし地下らしからぬきらびやかな演出に酔いしれた後、脳のスイッチを切り替える。当然それは幸子とて同じことだろう。

「さあ、リングの準備が整いました! 上位本戦の開幕にふさわしい大一番! 幸子の覇道はまだ続くのか、今ゴーおおおっ!!?」

それはまさにゴングが鳴った直後、コンマ数秒のタイミング! 巨体に似合わぬスピードで幸子の眼前に接近していたロベルティナが、気付いた時にはもう十八番のベアハッグに捉えていた!

「ぐっ…随分せこい真似をしてくるんですね! まあそうでもしなきゃ、ボクの相手にはなりませんから、分か、り゛っ、ま゛っ…!!」

「おいおい、自分の出遅れを棚に上げて、その言い草はねえだろう? そおら、歌の次は、お前の背骨がきしむ音でファンの皆さんを楽しませてやりな!」

「こ、これは予想だにしなかった幕開け! いきなり仕掛けるタイプの幸子さんが、完全に出鼻をくじかれた格好! 幸子さんも集中力は切らしてなかったはずですが…ロベルティナさんのスタートダッシュが速すぎました!」

「一応は咄嗟に反応して、ショートフックで迎撃しようとはしてたんだがな。距離が近すぎて威力が殺されたんじゃ、ロベルティナの肉体には通用しなかったか。…まあ持久戦のイメージが強いだけに、速攻はないという思い込みがどこかにあったのかもしれん。
しかし、これは初っ端から、勝敗を左右する局面になってきたか?」

加えて、実戦経験の少ないココロが先読み能力で指示を飛ばす前というのも大きかった。幸子は今やロベルティナの太い腕にがっちりと抱え込まれ、両足を宙でばたつかせている状態。ここからではもう、どれだけ次の動きが分かっても意味はない。

「ぐ、え゛っ……! が……あ゛……」

そしてロベルティナが力を込めるたび、徐々にその華奢な身体はエビ反りになり、さっきまで悪態をついていた口からは濁った悲鳴が漏れ始める。幸子が序盤からここまでのピンチに陥るのは、3期から通じても初めて見る光景。生意気な彼女が苦痛に悶えるその姿に、期せずして超満員の場内からは大歓声が湧き上がる!

「どーした幸子!? 余裕ぶっこいてても相手を圧倒するのが幸子だったのに、これじゃ只のクソガキと変わらないじゃねーか!」
「ふ、だが願ってもない展開。散々大人をコケにした報い、今こそ存分に味わわせる時…!」
「さすがロベルティナ、今までの相手とは格が違ったか! 調子に乗って舐め切った罰だ、幸子ぉ!!」
「やれー! そのまま背骨をへし折っちまえ! 才能だけで勝ち続けられるほど、ここは甘くないって教えてやりな!」

観客も幸子の実力は認めながらも、やはり試合としてはロベルティナが勝ってくれた方がおいしいわけで。さっきまでサイリウムを振っていたファン達も、一斉に手の平を返してロベルティナの応援に回り出す。

「くく…聞こえてるか? ファンも内心じゃ、テメエが嬲られるところを見たかったようだなあ?」

「ぐっ…そんなレベルの低いファンなんていりませんね! ココロ!」

「分かってる!」

格闘技の技術は素人そのもの、本来自分からリングに上がることはほとんどないココロではあるが。幸子がやられれば勝ち目はゼロと言っていいこのチーム、ここは身を挺してでもカットに入るしか選択肢はない!

(OK、京は動かない。ロベルティナもあたしを警戒してないなら…ここっ!)

「うおッ!?」

「ここでココロさん、猛然とスライディングタックル! 見事に弁慶の泣き所へ命中! さすがにここは、ロベルティナさんにとっても泣き所でしたか―――!!」

いやまあ、言うほど痛がってはいないものの。わずかに締め付けが緩んだだけで幸子には十分、その隙に思い切りダッキングして何とか脱出に成功する!
むしろココロさんの方が慣れない動きをしたせいで、スカートが捲れお尻をマットにこすった模様。痛そうにさする仕草がちょっと可愛い。

ともあれこれで仕切り直し、咳き込みながら幸子はロベルティナへと向き直る。
開幕KOこそ免れたとはいえ、かなりの時間胴体を圧迫され、そのダメージは明らかだったが…。

「げほっ、あれー? 折角ハンデをあげたのに、もうお終いなんですか? 仕方ないですね、じゃあボクのターン、いきますよ!!」

「ふっ、勘違いするな。簡単に落ちられたんじゃ、アタシの楽しみも半減っ……ぬっ!? 何ッ、このっ…!」

「あれあれあれー、どうしたんですかー? まあボクは全然まったく気にしてませんけど、ボクに恥をかかせてくれたんです!
それ以上のミジメな負け方をしてもらわないと、釣り合いが取れませんからね!」

「出た――――!! 距離が開いたことで今度は幸子さんの十八番、無呼吸連打がここで出ました!!
息をもつかせぬパンチの嵐はまさに超大型台風! 問答無用でロベルティナさんをも巻き込み、リング中央へと押し戻していきます!」

幸子の宣言を所詮強がりと軽く受け流し、手負いの獲物を追いつめるつもりのロベルティナだったが。一度連打が始まってしまえば、まさにずっと幸子のターン! 今だかつて経験したこともないラッシュを浴びて、たちまちその表情は驚愕と動揺の色に染まっていく!

「うわっ、ロベルティナのベアハッグ喰らいながら、まだあれだけ動けるのかよ幸子!? 地味にスタミナもあるのは知ってたが、マジで弱点が見当たらねーな…」
「情けねーぞレズ姉貴! もう一度捕まえてしまえば、今度こそ終わりだ! ここまで期待させといて、逆転されるとか許さねーからな!!」
「ロベルティナの打たれ強さを以ってしても、反撃はおろか踏みとどまるだけで精一杯とは…。流石っつーか、幸子があのまま終わるわけがなかったか」

(チッ、マグレや八百長で勝ち上がってきたわけじゃないってことか! アタシがいない間に、頂点に立ったってーのも頷ける…でもね!)

「ぷはあっ!」

「893のケンカは、舐められたらそこで負けなんだよ!」

「なんとぉ―――!? 息継ぎまでの約5分弱、ボロボロになりながらも耐え切ったロベルティナさん! この瞬間を狙っての、気合を込めたヘッドバッド! 幸子さんの身体が揺らぎ…これは、額から流血してますか?」

当然ロベルティナも苦しそうな様子は隠せず、破れたタンクトップの隙間からは、腫れ上がった胸が覗いている。しかし幸子の手が止まった今がチャンス、再び攻守交替とばかりに、巨体を生かし圧し掛かるロベルティナ!

「幸子っ! ローリングサンダー!!」

「っ!!」

一瞬視界が塞がれた幸子だったが、今度はココロも冷静に相手の動きを読み切っていた。即座にかつて幸子が覚えたパンチを指示、正中線に走る3つの急所を同時に貫くその連撃は、完璧なタイミングでロベルティナを迎撃する!
ちなみに幸子はスペシャルの方も使えるのだが、そっちは技名が長くて間に合わないと踏んだココロの判断だった。

逆に反撃など予想していなかったロベルティナは、無呼吸連打のダメージもあり大きく後退。たたらを踏むという非常に珍しい姿を見せる。
そして幸子はすぐさま血を拭うと、ココロに向かいツープラトンのサイン! ココロもロベルティナ相手に長引くと危険なのは重々承知。お馴染みスカイラブの土台となり、幸子を天高く跳ね上げる!

「よくもカワイイボクの顔に、傷をつけてくれましたね! もう手加減はしません、この場で処刑してあげます!!」

「ぬあっ! がっ!! ぐぬうっ…!!」

「完全にロベルティナさんの頭上を取った幸子さん、そこから両足で容赦なく顔面を踏みつけまくる! 飛翔脚めいた挙動ですが、ほぼ垂直に立っていますので…これは、KOするまでエンドレスで続けるつもりか―――!!?」

「そうはイカの金玉よ!!」

ここで甲斐姉妹も京が突入、姉の背中を踏み台にして、幸子と同じ高さにまで駆け上がる! と言うかいくつやねんお前。
しかしセリフはともかく、好フォローなのは間違いなかった。天翔脚めいて急上昇する京のトビゲリはバク宙でかわしたものの、幸子も頭上マウントを諦め一旦離脱せざるを得ない。

「ふうっ…大人しくしてれば、サインくらいはあげたんですけどね! ボクに歯向かうなら、やっぱりお仕置きが必要ですか!」

「サインは後で無理矢理書かせるから問題ない。試合は試合、負けることなど本能が許さぬわゴルァ!!」

相変わらず小○生とは思えない割り切りっぷりであるが、これもひとえに家庭環境と、姉の喧嘩を見て育ったがゆえの産物か。
なお京の後ろに回ったロベルティナは顔面ボコボコ、すでに元の形が判別できないほどの凄絶な有様だった。それでもしっかり意識はあるようで、舌打ちをしながら妹に張り手のごときタッチ!

「まさにラスボス対決と呼ぶにふさわしい、息詰まるハイレベルな応酬の繰り返し! 幸子さんとロベルティナさんはもとより、2人のパートナーもまったく譲りません!
いまだ勝利の女神が、どちらに微笑むかは分からない展開です! さあ、幸子さんvs京さんへと組み合わせが変わったことで、これから試合はどう動きますか?」


第1試合 甲斐姉妹 vs カワイイ幸子と愉快な仲間(2/4)


「実際、ここまで見てきて幸子とロベルティナの力量は五分に近い…となると、カギを握るのはやはりパートナーか」

「まずはその京さん、目の前であの無呼吸連打を見せられても臆さず、真っ向から幸子さんとの打ち合いに応じます! 
…しかし、打撃戦では地下最強クラスと言っていい幸子さん! いまだペースは衰えず、京さんをも左右のフックで押し込んでいく―――!!」

「幸子、右アッパー!」

「ザッケンナコグワーッ!」

いつものヤクザスラングを叫びながら、幸子のパンチを浴びながらも強引に前に出て打ち返そうとする京。だがココロもすっかり調子を取り戻し、リングサイドからその動きを次々と読み当てる!
ぶっちゃけ喧嘩慣れしているとはいえ、ちゃんとした格闘技をかじっていない京のパンチは大振りそのもの。モーションに入る前に察知できるココロの能力と幸子の反応速度をもってすれば、カウンターを合わせるのは難しいことではなかった。

「あかん、幸子タッグはマジで役割が噛み合ってるな…ただでさえ単独で鬼強い幸子が、バフ上乗せみたいな状態になってやがる」
「ぬぅーーん!! 見せ場は最初だけだったか甲斐姉妹! なんたるザマよケジメしてしまえ!」
「完全に勢いに乗っちまったねー。ロベルティナとはいい勝負だったけど、やっぱ妹の方はまだまだか」

こうなった幸子を止められた闘士がいないのは、誰もが知る通り。一方的に殴られ続ける京の姿に、諦めムードが漂い始めたのも無理はない。
…だが!



その異変に、最初に気付いたのはココロだった。

(…幸子の反応が、ワンテンポ遅い? さっきまでカウンター入れてたタイミングでも、間に合わなくてぎりぎり避けてるような…)

然り。20分が経過し、その間何度か甲斐姉妹に交代を許しながらも、終始優勢に試合を進めてきた幸子だったが。ここに来て京の反撃を捌ききれず、特にボディに被弾する場面が目立ちつつあった。
逆に京はかなりの時間サンドバッグにされたにも関わらず、一向に変わらない動きで奇声を叫びつつ、豪快なパンチを繰り出してくる!

「はあっ、はあっ…いつもならとっくに終わってるはずなんです! どうせ無駄なあがきなんですから、さっさと倒れちゃってくださいよもう!」

「チェラッコラー! 無駄なあがきかどうかは、オドレが一番分かってんじゃねーのかゴルァ!!」

「あれ? これは…ひょっとして幸子さんの息が上がってますか? 今まで見たことなかったですが、間違いなく動きのキレも手数も、落ちてきてますよね?」

「あー、ココロのバックアップがあるとはいえ、実質1人で休みなしに甲斐姉妹を相手取ってきたわけだからな。対して甲斐姉妹は、危なくなったら片方が引っ込んで回復することができる。パートナーが非戦闘員というリスクが、ここで出ちまったか。
…まあそれでも、あれだけ幸子の打撃を受けりゃ、普通ならとっくにKOされてるって」

確かに今まで幸子の連打をまともに喰らって、沈まなかった相手はいない。真理亜にしても喰らう前にカウンターをかい潜り、関節で仕留めるというパターンだった。
予選でも十分すぎるほどその頑丈さを見せつけてきたが、つくづく甲斐姉妹の肉体はどっかおかしいと言わざるを得ない。

もはや京が押し返しつつあるのは、観客の目にも明らか。肩で息をする幸子へ、お返しとばかりに面白いようにボディが突き刺さっていく! 
ココロも声を枯らして指示を飛ばすが、いかんせん幸子の動きが追いつかないのではどうしようもない!

「あとやっぱり、最初のベアハッグで内臓を圧迫されたのが、じわじわ効いてきたってところか。何だかんだでアレは大きかった。
さて、こうなっちまうと甲斐姉妹の勝ちパターンだが…」

「げえほッ…! ぐっ! 顔を狙わないのは、褒めてあげます、があっ…!!」

「ふっ、よくやった京! 仕上げはお姉ちゃんが!!」

「ここぞとばかりに涎垂らしやがって姉貴…まあいい、幸子はすでに青息吐息よ!」

「満を持して再び乱入したロベルティナさん! 完全に足が止まった幸子さんを抱きしめ…これは!? ベアハッグではなく、ぱんつごとスカートを鷲掴みにし、思い切り引きつけると同時にその巨体を上からかぶせていきます―――!!」

「鯖折りか! 意外と絞め技のバリエーション豊かだよなロベルティナw
まあでも、あれだけの体格と握力を持ってるなら、確かにうってつけの技ではある」

裾から捲り上げるようにスカート全体を握られてしまった上、強烈な引きつけでショーツもTバックのように食い込み、幸子のお尻は丸見え状態。それだけでも場内のボルテージが上がるのには十分だったが、息苦しさで気付いていない幸子は、拘束から逃れようと必死で腰を振りはじめる!
傲慢不遜なアイドルが見せるあられもないダンスに、さらに一段と大きな歓声が上がり、理解した幸子の顔が真っ赤に染まる。しかしこのまま抵抗しなければ、ロベルティナの身体に押し潰されてしまうのは明らか! その恥ずかしい姿を囃し立てる野次を聞きながらも、幸子には一層激しくケツ振りダンスを踊るしか取るべき道はなかった。

「っっ!! まさか、幸子が…世話の焼ける!」

この事態にココロもすぐさまリングに飛び込むが、今度は京もそれをしっかり予測していた。というか序盤は姉の邪魔をしないよう、大人しくしていたにすぎない。だが今はカットを許す方が、姉の機嫌を損ねることは明白!
ココロの進路を塞ぐように正面に立つと、幸子にしたのと同様、その小さな身体からは想像もつかない程重い腹パンを叩き込む!

「ぐええええッッ!!?」

「その妙な力も、闘い慣れしてないんじゃ宝の持ち腐れだな。せいぜいこんな世界に連れ込んだ幸子と、オドレの迂闊さを恨むことだ!!」

「がっ! ごぼおッ! ぐぷッ……!!」

「これは、蒼黒戦と同じパターン! 小回りの利く京さんが、幸子チームの連携を見事に分断!
ボディの連打でコーナーまで押し込み、そのままサンドバッグにして仕留めるつもりか―――!!?」

相手の動きが事前に分かるとはいえ、ココロ自身生まれてからこんな場所での闘いはおろか、喧嘩もしたことがないような18年だった。そして京相手にその経験の浅さは、はっきり言って致命的以前に相手にならないレベル。今まで味わったこともない、内臓を抉る一撃ですっかり京の気迫に呑まれてしまったココロは、もう思考も身体もパニくったまま、なす術なくサンドバッグにされるのみ!

「ご、ぎゅぶっ……げぽぁ……ぉ……!!」

もとよりまったく鍛えられていないココロの腹筋など、京の前では薄皮も同然だった。胃袋を直接殴られるかのような感覚に瞳の焦点はぶれ、身体をくの字に曲がてココロは悶絶する! そして容赦なく放たれる、助走をつけた渾身のボディアッパー!!

「ぶぎゅぉおおぉぉぉぉッッッーーーー!!!!」

背にしたコーナーが歪むほどの衝撃と共に、京の腕は肘のあたりまでココロのお腹にめり込んでしまっていた。…少し前まで普通の女子高生だった彼女が喰らうには、あまりにむごすぎる一撃。到底耐えられるはずもなく、全身の穴が開き…ココロの生理機能は完全に決壊した。

「ぐぼッッ!! ばっ! お゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛………!!」

京が拳を引き抜くと同時に、滝のような勢いで吐瀉物とおしっこが溢れ出す。すでに白目を剥いていたココロはそのまま前のめりに崩れ落ちると、マットに突っ伏した後もなお、痙攣しながら身体に溜め込んでいた汚物を外へと垂れ流し続けるのだった。

「なっ…ココロっ!?」

「フッ、できればそっちも味わいたかったが…まあいい、今日のメインディッシュはお前の方よ! アイドルの身体を堪能できる機会なんて、そうはないからなぁ!!」

「ぐううッ……!」

ココロがやられている間も、依然として幸子は鯖折りから抜け出せず。上半身を密着させ徐々に身体を預けてくるロベルティナを、足だけのブリッジで支えているような状態だった。相変わらずお尻は剥き出しのまま、もはや野次を気にする余裕もなく汗だくになって抵抗するも、ロベルティナの指はまわしをがっちりと掴んだ力士のごとく微動だにしない!

「ところで私の知ってる鯖折りと違うんですが、あっちが正しい形でいいんですか?」

「ああ、あの人のせいで相手を持ち上げるベアハッグみたいな体勢のイメージが強いんだが。相撲の決まり手としてはまわしを引きつけ、上から圧し掛かることで相手の膝を地面につかせるのを目的とした技だ。
ただまあ、力士同士でも膝や腰を痛めることが多い危険な技なんで、最近じゃほとんど見ないんだが…ロベルティナのヤツ、幸子が再起不能になろうがお構いなしってツラだなw 地下の試合としちゃ、賢明な選択だw」

もっとも観客は幸子の力尽きる瞬間を見届けようと大盛り上がりで、ヴォイドさんの解説もほとんど耳に入っていない。何しろあの幸子が今にも2敗目を喫しようかという展開、当然といえば当然である。
もはやココロの援護が受けられないこの状況、いかに幸子とて耐え切れずに膝が折れ、ロベルティナの下敷きとなるのは時間の問題かと思われた。…しかし地下には、甲子園と同種の魔物が潜む!

ブチブチブチイッッ!!!

「ぬあっ!?」

「きゅふッ……!!」

「あ―――っと!! これは、ロベルティナさん力を込めすぎたのが仇となりましたか!?
ベルトもろとも幸子さんのスカートが引き千切られ、思わぬ形で地獄の鯖折りが解かれました!!
し、しかし……ある意味それ以上のハプニングが……!」

「お、おおおおお――――!!? やべえ、この試合は永久保存版だ!! もうどっちが勝とうが関係ないわ!!」
「そんなところまで見せてくれるなんて、サービス精神旺盛すぎんだろ幸子! さすがはアイドルの鏡だな!!」
「でもその年で生えてないのは、ちょっと子供っぽすぎやしねーかオイwww もしかして赤飯もまだなのか――?www」

「え? あっ………!!」

事態に気付いた幸子が慌てて隠すも、時すでに遅し。ロベルティナの握力と力いっぱい腰を引いた幸子との相乗効果が生み出したハプニングではあったが、幸子にとっては幸運だったか不運だったか。
ビリビリに破けた残骸の一部はロベルティナの手中に、残りはひらひらとマットへ舞い落ちる…もういい加減ぼかす必要もないだろう。
即ち幸子は下半身マッパ! 女の子の一番大事な部分を、一糸纏わず外気に晒している状態!!

「くっははははは!! いい格好になったじゃないか! お前はそうやって、観客に媚売るのがお似合いだよ!」

「~~~~~っっ!!!」

茹で蛸のようになってロベルティナに殴りかかる幸子だったが、左手で股間を隠したままでは、到底いつもの威力に届きようがない。それを悠々と捌き、トドメを刺すべくロベルティナは再度両腕を広げて抱きかかってくる! さらに後方からは、ミドルキックでお尻を打ち据える京!

脱出こそ果たしたものの、幸子は見られないようにガードしながら、前後からの挟み撃ちを凌がなければならない状況。結局恥ずかしい思いをした上、KOされるまでの時間を延ばしたに過ぎなかったのかと、観客達が総立ちになって好き放題からかいまくるのも無理はない。

「やれ―――! 上も脱がせちまえロベルティナ!!」
「あはははは!! 幸子のこんな無様な姿が見られるなんて! 苦労してチケットを手に入れた甲斐があったよ!!」
「どうせもうばっちり撮られてるんだし、諦めが悪いぞ幸子ー! 無駄な努力しないでもっと見せてくれよー!!」

「くくっ、こいつらの言う通りだぜ? まあお前は、そこの使えねえ相方と違って、楽には落としてやらないがな…!」

「…それはちょっと、聞き捨てならないですね」

その何気ない挑発は、幸子の動揺に追い討ちをかけるのだけが目的だったが…いまだリングの片隅で汚物まみれになっているココロが視界に入った瞬間、幸子の表情は明らかに変貌した。

「何でもう勝った気になってるんですか?」

「ひょ?」

「まだボクのバトルフェイズは、終了してないんですよ!!」

―――ここまで甲斐姉妹の異常なタフネスばかりが目立っていたせいで、観戦しているほとんどの人間は、ひとつ大事なことを忘れていた。
幸子の才能は、天才とか呼べるレベルを遥かに超えていることを!

「なっ!!? ななな、なんと幸子さん、ここから無呼吸連打――――!!??
完全にスタミナ使い果たしたかに見えたんですが、一体どうなってるんですかこの人は!?」


第1試合 甲斐姉妹 vs カワイイ幸子と愉快な仲間(3/4)


「バッ、バカな!? 見られても構わないってのか!!?」

「それより今は、あなた達ををぶちのめす方が先決です! その後でここにいる全員の記憶を消しちゃえば、何の問題もありません!!」

「…どうやって?」

「後で考えます!!!」

怒りと羞恥心で完全にプッツンした幸子は、すでに論理的な思考を放棄。しかしある意味、こうして開き直った相手ほど恐ろしいものはない…ましてやそれが、あの幸子である。
ロベルティナも引き金となった、自身の発言を察するが時すでに遅し! さっきまでのうっぷんを晴らすように、大股で両足を開いたスタンスから、幸子の両拳がロベルティナのボディへ次々と叩き込まれる!!

「ぐえっぷっ!? お、おのれ…抜かったわ…!」

「チイッ、このバカ姉貴! だから最後まで油断するなとグワーッ!!」

慌ててカットに入るべく飛びかかった京だったが、幸子は連打の最中にも関わらずローリングソバットで迎撃! 足の甲をまともにテンプルへ喰らった京は、軽量さも相まって一直線に弾き飛ばされガラスに激突、そのまま落下する!
その隙に間合いを詰めようとしたロベルティナの顎へはアッパー、はっきり言って1人だけ時間の流れが異なるとしか表現しようがない。さらにミドルキックも交え、幸子の猛ラッシュは休まるどころか、ますますその激しさを増していく!!

「…もともと性格を別にすれば、全身才能の塊みたいなヤツだからな。余計な考えが吹っ飛んで、本能のみで動きゃーこうもなるか」

ズウゥゥ…………ゥゥン

もはや何発被弾したのか。数えきれないほどの打撃をその身に浴び、顔のみならず身体のあちこちが腫れ上がったロベルティナは、ついにその巨体をマットへと横たえる。

「はあっ…はあっ……、分かりましたか。ボクが、カワイくて最強なんです……!」

あまりといえばあまりにとんでもない逆転劇に、場内はさっきまでの喧騒から一転。水を打ったように静まり返っていた。
誰もが幸子の底知れぬスペックに息を呑み、もはやその格好を冷やかす声さえも聞こえてこない。

無論幸子とて満身創痍。しばらくの間倒れたロベルティナを仁王立ちで見下ろすも、いつものようにファンサービスに興じる気力は、到底残っていない様子だった。
ようやく呼吸を整えた後、彼女としては珍しく自分からココロを背負い、リングを下りようとする。…その時だった!

「…残念だったな。じゃあお前は、カワイくも最強でもない…!!」

「っっ!?」

地の底から響くようなおよそ女子らしくない声に、振り返る幸子。その眼前のおよそ信じがたい光景に、静寂に包まれた場内は徐々にどよめきで満たされていく!

「…幸子さんも怪物ですが、ロベルティナさんも負けず劣らず怪物でした……! まだ試合は終わってません! あの連打を受けてなお、とっくにライフがゼロになっていませんでしたとは!」

「そ、そんな……」

「フッ、万全のお前だったら、いくらアタシでも耐えられなかったろうが。やはりあの長時間の鯖折りで、相当膝を痛めていたな…さっきのは1回目に比べて、1発1発が軽かったぜ」

そのロベルティナの言葉を裏付けるように、京までもが額から血を流しながらもリングに復帰してくる! さすがにまだ足取りはおぼつかなかったが、最後の力を出し尽くした攻撃で2人ともKOできなかった事実は、幸子の絶望に追い討ちをかけるには十分だった。

「や、やせ我慢は身体によくないですよ! どうせ押せば倒れるくせ、に゛い゛ッッ……ぐぼっっ!! え゛ッッ!!」

そしてココロを下ろし改めて臨戦態勢を取ろうとした幸子の言葉を遮る、ロベルティナの重い腹パン!

「そりゃお前の方だろう? アドレナリンドバドバの状態を通り過ぎた今、お前の身体は鉛のように重くなってるはずだ…違うか?」

「~~~~~ッッッ!!!」

必死に歯を食いしばって殴り返す幸子だが、そのスローモーションな動きは何よりも雄弁に、ロベルティナの指摘が図星であることを物語っていた。
もはや下半身に力が入らず、腕だけで振り回すパンチは虚しく空を切るばかり。ロベルティナもかなり動くのはしんどそうな状態ではあるが、それでも京との連携で、着実に幸子のお腹を捉えていく!

かくも人知を超えた甲斐姉妹の耐久力を目の当たりにして、どよめきは徐々に驚嘆と称賛の声へと変化。一旦言葉を失っていた観客達の間に、再び元の熱気が広がり始める!

「凄えぜロベルティナ! つくづく春夏には何で負けたんだ…あの時はまだ人間だったのか?」
「うひゃひゃひゃひゃ! 腹パン喰らうたびに、右へ左へよろめいてやがる! そりゃなんだ幸子ー、新しい振り付けかー!?」
「はははっ、一時はどうなるかと思ったが! 今度こそ気を抜くんじゃねんぞ! 完全に息の根を止めるまで、その生意気なアイドルをボコボコにしてやれ―――!!」

「ぐぶうっっ!! かっ…はひゅっ……ボ、ボクが、負け……? ごぷううぅぅぅ!!!」

「ふうっ…言われるまでもない。念入りにトドメを刺さなきゃ、安心できないからなお前は」

「あっ…!?」

「おーっと、ここでロベルティナさん、幸子さんの背後に回り込み、羽交い絞めにして抱え上げる! その目の前で京さんが思い切り身体を捻り、限界ギリギリまでタメを作る……この体勢は―――!!」

「さあ観客の皆さんも一緒にカウントをー!! 何発目で沈むか、賭けてもいいぜ―――!!」

「「「おおおおお――――!!?」」」
「じゃあ俺4発で!」
「もう瀕死だし2発ってとこじゃねーか?」
「5発くらいは耐えると見たね!」

思わぬロベルティナの呼びかけに、テンションの回復した観客達はなお一層色めき立つ!
幸子に背中を向けるほど上半身を捻った京の体勢は、言うまでもなく元ヘビー級チャンピオンの必殺ブロー! タメ時間最大のファイナルターンパンチ!
それが今やガードすることも避けることも、力を逸らすことすらできない幸子のお腹を狙っているのである!

「やっ、やめっ……」

「準備はいいか―――? それ、い―――――ち!!!」

「「「い――――ち!!!!」」」

ドボオオオォォッッ!!!!

「ぶぎゃあああぁぁ―――ッッッ!!!」

言うなれば最大限まで引き延ばしたゴムが、元に戻るかのごとき反発力。それを京は全身を使って再現、自身の拳に恐るべき反動を乗せて、幸子のお腹を撃ち抜いていた!
普段のハスキーボイスからは想像もつかない濁った悲鳴が会場に響き、観客は総立ちとなってそのリアクションへ大歓声を送る!

「ははははは!! アイドルがそんな声出してどうすんだよ! 折角のファンも離れていっちゃうぜー?」
「この調子じゃ3発持たねーかぁ? もっと長い時間、楽しませてくれよー!!」

そんな中も京は表情を変えず、右拳を引き抜くと今度は逆方向にタメを開始! 情に流されずあくまで勝利を最優先とするこのJS、ある意味姉よりも喧嘩屋としての資質は優れているかもしれない。
その様子を見るや観客達も右手を上げ、人差し指と中指を立てて次のカウントを数えはじめる!

「「「に―――――!!!!」」」

グシャアアアアァァァ!!!!

「おぼおおぉぉぉ!!! ぶげっ、ばっ……! お゛げえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛………」

2発目でついに食道も限界を迎え、これまで押しとどめていた胃の内容物をビチャビチャと音を立て足元に撒き散らす幸子!
タレ目がちな瞳から大粒の涙を流し、いやいやと首を振って脅えた表情で京を見る彼女に、もはや最強の闘士たる面影は残されていなかった。

「ぉ……おねが……ゆるひ………」

「「「さ―――――!!!!」」」

「ごぱあああぁぁぁぁ――――!!!!」

「「「ち―――――!!!!」」」

「げぼ……ぉ……は、ひっ……!」

「「「こ―――――――――――――!!!!!!」」」


第1試合 甲斐姉妹 vs カワイイ幸子と愉快な仲間(4/4)


「……ぉ……ぉぉぉ………ぉ……」

ちょろっ……じょろろろろ…………

大合唱のコールに応えるかのように、5発目は一際深々と下腹部へ埋没。圧壊させられた膀胱はその機能を失い、つるつるの割れ目から弧を描いて、琥珀色のおしっこがとめどなく溢れ出していく。
後ろからニヤニヤとロベルティナが覗き込んだその面差しは、涙と鼻水と涎でぐしょぐしょの有様。半開きになった口からはだらしなく舌を突き出し、裏返った瞳の焦点はすでに合ってはいない。
アへ顔に近い表情でお漏らしを続けるその姿は、到底アイドルと呼べるものではなく、ただの無様な負け犬に過ぎなかった。

ひとしきり水たまりが出来上がったところで、ようやくロベルティナが腕をほどくと…力を失った幸子の身体は膝から崩れ落ち、水音を立てて自身の尿へとダイブ。うつ伏せでマットへと沈み込んだまま、小ぶりなお尻をぴくぴくと震わせるだけだった。
その背中を無造作に踏みつけ、ロベルティナが揚々と右腕を天に掲げるや、会場は割れんばかりの大歓声に包まれる!

「決着――――!!!! 幸子伝説に終止符を打ったのは、甲斐ロベルティナ! そして甲斐京!!
まさに怪物同士と呼ぶにふさわしい激戦、両者ともその実力を余すことなく発揮しましたが、わずかなアヤが明暗を分けましたか! 2度に渡る無呼吸連打に耐え、正面から力で幸子を粉砕した甲斐姉妹! このまま一気に頂点へと駆け上がるのか―――?
座布団を投げないでください、座布団を投げないでください―――!!」

「うひょおおおお――――!! 幸子ぉ―――、2回も負けちまったんじゃ、もう最強なんて恥ずかしくて口にできねーよなぁ!?」
「それよりまずその格好が恥ずかしいよ! おま○こ丸出しで腹パン喰らってKOなんて、今大会で一番情けない負け方なんじゃないの―――?」
「期待はしてたが、ここまで期待以上のものが見られるとはな!! チケット取れなかった同僚、今頃悔しさでむせび泣いてるに違いないはっはっはwww」
「さーしかし、ロベルティナの試合はここからが本番よ! …問題はロベルティナも割と瀕死に見えることなんだが。やるのか? マジで?」

「くくくっ…確かに動くのもしんどいけどな。こんな据え膳目の前にして、お預けとかありえねーだろ?」

そう宣言するとロベルティナは、乱暴に髪を掴んで気を失った幸子の身体を無理矢理引き起こす! さらに残ったコスチュームのトップ部分も引き千切り、膨らみかけの小さな胸も露わにしたことで、最高潮と思われた場内のボルテージはさらにもう一段上の領域へとシフトしていった!

「さあ、現役トップアイドル様は、どんな味かなあ!?」

「きゃふうぅんッッ!!?」

おもむろに最も神経の集中している部分、まだ自分では触れたことすらないその突起を指でつままれ、幸子の身体は電流を流されたかのように跳ね上がった。

「あ……ぁ……? ボ、ボク……?」

「勝者の権利だ。お前も今まで、いろいろやってきたみたいだしな。文句は言うまい?」

「ひっ……! あっ、あやまりまひゅ! あややりましゅはら、どうか…ん゛ん゛ん゛―――ッッ!?」

事態を理解し、歯の根もかみ合わないほど脅えて許しを請う幸子だったが、それはロベルティナの情欲へ火を注ぐ反応に他ならなかった。
後ろから抱きかかえられるような格好となった幸子は、股間と胸をまさぐられながら、台詞の途中で唇までも奪われる!

「ぷはあっ…! えっ、えぐっ…ぐしゅ……」

「何だぁ? もしかしてキスも初めてだったのか? アイドルならイケメン入れ食いだろうに、意外とウブなんだな」

「えっ…うええっ……ひっく……」

「おいおい、もうちょっといつもみたいに強がってみせろよ。張り合いがない、ぜっ!!」

「ひいいいいぃぃぃ―――――!!!!」

今度はおはじきのようにクリ○リスを弾かれ、弓なりに身体を反らせて絶叫する幸子。初めて受ける性的な刺激に、未発達ながらも女性としての機能ができはじめた身体が反応し、おしっこと共に透明な液体も勢いよく噴き上がった!

「あっ………はっ……はひ……」

「くくっ、仕方ねえ。じゃあここからは、全然知識のないアイドル様のために、性教育の時間といくか!
女としての悦びを隅々までレクチャーしてやるから、感謝するんだな!」

「い、いや……いやあぁぁぁ………!」




「は………ひゃ……。ふっ、んッ……」

ロベルティナに穴という穴を弄られ、何度も意識を飛ばされ続けた後も、幸子への制裁は終わらなかった。
ロベルティナも体力的に限界ではあり、生意気なアイドルの心をへし折ったことで満足してはいたのだが。観客からこの日の試合が終わるまで晒し者にすべしとの提案があり、ではどうしたらいいかと協議した結果。
皮肉にも抽選会で空中ライブに使った設備がまだ残っており、駿河問いの体勢で縛られた幸子は、膣と尻穴にバイブを突っ込まれたまま天井から吊るされることになったのだった。

「ひゃーははははは!! ざまあないぜ! 世の中をナメた報いを思い知ったか幸子―――!!」
「この映像もネットに出回るだろうし、もうアイドルは続けられないねえ? むしろ相当な人からヘイト買ってるだろうから、これからは夜道に気を付けなよーwww」
「そしてお決まりのAV堕ちコースかぁ? まあその身体にも需要があるっちゃあるしなあ! 出演したら買ってやってもいいぜははははは!」

なおオマケと言えば失礼だが、ココロも巻き添えな形でコスチュームを破かれ、幸子と同様に吊られていた。もっともこれまでの積み重ねのせいで、観客の視線はほとんど幸子に集まっていたのが不幸中の幸いと言うべきか。

「ま、まって……。ひっ…あああああ―――――!!!!」

加えて幸子の方は、一旦ロープを引き上げた後、地面すれすれまで落下させるというバンジーめいた拷問まで行われはじめる始末。やはり裏方の人達も、散々我儘に振り回された鬱憤が溜まっていたようである。

そんな感じで甲斐姉妹が退出した後も、熱狂の渦はとどまるところを知らず。その場に居合わせたほとんどの人が、恐怖と羞恥で泣きじゃくる幸子の姿をオカズにしたことは言うまでもない。

「あうぅ……ぅ…。たすけ、て……だれ…かぁ……」

ようやく第2試合の設営が開始されたところで幸子バンジーは止められ、会場中央、リング真上のよく見えるところに2人は固定された。もちろんバイブは改めて奥深くまで押し込まれ、落としたらさらなる罰が与えられることも言い渡されたり。
それにしても並の人間なら、あの試合の後にここまでの仕打ちを受ければ、とっくに現世とサヨナラしていてもおかしくはないのだが…今回に限っては、なまじ常人とはかけ離れた肉体の作りが幸子の不幸としか言いようがなかった。

…かくしてアイドルとしても闘士としても、そして14歳の女の子としても、すべての尊厳をズタズタに踏みにじられた幸子。しかし、このまま彼女が大人しくドロップアウトするのを、果たして誰が許そうものか?
抽選会で告知された通り、上位1回戦で敗れたチームは、下位に組み込まれて引き続きトーナメントを闘う可能性がある。
もちろんそれは、これから行われる3試合の結果次第ではあるが…その顛末を見届けるという発想など、今の幸子にできようはずもなく。ただ地上から無数のフラッシュを浴びながら、1秒でも早く、この時間が終わってくれることを願うだけで精一杯だった。



1時間10分14秒(+凌辱タイムとバンジー合わせて1時間ちょっと)
Winner 甲斐姉妹 3勝1敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser カワイイ幸子と愉快な仲間 2勝2敗


トーナメント本戦・組み合わせ抽選(1/2)


スモークが立ち込め、漆黒の場内をカクテルライトが切り裂く。そして鳴り響く重低音のBGM!
(ズババンババンバン! Do the Muscle! ズガガンガガンガン! Hustle Muscle!!)
この演出に今や遅しと待ち構えていた観客達は総立ちになって歓声を上げ、照らし出された入場口へと視線を集めた。今日はいよいよ、タッグトーナメント本戦の組み合わせ抽選会。どのチームが栄冠を手にするのか、はたまた処分という哀れな末路を辿るチームはどこになるのか。
今後の展開を占ううえで、まずはこの日決定されるトーナメント表が重要な指標になることは言うまでもない。

「皆様、たいへん長らくお待たせいたしました!
まずは抽選に先立ちまして、入場と合わせて改めて上位に進出しました8チームを紹介していきたいと思います!
一番手は……222cmの大巨人と137cmの小悪魔! 驚異のロシア製クローンコンビ、ギガントヴィエーディマ!!」

「「オオオオオーーーーーッッッ!!!!」」

「何度見てもでかすぎだぜ…本戦でも巴子にやったように、遠慮なく相手をブッ壊してくれよなー!!」
「ボクはチェーニたんのエロ攻撃にも期待したいねえ。闘いの最中にはしたなく相手をイかせるテクニシャン、しかもそれがょぅι゛ょというギャップ…うふふふふ、たまらないよ」

「予選は2連勝でストレート通過、しかもどちらもKOされずに勝利という圧倒的な内容でした! 規格外の破壊力と変幻自在の機動力を併せ持つこのコンビ、今回もクローン旋風が吹き荒れるのか地下闘技場!」

「ふひひー☆ 少しは壊しがいのある子と当たりたいけどねー」
「あんまりがっつかないでよー。ボクはもっと、時間かけて舐め回したいんだからさぁー」

今回もこの2人は、チェーニがピアーチの肩に乗って登場。絵面だけ見ればメルヘンチックな構図ではある…2人とも人を殺しても何とも思わないメンタルなことを考えなければ。
しかし地下の観客にとっては強さこそ正義。予選で見せつけた一方的な試合内容はまさに優勝候補筆頭と呼ぶにふさわしいものであり、四方から声援を浴びながら、愉悦の表情でギガントは奥へと進む。

「続きまして、ロシアの女王とその下僕のコンビ! しかし女王直々に調教を受けた下僕のポテンシャルも、地味に侮れません!
強キャラ同士の大人げないタッグは、このまま大人げなく勝ち進むのでしょうか!? The Childish----!!!」

「真理亜ーーー!! 今度こそロシアの地下を制したその実力、存分に見せてくれよーーー!!」
「春日も足引っ張んじゃねーぞ! 肉の盾としてその役目を全うしやがれ!」

こちらもギガントと並ぶ優勝候補と目されているだけあって、投げかけられる声援は決して劣らない。春日の方はいまだこのサツバツとした雰囲気には慣れないのか、びくびくした様子で歩を進めていたりするのだが。
対照的にいつも通り競泳水着に身を包んだ真理亜は、豊かな胸を張りいかにも女王といった態度で堂々と入場してくる。しかし3期では思わぬ敗北を喫し、地下の魔境ぶりを身にしみて味わったことから、その切れ長の瞳はかつてより遥かに冷たさをたたえていた。

「戦前の予想を覆し、甲斐姉妹、ビッグ・ボンバーズと名だたるチームを立て続けに撃破! もうダメ忍者とは呼ばせません!
覚醒した忍者とオーラパワーの使い手は、今大会のダークホースとなりますか!? 春夏繚乱、ブーイングと歓声の入り混じる中、入場です!」

さすがにこのチームは負ける方に賭けた人が多かっただけに、やや罵声を浴びせる観客がいるのもやむなしか。しかし気弱だったはずの桜はそれをいちいち気にした風もなく、鮮花とともに堂々と胸を張って入ってくる。このあたりの精神的な成長も、今回の快進撃に一役買っていることは間違いなかった。

(鮮花と一緒ならどんな相手でも負ける気はしないけど…これからが本番。両親の仇を見つけ出すためにも、絶対に優勝してみせる!)

「さー、ここからは2勝1敗で通過したチーム! しかしたかだか1敗、油断してると足元をすくわれますよー。
まずはこの二人! サブマリン宣言から見事浮上してきた、カワイイ幸子と愉快な…ってあれ?」

「お? ココロ一人しかいねーぞ? 幸子はどこに…」
「見ろ、上だ! 天井からロープで吊り下がってやがる!」

「(い、意外と怖い…!)あっははははは!! ボクの名前はアイドル魔王、貫水幸子! 10万14歳!!
どうせボクが優勝するんですからこんなセレモニーなんて無駄の極みですが、折角ですからボクのショータイムとして使ってあげます! ほらココロ、音楽スタート! いきますよ~☆」

相変わらずというか何というか、ますます唯我独尊に磨きのかかった気がする幸子であった。
そんなわけで大観衆の見上げる中、幸子はCAの設備をフルに使った派手にも程がある空中ライブを開演。ひとしきり別の方向で会場は盛り上がる…まあこんな無茶が許されてるのも、ひとえに3期では無敵を誇った幸子の実績ゆえである。

「「「さーちーこ!! さーちーこ!!」」」
「あの性格も強さの一端には違いないからな…俺としちゃーこのチームが本命よ」
「チャイルディッシュ戦は事故みたいなもんだったからなー。幸子ならリベンジも成し遂げて、優勝したっておかしくはない」

「こほん。初戦、The Childishに不覚は取ったものの、その後2試合は3期を思わせるチートぶりを発揮! シングルとタッグの2冠獲得に向け、いよいよ本気を出してきますかスーパーアイドル! ヴォイドさんが高評価を与えた、パートナーのココロさんも不気味な存在です!」

「…何だかすっかり幸子のマネージャーと化してる気がするんですけどね、私」

「さてようやく幸子さんのセットが片付け終わった模様です。では気を取り直して次のチーム!
その鉄壁の守りはまさに肉のカーテン! 2回戦ではギガントのパワーに粉砕され、巴子さんをも失いましたが、新たなカウンター巫女さんを加えて復活! 御山月子さんと藤宮貴音さんによる新生みこみこウォリアーズ、本戦での雪辱を期します!」

「あれがギガントヴィエーディマか…敵討ちなんてガラじゃないけどさ。
私のライバル、巴子を屠ってくれたチーム。興味はあるんだよね」

「……私は、当たらないに越したことはないと思います。命知らずな貴女は、あの恐ろしさを分かってないのかもしれませんが」

「おや、随分とらしくないな。つっきーがそんなこと言うなんて」

「…………」

やはり自慢のディフェンススキルが一切通じず、なす術なく一撃で気絶させられた事実は月子としてもショックは大きかったか。歳の割に落ち着いているとはいえまだ15歳…再戦すれば今度こそ命があるか分からない相手に対し、怖れを抱くなという方が無理な話であろう。

(…とはいえ、あまり意識しても仕方ありませんね。1回戦では予選で対戦したチームとは当たらないと説明されましたし、まずは最初の相手に集中しなくては)

と、月子が軽くかぶりを振ったところで、一際場内の声援が大きくなる。

「どこへ行っていたンだッッ、チャンピオンッッ!! 帰ってきた2期の王者!
甲斐ロベルティナが狂犬じみた妹を引っさげ、タッグへの殴り込みです!!」

「「ウオオオオオーーーーッッ!!!」」
「待ってたぜえレズ姉貴! 本戦でも思い切り、哀れな相手をアへらせてくれよなあ!!」
「僕は京チャンにも期待したいねえ。あの歳で大人と対等に殴り合える頑丈さと胆力。ポテンシャルはロベルティナ以上なんじゃないか?」
「ブランクもほぼ克服したと見ていいかしらね。完全に2期の強さを取り戻したなら、幸子や真理亜でもどうなるかちょっと読めないわよ…」

そんな観客の反応を足を止めて一望し、満足げに呟くロベルティナ。

「ふふっ、やっぱりいいなァ地下は。こんな大勢の前で腕に自信のある女を屈服させ、好き放題犯せるんだぜ。想像するだけで勃ってくるじゃねえか」

「…やっぱり姉貴、生まれてくる性別を間違えたとしか。生えてないのにどこが勃つってーの? 乳首? クリ?」

「両方だ!!」

「…聞こえてます大声で言わないでください。
さておき初戦こそ春夏繚乱に苦汁を舐めされられましたが、2回戦、3回戦は持ち前の重戦車ぶりをいかんなく発揮! 無尽蔵とも思えるタフネスにモノを言わせ、最終的に相手を圧殺するそのスタイル! 次にレズレイプの犠牲となるのはどのチームなのかーーー!?」

さすがに甲斐姉妹は試合後のお楽しみタイムがすっかり恒例と化したこともあり、リョナり役担当として観客から絶大な支持を受けるのも当然といえよう。すでに入場を終えているチームを値踏みするように眺め、じゅるりと舌なめずりする姿は完全に獲物を前にしたオオカミそのものである。

「さあ、残すところあと2チーム! 初戦でパートナーの戦死という、まさかの悲劇!
しかしそれを乗り越え、闘い続ける姿は人々の胸を打ちます(リョナ的な意味で)!
関節マスターの巨乳小○生と、謎めいたアラビアンダンサーのコンビ! 2羽の蝶、ツヴァイシュメッタリン!!」

(っ、セセリ…! もう、私の家族のためだけの闘いじゃない…。命を落とした後もなお、慰み者にされているあの子を救うためにも…!)

わずか11歳の少女が背負うには、あまりにも重すぎる宿命ではあるが。それでも優勝し、彼女の尊厳を取り戻すことがせめてもの弔いと信じ、しっかりとあげはは前を見据える。
一方、急遽補充要員として組むことになったファラーシャはあくまでビジネスライク。試合で仕事すればいいというスタンスで、決意を込めたあげはのこともどこか冷めた視線で見ていたりする。ここまで2試合を共に闘ってきたが、依然としてプライベートには一切干渉してこない…あげはとしてもいまだ距離感を掴みかねているのが、一抹の不安材料ではあった。

「そして最後に上位進出を決めました、特殊部隊二人のコンビ! ブラックベリー!
途中参戦からのハードスケジュールにも関わらず、メンタルの強さと確かな技術による立ち回りは見事の一言でした! 上位でも他チームを脅かす存在になりますか!」

「つーか、運営委員は何でこいつら放置してんだよ? 曲がりなりにもスパイとして忍び込んだ不届き者だぜぇ!?」
「正規の試合で負けてもらって、処分という屈辱的な流れにしたかったのかもだけどー。まさか勝ち上がっちゃうなんて計算外だった、みたいなー?」
「まあ実際、2人ともシステマのスキルは相当なレベルだからな。特にランは、あのユキーデをほとんど封殺してたし。これはこれで、見応えがあってよしだ俺としては」

このチームもやや毛色が違うというか、確実にCAとは敵対している立場なだけに、応援する声は少なめではある。もちろんランもティアもそれは承知、周りすべてが敵であるこの船内で、二人としてはまずは生き長らえるのが最優先。観客だけではなく運営もなるべく刺激しないよう、淡々と他チームが待機する奥へと歩いていく。
…子供っぽいティアの方はそれでも我慢できず、他愛ない野次に反応してランに窘められていたりするが。

「…今はまだ、勝ってるから見過ごされているようなものなんだから。そういうのはもう少し慎みなさいな」

「むー、優等生のランには簡単なのかもしれないけどさー。こう、言い返さないと落ち着かないんだよねあたし」

「…その感情は試合に向けることね。どのチームも強敵揃い、外野を気にして勝てる相手はいないわよ」

然り。近付くにつれ、すでに待ち構えている7チームから多種多様な視線が突き刺さり、思わずティアは身震いする。
しかしティアとても、このくらいで怖気づくような性格ではない。改めて気合を入れ直すように頬を叩き、ランの腕を組んで歩き出す。

「さあ、かくして出揃いました上位を闘います8チーム! 皆様、盛大な拍手を――――!!!」

「「「オオオオオ―――――ッッッ!!!」」」

「…で、抽選方法はどうするんだ?」

「はい、まずはこちらをご覧くださいー」

「あれは……巨大なパチンコ台? よく作ったなスタッフ…てーかまさか」

「そのまさか、キン肉マン2世の超人オリンピック方式です! 闘士の皆さんにはチームごとに2人でカプセルに入ってもらい、それを射出! 釘に弾かれ、ランダムに辿り着いた八つのスロットが、そのままトーナメントでの位置となるわけです!」

「…罰ゲームじゃないですかコレ。勝ったのにひどい仕打ちですね」

「トップアイドルのボクが、そんなお笑い芸人みたいなことするわけないじゃないですか! ココロ1人で入ってください!」

「アタシカプセルに入んないんだけどw つまんないから打ち出す係やっていーい?」

割とローズさんの趣味が暴走したこの仕掛け、超人じゃない闘士の皆さんからは非難轟々だったわけですが。
見た目的に派手であることには間違いなく、観客のテンションも相まって、従わざるを得ないというか拒否権はないというか。
まあ各チームとしても試合前にごたごたを起こす気はなく、春日が目を回してカプセル内にまろび出る何かをぶち撒けた以外はつつがなく進行(ピアーチにはちゃんと大きめのカプセルが用意されてました)。

かくして、まずは上位8チームの組み合わせが決定! …三半規管を揺さぶられまくった各闘士は、すっかりへろへろになってパチンコ台の横で控えモードだったりするのだが。帰りたいと申し出た人も何人かいたものの、どうやら下位の入場が終わった後で、上位にとっても重要な告知があるらしい。
そんなグロッキーな光景とは対照的に、観客は早くも初戦の組み合わせ、そしてどのチームが勝ち上がるかについて、白熱した議論を戦わせる。初戦から注目のカードが目白押しとなったこの結果、無理もないことと言えよう。

トーナメント表1

「いきなり3期と2期の覇者、幸子とロベルティナがぶつかるとはな。しかも第1試合とか、事実上の決勝なんじゃねーか?」
「勢いのあるチーム同士、勝った方が一気に駆け上がる可能性は十分にあるのう。しかし、まだギガントやチャイルディッシュもおるゆえ、分からぬわい…。」
「そのチャイルディッシュの真理亜も、初戦から3期で因縁のあるあげはとか。前回は経験の差で真理亜が一歩上だったが、あげはもあれから成長著しいからな…油断してると足元すくわれるぜ」
「俺は桜ちゃんがようやくリョナられてくれそうですごい楽しみだよー! 予選じゃ期待外れもいいとこだったからなーまったく甲斐姉妹もボンバーズもブツブツ」
「みこみこvsブラックベリーも、純粋にレベルの高い格闘家同士の対戦て感じで、予想がつけにくいですね。やはりランページ戦で鮮烈なデビューを果たした、必殺のジョルトを持つ貴音さんが鍵になるでしょうか」
「ランもシステマの動きを生かしたカウンターの名手だし、見応えのあるカウンター合戦になりそうだな。意外とこういうチームが大穴になったりするもんだぜーふふふ」

などなど、しばし予想に興じる観客たちの様子を見ながら。ひとしきり会場内が落ち着いたところで、ローズさんが合図。再び照明が落とされる。

「では、続きまして下位チームの抽選に移りたいと思います! これより各チーム入場して参りますが、どうか皆様、エキサイトしすぎて物とか投げませんようにー!」

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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1

トーナメント表2

トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

☆第5試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第6試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第7試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第8試合
ダブルエックスvs???

参加タッグ一覧

タッグ01 タッグ02 タッグ03 タッグ03-c タッグ04 タッグ04b タッグ06 タッグ07 タッグ08 タッグ09 タッグ10 タッグ10b タッグ10c タッグ13 タッグ14

3期参加闘士一覧

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