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「地下格闘リョナ企画」につきましての主旨、舞台設定などのご説明

・主旨
「地下格闘リョナ企画」とは、参加者に地下闘技場で闘うキャラを作成してもらい、そのリョナられる様、あるいは勝ち進む様、はたまた他のキャラをリョナる様などを楽しんでいただく企画となります。
勝敗はキャラクターに割り振られた各パラメータの数値を元に、主催がダイスを振って闘わせることで決定。ゆえに相性、運なども大きく作用し、予想もつかない結果となることも、この企画の醍醐味とご理解ください。
またその際の模様をSSとして起こしたのが、こちらに掲載されているものとなります。

・舞台
便宜上「地下」とは称されていますが、その実彼女達が闘う舞台は、超豪華客船、カースドエンジェル号。
所謂セレブ達しか乗船の許されない船であればこそ、非合法な女性同士の闘いも公にならず行われているというわけです。
また闘士にとっては逃げ場のない海の上、解放されるには最後まで勝ち抜く以外にありません。

・補足
1~3期がシングルマッチ、そして現在進行中なのがタッグ編となりますが、1期と2期は現在と主催が異なるため、ログの方は残っておりません。
どうかご容赦のほど、よろしくお願いいたします。
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[ 2037/07/17 15:14 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

EXマッチ 月嶋雫 vs 真理亜・K・コンドラチェンコ

雫さんis2   真理亜s
月嶋 雫
身長162cm 体重50kg 3サイズ B92 W58 H89 年齢:22歳
試合コス:藍色と白ベースのアイドル風レオタード

真理亜・K・コンドラチェンコ
身長172cm 体重62kg 3サイズ B88E W61 H89 年齢:26歳
試合コス:競泳水着。アレーナ社のARN-5041W。あとオープングローブとレガース

 C・Aで定期的に行われているエキシビジョンマッチ。
 トーナメントに参加している選手が試合勘を維持するために組まれることもあるが、参加していない選手が暇つぶしに出場することもある。つい先日行われた第3期トーナメントクイーンであるローズがシングルマッチの連戦で今トーナメント参加者を次から次へとなぎ倒して勝ち名乗りを上げたが、それはあくまで例外。大抵はシングルマッチ、もしくはタッグマッチでの対戦だ。
 今日行われる新春エキシビジョンマッチは選手の中でも人気が高いランページ・ヴィーナスの月嶋雫、そして真性ドSな試合ぶりで名高い真理亜の試合だ。打たれ強く負けず嫌いな雫を真理亜がどう弄ぶのか、観客の期待に満ちた声援が会場を揺らす中、ライトに照らし出されたリングでは二人が試合前の握手を交わしあっている。


「今日は・・・よろしくお願いします!」


 正統派のベビーフェイスらしい、正々堂々とした挨拶。真理亜も握手を拒むことはせず、しっかりと右手で握手しあう。C・Aの試合らしからぬ爽やかな光景に観客がざわつくが、真理亜は観客のざわつきに見向きもせず笑みを浮かべて雫を見降ろす。


「・・・先に、謝っておかなければならないことがあるの。私は今日・・・試合をしに来たわけじゃないわ」

「・・・・・・?」


 嗜虐的な笑みを浮かべながら穏やかに雫に話しかける真理亜。いぶかし気に見上げる雫に真理亜は言葉を続ける。


「あなたが悪いわけじゃない、ただ単に・・・・・・今日の私は調子がいい、それだけだから」


 真理亜は右手を解くとそれ以上雫に何も言わず、背を向けてコーナーへと戻る。真理亜が何を言いたかったのか、わからないまま雫もコーナーへと戻った。そのまま雫はリングの堅さやロープの張りを確認するが、真理亜はコーナーを背に立ったまま何もしようとしない。
 真理亜は確かに傲岸不遜だが、自身を誇張するタイプではない。よほど今日のコンディションがいいのだろうと雫は警戒を強めながらファイティングポーズを構える。


 カーーーーーン!!


 試合開始のゴングとともにリング中央へと歩み出る両者。雫はファイティングポーズを構えながら慎重に、真理亜は自然体のまま足を運ぶ。傍から見ると真理亜は雫を警戒すらしていないように見えるが、雫からはどう動いても真理亜に迎撃されてしまう予感しかしなかった。


「ふふふ・・・まるで子犬みたいね、あなた。大した実力でもないのに噛みつこうとするところなんて、特に・・・ね!」

「っ!速い・・・!」


 真理亜の出方をうかがおうとする雫に対し、真理亜は自然体から一気にギアを上げ、タックルで雫に向かい飛び込んでいく。これまで対戦相手をマットに引き倒してきた高速タックルは雫が警戒を強めてなお対処しきれず、雫の左足を捕らえるとそのままグラウンドへと持ち込んでいった。


「ああぁぁぁーーーー!!」

「うふふ、いい悲鳴ねぇ・・・さあ、早く逃げないと足首がもげるわよ」


 グラウンドに押し倒した雫の左足首をアキレス腱固めで極め、一気に引き絞っていく真理亜。雫が上げる悲鳴に嗜虐的な笑みを浮かべるが、さらに力を入れようとするより早く雫が真理亜の足を振りほどきながら体をよじり、アキレス腱固めから逃れる。
 目立つことはないが、雫はサブミッションもプロレスラーの中では評価が高い。関節技のスペシャリストである真理亜にも負けない反応で仰向けからうつぶせに体を転がす。そのまま完全に右足を真理亜の手から引き抜いて距離を取り直そうとするが・・・。


「お可愛いこと。そう逃げるのなんて丸見えよ」

「ーーー!?」


 雫が体を転がすのに合わせて自らも右足をつかんだまま転がり、うつぶせになった雫の右足を捕まえたまま裏アキレス腱固めに捕らえていく真理亜。雫のアキレス腱が真理亜の右前腕部へと押し当てられ、そのまま左手で雫の足の甲を押せば完璧にアキレス腱が極まる。
 雫がどう動くのかがわかっていたというよりも、最初からどう動くのか二人で打ち合わせていたかのようななめらかな動き。完璧に極まったこの技は雫からギブアップを奪うどころか一息でアキレス腱断裂に追い込むにも十分だ。


「ひいいいいぃぃぃぃぃぃーーー!!」

「ほら、ほら。早く逃げないと右足が使い物にならなくなるわよ」


 半狂乱になりながらマットを両腕でもがいて反射的にロープに逃れようとする雫に対し、チェシャ猫のような笑みを浮かべながらささやく真理亜。少しずつマットを這いながらロープに手を伸ばす雫の右足を痛めつけながらも破壊することもロープに逃げようとするのを邪魔しようともしない。


「あと1m、・・・70cm、・・・20cm、5cm・・・・・・」

「ああぁぁぁぁぁ!!ろ、ロープ・・・!!ロープウゥー!!」

「はい、残念でした・・・・・・めげずにもう一度頑張ることね。もう一度があれば、だけど」


 このC・Aのリングでロープブレイクは存在しない。だが、そんな単純なことすら頭に浮かばないほど激痛で雫の思考が回っていない。ロープに手を伸ばし、あと1cmで指先がかかる、その瞬間に真理亜が立ち上がると雫の手は無情にもロープから遠ざかってしまった。
 目の前から遠ざかるロープに汗まみれになった雫の顔が絶望感に歪むのが会場の大スクリーンにアップで映し出される。必死に両手を伸ばすが、一度離れた距離は簡単には詰められない。必死に両手を伸ばす雫の両太ももに真理亜が足を乗せて両足をロックする。そして雫が伸ばした腕をつかむと、一気にひっくり返してロメロスペシャルで持ち上げた。


「くうううううぅぅぅぅぅぅぅ!!」


 派手なだけでダメージはほとんどない、と思われがちなロメロスペシャル。雫もこれまで何度も受けたことのある技だが、サブミッションのスペシャリストである真理亜のそれは全くこれまで受けてきたものとは違った。
 肩、手首が捻じられ、大きく反り返る雫の上半身。さらに真理亜が足を少しひねるだけで大きく開かれた雫の股関節に軋みが上がる。華やかなコスチューム姿の雫の肌に浮かび上がる脂汗。全身をバラバラにされそうな苦痛に端正な顔が歪む様子が大スクリーンに映し出される中、真理亜は人一人を担ぎ上げているとは思えない涼しい表情のままゆっさゆっさと雫の体を上下に揺さぶりさらに苦痛を与えていく。


「あぁん!!くあぁ!!ああぁぁぁ!!ま、だぁ・・・!!こんな程度、でぇっ!!」

「本当にいい声ね。人気が高いのがよくわかるわ。その苦しむ姿、みんなに堪能してもらいなさい・・・・・・あら」


 艶やかな髪を振り乱し、リング中央で体を揺さぶられる雫の姿を存分に観客へと見せつける真理亜。だが、雫もやられるままではいられない。真理亜が雫を揺する動きに合わせて右腕に力を込めて強引にロメロスペシャルを振り切って横へと倒れこんでいく。
 雫の脱出に軽く驚きを見せる真理亜。だが、その口元は雫が脱出した瞬間亀裂のような笑みを浮かべ、その直後誰にも知られず消え去っていた。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・うぐぅ・・・!ま、負ける、もん・・・かぁ!!」


 ロメロスペシャルで痛めつけられた関節の痛みにうめきながら何とか体を起こす雫。その中でもアキレス腱を痛めつけられた右足のダメージが一番重い。体重をかけると痛みが走るが、構わずに立ち上がると自分よりも早く立ち上がっていた真理亜に向かい逆水平チョップを叩きつけていこうとする。


 パァン!!

「くふ・・・!まだ、こんなに動けるのね・・・!でも、その程度で私を止められるとでも・・・!」


 雫がこれほど早く立ち直るとは真理亜も予想外だったか、無防備なまま胸元に雫の逆水平が弾ける。
 だが、雫の打撃はどうしても重さに欠ける。鋭い音を立てて叩きつけられたチョップにかまわず真理亜が右腕を振りかぶるとお返しの逆水平!


 ズパァンッ!!

「うあああぁぁぁーーー!!」


 雫のチョップとは比較にならない重い音を立ててさく裂し、豊かな雫のバストが弾む。サブミッションでも、そして打撃でも相手にならないことを示そうというのか、真理亜は仰け反った雫に向けて右腕でラリアットを叩きつけていく。


「負けん気は認めるけど、その程度では・・・」

「私も、この程度では止まらないわ・・・!」


 真理亜のラリアットで首を刈り取られるかに見えた雫。だが、その寸前に体をひねりながら右腕を伸ばし、カウンターのアームホイップで投げ飛ばしていく。


「な・・・!まだ、そんな動きが・・・!?」

「強い、けど・・・私は負けない・・・!!」


 目を見開き、マットへと叩きつけられる真理亜の肢体。もちろん受け身をしっかりと取ってすぐさま立ち上がっていくが、ここが勝負どころと力を振り絞る雫はすでに真理亜の背後から腕を伸ばし、ジャーマンスープレックスの体勢に捕まえていく。
 真理亜の腰に腕を回し、深く腰を落とす雫。このまま全身を伸ばし、真理亜を投げ飛ばそうとしていくが真理亜の口に浮かぶ亀裂のような笑みには気づいていない。


「これで・・・!!」

「・・・これで、もうおしまい。いい夢を見れたかしら・・・?」


 雫が腰を伸ばそうとした瞬間、真理亜の上半身が前に倒れ、さらに両足が上へと上がる。雫の右太ももを真理亜の足が挟み込み、そのまま回転して雫が前のめりにマットへと引きずり込まれる。


「え・・・?あ、ぇ・・・・・・?」


 狐につままれたような表情のまま真理亜にジャーマンを切り返された雫。明らかに何があったか理解できていない顔だ。そして次の瞬間、右足に襲い掛かる激痛。


「ぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「負けない・・・?うふふ、全くわかっていないのね・・・これは勝負ですらない、ただのショーよ。あなたが苦しみ悶える、ね・・・」


 右足を膝十字固めで搾り上げられ、すさまじい悲鳴を上げて雫が悶絶する。バン、バンとマットを叩いて激痛をこらえ、必死に逃れようとするが完璧に極まったサブミッションから逃れるのは不可能だ。


「ギブアップ?もっともそんなものはこのリングにないけれど。ふふ・・・・・・さあ、存分に泣き叫びなさい・・・!」

「ひっ!!ひいいぃぃぃっ!!いやああぁぁぁぁーーー!!」


 右足を破壊される激痛に泣き叫ぶ雫。歯を食いしばって折れようとする心を支えるが、その健気さがむしろ観客の興奮を誘う。マットをかきむしりながら必死に体をよじり、捕らえられた足を引き抜こうともがくが真理亜の拘束は雫の右足を破壊する寸前で維持されている。


「こん、な・・・!程度、でぇ・・・・・・!!」


 アイドル風のコスチューム姿の雫が髪を振り乱しながら悶絶する姿に口元が裂けたような笑みを浮かべる真理亜。追い込まれてもなお折れない闘志はさすがだが、真理亜にとっては極上の玩具でしかない。


「いい心がけね・・・その闘志、どこまで折れずにいられるかしら・・・?」


 今の真理亜にとって雫はすでに脅威ではない。ここで右足をへし折ってもいいが、そうせずにいじめ続けるほうが面白そうだ。雫が体をよじり、うつぶせから仰向けに転がろうとする動きに逆らわず、両腕を放して自分も体を転がしていく真理亜。


「え・・・あぁっ!?」


 体をよじろうとする動きに真理亜が合わせ、あっさりと仰向けに体が転がったことに対応しきれない雫。真理亜は雫の抵抗を利用しながらすでに左足を両手で捕まえ、次の技へと移行してしまった。


「あなたにはそれほど効かないだろうけど・・・新春サービスよ。はしたない姿を晒しなさい!」

「あ、え・・・いやああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」


 右足を真理亜の両足が拘束し、左足が真理亜の両腕でとらえられる。雫の両足が大きく広げられ、大股開きさせられた股間が観客の前にさらけ出される。柔軟な雫の体はレッグスプレッドを受けてもダメージは小さいが、その分羞恥心を刺激され、これまでの痛みによる悲鳴ではなく羞恥の悲鳴が会場に響いた。


「いい悲鳴ね。女の子らしい・・・うふふ、可愛がってあげたくなってきちゃったわね・・・・・・」

「ひ・・・!」


 痛みではなく羞恥で体をよじる雫の姿ににんまりとチェシャ猫のような笑みをこぼす真理亜。それまでの体を破壊されるかもしれない悪寒ではなく、貞操の危機を感じさせる声音に雫が顔を青ざめさせる。


「可愛らしいわね。そんなつもりなんてないのに本当にそうしたくなってきちゃうじゃない・・・まあ、しないけれど」


 雫の反応を楽しみながら、真理亜は雫の右足から両足を放していく。当然雫は体を転がし、真理亜から少しでも距離を取ろうとするが、その動きすら真理亜の誘導だ。雫の左足はまだ真理亜の手の内に。そのまま真理亜はうつぶせになった雫の右足を踏みつけて動きを止めさせ、左ひざをマットへとつけさせた。このまま試合序盤の時のように裏アキレス腱固めで左足を痛めつけるのかと観客が期待を込めて熱のこもった視線を飛ばす。


「同じ技を何度も使うはずがない、そうよね?」

「は、放し・・・・・・!!」


 真理亜の狙いは雫の左足だが、その手段は同じ技ではない。雫の動きを封じるために踏みつけていた右足を放し、大きく振り上げるとそのまま下へと踏みつけていく。そこにあるのは雫の左足首。膝を曲げたままの雫の左足を踏みつけ、本来曲がらない方向へと左ひざを捻じらせ、そのままマットに雫の足を押し付ける。


 ズダンッ!!

「ぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 技とも呼べない無造作なストンピング。だが、雫の左ひざにかかった負荷はすさまじく、踏みつけられた足首にも激痛が走る。たった一撃で雫の左足が痛めつけられ、マットを転がりまわって悶絶する。折れてはいないが、靱帯にかかった負荷でこの試合左足は使い物にならないだろう。


「ひ、ひぃ・・・!!あ、しが・・・・・・!!」


 右足を徹底的に攻められ、そして左足も。両足をつぶされてしまった雫は両腕でマットを這いながら必死にロープに縋り付き、体を引き起こそうとする。だが、痛めつけられた足には力が入らず、真理亜がゆっくりと近づいてきても体勢を立て直すことはできずに簡単に捕まえられてしまった。


「順番を間違ったわね・・・左足はあとにしておいた方がよかったかしら・・・・・・まあ、いいけど」

「や・・・やめて・・・・・・!足、動か、な・・・!」


 真理亜は雫の右腕を捕まえるとロープから引きはがし、リング中央へと引きずっていく。両足に力が入らない雫は真理亜によりかかることでかろうじて倒れないほどぼろぼろだ。
 そして真理亜はつかんだ雫の右手首をつかんだままひねり上げ、雫の右腕を肩越しに背負うように拘束する。


「私の好みじゃないけれど・・・あなたは激しい方が似合いそうだし。いい悲鳴を期待してる・・・わ!」

 ガキィッ!!

「ぎいいいぃぃぃぃーーーーーっ!!」


 雫の右腕を破壊する、真理亜のショルダー・アームブリーカー。かつてアントニオ猪木がタイガー・ジェット・シンの腕をへし折った、腕殺しの代名詞の技だ。雫よりも10cm身長の高い真理亜がその気なら雫の右腕は完全にへし折られていただろうが、今回はエキシビジョンマッチということもあり、かろうじて折れない程度の手加減はされている。


「いい反応ね。本当ならもっといい悲鳴が上がったんだろうけど・・・それはまた今度ね。それに、これはこれで・・・いい悲鳴が上がるし・・・」

「う・・・!!でぇ・・・・・・!!腕・・・・・・があぁ・・・・・・!!」


 右腕を捕らえられた絶叫を上げ続ける雫にご満悦な笑みを浮かべる真理亜。がくがくと体を震わせながら、深刻なダメージを負った右肩に左腕を上げようとする雫だが、真理亜はまだ雫を楽にさせようとしない。


「そろそろ、最後の仕上げの準備と行こうか・・・まだ元気はあるようだからね!」


 雫の四肢で最後まで無事に残されていた左腕。真理亜は雫の右腕を放すと体をよじりながら倒れこもうとしていく雫の左腕を捕まえ、右わきの下に挟み込む。そのまま雫の体が前のめりに倒れれば真理亜の脇固めが完成する。


 ゴリィッ!!

「あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 雫の左肩がマットに押し付けられ、さらに一緒に倒れこんだ真理亜の体によっててこの原理で甚大な負荷がかかる。これで雫の四肢に無事なところは残っていない。悲痛な絶叫を上げて体をよじる雫だったが、真理亜が手を放しても腕も足も動かず、まるで芋虫のようにもぞもぞと胴体が動くだけだ。


「練習も欠かしていない、心も簡単に折れない・・・・・・いい玩具ね。まだもう少し遊べるかしら?」


 マットに這いつくばったまま泣き叫ぶ雫を見降ろし、髪をつかむと力任せに引きずり起こす。手足に力が入らない雫は実体重よりも重く感じられるはずだが、鍛えられた真理亜にとっては難しいことではない。


「まだ悲鳴を上げる元気は残ってるんでしょう?たぁっぷりと聞かせてちょうだいね」


 雫の頭部に左腕を回し、右腕でしっかりと固定する。何の変哲もないただのフェイスロックだが、四肢に力の入らない今の雫には十分すぎる拷問技だ。腕の力で頭骨を締め上げられる激痛、そして首を捻じられ頚椎にかかる激痛。
 だらりと両腕、両足を垂れ下げたまま真理亜の両腕で頭部を拘束された雫はもがくことすらできないまま悲痛な絶叫を上げることしかできない。


「ひいいぃぃぃぃぃぃ!!あぁぁ!!ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!いいぃぃぃーーー!!」


 真理亜がその気になれば悲鳴を上げすぎて酸欠を起こし、意識を失うだろう雫。だが、真理亜は絶妙な力加減で雫の悲鳴を絞り出し、雫は失神すらできないままよだれと涙を垂れこぼしながら拷問にさらされ続ける。


「ふふふふふ・・・・・・あっはははははははははっ!!いいわ、あなたいいわ・・・なんていい悲鳴を上げてくれるの!!」


 サディスティックな笑みを浮かべながら雫を苛み続ける真理亜に観客の熱烈な歓声が沸きあがる。会場の大スクリーンに映し出されるのは、真理亜の腕で目隠しとなりながらも逆にそれが色気を増している雫の顔だ。涙、よだれで顔をぐしゃぐしゃとなった端正な顔にさらに沸きあがる観客席。
 だが、その悲鳴はいつまでも続かない。むしろ、ここまで悲鳴を上げ続けられたのが真理亜のテクニックもだが、雫のスタミナを証明しているが、ついに悲鳴は少しずつ小さくなっていき、ついにかすれて聞こえなくなってしまう。


「あぁ・・・・・・楽しい時間は過ぎてしまうとあっという間ね・・・もっと楽しみたかったけど、今日のところはこれで許してあげる」


 脱力した雫から真理亜が腕を放すと、雫の体は糸の切れた人形のように崩れ落ち、仰向けになってマットに横たわった。まだ意識は残っているのか、焦点を結ばない瞳を天井に向けたままひゅう、ひゅう、とかすれた喘鳴だけが上がる。


「プロレスラーが相手なら、これでいいわよね。はい、ワン・・・ツー・・・スリー!!」


 雫の左胸に真理亜が足を乗せ、踏みにじりながらわざとらしくスリーカウントを入れる。プロレスラーとしてこの上なく屈辱的な敗北を喫した雫は反応することすらできずに踏みつけフォールされたまま動けない。


『わあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!』


 観客が期待していた通り、いや、それ以上の展開で雫をいたぶり抜いた真理亜へ観客の大きな歓声が沸きあがる。その中で、真理亜は雫の胸から足を放すと髪をつかんでロープまで引きずり、そして雫が入場してきた側の花道へと蹴り落していく。


「まだ意識があるようだから、このまま一人で戻ってもらいなさい。この後試合の予定はないんだし、観客だって暇だって人も多いでしょう。この子にとってもいいペナルティになるし、これぞ四方ヨシ、ってものね」


 場外に転落した雫がもぞもぞと体を動かし、うつぶせになるが誰も手を貸さない。腕にも足にも力が入らない雫はまるで芋虫のように這いずりながら花道を戻ることしかできない。観客の嘲笑、そして粘ついた視線の中、屈辱に塗れながら退場していく。


「これが敗北というものよ。もしもリベンジを挑む気概があるのなら・・・・・・また、可愛がってあげる」


 退場していく雫からあっさりと視線を切り離し、そのまま自分の花道を歩んで退場していく真理亜。敗者と勝者、この上なくはっきりと示されたエキシビジョンマッチに満足した観客の声が上がる中、C・A号の2021年の幕が上がるのだった。


46分17秒
Winner 真理亜・K・コンドラチェンコ 
Loser  月嶋雫(KO:スタンディング・フェイスロック→踏みつけフォール)



                   SS提供:遊馬様
                   新年早々試合からマッハでの執筆、誠にありがとうございました!
                   雫さんの弄ばれる姿が目に浮かぶようで、いちファンとしても本当にお腹いっぱいです!
[ 2021/01/03 22:18 ] エキシビジョン | TB(0) | CM(0)

エキシビジョンマッチ:月嶋雫vs鈴木

雫さんis2   鈴木s
月嶋 雫
身長162cm 体重50kg 3サイズ B92 W58 H89 年齢:22歳
試合コス:藍色と白ベースのアイドル風レオタード

鈴木
身長158cm 体重47kg 3サイズ B66 W56 H71 年齢:21というのは秘密
試合コス:日本のサブカル的なメイド衣装(黒)。たまにテカテカしてたり、ジャラジャラしてたりする



「月嶋雫!!あなたのその邪智暴虐のおっぱい!今度は叩き潰して見せましょう!!」

「・・・・・・前回と同じようにはさせない・・・勝つのは、私よ!!」


 リングの上で睨み合う、二人の女性。身長はやや雫のほうが高く、体の一部分においては鈴木を遥かに上回っている。だが、実力では以前のタッグ戦で完膚なきまでに雫がパートナーのミリアムごと打ちのめされており、観客は鈴木がどう雫のおっぱいを叩き潰すか、そこにのみ集中している。
 自分の勝利を観客が期待していないことはよく知っている雫だが、雫にも意地がある。負けたままでは終われない、その意地と持ち前の打たれ強さで鈴木の打たれ弱さをつけるかどうかが勝敗のカギだと気合を入れて身構えた。


 カーーーン!!

「さあ、行くわ・・・・・・?」

「ふふん、どうしたんですか?亀みたいに動けなくなって・・・やっぱりその駄肉が重いからなんじゃないですか!?」


 意気込んでゴングが鳴ると同時に飛び込もうとする雫。だが、その動きは鈴木がマットを蹴ってその場で飛び上がったことで止まってしまった。空中へと飛び上がった鈴木の重力を無視したかのような蹴りに苦しめられた記憶がよみがえり、反射的にとどまってしまったのだ。
 もちろん、鈴木が空中浮遊できるはずもなく、そのまま鈴木の足はマットに着地するが、間髪入れずに再び飛び上がる。それも跳躍時間を微妙にずらしながらだ。ランダムに跳躍時間を変えてその場で飛び続ける鈴木の表情は雫への嘲りに満ちているが、その目だけは雫のおっぱいへとむけられている。少し動いただけで薄手の布地の下で存在感を主張する雫のおっぱい。対して、自分の胸部は・・・・・・。


「・・・・・・その罪、万死に値します!!」

「わけがわからないわよ!」


 鈴木の殺意が込められた視線が自分のバストから離れないことに心中ドン引きする雫だが、この場でうかつに動けばそれこそ鈴木の思うつぼだ。なかなか動かない試合に観客もいい加減二人とも動けとブーイングを上げる中、ジャンプを続ける鈴木と構えたまま動かない雫。
 だが、雫もなすすべもないまま構えていたわけではない。滞空時間はランダムとはいえ、着地してからジャンプするまでの時間はほぼ一定。多少タイミングがずれたとしても鈴木を捕まえることはできる。


「そろそろ・・・行くわよ!」

 ダッ!!


 鈴木の足がマットにつく直前、体勢を低くしてタックルで飛び込もうとする雫。だが、雫が動く瞬間に鈴木の口元が歪んだことに本能的な危険を察する。


「単純な貴女だから、こう来ると思ってましたよ!」

「誘い込まれた・・・!?」


 雫がタックルしようと一歩踏み込み、鈴木の足がマットに着地する。その次の瞬間、これまでのタイムラグがウソのようにノータイムで鈴木の体が宙に浮かんだ。タイミングを見計らっていたのは雫だけでなく、鈴木も同じ。着地から跳躍までのタイムラグもそのための撒き餌だ。


「ふっ!!」

 ビシィッ!!

「あぁっ!!」


 雫が慌ててその場で足を止め、ガードを固める。だが、そこは鈴木のテリトリーの中だ。空中に飛び上がった鈴木の足が弧を描いて雫の腕へと叩きつけられていく。
 普通なら、飛び蹴りの威力は程度が知れている。だが、重力を無視するかのような跳躍力を生み出す鈴木の脚力は普通ではない。右の蹴り足で雫のガードが弾かれ、さらに空中で体を翻した鈴木のソバットが雫の無防備になったおっぱいへと食い込む!


 ぐにぃぃっ!!

「ひいいぃぃーーーーー!!」


 一発目でガードを弾き、二発目を入れる空中二連撃。アクロバティックな動きを超え、地球の重力の圏内ではお目にかかれない、ありえない動きに観客がどよめく中、横からおっぱいを大きく蹴りつけられた雫の体が横へとずれ、ロープへと弾き飛ばされていく。


「あははははっ!!そんな目立つ弱点、狙ってくれって言ってるようなものじゃありませんか!私は優しいから、その弱点もぎ取ってあげますよ!!」


 ロープにもたれかかる雫が女性の弱点の一つであるバストを蹴りつけられた痛みにあえぐ姿を嘲り、自慢のジャンプで高々と飛び上がっていく鈴木。ロープに背を付けた雫のバストを異常な滞空時間を持つジャンプからのエンドレス飛翔脚で蹴り潰すつもりだ。
 以前の試合でさんざん苦しめられた攻撃がまたしても雫を襲うのか、と目を皿のように開いたまま注目する観客。
 だが、鈴木も観客も忘れていた。以前の試合では確かに鈴木が雫を圧倒する場面がほとんどだったが、調子に乗りすぎたところで痛い目に見せられたことを。そして、雫の打たれ強さと粘り強さはタッグ戦、エキシビジョンマッチで何度も証明されている。


「そう思い通りには、行かせないわよっ!」

「へ・・・?」


 襲い掛かる鈴木に対し、闘志を乗せた視線を送りながら雫はガードするのではなく、もたれかかったロープの隙間に体を滑りこませ、体を回転させながらリングエプロンへと体を移動させて躱していく。当然、飛び上がった鈴木は目標の雫の体を失い、間の抜けた声を上げながらマットへと着地する。


「これで・・・どうだぁっ!!」

 ガシィッ!


 純粋な格闘では鈴木が雫を上回る。だが、このプロレスラーならではの動きには鈴木もすぐには対応できずにロープをはさんで睨み合うことに。そして雫がその隙を逃すはずがない。
 組み付くか、それともいったん距離を置くか。一瞬止まった鈴木へと食い込む雫のエルボースマッシュ。ロープ越しだが、体重の乗った一撃に鈴木が後ろへと下がり、空間が開いた。そしてそれこそが雫の狙いだ。 


「せぇ・・・のぉっ!!」


 ロープを両手でつかんで体を沈め、勢い良く飛び上がった雫の両足がトップロープへとかかる。不安定な足場にかかわらず迷いない雫の体はそのままトップロープの反動で勢いを増し、リング中央へ押し戻された鈴木へと飛んでいく。


「いやあぁぁぁぁーーーーーっ!!」

「んな・・・あぁっ!?」

 バシィッ!!


 スワンダイブ式ドロップキック。鈴木のお株を奪うような空中殺法が鈴木の胸元へと食い込み、さらに後方へと弾き飛ばしていく。スレンダーな鈴木の体は勢いのままマットを転がり、そのまま場外へ転落していく。


「ぐ、ぅ・・・・・・よくも、やってくれ、ましたね・・・!駄肉の分際、でぇ・・・!!」


 鬼のような形相で場外へ転落した鈴木が起き上がるが、打たれ弱さからか、その動きは鈍い。その間にも雫は鈴木ではなくコーナーへと駆け上がっていき、そのままコーナートップから間髪入れず、立ち上がった鈴木めがけてプランチャ・スイシーダで襲い掛かっていく。
 やることはただコーナーポストから場外の相手に向かってボディアタックでとびかかるだけのシンプルな技。だが、雫のプランチャは思い切りの良さでピンと体が伸びた流麗な弧のまま飛びかかっていくものだ。


「あ・・・・・・」


 一瞬天井のライトに照らし出された雫が跳躍する姿に見惚れる鈴木。その間に雫の体は鈴木に向かって飛び込んでいき、鈴木が我に返ったときにはもう逃げるにもガードするにも遅く、まともに体当たりされてしまう。


 ドガアァァッ!!

「ううぅぅぅ・・・・・・!!」


 反り返った雫の体がまともにぶつかり、顔に雫のおっぱいが押し付けられながら場外で下敷きにされてしまう鈴木。プロレスラーならではの華麗な反撃に観客が思わずどよめきを上げる。


「まだまだ!行くわよーっ!!」


 ダウンした鈴木の腕をつかんで引き起こし、右腕を振り上げていつものように観客へとアピールしていく雫。C・A号ではまず見ない、プロレスらしい仕草だが、それは同時に鈴木への挑発にも聞こえてしまっていた。


「私の・・・・・・私の、顔に・・・・・・よくも薄汚い腐肉にも劣る駄肉を押し付けてくれましたね・・・!!」


 小さな、しかし地獄の底から響くような憤怒の籠った声に背筋に冷たいものが走った雫が慌てて距離を取ろうとする。だが、その動きは鈴木から見ればあまりにも遅い。


「おっぱい、滅ぶべし・・・!!」

「え、な・・・!?」


 鈴木の体が雫の目の前で縦に回転し、振り下ろしの膝が襲い掛かっていく。戸惑いながらもガードを固める雫だったが、鈴木の膝はこれまでに受けたどんな攻撃よりも重く、雫のバストへとガードごと食い込んでいく。


 メリィ・・・!

「ああぁ・・・・・・!!」


 鈴木の膝に押され、後ろへとはじかれる雫。その目の前では完全に目が座った鈴木がだらりと両腕を下げたまま雫を睨みつけている。ホラー映画に出てきそうな鈴木の姿にざわつく会場の中央で、鈴木のペースに飲み込まれてはならない、と組み付こうと向かう雫。


「捕まえ・・・えぇっ!?」


 鈴木に向かい両腕を伸ばし、捕まえた、と確信した雫の腕は空を切った。鈴木は組み付いてくる雫に対し、わずかに前に出ながら跳躍すると、雫の頭上で体を翻して背後へと降り立ったのだ。
 雫からすれば目の前にいた鈴木が幻のように消えたようにしか思えない。だが、練習を重ねた雫の肉体は背後に鈴木が降り立つ音に反応し、バックエルボーで迎撃しようとする。


「・・・・・・へ・・・?」


 次の瞬間、雫の視界に映ったのは天井のライト。目を見開く雫の視界はそのまま動いていき、逆さになった観客を映し出したところですさまじい衝撃で黒く染まった。


 ズダァァァンッ!!

「あ、あぐううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」


 鈴木の動きは単純なもの。雫の背後に降り立った鈴木は両腕を雫の腰へと回し、バックエルボーで打ちかかろうとする動きを利用して持ち上げ、投げ飛ばしただけだ。だが、プロレスラーとして名を馳せている雫に完璧なジャーマンスープレックスを仕掛けた鈴木の格闘センスは間違いなく天才的。
 かろうじて受け身を取ったものの、堅い場外のマットに後頭部から叩きつけられた雫は両腕で頭部をかばいながら転がりまわって悶絶し続ける。


「・・・・・・な、に・・・・・・が・・・?」


 鈴木にスープレックスを受けてもなお、雫本人はいったい何があったのか把握できていない。うめきながらも立ち上がっていくが、その時にはすでに鈴木は次の技を繰り出している。


「くたばりなさい!!」

 メキィッ!!

「ぐええぇぇぇぇぇぇ!?」


 立ち上がった雫の左わき腹へと食い込む、鈴木のミドルキック。しっかりと左足で場外の床を踏みしめ、右足に体重を込めた一撃で横にくの字に折れ曲がる雫の肢体。


 ガシャァンッ!!

「ああぁ・・・・・・!!」


 鈴木の脚力で放たれた右ミドルで打たれ強い雫もついに動きが止まってしまった。観客席前の鉄柵にしがみついて何とか倒れることはこらえているが、それが精いっぱいだ。


「ふ、ふふん!やっぱり、駄肉なんてこんな程度ですよね!ほら、早く戻りますよ!」

「ああぁぁ・・・!か、み・・・・・・放し、て・・・!」


 必死に鈴木を睨みつける雫だが、右ミドルのダメージは重く、自分の両足で自分の体重を支えられない。鈴木は雫の髪をつかむとそのままリングへと戻り、雫を引きずり戻していく。
 まるで物のように場外を引きずられ、リングへと上げられていく雫が悲鳴を上げるが、その声は憐れみすら覚えるほどか弱い。


「う、えぇ・・・・・・え、ぇ・・・・・・」


 リングに戻された雫がコーナーに縋り付き、足をがくがくと振るわせながら必死に立ち上がっていく。鈴木から見れば隙だらけだが、鈴木はあえてここで留めを刺さない。これまでの試合で、雫は最後まで諦めないことはわかりきっている。
 完膚なきまでに叩きのめすのは、雫が自分の足で立ち上がってからだ。


「は、ぁ・・・あぁ、ぁ・・・・・・ま、だ・・・よ・・・・・・」


 プロレスなら確実に10カウントKOとなっているほど時間をかけてようやく立ち上がった雫。足は震え、体はゆらゆらとぐらつき試合続行可能とは思えないほど痛めつけられている。
 それでも、まだ両腕を上げてファイティングポーズを構える姿はまさしく観客が求めていたもの。


「ふふふふふ・・・・・・そう、その駄肉ごとぶちのめしてあげますよ・・・!!」


 少し落ち着いたように見えた鈴木だが、雫のバストへの怨念は全く収まっていない。震える足を前に出し、鈴木へと組み付こうとする雫に向かい、渾身の脚力を込めてマットを蹴る。
 しかし、観客が予想していたような飛翔ではない。わずかに空中に浮かびながら体を捻じり、雫の懐へともぐりこみながら左足を跳ね上げていく。


『あれ・・・・・・キャノンスパイクじゃないか!?』

『そんな、無茶な・・・あんなの現実でできるはず・・・!?』


 まるで物理法則を無視しているかのような鈴木の動きに観客がどよめく。そして跳ね上げられた左のかかとは雫のボディではなく、下胸へと食い込んだ。


 みちいぃぃぃっ!!

「ひいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 真上へと押し上げられる乳房。まさに胸をもぎ取られるような激痛に雫が悲痛な悲鳴を上げ、それでも鈴木の動きは止まらず、雫の体は真上に向けて押し上げられていく。
 涙をこぼし、泡を吹きながら跳ね上げられる雫の肢体。観客が唖然と見上げるが、鈴木の動きはまだ終わってはいなかった。雫の体を跳ね上げながら体を翻してマットへと着地すると、そのまま再びマットを蹴りつけて体を空中で捻じりながら落下してくる雫に向かってとびかかっていく。ひねりを加えたドロップキックは空中で雫のおっぱいへと食い込んでいき・・・。


 グシャアァァッ!!

「ひ・・・え、ぇぇぇ・・・・・・」


 鈴木のドロップキックは雫をコーナーへと串刺しにし、さらに加えられたひねりで雫のバストが捻じられていく。


『クロススティンガーアサルト・・・?』

『格ゲーじゃないんだぞ・・・ここ、現実だぞ・・・?』


 カンカンカンカンカーーーーン!!!!


 観客ですら唖然とする中、格闘ゲームでしか見られない技を実際に使ってのけた鈴木によって雫の体はコーナーへとめり込み、そして尻餅をついて完全にダウンを喫してしまう。
 ビクン、ビクン、と激しく痙攣する雫の肢体にこれ以上の試合続行は不可能と判断され、鳴り響く試合終了のゴング。
 いいものを観れた、と観客が大きな歓声を上げながらスタンディングオベーションする中、ただ一人鈴木だけはまだ試合が終わっていない。


「こんな!駄肉が!ついてる人が!私に!叶うはず!ないでしょうっ!!」

 ズムッ!!ズムッ!!ズムッ!!ズムッ!!ズムッ!!ズムゥッ!!


 コーナーにもたれかかったまま両足を広げて無様な敗北した姿をさらす雫に向かい足を上げると、声を荒げながら何度も足を踏み下ろす。
 失神した雫はコーナーに背中をつけているため後ろへダメージも逃がせず、踏みつけられたおっぱいが破裂しそうなほど歪む。観客が更なる歓声を上げながらリング上の惨劇を観戦する中、さすがにこれ以上はまずいとリングに踏み込む黒服のスタッフたち。


「もう試合は終わったんだ!早く離れろ!」

「なんだ、このパワー!?お、俺たちが歯が立たない・・・!?」

「押さえつけろ!!月嶋がここで潰されたら目玉イベントができなくなってしまう!!」


 スタッフたちが鈴木を押さえつけようとするが、完全にキレてしまった鈴木を止めることは簡単ではない。人数に任せて鈴木を押し倒し、制圧していくが・・・。


「ええい、放してください!!このおっぱいを!!許すことはできないんです!!これこそはジハードなのですっ!!」


 さんざんに蹴り潰した雫のおっぱいを、それでもまだ飽き足らないと執念を燃やす鈴木。取り押さえようとするスタッフを蹴りはがし、なおも雫のおっぱいをつぶそうとするが、その時にはすでにスタッフによって雫はリングの外へと連れ出され、退場させられていた。


「ええい、ちっぱいジハードがこうも邪魔されるとは!」


 鈴木が雫が連れ出された方を見ると、すでに入場ゲートは閉じられ姿は見えない。ジハードを完遂することができなかった悔しさを邪魔してきたスタッフに向けようとするも狙っていた雫がいない今となっては意味がない。


「どのみち、あんな駄肉も人気はあるようですからまた闘うこともあるでしょう・・・その時こそ、ジハードを完遂する時です!!」


 気を取り直し、勝利のシュートサインを決めた鈴木に合わせ、観客の声が唱和する。


『「ちっぱいこそが正義だ!!」』


10分6秒
Winner 鈴木 
Loser  月嶋雫(KO:キャノンスパイク→キャノンストライク)



   SS提供:遊馬様
  今回も素敵な雫さんのやられっぷり、誠にありがとうございます!
[ 2020/09/13 22:48 ] エキシビジョン | TB(0) | CM(0)

Exマッチ:月嶋雫vsヴォイド

月嶋 雫(セコンド:ミリアム・シンクレア)
身長162cm 体重50kg 3サイズ B92 W58 H89 年齢:22歳
試合コス:青の縁取りが飾られた白のアイドルレスラー風コスチューム


ヴォイド(オーナー:美岳氏)ランク5 4勝1敗1不戦敗
身長:178㎝ 体重:45㎏ 3サイズ:B78 W55 H89 年齢:24歳
試合コス:モスグリーンのタンクトップに、黒のローライズ


「フヘヘヘッ・・・久しぶりのファイトだぜ・・・しかも相手があんな美人レスラーとはなぁ。あとは歯ごたえがあってくれりゃあ文句なしだぜっ!!」


 C・Aで行われている夢のタッグ戦では解説として出ているため、これが久しぶりの試合となるヴォイド。しかし、相変わらずの暴走っぷりのテンションの高さは相変わらずだ。
 そしてヴォイドと対面しているのはプロレスラーの月嶋雫。実力自体はそこそこだが、受け身がうまく、頑丈、壊れない、そして回復も早いためにトーナメントの合間にエキシビジョンマッチを組まされることの多い選手だ。これまでリングの上で闘ってきた相手とはまた違う、異様な風貌の相手にややたじろぐが気を取り直して鋭い表情でにやけるヴォイドを睨みつけていく。


「雫!誘いに乗っちゃだめだよ!落ち着いて、冷静にね!」


 普段、セコンドを置けないが、今回は特例としてミリアムにセコンドに立つことを許されている。雫の対戦の前に軽い対戦で会場を盛り上げていたミリアムは着替える時間もなくリングコスチュームの上に無地の白Tシャツを羽織ったまま場外から雫に声を張り上げる。


「わかってるわ。ありがとう・・・歯ごたえがあるかどうか、これからわかるわ・・・。さあ、始めるわよ!」


 ミリアムを安心させようと顔を向けて一つうなずき、ヴォイドに改めて顔を向ける雫。どんな相手にも真っ向から勝負するのが信条の雫らしく、打撃と関節技のエキスパートのヴォイドにも真っ向から組み合う体勢で構えを取る。優しげに整った顔が凛々しく引き締まり、ヴォイドの一挙手一投足を見逃すまいと瞬きすらしない。
 対してヴォイドは防御など考えず、とびかかる気満々だ。雫から見れば、隙だらけの姿だが・・・。


 カーーーーン!!


「行くわよっ!!」

「ヒャハハハハァッ!!いっくぜぇー!!」


 試合開始のゴングが打ち鳴らされ、ほぼ同時に前に向かって飛び込んでいく雫とヴォイド。
 だが、雫が真正面から組み合う体勢で飛び込んだのに対し、ヴォイドは体を半身にして雫がマットを蹴りつける左足のほうから体を前に出していく。とっさに体をひねってヴォイドと組みあおうとする雫だったが、左足でマットを蹴っているために左側に体を曲げるのがワンテンポ遅れてしまった。
 そしてそのワンテンポさえあればヴォイドにとっては十分。自分の左腕を雫の首に絡めながら背後へと回り込んでスタンディングチョークを極めていく。


「ヒャハハハハッ!!こんな美人がオレの獲物たぁ今日はラッキーデーだなぁっ!!」

「ひッ!?ぐうぅぅぅ・・・!!」


 首を締め上げられ、くぐもった声を漏らす雫。ヴォイドはエキシビジョンマッチということで雫を壊すことだけはないよう念を押されているが、それはそれとして雫で楽しむ気は満々だ。かろうじて雫が首の前に差し込んだ腕で一気に絞め落とされることは免れているが、苦しみを与えるには今でも十分。


「どうしたどうしたっ!!このままだと落ちちまうげぇっ!?」

「ああぁっ!!」

 ドコッ!!


 勢いに乗り、雫の首をさらに締め上げようとするヴォイド。雫が自分の腕を首の脇に差し込んでいるために絞め落とすことはできないが、呼吸を妨げて苦しめることはできる。煽りながら雫を振り回そうとするヴォイドだったが、それよりも早く雫の右ひじが背後のヴォイドの脇腹を打ち付けた。


「ぐぅっ!?や、やってくれんじゃねぇか!!」


 意識を攻撃に傾けたヴォイドは普通なら牽制程度にしかならない肘にも耐えられず、くぐもった声を上げて雫を解放してしまった。すぐさま顔を上げて怒りをあらわにするが、すでに雫は反撃の体勢を整え終えている。


「やるのは・・・これからよっ!!」


 ヴォイドの腕から離れた雫はマットを駆けてロープへと飛び上がり、トップロープへと着地。ヴォイドが顔を上げたときにはすでにロープの反動で大きく飛び上がっていた。


「あぁ・・・!?なんだぁ!?」


 空中へと飛び上がった雫を見上げるヴォイド。ヴォイドの頭上で伸身宙返りを取った雫は真上からヴォイドに向かい飛び込んでいく。人間の死角として挙げられる頭上からの攻撃。ここから試合を組み立てようとする雫だったが・・・。


「ヒャハハハハハハハハハハッ!!可愛いじゃねえか!!オレをこの程度で攻められるなんて思ってるたあなぁっ!!」

「え・・・・・・!?」


 両腕を大きく広げ、ムーンサルトアタックでヴォイドを真上から押しつぶそうと襲い掛かる雫。だが、ヴォイドにとっては予測していた展開にすぎない。空中で隙だらけの姿となっている雫に向け、ヴォイドは右ひざを薄い胸につくまで上げながら左足でマットを蹴りつけた。そして体を浮かせながら、さらに右のつま先を真上へとむけて跳ね上げていく。
 まるで槍のように振り上げられていくヴォイドの右爪先。その一撃は狙い通り雫のボディの中心を蹴り貫いた!!


 ズボォッ!!


「ご・・・えぇぇぇ・・・・・・!」


 空中でボディに迎撃され、くの字となる雫の肢体。大きく開いた口元から胃液がこぼれ、見開かれた目から涙がにじむ。


 どしゃぁっ!


「ヒャアァッハハハハハハハハハハハハハァッ!!泣きな!!這いつくばりな!!この雌豚ぁっ!!プロレスラー!?そんなのオレには関係ねぇ!!手前はここの家畜なんだよ!!せいぜい惨めに泣き叫びな!!」

「ーーーーーーーーーーーー!!」


 声にならない悲鳴を上げ、マットに這いつくばりながら悶絶する雫を見下ろすヴォイドに歓声が沸きあがる。試合前に胃に水分しかいれていなかった雫だが、この一撃で胃の中身はすべて吐きつくした。しかし、それでも嘔吐感はやまない。
 沸きあがる会場の中、マットに這いつくばりながらも立ち上がろうと四つん這いになる雫。試合が始まって数分も経過していないが、もう完全に結果は見えてしまっている。だが、雫は会場でただ一人それを認めず必死に立ち上がっていく。


「ま、だ・・・・・・やれ、る・・・!」


 ヴォイドから受けた蹴りで確実にKО寸前の雫。だが、何もできていないのにこのまま終わってたまるものかとよろめきながら向かう。ヴォイドから見ればナメクジが這うようなのろのろとした動き。しかし、闘志の籠った肘で打ちかかっていくが・・・。


 バコォッ!!

「ぎぅ・・・・・・!」


 打ちかかっていく雫のエルボーにタイミングを合わせ、カウンターの左フックが雫の顔を殴りつける。口の中を切ったのか、血をこぼしながら倒れていく雫。
 だが、ヴォイドは雫に倒れることを許さない。倒れかかった雫の前髪を左手でつかむと力任せに引き上げ、ボディへ、バストへと右パンチを乱れ撃ちにしていく。


 ドボッ!ドボッ!ドポォッ!!

「ぐぇ!!げふっ!!えうぅっ!!おぉ・・・!!」

「ヒァッハハハハハハァッ!!まだやれんだろう!ボディか!?それともここかぁっ!?」

 観客から見れば、雫の状態は気力でどうにかなるものではない。だが、ヴォイドは雫の闘志が折れていないためにテンションをさらに上げ、柔らかいボディを、そしてバストをなおも殴り続ける。
 必死に倒れまいとして踏ん張っている足は内股になり、後ろに突き出したヒップはまるで男を誘うかのようにゆらゆらと揺れる。観客が雫の痴態に思わず魅了される光景はそう長くは続かなかった。


「ぐ・・・・・・ぉ・・・・・・」

「あぁ!?しぶとさが取り柄なんだろがよっ!!気合見せてみろよっ!!」


 もう何発になるかもわからないヴォイドのパンチでボディをえぐられ、ついに体がついていかなくなったか雫の体が足から崩れ落ちていく。だが、ヴォイドはここまで来てもまだ雫に倒れることを許さない。
 崩れ落ちかけた雫の首に上から左腕を巻きつけてフロントチョークを仕掛け、首を締め上げながら雫の体を強引に上へと持ち上げていく。足から力が抜けた雫はこのままではあっという間に絞め落とされるだろうが、ヴォイドは失神することすらさせなかった。


「ヒャハハハハハハハハハハッ!!落ちて楽になれるとでも思ったかぁ!?ざぁんねん!!まだ終わらせねぇよっ!!」

 ズボォッ!!


 ぐったりとなった雫のボディへ左ひざが食い込み、雫の体が上へと持ち上げられる。ボディを攻められる苦しみはただの痛みだけではない。失神で逃げることすらできないままボディを攻められる苦しみに苛まされる雫の顔は涙と鼻水、そして汗でぐしゃぐしゃになってしまっていた。


「も・・・・・・もう、止めなよっ!!これ以上はダメだっ!!」


 ボディをえぐられ続け、息も絶え絶えの雫についに我慢できなくなったセコンドのミリアム。ルール違反であることは重々承知だが、このままでは雫が危ないと、ロープをくぐってリングへと駆け込んでいく。スタッフがリングへ上がったミリアムを止めようとするが・・・。


「あぁん?乱入・・・?は、豚には豚の友情があるってかぁ!?」

 ドボォッ!!

「ごぇ・・・・・・!!」


 リングにミリアムが乱入しても慌てるそぶりすら見せないヴォイド。フロントチョークでとらえていた雫から腕を放すと、前のめりに崩れ落ちていく雫のボディに、無造作なサッカーボールキックを打ち込み、後ろへと蹴り倒していく。


「雫・・・!よくも・・・・・・!?」

「バァーカ!!わざわざやられに来るなんてなぁ!!」

 ズボォッ!


 もう闘える状態ではない雫をさらにいたぶり、そして目の前で蹴り倒したヴォイドに殴りかかろうと右腕を振りかぶるミリアム。しかし、一瞬倒れこんでいく雫を無視できなかったのがミリアムの間違いだった。
 そして間違いの代償はすぐに支払わされることとなる。殴りかかっていくミリアムのボディへと抉り込まれる、ヴォイドのカウンターのサイドキック。


「・・・・・・お・・・ぇ・・・!」


 ただ一発でミリアムの動きが止まり、ヴォイドの目の前で打たれたわき腹を抑えて棒立ちとなってしまう。そこへ、ヴォイドは普段なら使わない、オーバーな動作でハイキックを打ち込んでいく。スピードではなく、破壊力に重点を置いた一撃が狙うのはミリアムの豊かなバスト。雫以上のサイズのバストがヴォイドのキックによって真一文字に拉げさせられ、ミリアムは想像を絶する激痛を女性の急所に受け、仰け反ってマットへと倒れこんでいく。ヴォイドはそれを許さず、Tシャツの胸元をつかんで立たせようとするがTシャツの生地がすぐに破けてミリアムは仰向けに倒れ、ダウンしてしまった。


「うえぇ・・・!!ぎ・・・・・・!!え、ぇぇ・・・・・・!!」


 バストに強烈な一撃を受け、リングコスチューム姿のミリアムが背を仰け反らせたまま激しく痙攣をおこす。目を白黒させ、もがくミリアム。だが、あまりの痛みに意識が限界を超え、白目を剥いたミリアムは口元から泡を吹きこぼして失神してしまった。


「・・・・・・ミ、リィ・・・」


 スタッフが止めようとするまでもなく、ヴォイドに一蹴されたミリアムに会場から失笑が沸き起こる中、コーナーに頭をもたらせかけたまま倒れた雫が動こうとするが、ボディを徹底的に攻められたダメージは甚大で指一本すら動かせない。
 たった一人に完膚なきまでに打ちのめされたランページ・ヴィーナスに観客席からヤジが飛ぶ。そこへ近づいていくのは雫の相手であるヴォイド。


「ヒャハハハハハハハハァッ!!せっかく助けに入ろうとしたお友達はこんな様だぜっ!!どうした、友情はよぉっ!?オレが許せねえんじゃねえのかぁっ!?」

「う、ぅぅ・・・・・・!」


 反撃したくとも、指一本動かせず睨みつけるのが精いっぱいの雫。見下ろすヴォイドの顔からは暴れていた最中の狂乱ぶりはすでになく、雫から興味を失ったかのように無感情なまま右足を振り上げる。


 メキュゥッ!!

「うおぅええぇぇぇぇぇ!!」


 抵抗すらできない雫に、まるで作業のように感情を見せず、止めとばかりに上げた右足を踏み落としていくヴォイド。嫌な音を立てて雫のボディが踏み潰され、限界まで口を開いた雫の体が仰け反った。ビクン、ビクンとまるで断末魔の痙攣のように手足が跳ね上がるが、ヴォイドが踏み下ろした右足を体重をかけて捻じると、痙攣する力すら失ったかのように雫の体が動かなくなる。

 完膚なきまでの敗北をただ一人に喫したランページ・ヴィーナスは観客の視線とカメラのフラッシュ、そしてライブ配信によって醜態をさらされ続け、退場すら自分達だけでやらされることとなったのだった。


       SS提供:遊馬様
       今回も素晴らしい雫さん&ミリアムさんのやられっぷりを書いていただき、本当にありがとうございます!
       また久しぶりにヴォイドさんの暴れっぷりも見られ、オーナーとして感無量です!




※ヴォイドさん補足
ヴォイド
タッグ編では解説を担当してるヴォイドさんですが、元々は1期のプレイヤーキャラでした。
女性をいたぶるのが生き甲斐ゆえ地下に身を投じたリョナ担当。
そもそもこの船を脱出するのが目的ではないため、1期で好成績を上げた後もこうして運営に使われてるわけです。
[ 2020/07/26 22:59 ] エキシビジョン | TB(0) | CM(0)

下位第3試合 ちっぱいメイドズ vs ビッグ・ボンバーズ(1/2)

鈴木s姫s   ユキーデsジャンダムs

ちっぱいメイドズ  オーナー:六目さん
鈴木
身長158cm 体重47kg 3サイズ B66 W56 H71 年齢:21というのは秘密
試合コス:日本のサブカル的なメイド衣装(黒)。たまにテカテカしてたり、ジャラジャラしてたりする
六目 姫
身長143cm 体重36kg 3サイズ B66 W56 H71 年齢:0歳6ヶ月
試合コス:和装メイド。大正ロマン的な

ビッグ・ボンバーズ  オーナー:弁天堂氏
ヴェルニ・ユキーデ
身長193cm 体重87kg 3サイズ B90 W69 H88 年齢:19歳
試合コス:Love&PeaceTシャツ ボクシンググローブ 紅いパンタロン
エヴァン・ド・ローク・ジャンダム
身長179cm 体重79kg 3サイズ B90 W63 H92 年齢:22歳
試合コス:浅草Tシャツにレスリングスパッツ&腸圧ベルト



「喜べ鈴木、相手はB90の爆乳だぞ。存分に叩き尽したまえ」

「爆乳…爆乳とはいったい……うごごごご」

ゴリラのように盛り上がった逞しい胸板を前に、鈴木が頭を抱え困惑するのも無理はない。公式データに記載されている通り、確かにユキーデのバストは90cmで間違いないだろう。
問題はそれを、おっぱいと判断してよいのかという点であるが。

「…まあ、これ以上負けるとオーナーをからかいにくくなりますし、給料も減らされかねんですしね。
おっぱい共への粛清は後回しにして、まずはこのトーナメントから抜けてしまいますかー」

と、気を取り直したように軽いジャンプでリングの感触を確かめる鈴木。その姿にとりあえず、姫も納得したような表情を浮かべる。
だが逆側のコーナー、チャラい闘士を憎むユキーデにとって、鈴木のこの舐めた態度は怒りゲージを上昇させる要因でしかないわけで。
ここまで思うように勝ち星を挙げられていない焦りも相まり、ブチ切れ寸前の形相で相手コーナーを睨みつける。

「落ち着けハマーD。クールさを欠いては、相手の思う壺ぞ」

ジャンダムがたしなめるも、すでに聞こえてはいない模様。
鼻息を荒くし…待ちわびたゴングの音と同時に、猪の如く突進する!

「ヌガアァァァAAAAAAAAAAAAAA!!!」

「おっとぉ!?」

「大きく振りかぶってのチョッピングライト! やはり本能的に、初手はこれを選ぶのかユキーデさん!
しかし鈴木さんひらりと飛びのき、その拳はマットを揺らすのみ! そして空中で一回転、ユキーデさんの頭上へマーシャルアーツキック!!」

「マグレ当たりダ―――ッ!」

「続く左フックもスウェーでかわし、ローリングソバットで反撃! 何と、あのユキーデさんが2発でダウンを奪われました―――!!」

「で……できる!!」

鋭利で流麗な鈴木の動きに、驚愕の表情を露わにするジャンダム。…いや、お前ら試合の動画とか見とらんかったんかい。

「ふっ。こんなおっぱいと呼べない硬い胸板、壊したことろで何の満足も得られませんが。
下に落ちて蒼黒やランページ、ダブルエックスのおっぱい共を叩き潰す役目は、あなた達に譲ってあげますよ!!」

「フザけたコトおォォッッッ!!」

鈴木本人は多分挑発しているつもりはないが、その言葉はユキーデの怒りへさらに油を注ぐ!
立ち上がった後も蹴りの連打を浴びながら強引に前進、丸太のような腕を振り回すが。メイド服のフリルを翻し、蝶のように舞う鈴木の動きは捉えきれず、なおもダメージを積み重ねられるのみ!

「まーたユキーデの悪い癖が出たか。あれだけ頭に血が上っちゃあ、剛腕も宝の持ち腐れよ。
実力は間違いないんだが、この辺が今回低迷してる一因よなあ…」

然り。そして細い身体にも関わらず、ダイナミックな挙動から放たれる鈴木の蹴りの威力は、先程ダウンを奪ったことからも分かる通り。
ユキーデの筋肉と打たれ強さをもってしても、まともに入ればそうそう耐えられるものではない…見た目で判断したのが仇となったかボンバーズ。

とはいえもちろん、ジャンダムがこの展開を黙って見ているはずもなし!

「頭を冷やせユキーデ! ってこれ言うの何度目だまったく!」

決して仲が良いわけではないが、何だかんだユキーデに比べ、熱くなることの少ないジャンダムはパートナーとして相性はいいのか。。
猪めいて突進しようとする相方をフライングクロスチョップで阻止し、即座に鈴木を足元を狙っての高速タックル!

「ぬっ!?」

しかしこれは、完全にユキーデの動きを見切り、飛燕疾風脚で仕留めようとしていた鈴木にとって意表を突かれた形となった。
咄嗟に高高度の跳躍で逃れようとするも、それより早くジャンダムの両手が鈴木のふくらはぎを掴む!

「その厄介な脚力も、捕まえてしまえば関係なし…何ィ!?」

「ちっぱいは視野が広い分、闘いに有利だとか言ってたのはどの口だ駄メイド!」

そのままジャンダムが勢いに任せ、押し倒すかに思われたが姫も悪態をつきながらしっかりカット!
小柄な身体を生かし、はず押しの要領で下からジャンダムの腕を押し上げ力の向きを逸らす。
その隙に距離を取った鈴木は、ジャンダムの頭を両脚で挟み込み、両膝で顎を打ち上げるテキサスコンドルキーック!

「もちろん胸部の無駄な脂肪がなければ、動きはよりしなやかに、足元まで見通せる視界は多大なアドバンテージに!
そのことに揺らぎはありませんが、ちょっとエレガントとは言い難い相手を痛めつけるのに夢中になりすぎましたね!
しかし! これは決してちっぱいの優位性を覆すものではなく!」

「分かったから目の前の相手に集中しろ!
ちなジャンダムもB90だ、遠慮はいらん、憎むべき相手だろう!」

「いやこっちもギルティかどうか悩ましいんですけど!
ですが確かに、私が無様を晒しちっぱいの威光を貶めるわけにはいきませんか!」

すでに体勢を立て直したジャンダムが再度タックルを仕掛けてきてるんだが、ひょいひょいとかわしながら言い争いを続けるあたり鈴木は鈴木である。
ともあれふざけているように見えても、やはり鈴木の実力は確か。姫の的確なサポートもあり、交代後もボンバーズは流れを変える術を見いだせずにいた。

…しかし、並の闘士ならとっくにKOされておかしくないダメージを受けてなお、攻め手を休めずプレッシャーをかけ続けられるのがひとえに筋肉の賜物!
[ 2020/07/16 21:03 ] タッグ本戦 | TB(0) | CM(0)

下位第3試合 ちっぱいメイドズ vs ビッグ・ボンバーズ(2/2)


そしてこれだけの力を持つメイドズが1勝2敗で下位に落ちたのも、当たらなければどうということはないが当たると脆い、鈴木の打たれ弱さによるところが大きかった。
ゆえに、相変わらず脇で鈴木に発破をかけながらも、しぶとく立ち上がってくるジャンダムに姫の表情も苦いものへと変わっていく。

「くくく…なかなかいい蹴りだ。だが私のベルギー筋肉は、その程度では貫けぬぞ?」

「くっ…やせ我慢を! おっぱい判定保留にしてあげたからって、調子に乗るのは間違いですよ!」

一見して鈴木の攻勢は衰えていないかのように見えるが、姫はもとより、勘のいい観客達の間でも気付き始めた点があった。
プレッシャーに押されてのことか、疲労の影響か…序盤に比べジャンプ力を生かした大技は影を潜め、その場での足刀やミドルを多用するようになっていることに。

もちろん筋肉2人がそこまで計算して試合を運んだわけではないだろうが、いずれにせよこの逆転の好機、本能で察することができるのが筋肉の強み!

「今だユキーデ! 筋肉をユニゾンさせろ!!」

「応! よくゾ持たせたジャンダム! さすがはワタシの見込んだオトコ!」

「っ!?」

ツッコミを入れる暇もなく、リングに飛び込むや突進してくるユキーデ!
一方ジャンダムは、その注意が逸れた一瞬の隙を突いて、鈴木の背後へと回り込む!

もはや鈴木に序盤の反応速度はなく、ジャンダムが逆ロメロに捉えボンバーズ渾身のツープラトンが炸裂するかに思われたが…!

「この貸しはでかいぞ、鈴木!」

しっかりとリングの状況を俯瞰していた姫が、ユキーデに足払いをかけ鮮やかにカット! なまじ極端に身長差がある分、姫の身体はボンバーズの死角に入りやすいのである。

「礼は言いませんが、それでこそちっぱいの使徒!」

これでタイミングがずれ、鈴木も身体を思い切り捻ってジャンダムの拘束から脱出。そしてその勢いのまま、横移動しながら回し蹴りを連続して繰り出す! さながら赤い道着の人バージョンの、竜巻旋風脚!!

「グ! ワ! ア! ア! ア!!」

ジャンダムの頭が弾かれるたび断続的な悲鳴が木霊し、最後は一際強烈な一撃でフィニッシュ。大きく蹴り飛ばされ尻餅をついたジャンダムは、ロープにもたれあえなく意識を手放してしまった。
いかに脳筋と呼ばれてようと、それはあくまで物の例え。かくも激しく脳を揺さぶられては、ベルギー筋肉とて防御しようがない。

だがその一方、足払いでバランスを崩していたユキーデは、すぐにツープラトンを諦めターゲットを変更していた!

「鬱陶シイChibiメガ! 邪魔をスルのなら、まずは貴様カラ血祭りにあげてやるWA!!」

「くっ…思考にメモリを費やしてない分、判断の早さは一級品か! 不覚っ…!」

ドオオオォォォン!!!!

要はバランスを失ったまま強引に方向転換、ボディプレスのような形で姫の方へと倒れ込んだだけではあるが。
その頭上を覆う質量の前に姫の回避するスペースはなく、完全にユキーデの巨体とマットとの間で、サンドイッチにされてしまった。

「さらばロリ子…貴方の犠牲は無駄にしません。草葉の陰から、ちっぱいの覇道を見守っていてください」

「死んどらんわ! いいからさっさと、このデカブツも片付けてしまえ!」

「ヌウゥ! まだ漫才をスル余裕がありやがるトハ、つくづくフザケタヤツラYO!!」

とはいえもちろん、姫のダメージは深刻。鈴木もそれを知ってか知らずか、キャプ翼のシュート体勢のように右脚を大きく振り上げると、うつ伏せになっているユキーデの顎を下から蹴り上げる!

「グムウッ!?」

体重87kg、巨大な筋肉の塊ともいえるユキーデの身体すらごろりと転がす、恐るべきは鈴木の脚力。
これで下敷きになっていた姫も脱出、一瞬ユキーデも追撃すべきか逡巡するが、その隙を鈴木に突かれることは明白。
怒りの炎を瞳に宿し、膝立ちになるやその太い右腕を横薙ぎに振り払う!

「ふっ……くっ!?」

スカートを翻し回避したかに見えた鈴木だったが、拳の先端がわずかにかすめていたか。腰を落とし、余裕の表情が少しだけ歪んだのをユキーデは見逃さなかった。。
ここがチャンスとほくそ笑むや、さらに畳みかけるべく左腕で十八番の低空アッパー、獄炎突きを放つ!

「まったく、こんな厄介な場だと知ってたら、最初から辞退してましたよ! あの性悪オーナー!」

やはり切れは鈍っている鈴木の動き、この一撃も完全にはかわしきれず脇腹にチップ。しかしそれは鈴木も織り込み済み、伸び切ったユキーデの腕が戻る前に懐へ潜り込むと、再度顎を跳ね上げる飛び膝蹴り!

「グ…アッッ!? コノッ…!!」

大きくのけ反ってたたらを踏むも、なお耐えるユキーデも流石の筋肉。懐の鈴木を捕らえるべく、珍しくベアハッグのような格好で抱え込みに出るが、それよりも鈴木のダッキングが一瞬早かった。
そして距離を取るや、今度は高々と脚を上げてのハイキック一閃! 真横からユキーデのテンプルを見事に撃ち抜く!!

「オノ…レ……!! アナタホドノ闘士ガ、ナゼ真摯に武と向き合わン……!」

「そんなものに興味はありませんね。私の目的は、この世から巨乳を消し去ることのみ!」

「理解……デキヌ……!!」

ズウウゥゥン………!!

「「ちっぱいこそが正義だ!!」」

一瞬スカートの中の純白が見えた気がしたが、すぐに脚を戻すガードの固さも含めて芸術的なハイキック。
そして白目を剥いたユキーデが轟音を上げリングに横倒しになると、姫とともに久しぶりに勝利のシュートサインを決める。

「うおおおおーーー!!! 予選じゃ強豪との連戦でこっちに落ちたけど、やっぱ強えよメイドズ!」
「紙装甲なのが鈴木唯一の弱点でしたが、今回はクリーンヒットを許さなかったのが勝因でしたね。予選でもあのくらいの集中力を発揮できていれば…」
「今後の巨乳討伐ショーはエキシビジョンに期待かー。マッチングの妙とはいえ他のチームとの試合も見たかったぜ」
「しかし、これでまた一歩、誰得なボンバーズ処刑が近付いたことに…。決して弱いわけじゃないんだけど、勝負どころで競り負けるのはやはり頭脳の差か…」

などなど、観客も悲喜こもごもではあるが。
格闘技として見ごたえのある一戦だったこともあり。あまり結果自体は愚痴らず、純粋に感想を言い合っているのも、地下としては珍しい光景ではある。

「次の標的は藍翅あげは! 古江涼子! そしてエックス!
本戦での対戦が消えたとはいえ、ちっぱいジハードから逃れたと思わないことです!」

なおその後も、鈴木はリングを降りずマイクパフォーマンス。
相変わらずちっぱいの布教に余念がないが、次の試合が控えていることもあり、姫に引きずられてしぶしぶ退出するのだった。



21分49秒
Winner ちっぱいメイドズ 2勝2敗 
Loser ビッグ・ボンバーズ 1勝3敗 下位トーナメント2回戦転落
[ 2020/07/16 21:02 ] タッグ本戦 | TB(0) | CM(0)

下位第2試合 忍拳潮流 vs 退魔コンビ(1/2)

鋼さん仮キャロラインさん仮   なぞちゃん仮火翠さん仮


忍拳潮流  オーナー:めら氏
冴島 鋼
身長146cm 体重40kg 3サイズ B67(A) W49 H72 年齢:15歳
試合コス:さらしと褌の上に忍装束の上だけ羽織っている
キャロライン・Z(ザルバ)・クロケット
身長154cm 体重51kg 3サイズ B85(E) W56 H83 年齢:18歳
試合コス:胸元で結んだシャツにホットパンツ

退魔コンビ  オーナー:めかぶ氏
瑠風(るか)
身長156cm 体重44kg 3サイズ なにそれ?おいしいです? 年齢:14歳
試合コス:青中心の退魔装束に白い手袋とニーソ。マフラーとリボンは黄色
火翠
身長154cm 体重45kg 3サイズ 不明 年齢:15歳
試合コス:赤中心の退魔装束に黒い手袋とニーソ。マフラーとリボンは黄色



前の試合の蒼黒と同様、退魔コンビも今回からコスチュームを一新。股間部まわりが動きやすくなったレオタード状のコスと、従来の着物とが折衷したような格好で現れるや、観客から一斉に歓声が沸き上がる。
もちろんそれは、よりエロさを増した格好への好色な声に他ならないわけで。そういうことに疎い瑠風は頭に?マークを浮かべているが、火翠はよこしまな視線を感じ取って、やや気にした素振りを見せる。
なお、長いポニテが目立つ退魔の1人、なぞは登録名も瑠風に変更。もとよりなぞは暫定的に付けられていた名前だったので、改めて本名で心機一転というところだろうか。

一方の忍拳潮流の装いは予選と変わらないが、やはり処分がカウントダウンとなる下位トーナメント。いつも以上に張りつめた空気を漂わせる鋼につられ、キャロラインも軽口を叩く余裕はなさげな様子である。
そしてそんな空気をまったく読まず、唐突に2人に近付くや、気さくに話しかけてくる瑠風。

「あの、少し聞きましたですけど。鋼も瑠風たちと同じ、『ゆらぎ』に巻き込まれて、この船で闘うことになったですよね?」

「おわっっ!!?」
「What!?」

試合前の相手にこの態度。鋼とキャロラインのみならず、火翠もびっくりしてリングから落ちそうになる。

「悪い人たちじゃないみたいですし、闘わなきゃいけない事情があるなら、瑠風たちが何とか……」

言いかけてる途中で首根っこを掴み、自陣コーナーへ引きずり戻す火翠。当たり前である。

「何考えてんだ瑠風~~~……」

「でもでも瑠風たちの任務は、妖魔の討伐。鋼たちは闘わなくていい相手のはずです!」

「それはまあ、一理あるけどさ…」

困った様子で頭をかく火翠。そこへ、やや雰囲気は緩めつつも、緊張感は保ったまま鋼が口を挟む。

「確かに俺も、恩人を救うために闘ってるだけで、この船の事はよく思っちゃいない。
だが、だからこそ負けるわけにはいかないし、八百長めいたことを疑われるわけにもいかないんでな。
…手を抜いたりしたら、お前らの方こそ怪我じゃ済まなくなるぞ?」

小柄な退魔2人よりさらに小さい鋼ではあるが、そこは流石に戦国の世を生き抜いてきた凄みか。
射抜くような鋭い眼光と、引き締まった浅黒い身体から発せられる圧力。そう言い切られてしまっては瑠風も言葉に詰まり、何も言い返せなくなる。
火翠もそんな瑠風の肩に手を置くと、なだめるように。

「…気持ちは分かるが、とにかく俺達だって、勝たなきゃ今の状況を打開する糸口すら見えないんだ。
向こうで1人闘っている桜姫のためにも、まずはこのトーナメントを抜けることに集中してくれ」

「分かりました、です。鋼たちの事情は、試合が終わってから考えることにするです……」



「何だか一悶着あったみたいですが、もちろん八百長には重大なペナルティが課せられますからねー。
さてさて、では気を取り直して。奇しくも戦国時代から現れた本職のリアルニンジャと、別世界で魔を滅するタイマ・ニンジャとの対決になりました第2試合!
こうなると鍵を握るのは、1人異彩を放つアメリカンボクサーのキャロラインさんでしょうか?
両チームとも予選では善戦するも、あと一歩及ばず2連敗。何とか悪い流れを変えるきっかけを掴みたいところです!」

「ニンジャフリークとしては、スピードで撹乱するイメージそのままの退魔に対し、ニンジャの源流、シーラカンスみたいな存在の鋼がどう出るかも見どころだな。
現代ニンジャの生天目桜が快進撃を続けてる今大会、彼女達もそろそろ存在感を示さんと」

忍拳の先発は、過去2戦同様に鋼。退魔はやはり瑠風に切り替える時間を与えるためか、まずは火翠がスタンバイ。
軽くステップを踏む火翠に対し、鋼は腰を落とした姿勢から大きく深呼吸をし…ゴングが鳴る!

「行くぞッ!」

「シ……ッッ!!」

先手を取ったのは予想通り、スピードに勝る火翠。正面から突っ込むと見せかけ急旋回、鋼の側面に回り込むや大きくジャンプしての延髄斬りを放つ!

「その程度かッ?」

「何ッ!?」

火翠としては手応え十分、観客からも首の付け根へまともに入ったかに見えた一撃だったが。何と鋼はまったく動じず、すぐさま裏拳で空中にいる火翠を狙ってくる!
咄嗟に両腕で防ぎ着地はしたものの、目を丸くしたその表情はありありと驚きを物語っていた。

「今のを喰らってびくともしないとは…。なるほど、手加減する余裕はなさそうだな!」

「ハナからそう言っている! お前らにも負けられない理由があるなら、全力でかかってくるがいい!」

同じ俺っ子で性格も近い感じの鋼と火翠、何かと通じ合うところはあるのだろうか。
その後も火翠はフェイントを交えつつ、様々な方向から鋭い蹴りやエルボーを仕掛けるが。リング中央でそのことごとくを受け切り、微動だにしない鋼はまさにその名の通り、鋼鉄の塊。
そしていかにスピードがあろうとも、どうしても攻撃の際、鋼の射程には踏み込まざるを得ない。何とかかわし続けてるとはいえ、相打ち上等ときっちり反撃を合わせられては、火翠の息も必然的に上がっていく。

「相変わらずニンジャのイメージとはかけ離れた打たれ強さだな鋼…。純粋な肉体の頑強さという点じゃ、今大会随一じゃねーか?」
「以前中国で、あれに近い流派を見たことがある。修行の過程で旧式のカノン砲にも耐えるというが、鋼も同じレベルの鍛錬は積んでるに違いあるまい」
「マジか…。しかしこりゃ、スピードと連携は一級品でも、攻撃力不足なイメージの退魔にゃ厳しい相手かねえ」

(確かに難敵だが……打つ手はある!)

「火翠さん、再びマットを蹴り、滑るように突進! 鋼さんも迎撃の構え…っとぉ? ここで瑠風さんがスリップストリームのように、火翠さんの背後から追走! 火翠さんの攻撃は囮でしたか!?」

「行けるか、瑠風?」

「任せてください、です!!」

鋼が火翠のミドルを脇腹で受けつつ打ち返した隙に、逆側の脇腹へ潜り込む瑠風!
当然鋼はそれも耐えるべく、力を込め腹筋を固めるが…!

「鎧、通しッッ!!」

密着した状態から肘を撃ち込んだ後、間髪入れず逆の拳でショートボディ! 一見何の変哲もないコンビネーションだが、ここで鋼の表情が明らかに変化する。
そして再び一回転して肘を撃ち込むや、球状に広がる衝撃波とともに、くの字に曲がり水平に弾き飛ばされる鋼の身体!
これまでほぼリング中央から微動だにしなかった鋼だけに、観客の間からも一斉にどよめきが湧き上がる。

「っ!? 何だ、今のはっ…!?」

「皮膚を透過し、直接体内に霊力を流し込む……本来は鱗の固い妖魔なんかに使う技ですが。
瑠風たちの全力、鋼にも認めてもらうです!」

完全に吹っ切れたような瑠風に対し、不敵な笑みを返す鋼。だが片膝立ちで脇腹を押さえたまま、瑠風の言葉通り大きなダメージが体内に浸透したのははっきりと見て取れた。
いかに鋼といえど、もう一発入れば無事に済むはずがないのは明らか。即座にダッシュして鋼との間合いを詰めようとする瑠風だったが、その横から飛び出してきたキャロラインが立ち塞がる!

「Stop! 私のコトを、忘れちゃ困るネ! 忍拳はSteel一人のチームじゃないヨ!」

そして瑠風の接近を阻止すべく、回転の速いジャブの連打! その手数に流石に瑠風も一旦離れ、仕切り直さざるを得ない。

「もちろん忘れたわけじゃないです! キャロラインにも、全力でぶつからせてもらうです!」

「Come on! Anti Evil Ninjas!!」

グローブを胸の前で打ち鳴らし、積極果敢に前に出るキャロライン! 瑠風もペースは渡すまいとリングを立体的に使い、撹乱しながらクリーンヒットを入れようとするが。
元よりキャロラインも、アメリカでは名の知られたボクサー。アウトボクサーとの対戦も豊富であり、フットワークを駆使してきっちり瑠風の動きに追いついてくる!

「くっ…やるですね! でも、負けないです!」

「フッ、ワタシも成り行きでSteelに付き合うことになっただけだけど。袖すり合うも他生の縁、ッテネ!」

こうなると完全にスピード勝負、目にも止まらぬ速さでリングを駆け巡りながらキャロラインのアッパーや瑠風のカカト落としが交差し、そのことごとくを両者紙一重でかわす展開が続く。
純粋なスピードではおそらく瑠風が上回るが、その差を経験と、モーションの小さいパンチで補うキャロライン。しかしいまだロープ際で回復に努めている鋼を見て取るや、その均衡を破るべく火翠が動く!

「悪く思うな! これは2対2の勝負だ!」

「Of course! サスガのチームワークネ……そう来ると思ってたヨ!」

同時攻撃を仕掛けるべく瑠風と火翠が身体を重ねた瞬間、大きくサイドステップして距離を取るキャロライン! そしてその背後では、鋼が右掌を前に突き出し、左手で印を結んでいる!

「双 頭 竜 巻ィィィィ!!」

そして裂帛の気合と共に放たれる、螺旋を描く二重の暴風! 完全に意表を突かれた格好となった退魔は、2人同時に強烈な磁場を有するその竜巻に巻き込まれる! これは即ち予選でも見せた、忍拳必殺のツープラトンの構え!

「これ…はっ!?」
「くそッ、動けねえっ!?」

「2人同時に巻き込むタイミングを狙ってやがったか! 確かに速い連携が持ち味の退魔、片方だけならすぐカットされてただろうが…」
「だが下手したら、キャロラインも巻き込まれてたはずだ。退魔のコンビネーションばかり目につくが、忍拳もなかなかやるじゃねーか!」
[ 2020/07/16 21:01 ] タッグ本戦 | TB(0) | CM(0)

下位第2試合 忍拳潮流 vs 退魔コンビ(2/2)


そのまま上昇する竜巻に舞い上げられた2人は、必死で身体を振って拘束から抜け出そうとするが。
そもそもこの技を喰らった時点で脱出は不可能。さながら不可視の力でバインドされたかの如く、両手両足とも動かすことができない。
そして落下地点で待ち構える、キャロラインと鋼!

「必殺!」
「烈風!」
「豪熱Machine-gun Punch!!!」「正拳突きィィッッ!!!」

キャロラインのマシンガンアッパーが瑠風の、拳を真上に突き上げた鋼の正拳が火翠のお腹をそれぞれ捉え、まともに撃ち抜かれた退魔2人は一気にリング端まで弾き飛ばされる!

「か……はあッッ……!!」
「げほッ! がほッごほおッッ!!」

2人重なるように尻餅をついた格好で、お腹を押さえ激しく咳き込む退魔。
KOには至らなかったものの、忍拳にとっては勝負を決める大きなチャンス。一足先に身体を起こした瑠風めがけて、キャロラインがダッシュをかける!

「Checkmate! コレでFINISHネ!!」

「っ!? 待てッ、キャロ…」

2人の目がまだ生きていることに気付いた鋼が制止しようとするが、キャロラインはすでに右ストレートのモーションに入ってしまっていた。
無論、退魔の2人はもうまともに身体を動かせる状態ではない。だが、キャロラインの拳を顎に喰らいながらも、瑠風はその反動で両脚を跳ね上げ首をロック! そのまま腕も抱えつつフランケンシュタイナーのような格好で、自分ごとキャロラインの身体をマットへと叩き付ける!

「Shit! まだそんなパワーが、残っていた、とハッ…!?」

そして倒れ込んだキャロラインへ、全体重を乗せた火翠のストンピングエルボー!
迷わずに追撃をかけようとしたキャロラインの判断は決して間違いではなかったが、退魔の底力は想像を上回っていたか。
無防備なみぞおちへダイレクトに肘を落とされ、呼吸困難に陥りマットの上をのたうち回る!

「No…Jesus……!!」

慌ててフォローに入るべく鋼が駆けつけるも、時すでに遅し。
Eカップの胸の下側を押さえ、いまだ悶絶しているキャロラインはもはや闘える状態ではない。

「やるな……だが!」

しかしリング上、もつれるように倒れ込んでいる3人に対し、鋼は1人だけ十分な体勢。すぐさま火翠の襟を鷲掴みにすると、右腕一本でその身体を持ち上げ宙吊りにする!

「ぐっ、ううッ…!」

「火翠っ!!」

もちろん瑠風もすぐ立ち上がり、救出しようとするが。ダメージに加えぎりぎり意識の残っていたキャロラインに抑え込まれ、思うように動くことができない。
気ばかり焦ってらしからぬもたつきを見せている瑠風を尻目に、鋼は火翠を吊り上げたまま、空いている左手で重いボディブローの連打!

「げぼおッ! がッッ! ぐっ! ぶふッ…!!」

火翠も何とか自力で逃れようとするが、その小さな体躯からは想像もつかない鋼の握力の前に、虚しく腰を振るような動作を繰り返すのみ。
そしてキャロラインのアドバイスか、自身の忍としての経験からか。鋼の拳は的確に肝臓を捉えており、撃ち込まれるたび火翠の口から濁った悲鳴が吐き出される!

「このっ! 離す、ですっ!!」

ようやく抱きつくようにして、鋼のパンチを遮ろうとする瑠風だったが。すでに火翠の身体からは抵抗する力も失われ、口から胸元にかけ吐瀉物と唾液でびしょびしょに汚している状態。
そして瑠風の妨害も意に介さず。襟を掴んでいた手を離すと同時に、ガニ股に近い極端なスタンスを取り……鋼は無情にも、より一層力を込めたリバーブローを振り抜く!

「ぶぎゅおおおおォォ――――ッッッ!!!!」

ただでさえ烈風正拳突きでお腹を潰されていたところへ、ダメ押しともいえる内臓への連打。そしてトドメに、この一撃。
精神力で持ちこたえられる限界は遥かに越え、吐瀉物を撒き散らしながら反対側のロープまでゴロゴロと転がっていった火翠は、側臥位で倒れたまま激しく痙攣を続ける。

「ぶっ、ぶげっ……ばっ………」

新調したコスチュームは見る影もなく汚物まみれとなり、なおも鼻と口から胃の中身を吐き出し続ける火翠。その完膚なきまでの敗者としての姿に、観客からは容赦ない嘲笑が浴びせられる。

「くっ……火翠っ……」

「…力なき信念は無意味。お前も目的を果たしたいのなら、その力で俺を越えていってみせろ!」

「望むところ、ですっ…!」

「両チームともパートナーが倒れ、最後は一騎打ちで決着を付ける形になりましたこの試合!
両者やはりダメージは隠せず、序盤に比べぎこちない動きではありますが!
瑠風さんはスピードで翻弄しての一撃、鋼さんはそれを受けつつ殴り返す基本的なスタイルは変わらず、意地の張り合いの様相を呈してきました!」

「だが生半可な攻撃じゃ、あの鋼鉄のような皮膚を貫けないのは瑠風も分かってるわな…。
勝機があるとすれば、あの『鎧通し』をもう一発決めることだが。一度見せた以上、そうそうまた喰らってくれる相手じゃあるまい」

解説ヴォイドさんの言葉通り、瑠風は考え得る限りのフェイントを駆使して、何とか鋼に隙を作らせようとするのだが。
鋼もその狙いはお見通しであり、脇腹だけは絶対に触れさせない。

「はっ、はあっ……!」

そしてこのジリ貧の状況が続けば、瑠風の体力にも陰りが見えてくるのは必然。それは即ち、命綱であるスピードの低下に直結する。

瑠風自身もそれは気付いていたが、なお諦めず鋼の相打ちをかわし、離脱しようとした瞬間。
これまで受けの姿勢だった鋼が突如、自分から腕を伸ばす!

「えっ…あぎぃっ!!?」

「ああっ!? 到底瑠風さんのスピードには追いつけないかに見えた鋼さんですが…狙っていたのはその長いポニーテール!
がっちりと鷲掴みにして、縄を手繰るように瑠風さんを引きずり寄せました!!」

「闘いに長い髪は不要。それがお前の甘さであり、敗因だ!!」

完全にバランスを崩され反り返るような格好になった上、反射的に瑠風は両腕を後頭部に回し、鋼の手をほどこうとしてしまう。
しかし、鋼の行動はそこまで見越してのもの。
お腹のガードががら空きになっていることに気付いた時にはもう遅く……背中を膝に乗せられた上で、撃ち下ろし型のボディが瑠風の下腹部、膀胱に近い位置へと叩き込まれる!

「~~~~………ッッッ!!!! まっ、まだっ………!」

歯を食いしばってこの一撃に耐え、反撃を試みようとする瑠風だったが。
すでに気力だけで何とかできる範囲は越えており、力も霊力もろくに込めることのできないそのエルボーは、鋼の腹筋を軽く撫でただけだった。

そんな瑠風に憐れむような視線を送りつつ…掴んだままのポニーテールを高々と持ち上げ、右腕一本の力だけで強引に瑠風を立たせると。
今度は大きく腰を落とし、ガゼルパンチめいたフォームから突き上げるように左拳で肝臓を貫く!!

「お゛お゛お゛お゛お゛―――――ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛!!!!」

普段の声からは想像もつかない濁った絶叫とともに。
数秒間の間、瑠風の両脚が10cm近く宙に浮き……鋼が拳を引いたことでようやく着地。
同時にガクンと両膝も折れ、お尻を天井に向け高く突き上げて、土下座するような格好で頭からマットへと突っ伏す瑠風。

…いかに退魔として鍛えていようと、信念を貫こうとする強い意志があろうと。
かくも内臓を破壊せんばかりの打撃を続けざまに喰らっては、耐えることなど不可能だった。

「ひゅ――…ひゅ――………ごぶっ、ぶふうっ………」

口から溢れ出した胃の内容物が、異臭を放ちながらマットを染めていく一方。
決壊した膀胱から生温かい液体が滴り落ちる様も、股間部の布が白地であることが災いし、場内のスクリーンにはっきりと映し出されてしまう。

「ハアーッハッハッハッ!! 瑠風の奴、また漏らしやがった!
ちょーっと退魔忍にしちゃあ、尿道緩すぎなんじゃねえかぁ?」
「生身の人間相手に3連敗とか、ホントに魔を討ってたのか疑わしいなあ! ま、単なるコスプレJCでも、僕は一向に構わないけどね!」
「フフッ…試合前はどうなるかと思ったけど、今宵もよい見世物だったわ。
彼女達をこっちに送り込んでくれた、別世界の妖魔には感謝しなくちゃね…」

囃し立てる観客の声の中には、明らかに人ならざる者も混じっており、鋼もそれを感じ取ってはいたが。
仁王立ちで瑠風を見下ろし、残心を保ったままぶっきらぼうに呟く。

「…お前達の信念は察するが、成し得る力を持たぬ者は淘汰されるのみ。
俺のいた時代もこの船も、その点だけは変わりあるまい」


なお瑠風の受けた攻撃はほとんどがボディだったため、激痛と息苦しさとは裏腹に意識ははっきりしていたことも、彼女にとっての不運だったか。
それに気付いた観客がトドメを刺すよう促すも、すでに勝負はついたと鋼はキャロラインに肩を貸し退出。

その一幕にやや場内からブーイング湧き上がるが、逆に考えれば意識のある瑠風へ、存分に罵声を浴びせられるわけで。
そのブーイングが心ない野次に変化するのに、さほど時間はかからなかった。

「瑠風ちゃーん、コスチュームが濡れて貼り付いてるおかげで、割れ目まではっきり見えちゃってるよー?」
「ガハハハハ! うずくまってねえで、顔上げてスクリーンを見てみたらどうだ? ああ、動けねえのか! 残念残念!」
「フォッフォッフォッ…ほれ、意識があるなら、相方も助けにいかんと。今時は下級妖魔もスマホを使う時代、その無様な姿はあっという間に広まってしまうぞ?」

「うっ…ううっ……」

鋼の言う通り、自身の力のなさが招いた結果なのは分かっていたが。自分達の討つべき妖魔のみならず、何も知らない人間達にまで情けない負け姿を揶揄される現実。
惨めさと悔しさ、恥ずかしさが入り混じって身を震わせるものの。いまだお腹を押さえた土下座スタイルのままでは、観客の目にはぷるぷると揺れ動く桃尻が映るのみであり、その姿はさらなる嘲笑を誘うのだった。

瑠風はその後も火翠と共に、しばらくの間リングに放置されることに。…前の試合が例外だっただけで、これが地下における一般的な敗者の扱いではある。
次の試合の準備が整うまで、2人は舐め回すような視線とカメラのフラッシュ、下卑た言葉の雨に晒され続けるのだった。



18分5秒
Winner 忍拳潮流 1勝2敗 
Loser 退魔コンビ 0勝3敗 下位トーナメント2回戦転落
[ 2020/07/16 20:59 ] タッグ本戦 | TB(0) | CM(0)

EXマッチ 月嶋雫 vs ピアーチ・スィエニーク

雫さんis   ピアーチs
 C・Aで行われている夢のタッグ編。予選が終わり、上位トーナメントと下位トーナメントに分かれ、優勝と最下位をかけた激戦は今も続いている。しかし、激戦が続くために選手たちの負担も大きく、選手たちの休養のために長期休養の期間がどうしても入る。だが、その中でも負傷の少ない、もしくは回復力の高い選手のエキシビジョンマッチは観客を離さないよう組まれていた。
 その中でもよく組まれているのはランページ・ヴィーナスの月嶋雫の試合だ。表のプロレス界では実力派といわれているが、このC・Aでは闘い方がきれいすぎて実力は下から見たほうが早い。それでもその打たれ強さは飛びぬけており、回復も早いことも相まって優先して試合が組まれている。
 今年初めてのC・Aのエキシビジョンマッチの相手はこれまで何度もタッグとシングルで闘ってきたギガントヴィエーディマのピアーチ・スィエニーク。その巨体と無邪気な子供のように相手を叩き潰すことでこの組み合わせの対戦の人気は高い。今日も雫が屈辱にまみれてリングに沈むのを期待する観客の熱い視線がリングに注がれる中、いつもの白と青のレオタードではなくアイドルレスラーのような華やかなコスチュームを身にまとった雫が対戦相手のピアーチと向かい合う。


「うわあぁ!かっわいい~!!いつものもいいけど、今日のはすっごくかわいいね!!」

「・・・・・・いいから、早く始めるわよ・・・!」


 二人がリングの上で並んで立つと、雫の頭頂はピアーチの胸元にやっと届く程度。60㎝以上の身長差でまるで大人と子供が並んで立っているようにも見えるが、その精神年齢はピアーチのほうがはるかに幼い。そのために普段よりも飾り立てられた格好の雫に黄色い声を上げて抱き着こうとしてくる。
 それに対して雫は不本意さを隠そうともせずにピアーチの腕を押しのけようとするが、ピアーチの巨体とパワーに今から押されがちだ。ピアーチにとって雫は対戦相手ではなく、そこそこの手ごたえと高い頑丈さで遊べる壊れにくい遊び道具のようなイメージだ。どれほど打ちのめされても闘志を燃やして真っ向から向かい合ってくる雫を蹂躙する機会がまた得られたことに喜びを隠そうともしない。


「いい加減に・・・!放しなさいっ!!」

「ちぇーっ、ケチーっ!!」


 ようやくピアーチを腕を離させることに成功した雫だが、雫がピアーチの腕を振りほどくのに顔を真っ赤にするほど力を込めたのに対し、ピアーチは人形に抱き着く程度の力しかいれていない。試合開始前から圧倒的な力の差を見せてしまい顔をしかめる雫に対し、ピアーチはまともに相手をしてくれない雫に頬を膨らませて拗ねている。


 カーーーーン!!!!


「じゃ、気を取り直して・・・たっぷり遊ぼうね!!」

「いつもいつもやられてばかりじゃないわよ・・・!やあああぁぁぁぁっ!!」


 試合開始のゴングが打ち鳴らされ、気を取り直したピアーチが大きく腕を広げ、雫が近づいた瞬間に捕まえる構えをとる。普段は真っ向からの勝負を挑む雫も、ピアーチほどの巨体とパワーの相手に真っ向から飛び込めば捕まえてくれというようなもの。
 雫が前に出るのを待ち構えるピアーチと、体勢を低くしてピアーチへと飛び込む雫。ピアーチは体格やパワーが目立つものの、特筆するのはパワーだけではない。パワーにものを言わせた俊敏さも対戦相手の脅威だ。だが、雫はこれまでの対戦でよくそのことを知っている。
 雫を捕まえようとピアーチが腕を伸ばす、その寸前で飛び込むのを止め、唯一ピアーチに勝っている小回りで前から横へと回り込むと、そのままピアーチの左足に組み付いてマットに引きずりこもうとするが・・・。


「う、ううぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「わわっ!?いつもだったら飛び込んでくるのに・・・逃げたなぁ!!」


 狙い通りピアーチの足にタックルで組み付いた雫。しかし、雫がそこから精いっぱい力を込めてもピアーチの左足は根を張った巨木のように微動だにしない。虚をついてピアーチが油断していたにもかかわらず、崩しきれないことに顔を歪ませながら距離を置こうとする雫だったが、すでに雫はピアーチの射程圏に入ってしまっている。雫が後ろへ下がるが、ピアーチの腕はそれ以上に伸び、雫のコスチュームの腰をつかむと腕力にものを言わせて持ち上げていく。


「は、放して!放しなさいっ!!」

「いーよぉ、放してあーげるっ!!」


 しっかりと補強されたコスチュームはずれることはなかったものの、まるでゲームセンターのUFO人形のように釣り上げられた雫に失笑が沸き起こる。顔を真っ赤にしてピアーチにつかみかかろうと両腕を伸ばす雫だったが、単純なリーチの差で精いっぱい手を伸ばしてもピアーチの体に届かず、さらに観客の笑い声が沸きあがった。
 そして、雫の叫びにあっさりと応え、手を離すピアーチ。雫の体はそのまま重力にひかれてマットへと落下し、無様にマットに這いつくばってしまう。まるで相手になっていない無様さにまたしても失笑が沸きあがるが、雫はその声にかまってはいない。これまで何度も敗北し、かける恥はかいてきた。それでも闘うのは、勝ちたいからだ。


「まだよっ!!私はまだ・・・!!」


 まるで鬼ごっこの鬼のようにリングを駆ける雫を追い回すピアーチ。リーチの長いピアーチの腕をかいくぐりながら雫は足を踏み切って跳躍し、リングロープへ直接足をかけていく。そのままロープの反動で体を翻しながらピアーチの身長よりも高く飛び上がると体を横にし、フライングボディアタックでピアーチめがけて襲い掛かっていった。
 追い回されながらも一瞬で攻勢に転じる雫に観客が沸きあがるが、それは雫の逆転を望む声ではない。ピアーチの体格、パワーがここから本領発揮されることを期待しての声だ。


「わっ!びっくりしたぁ~!バッタみたいに跳ねまわるね~・・・でも、それじゃまだまだなんだなー!!」

「この、このぉ・・・!!」


 間違いなくピアーチの意表を突いた雫のボディアタック。しかし、ピアーチはわずかに足を下げただけで雫の体を受け止めきり、そのまま股間とのどに手を当ててリフトアップしていく。離させようとしてもがく雫だが、ピアーチの手はびくともせずに雫をホールドし、そのまま無造作に腕を振って雫の体をマットへと投げ落とした。


 ズダンッ!!

「ううぅ・・・!!」


 しっかりと受け身を取り、すぐさま立ち上がる雫だがピアーチの巨体に担ぎ上げられてただ落とされるだけで雫の華奢な体の芯に重いダメージが残る。まさに難攻不落の城を体現するピアーチに手も足も出せないように観客には見えた。
 めげずにピアーチに組み付いて投げようとするも、体勢を崩し切っていない状態ではただピアーチに抱き着いたようにしか見えず、観客たちが笑う中、雫の体はまたしても宙を舞い、マットへと叩きつけられてしまう。


「負けるってわかってるのになんでこんなに向かってくるのかなぁ?ひょっとして、マゾだったりするの~?」


 ピアーチの悪気のない一言に観客席から笑い声が上がる中、雫は肩で息をしながら立ち上がり、一言も返さないままピアーチを睨みつける。確かに、ピアーチは雫よりも体格があり、パワーがあり、その長所を生かすテクニックもセンスもある。だが、だからこそ子供っぽい性格が大きな隙となる。


「ここよっ!!」

「へ、えぇっ!?」


 肩で息をつく雫を捕まえようと、警戒心が薄れたピアーチが大きく踏み込んだ。しかし、このタイミングこそ雫が狙っていた瞬間。大きく踏み込んだピアーチの右足がマットにつくよりも早く雫の体がピアーチの右足に組み付き、そのまま体を横へねじっていく。これはプロレス技のドラゴンスクリュー。本来なら膝関節を痛めつける技だが、これほど体格に差があるとピンポイントで関節を痛めつけるにはテクニックがいる。雫は完全に割り切り、ピアーチをマットへ引きずり込むために体をひねってピアーチもろともマットに転がるが・・・。


「誰が反撃していいなんて言ったかなー!?」

 めしゃぁっ!!

「ぐえぇーっ!!」


 一矢報いかけたと雫が思った瞬間、しがみついていた右足が跳ね上がり、ピアーチが体を転がしながら雫の体もろともマットへ右足を蹴りこんでいく。想像もしなかった力任せの切り返しに対応できず、ピアーチの右足とマットで挟み込まれてしまった雫の口からくぐもった悲鳴が上がる。しかし、それはまだ序の口。マットに倒れた雫が強引に引きずり起こされ、ピアーチの右わきに頭部を挟み込まれると首投げの要領で投げ飛ばされ、さらにピアーチの巨体がのしかかってくる。


 メキュッ!!

「うげぇ・・・・・・!!」


 上半身すべてを押しつぶすピアーチの巨体によって内臓がすべて口元から飛び出しそうな錯覚。そして雫はついに目を剥いてダウンしてしまった。引くひくと手足をけいれんさせ、大の字になったまま立ち上がれない雫の胸に足を乗せ、体重をかけていくピアーチ。


「ほら、これでワン・・・!ツー!・・・・・・スリー・・・!?」

「うあぁーーーーーーーー!!」


 ピアーチの体重を乗せた踏みつけフォールを絶叫を上げながらかろうじて返していく雫。全身を汗にまみれさせ、長い黒髪を体にへばりつかせながらもまだ勝負をあきらめていない。


「へぇ?もう終わったと思ったけど、ほんっとしぶとさだけは凄いよね・・・でも、これはどうかなっ!?」

「うぅぅ・・・!!」


 フォールを返し、マットに四つん這いになって立ち上がろうとする雫の髪をつかんで引きずり起こそうとするピアーチ。苦痛に歪む雫の顔が起こされ歓声を上げる観客たちがさらにいたぶられるのを期待した瞬間に雫の両手がピアーチの首へと回された。


「え・・・あぐっ!?」

 ガンッ!


 中腰になった雫が両腕をピアーチの首にかけ、そのままマットに膝をつきながら腕を引き寄せてピアーチの顎と自分の額をぶつけさせる。普段のピアーチなら受けなかっただろうが、完全に雫を相手とみなさず玩具とみていたピアーチは油断からまともに顎に打撃を受けてしまい、そのままもんどりうってマットに転がってしまった。


「い、いったぁ・・・!よくもやってくれたなぁ・・・!」


 痛打した顎を抑えて怒りもあらわに立ち上がるピアーチ。しかしここで、打たれ慣れている雫との立ち直りの速さの違いが出た。ピアーチに一矢報いた直後にはすでに体を転がしながら立ち上がってロープへと走り、反動で勢いをつけて戻っていく雫。ピアーチが立ち上がったときにはすでに雫の両足は全力でマットを蹴りつけて華奢な肢体を高々と宙に舞いあげていた。


「注意一秒・・・ってね!今度は私の番よっ!!」

 ドガァッ!!

「くあぁぁぁっ!!」


 雫の渾身の力を込めたハイアングルドロップキックは中腰のまま雫を探そうとしていたピアーチの顔へと打ち付けられ、そのまま両足が振り切られてピアーチをマットへ再び転倒させていく。


「まだよっ!!さあ、立ちなさいっ!!」


 ピアーチがつかんでいたペースはいつの間にか雫に握られ、転倒した状態から腕をとられて立ち上がらされていく。雫が打ちのめされるのを期待していた観客からはブーイングが、予想していなかった展開に盛り上がる観客からは歓声が上がる中、ピアーチの背後に回った雫が腰へと両腕を回し・・・。


「調子に乗らないでよねぇっ!!」

 ゴッ!

「うぅ・・・!」


 簡単にはペースを譲らないといわんばかりのピアーチのバックエルボーが背後から組みついてきた雫の側頭部へと叩きこまれる。腰の入っていない腕だけの打撃だが、ピアーチのパワーと体格ではそれだけで十分。雫が目をくらませて大きくよろめくのに合わせて振り返ると、鬱憤を晴らすような大ぶりのラリアットが斜め上から雫の顔をめがけて振り回された。


 ドゴォッ!!

「ぶふぁぁ!!」


 ピアーチが振り回した右腕に顔に左半面を打ち付けられ、勢いよく空中で回転する雫の体。そのままマットへと激突するがピアーチはそこで終わらせない。


「少しでも私に勝てると思ってるのかなぁ・・・・・・調子に乗りす・・・っ!」

 パァン!!

「調子に乗ってる、のは・・・・・・そっちもよ・・・!」


 引き起こされ、ピアーチに捕まろうとしている雫の右腕がひらめき、ピアーチの左頬を音高く張り飛ばす。ピアーチの体格からすれば大したことはない衝撃だが、その痛みはピアーチの体ではなく心を盛大に刺激する。


「ふぅん・・・・・・よっぽど痛い目がぅっ!?」

 バキィッ!!


 引き起こした雫を左手だけで捕まえ、右腕を振りかぶって力任せに殴りつけようとするピアーチ。しかし、それよりも早く今度は雫の右ひじがピアーチの頬へと食い込む。


「追い込まれて、からが・・・!私は本番よ・・・!!」


 今度こそはっきりとひるんだピアーチの胸元をさらにエルボーで乱打し、後ろへと押し込んでいく雫。ピアーチも腕を振り回して雫の顔を殴り飛ばすが、どれだけマットに倒れ伏しても間髪入れずに立ち上がって食らいついていく。


「ぞ、ゾンビか何かなのっ!いい加減に倒れてよぉっ!」


 倒れても倒れても立ち上がってくる雫の顔はピアーチのパンチを受けて意識が飛んでいるのか目は虚ろになり、動きも鈍い。しかし、練習を重ねて身に着けた動きは意識が飛んでもなお雫の体を動かしてピアーチに食いつかせている。
 ダメージで言えば雫のほうが圧倒的に不利な状況だが、ピアーチは逆に精神的に雫に追い詰められつつあった。いい加減に雫を黙らせようと、今度は右拳を強く握りしめながら振りかぶり、力任せにパンチを打ち下ろしていく。ピアーチの体格、体重、パワーで殴りつけられれば雫は間違いなくひとたまりもなくKOされるだろうが、そんな大振りを黙って受けるほど雫も大人しい性格ではない。


「そこ・・・・・・よぉっ!」

「え?あ・・・っ!」


 右拳を振り下ろしたピアーチの懐に飛び込みながらパンチをかいくぐり、そのまま背後へ回り込むと雫の両腕がピアーチの腰に巻き付けられる。ピアーチが目を見開きながら背後に回った雫を睨むが、パンチを空振りして前傾になった状態ではすぐに体勢を立て直せない。
 ピアーチの背後から腰に腕を回した雫がここぞといわんばかりに大きく叫び、ピアーチの222cmの巨体が持ち上げられていく。さすがにこの体格と体重の差では勢いを乗せられなかったものの、持ち上げてマットに落とすだけで充分な衝撃。


 ズズウゥゥンッ!!

「かは・・・!!」


 バックドロップでリング中央に叩きつけられ、息を詰まらせてついにダウンしてしまったピアーチに観客が大きくどよめく。そして、雫はダウンしたピアーチをそのままに、コーナーポストへとよじ登った。このタイミングで放つ技といえばたった一つ。


「行くわよーーーーっ!!」

 ズッダアァァァァンッ!!


 ボロボロになった体で、それでも危うげなくコーナー最上段に立った雫が右腕を大きく掲げて観客へとアピール。沸きあがる観客の視線の中、高々と舞い上がった雫の体は伸身宙返りをしながらリング中央でまだダウンしているピアーチへと襲い掛かっていった。
 雫の代名詞であるムーンサルトプレス。相手に返されることも多く、失敗のイメージが付きまとう技だがここぞというところで雫が放つ一撃は命中率が極めて高い。そしてそれは今回も同じく、ダウンしたままのピアーチのボディに命中し、大きな衝撃を与えた。


「フォールゥーーー!!」

『フォール!カウント・・・ワン!・・・・・・』


 この対戦は、雫が最もなじみのあるプロレスに沿ったルール。そのため、雫は迷いなくピアーチの右足を抱えながら抑え込み、フォールをアピールしていく。場内アナウンスがそれに従い、フォールカウントを入れ始めるが、カウントは1で止まった。


「あうぅぅぅっ!!」


 雫に抑え込まれていたピアーチの両腕が上がり、雫の首に当てられたのだ。パワーに任せ、雫の首を握りつぶすかのように力が込められるピアーチの両手にバタバタと足をばたつかせてもがく雫。しかし、ピアーチは手を緩めるどころかさらに力を込めて自分の上に乗った雫ごと立ち上がっていった。


「よくも・・・・・・よくも!私をいじめたなぁーーーっ!!」


 必死に抵抗する雫だが、ピアーチは腕に力を緩めずに立ち上がり、さらに雫の体を持ち上げていく。つま先がマットから浮き上がり、どれほどもがいても雫の足はマットに触れることもできず、絞首刑の状態にさせられてしまった。
 このままピアーチが雫を絞め落とすのかとだれもが思ったが、今のピアーチは簡単に圧倒できると思い込んでいた雫に逆襲され、頭に血が上りきっている。首をつかんでいた左手を放し、右手で雫の後頭部をつかむと勢いよく駆け出し、雫をコーナーへと叩きつけていく。


 ぐしゃぁっ!!

「ぐ・・・・・・えぇ・・・・・・!」


 雫が体の前面からコーナーへと叩きつけられ、一瞬リングが傾ぐほどの威力。必死に耐え続けてきた雫だが、ここでついに限界を迎えたか、ポストに縋り付いたままずるずると崩れ落ち、ペタリとマットに尻餅をついてダウンしてしまった。
 観客も、雫もよく健闘したがこれで終わりかと息をつく。しかし、ピアーチは激しく息を乱し、全身から汗を滴らせながら止まらなかった。


「このぉーっ!!」

 ドコォッ!!

「こひゅ・・・!!」


 コーナーにもたれかかったままダウンして動かない雫の背中にさく裂するピアーチのサッカーボールキック。重い音が会場に響き、背中を蹴りつけられた雫の体がマットに崩れ落ちて激しくせき込みながら悶絶する。


「この!!この!!このぉーっ!!」

 ドコッ!!ボコォッ!!ドボォッ!!

「げ!!ぐっ!!ぐぅっ!!」


 まるでかんしゃくを起こした子供のようにピアーチはマットに転がった雫の体を蹴りつけ続ける。頭に、背中に、ボディに見境なく叩きつけられる蹴りに、雫はガードすらできずに右に左に蹴り飛ばされ続ける。


「気持ちよくいじめられるって思ってたのにーっ!!」

 グニュゥッ!!

「きひぃーーーーーっ!!」


 横倒れとなった雫にさらに打ち込まれるピアーチの蹴り。豊かなバストがいっぺんに蹴りつけられ、一瞬ひしゃげ、そしてその次の瞬間にはマットを横に回転しながら雫の体がロープをくぐって場外へと蹴り落されてしまった。


「あ・・・・・・!!ああぁぁ・・・・・・!!」


 力尽きた雫の体はどれほど意志が立ち上がろうとしても言うことを聞かずに場外の堅い床に仰向けに転がったまま動かない。そこへ飛び込んでくるピアーチの巨体!


 ずぼぉぉぉっ!!

「--------っ!!」


 リングサイドから飛び降りてきたピアーチの両足は仰向けに転がった雫のボディを直接踏みつけ、落下の勢いとピアーチの体重、さらに脚力で増した威力が逃げ場のない雫の内臓を蹂躙する。悶絶することすらできずに目を剥いて口をパクパクと開閉させるだけしかできない雫。
 このままではピアーチに雫が殺されてしまいかねない、その危機感についに割って入ろうとするスタッフたちだったが、いつにない凶暴さ・・・というよりもかんしゃくを爆発させたピアーチには手が付けられない。


「これで・・・・・・壊れちゃえーーーーーっ!!」


 倒れたまま動けない雫を抱えあげ、放送席へ向かって駆けだすピアーチに悲鳴を上げながら放送席周囲の観客が逃げ出す。無人となったスペースに、雫ごと放送席に向かって飛び込んでいく。
 繰り出す技は、ただのパワースラムだ。しかし、ピアーチの巨体とパワー、そして飛び込んでいく先が放送席の長机とその下のむき出しになったコンクリート。一瞬後の惨劇を予想し、どよめく観客たちの視線の先でピアーチが雫ごと倒れこんでいく。


 ベキィッ!!ズゥゥゥンッ!!


 雫の体が長机に叩きつけられ、机が耐えきれずに粉砕される音。そして続いて粉砕された長机ごと床に叩きつけられピアーチに押しつぶされる雫。


「はぁー!はぁー!はぁー!はぁー!!」


 呼吸を乱し切り、やっと動きの止まったピアーチにスタッフが群がりこれ以上雫に手出しさせないようにする。しかし、長机の残骸ごと押しつぶされた雫はピアーチが退場してもピクリとも動かない。
 超巨体に押しつぶされ、完全に意識が飛んでいるのだ。会場の大スクリーンに映し出された雫は白目を剥いて泡を吹きこぼし、華やかなコスチュームがかえって無残さと無様さをあおる。
 観客が全員満足するまで雫はその場で放置され、満を持して実現したリベンジマッチはまたしても苦い結果に終わったのだった。



             SS提供:遊馬様
             今回もすごくリョナいSS、誠にありがとうございました!
[ 2020/01/26 22:51 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

巴子さんvsピアーチさん

巴子さんrt20001

めっきり更新が止まっておりまして申し訳ないです…。
ひとまず広告消しを兼ね、描き直しました予選2回戦の試合絵など。

どうか本戦の更新につきましては、気長にお待ちいただけると幸いです。

[ 2019/03/04 02:02 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)