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第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(1/5)

あげファラ   真理亜s春日s

ツヴァイシュメッタリン  オーナー:asa氏
ファラーシャ・アル=ウルジュワーン
身長152cm 体重41kg 3サイズ B73(Bカップ)W47 H76 年齢:12歳
試合コス:アラビアンダンサーめいた衣装。露出度はかなり高い。
藍翅あげは
身長142cm 体重41kg 3サイズ B82(Fカップ)W52 H78 年齢:11歳
試合コス:ファラーシャとお揃いのきわどい衣装。青ビキニ状の上下に、四肢はシースルーの生地。

The Childish  オーナー:ラブリー眼帯の男&azm氏
真理亜・K・コンドラチェンコ
身長172cm 体重62kg 3サイズ B88E W61 H89 年齢:26歳
試合コス:競泳水着。アレーナ社のARN-5041W。あとオープングローブとレガース
春日(はるひ)
身長157cm 体重42kg 3サイズ B75 W54 H80 年齢:17歳
試合コス:お腹の大きく開いた、白と青ベースの水着。真理亜と同様オープングローブも。



「ふふ…あれだけ可愛がってあげたのに、まだ躾が足りなかったのかしら仔猫ちゃん?」

「…………」

ゴング前、尊大な態度で挑発する真理亜と向かい合うあげはの表情は、いつになく険しかった。
3期では最終トーナメントの1回戦で顔を合わせた両者。その時は亡き母親を侮辱された上、お尻に指を突っ込まれるという思いもよらぬ裏技をきっかけに惨敗。忘れることなどできようはずもない。
もちろんあげはも雪辱を期すため、いつ再戦してもいいようあれから相当の鍛錬を積んではきた。しかし、自分の土俵であるサブミッションで、おそらくはまだ一枚も二枚も上をいく相手。さらにこういった挑発で心を揺さぶり、念入りに勝利の確率を引き上げる老獪さもまた、真理亜という闘士がモスクワで君臨していた所以である。

「ま、とりあえず深呼吸でもしなさいな」

ファラーシャに肩を叩かれ、少々思い詰めていたことに気付かされたあげはは、アドバイス通りに大きく息を吐く。
相変わらずビジネスライクにしか接してこないファラーシャではあるが、あげはの実力は彼女も認めるところ。十分なパフォーマンスを発揮してもらわねば困るとでも言いたげな表情で、ファラーシャは背を向けて言葉を続ける。

「分かってるわね。Childishにつけ入る隙があるとすれば…」

「…まだこの地下での経験が浅い、春日。作戦に異論はないわ…でも危なくなったら、今度はすぐに出るからね」



「さ―――始まりました上位1回戦最後の組み合わせ! そして関節マスター同士、因縁の再戦という屈指の好カードです!
しかし春日さんとファラーシャさん、両チームともまずはパートナーが先発。しばらくは様子を見つつ、交代のタイミングを窺う展開に…おおっと!?」

実況の予想とは裏腹に、開始早々仕掛けたのはファラーシャ! シュメッタリンの作戦とはつまり、速攻で春日を落とし、真理亜との二対一に持ち込むこと!
シンプルではあるが真理亜の力量、そして平然と肉壁扱いされる春日の役割を考えれば、決して間違った策ではない。わたわたして接近を止めようとする春日のジャブをパリングで弾き、背後へ回り込んだファラーシャは一気にスープレックスの体勢へと入る! しかし!

「とっっ!」

「くうっ…!?」

「間一髪、ブラックベリー戦の再現ならず! いきなりの大技は春日さんの頭にもありましたか、腰を捻って上手くクラッチを切りました!」

「狙いはよかったが、前にも見せたのは失敗だったな。それに浮き足立ちながらも反応できたあたり、何気にChildishも対策は立ててきていたか?」

なおも手を休めず攻めようとするファラーシャだったが、これで春日も落ち着きを取り戻し、しっかりとその動きについていく。実のところ特にこの対戦を想定していたわけではないのだが、もとより関節技のみならず、真理亜はグラップリング全般を得意とする闘士。そんな彼女に嫌というほど稽古(という名の三途の川)をつけられていては、組まれた時の対応が身体に染み込むのも当然といえよう。

(うふふ…才能の欠片もない凡人だったけど。少しは鍛えてあげた甲斐があったかしらね)

弟子の成長を喜ぶ師匠のように、思わず真理亜も目を細める。いや、この人がやってたのは、ぬくもりのないお師さんみたいな真似だけだったわけだが。
しかし警戒すべきは真理亜のみと考えていたファラーシャにとって、ここまで攻めあぐねるのは完全に想定外。焦って動きが雑になったところへ、今度は春日のジャブやローが当たりはじめる!

「何やってんだファラーシャー! ブラックベリー2人抜きはまぐれだったのかー!!」
「げっへっへ。春日ごときにもたついてるようじゃ、A.Sとやらも大したことはないんじゃねーのかあ?」
「春日もちまちまとこすい攻撃してんじゃねーよ! もっとガツンといけガツンと!」

観客の不満ももっともではあるが、基本に忠実な春日のスタイルは見た目以上に厄介だった。固いガードに細かい打撃、派手さこそないもののこうして腰を据えられると、ファラーシャでなくとも崩すのは難しいだろう。

(あまり真理亜に引き出しは見られたくなかったけど…出し惜しみして体力を削られるのも悪手ね。仕方ない!)

意を決したファラーシャはスープレックス狙いの攻勢から一転、正面から春日の股間に腕を差し込むと、即座に抱え上げマットへと投げ落とす!
素早いボディスラムに春日も意表を突かれた格好となったが、それでもしっかり受け身を取ってダメージを殺すのは、真理亜さんとのスパーの賜物か。すぐに体勢を立て直し反撃、ファラーシャの表情からもいつもの余裕は消えつつあった。

「意外と言っては失礼ですが、春日さんがここまで互角に渡り合うとは予想外でした! いやはや、格闘技始めてまだ数ヶ月なはずなのに、目覚ましい上達ぶりです!」

「ガードと受け身を徹底的に叩き込むのは、初歩中の初歩ではあるんだが。教える奴がアレなせいもあるのか、えらいレベルで身についてやがるな…あと多分、大振りの技をまったく覚えてないのも功を奏してる」

然り、これでKOを狙うなどの色気を出してくれれば、そこを突くこともできたのだが。お互い決め手を欠くこの状況、無駄に時間ばかりが経過しては、シュメッタリンの不利が増すばかり。
これでは目先を変えるために、あげはとの交代もやむなしか…と、ファラーシャが軽くリングサイドに目をやった時だった!

「わっっ!?」

「!?」

何と、つられてよそ見をしてしまった春日のシューズが滑り、片足を大きく上げてすっ転びそうになる!

「たっ、たっ…とっとっとっ……ふう」

両手をばたばたさせてバランスを保ち、何とか無様に尻餅をつくのだけは回避。当たり前だが、気が付けば真横にいるファラーシャ!

「あ」

ドオオォォン!!

「ウカツ! ウカツにも程がありました春日さん! この棚ボタなチャンスをファラーシャさんが見逃すはずがなく、あっという間に強烈なサイドスープレックス!」

ドヤ顔でふんぞり返っていた真理亜さんが、思わずこけそうになったのは言うまでもない。

「ちょっと褒めようかと思ったらこれよ…今回も終わったらお仕置きが必要ね」

まあ、こういったアクシデントで周りが見えなくなってしまうあたりは、やはりまだ初心者ということか。
しかし真理亜さんとしても、ここでメイン盾たる春日を失うのは下策。すぐさまリングに滑り込むや、再度ファラーシャに持ち上げられかけている春日を蹴り飛ばす!
別にこれはお仕置きとかではなく、トドメを阻止するための真理亜さんなりのカットだったりする。春日にとって、痛いことには変わりないが。

「そうそう、作戦通りにはいかないものね…。仕方ない、ここからが本番よ!」

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第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(2/5)


ゴング前はあげはの手前、平気な素振りこそしていたが。やはり幾多の修羅場をくぐってきた真理亜…間近で感じるそのプレッシャーは尋常ではなく、ファラーシャも緊張感を増した表情で構え直す。
まずは呑まれないよう先手を取るべく、お馴染みのダンスめいたステップから懐へとステップイン。うまくフェイントも交え背後を取ると、最も信頼を寄せる技…ジャーマンスープレックスの体勢へと入る! しかし!

「えっ!?」

はっきり言って真理亜の動きは、春日とは次元が違うレベル。一瞬にして腰のクラッチを切るや、ファラーシャが反応する間もなく身体を反転、片足を捉えてテイクダウンを奪う!

「は、速いっ…!」

「あなたが遅すぎるのよ…あのへっぽこに付き合ってたせいかしらね?」

実際春日の動きに目が慣れすぎていたのも一因ではあるのだが。それを差し引いても初見で真理亜についていくのは、相応のキャリアを持つファラーシャですら不可能だった。
あえなくうつ伏せに組み伏せられた相手の背中へ乗りかかった真理亜は、抱えた左足を天井に向け捻り上げる!

「うぎいいぃぃッッ!!」

「無数の関節技を持つ真理亜さんですが、まずは小手調べか! 基本とも言えるハーフボストン!」

繋ぎ技とはいえ、瞬く間に足首と膝を極める鮮やかな手際! さらにファラーシャの口かららしからぬ悲鳴が漏れたことで、それまでのしょっぱい展開の反動もあり場内のテンションは一気に上がっていく!

「ファラーシャっ!!」

当然あげはも即座にリングイン、急いでカットへ向かおうとする! が、寝そべった体勢のまま足元に絡みつくのは、さっきちょうどその手前まで飛ばされていた春日!

「なっ…は、離してくださいっ!」

「ごめんなさい離したら真理亜さんに地獄のスパー追加されてしまいますそれだけは」

一応痩せ気味とはいえ、春日も女子としては平均的な体格。あげはの力では強引に引きずったり振りほどいたりなどできようはずもない。
つまり一旦しゃがむなりして足首を掴んでいる手をほどくしかないわけだが、そうしている間にも真理亜はサーフボード・ストレッチへと移行。観客の歓声と共に、徐々にファラーシャの悲鳴も大きくなる!

「あっ、ぐっ………! まさか、あのカットも狙って…?」

「今頃気付いたの? A.S秘蔵の闘士といえど、まだまだひよっこね」

「ぐううッッ……!」

「うおおさすがだ、やっぱ氷の女帝の異名は伊達じゃねーな真理亜! グラウンドに入ったが最後、あのファラーシャが手も足も出ねーでやんの!」
「磨き上げられたグラウンド技術に冷静な観察眼、そして技量の劣るパートナーも最大限利用する試合運び…つくづく総合力では頭一つ抜けておるの」
「ああ、フィジカルで上回る闘士なら何人かいるかもだが、つけ入る隙がある分そいつらの方がマシってレベルだからな。ロシアでの戦績も納得だわ」
「ほほ…いつも余裕綽々なファラーシャさんのあの表情。いいわいいわ、もっといじめてくださいな真理亜さん!」
「あげはも何やってんだ―――www もたもたしてると、大事なパートナーがばきばきにへし折られちまうぜ―――www」

「っっ!!」

何気ない観客の野次ではあったが、その一言はあげはのトラウマを刺激したか。彼女としては珍しく、春日を踏みつけるようにして乱暴に引き剥がすと、一直線にファラーシャの元へ!

しかし真理亜もファラーシャの反応に嗜虐の表情を浮かべつつも、その動きはしっかりと把握していた。
絶妙のタイミングでホールドを解き、突っ込んでくるあげはを悠々と迎え撃つ! まずは両者関節を手繰り合いながら、マット上で激しく体勢を入れ替えまくるポジショニング争い!

「さあ――ここで来ました! やはり避けては通れません、関節マスター同士の意地の張り合い!
前回の対戦と同様、いや、それ以上にハイレベルな駆け引きと技の応酬! 制するのは果たしてどちらか―――!?」

(前より動きは見えるようになってきたけど、やっぱり強い…! でも、私だって…!)

(ふっ…この短期間で、ここまで成長するとはね。ロシアでもここまで、寝技で私と渡り合えた闘士はいなかった。
……今度は手加減抜きで、潰しておかなくちゃ駄目かしら…!)

一見互角の攻防ではあったが、下半身、特にお尻に手が触れた際、あげはが即座に切ろうとするのを真理亜は見逃してはいなかった。前回はそれが敗因となったために、警戒するのは当然ではあるのだが…あげはの反応は少し分かりやすすぎたか。
すでに地下ではそれなりのキャリアを持つとはいえ、この辺りがまだ年齢相応の青さ。そして百戦錬磨の真理亜相手に、それは致命的な隙と言ってよかった。

「やっ…! えっ!?」

「かかったわね」

形のよいヒップラインを指でなぞるや、前の試合がフラッシュバックしたあげはは思い切り腰を引き、手のひらで菊門をガード!
絵に描いたようなフェイントではあったが、あげはが真理亜の狙いを察した時にはもう遅かった。

注意の逸れた上半身をフェイスロック気味に左腕で固め、さらに両脚であげはのふくらはぎも挟み込みながら反転! 即ちこの体勢は、裏STF!

「む゛っっ!! んぐう゛ぅ゛ぅ゛ッッ……!!」

真理亜の上に乗せられた格好になったあげはは、エビ反りになりながら必死でもがくものの、ただでさえ完璧に極まれば脱出不可能と言われているこのホールド。ましてかけ手は真理亜である…四肢はおろか首や腰すらろくに動かすこともできず、たわわに実った両胸の果実が零れ落ちそうに揺れるのみ。
その姿を囃し立てる声が、一斉に湧き上がったのは言うまでもない! そしてこのまま締め続けているだけでも、十分に真理亜の勝利は固かったかもしれないが…そこからさらに体勢を変化、観客もその意図に気付いた時、場内は割れんばかりの大歓声に包まれる!!

「フェイスロックに加え、逆の腕で肩口と肘も極め上げるハンマーロックも追加! 裏STFからチキンウイングフェイスロックに移行するこの体勢…これは!! 掟やぶりの、スワロウテイル・クラッチ返し――――!!!!」

「ゲエ――――!! 一度食らっただけで、あの複雑な技を完璧にものにしてるとは! あげはもかなりのレベルと思ったが、まだまだ格が違ったか…!?」
「ざまあないぜあげは! 所詮お前はそのだらしないおっぱいで、男を楽しませるのがお似合いよ!」
「ヒャアッハハハァ!! 今まで勝ち星を稼いできたお得意のフィニッシュホールドをかけられるってどんな気分? ねえどんな気分?」

「ぶぐぅっ! ばっ、お゛お゛お゛……」
(かっ、肩、外れっ……!! 息もっ……!)

観客の下衆な煽りが降り注ぐが、もはやあげはの耳にそれが届く余裕などない。全身をバラバラにされそうな激痛の中、何とかあげはは脱出口を探そうともがき続ける!
しかし、かつてこの技から逃れられたのは、真理亜とユキーデの2人のみ。いずれもあげはには不可能な外し方であり、それこそがスワロウテイル・クラッチという技の完成度を物語っていた。

なればこの試合はタッグ、後はパートナーのカットに望みをかけるしかない。もちろんファラーシャもそれは承知、すぐに真理亜へ組み付こうとはしていたが…その前に春日が立ちはだかり、しっかりとブロック!
春日も万全の状態ではないとはいえ、真理亜への横槍を食い止めるだけなら、さほど難しい技術は必要ない。加えてファラーシャは、さっきのサーフボードのダメージがかなり大きく、本来の動きとは程遠かった。

(つっ…背中側の肋骨にちょっと、ヒビを入れられたかしら…? でもここで、あげはを落とされるわけにはっ…!)

「許してください今の真理亜さんの邪魔したら、間違いなくお仕置きフルコースです通すわけにはいきません…!」

もとより試合序盤は、ファラーシャと互角に渡り合うだけの実力も見せている春日。完全に壁役に徹されてはファラーシャも突破する術を見出すことができず、刻一刻とあげはの限界が迫るのみ! そして!

ガゴンッッ!!

「ぶふうぅぅ~~ッッ!!!」

遂に耐え切れなくなった肩関節が嫌な音と共に外れ、口元を押さえつけている腕の隙間から、あげはは涎を噴き出して絶叫する!
その無様な姿に、一層サディステックな笑みを浮かべる真理亜。もはやシュメッタリンに、逆転の糸口は残されていないかに思われたが…!

第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(3/5)


気を失ってもおかしくない程のショックが全身を駆け巡りながらも、あげははまだ勝負を諦めてはいなかった。
肩が外れたことで開いたわずかな隙間…それに全てを賭け、力を振り絞って極められていた左腕を一気に引き抜く!

「なにィ!?」

真理亜もまさかここから外されるとは思わず、舌打ちをしながら体勢を戻そうとするが!
絶妙なバランスの上に成り立っているこの難技は、裏を返せばひとつの綻びから積木崩しのように瓦解するということ。後手に回った真理亜のリカバリーは追いつかず、動かない左腕の痛みをこらえながらも、今度はあげはが真理亜を畳んでいく!

「肉を斬らせて骨を断つ!! 腕一本を犠牲にして窮地を脱したあげはさん、身体を反転させポジショニングも入れ替わりました!
2人が直角に交差するような体勢から、上になった真理亜さんの首を左脚でロック! さらに右脚と左脚を絡ませ、右手首も掴んで逆方向へとねじ上げます! 
その姿はまさに獲物を捕らえた蜘蛛! グラウンド卍固め―――!!」

「ふふ…盲点だったわ。こんな無茶な返し方があったなんてね」

「ん゛っ…! 強がるのは、よして…っ、っ、ギブアップしてください! このままだと、あなたの肩も外れますよ!」

いまだ冷静な態度を崩さない真理亜ではあったが、あげはの言葉は事実であり、その額には脂汗が浮かんでいた。通常の卍固めより脱出困難な上、効果も高いと言われる某レスラーの得意技。身体の柔らかい真理亜といえど、いつまでも凌げるものではない!

「ままままま真理亜さん――――!?」

「おっと、やるじゃないあげは…私ももう少し、仕事しないとね」

そして即ち春日とファラーシャの立場も逆転! 慌てて振り返りカットに入ろうとする春日だったが、泥臭く腰に抱きついたファラーシャがなりふり構わずそれを食い止める!

「ふぁ―――!! 離してください離してください!」

「見苦しいわよ春日…感情を処理できん人類は、ゴミだと教えたはずだけど」

しかし、あと一押しで脱臼を免れない状況であるにも関わらず、春日を見上げながら真理亜は平然と言い放つ! その余裕の根拠は理解できなかったが、真理亜さんがそう言うなら春日のやるべきことはひとつ。
パートナーの力を信じ、目の前の相手に集中するのみ! 落ち着きを取り戻した春日はファラーシャを上から抱え込み、お互い容易には動けない体勢を形作る!

「ふっ、上々。藍翅あげは…ここまで頑張ったのは褒めてあげるけど、まだまだ詰めが甘いわね」

「なっ…あ゛ッッ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

「おっと、あげはさんの様子が…? ああ――――! これは真理亜さんえげつない、あげはさんの外れた肩に体重を乗せ、押し潰しにかかってます!」

「えげつないとは心外ね…この世界は勝つことがすべて。あなたもそれは、何度も味わってきたでしょう?」

「ぐっ、う゛うッ……! あ゛あ゛あ゛ッッ……!!」

言うなればこれは、負荷をかけ続ける真理亜と先に締め落とそうとするあげはの我慢比べ! …しかし真理亜も分かっていて仕掛けたわけだが、この勝負はひと回り体格で勝る彼女の方が明らかに有利だった。
その上やはり左肩の状態は深刻。露出した上腕の付け根はりんごを生んだかのように大きな炎症を起こしており、外からでも骨と骨が繋がっていないのがはっきりと見て取れる。

この状態でなお、グラウンド卍を維持できるあげはの執念は驚くべきことだが…もはや意志の強さでどうにかなる範囲は、とっくに超えていた。

「さあ、もっといい声で鳴いて、私を楽しませなさい!!」

あげはの努力も虚しく、まともに力の入らない左腕を起点に真理亜はあっさりとホールドを解除。そしてあやとりの達人を思わせるような手際の良さで、みるみる体勢を切り返していく!

「やっ、やめっ……あぎゃあ゛あ゛あ゛ッッ~~~~!!!」

こうなってはもう、あげはには碌な抵抗すらできようはずもなかった。
またしても2人の位置は交代し、下になった真理亜に吊り上げられる格好となったあげはは、てこの原理でさらに両肩へと追い討ちをかけられる! リョナ界隈では定番中の定番と言っていいこの技、もはや説明は不要だろう!

「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!! ここでロメロスペシャルを持ってきやがったか真理亜! はっはっは、股開きすぎてすじが見えそうだぞあげは――!!」
「王道だけどやっぱりいいねえ! かけられる姿が心を潤してくれる…ラウルロメロ氏の生み出したリョナの極みだよ」
「しかしあそこから冷静に怪我を突いて、この形に持ち込む真理亜もさすがだな。他の相手なら抜け出せずに終わってたはずだ」
「ほっほ、上下に揺さぶられるたび、はしたない乳房がぶるんぶるん震えおるわ。踊り子めいた衣装はその舞いを引き立たせるためのものじゃったか!」

「ほらほらあ、もう肩は死んだみたいだし…次は股関節でも、きつめにいじめてみようかしら?」

「ひいぃぃぃ~~~~ッッッ!!!」

もともと布面積の小さいコスはここまでの攻防でかなりずれてしまっており、上下ともあと少しでポロリしそうなきわどさ。そんな姿の巨乳JSが、エビ反りの姿勢で可動域の限界まで開脚させられ、首を振って泣き叫んでいるのである! 男達の視線が釘付けになるのも無理はない!

(くっ…真理亜・K・コンドラチェンコ。ここまでなんて…!)

その傍ら、ファラーシャはいまだ春日に抑え込まれたまま、身動きの取れない状態が続いていた。あげはの逆転を信じていた時まではよかったが、こうなってしまうと何とかこの状況を打開せねば、待っているのは1対2での虐殺ショーのみ!

「さすがです真理亜さん! このままなら私もお仕置きはチャラに…わっ!?」

そして自分の判断が間違っていなかったことで、安堵した春日がほっと息を漏らした瞬間をファラーシャは見逃さなかった! …別にそこまで気を抜いたわけではないのだが、ここ一番、勝負どころでの底力はやはりまだファラーシャの方が上だったか。
少し腰を引き首の後ろを腋でロックするや、そのまま背中の痛みをこらえて身体を起こし、春日を高々と逆さまに抱え上げる!
もとよりあれだけのスープレックスを持つファラーシャ。見た目とは裏腹に背筋の強さは、大人と比較してもまったく引けを取らないのである!

「わっ!? わっ!?」

「おっとぉ―――!! ここでファラーシャさんも、負けず劣らず大技の体勢に入りました!
反り返りながら後ろへ倒れると同時に、春日さんの脳天を垂直にマットへと突き刺します! まさに脳天砕きの名の通り! オリジナル式・ブレーンバスタ―――!!」

ズドオオォォンン!!!

「ぶぎゅっ…」

それほど身長は高くないファラーシャとはいえ、130cm近い高さからの衝撃をまともに頭部が受ければ、脳震盪は不可避。
咄嗟に受け身を取っていれば何とかなったかもしれないが…残念ながら春日の脳は、この突然の事態に追いつくだけの処理速度をまだ持ち合わせていなかった。

「はあっ、はあっ、はあっ……」

鈍い悲鳴を上げ轟沈した春日を横目に、ファラーシャは荒い息を吐きながら身体を起こそうとする。かなりの無理をしたものの、すぐにあげはを助けねばならない……だが、顔を上げた先に飛び込んできたのは、煽るようにパチパチと手を叩く真理亜の姿だった。

「お見事、お見事…。本当にここは、生きのいい若手が多いわね…」

「……ぁ……ぁぅ…、ひ……。ファラ………」

ファラーシャが動いた時点でこの展開を読んでいた真理亜は、いち早くフィニッシュに切り替え、あっという間にあげはの右肩と右大腿骨を砕いてしまっていたのである。
かくして翅をもがれたに等しい蝶は、残忍な子供めいた笑みをたたえる真理亜の足元で、マットに貼り付けられるように背中を踏み潰されていた。…まだ意識こそあるものの、もはや闘うことなどできようはずもない。

第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(4/5)


「さあ、もうお互い邪魔は入らないわ…存分に楽しみましょうか」

「く……っ」

息を呑んで真理亜と向かい合ったファラーシャは、挑発には乗らずゆっくりと円を描くように移動する。実力差は明白、その上背中の負傷も間違いなく見抜かれているだろう。
攻め込むタイミングを窺いつつ、あわよくば先に仕掛けさせたところを投げ返す…この状況、慎重にならざるを得ないのは当然の心理ではあったが。

「あらあ、来ないの? ダメよ、お客さんを退屈させちゃ!」

「っ!!」

その守りの思考に入った時点で、番狂わせを起こす可能性は摘み取られていたと言っていい! 真理亜もファラーシャの狙いなど百も承知、なおその上で、正面から一瞬にして距離を詰める矢のようなタックル!
逆にフェイントなどを警戒していた分、ファラーシャの反応はわずかではあるが遅れてしまった。…結果論ではあるが、ファラーシャには実力差を覆すだけのがむしゃらさが欠けていたのである。

「タックルに被せた投げは不発、またしても刹那のうちに組み敷かれてしまいましたファラーシャさん! こうなれば後はもう、サブミッションの女王の独壇場! 強い! 強すぎます真理亜さん―――!!」

「ハナから駆け引きで歯が立つわきゃないんだから、ダメ元で得意のスープレックスをぶっぱした方が目はあったか。まあ、さすがにこのレベルの相手とやり合った経験はなかったってことかね」

もちろん真理亜もここで容赦などするはずもなく、肋骨の損傷をさらに広げる技を選択。うつ伏せに寝かせたファラーシャの両脚と顎をロック、背中に両膝を乗せ、そのまま上下逆さまにひっくり返す! 弓矢固めとも呼ばれる複合関節技の定番、ボー・アンド・アロー・バックブリーカー!!

「うおおおお! さっきのロメロもだが、あの手この手で俺達を楽しませてくれやがるぜ真理亜は! つくづくエンターティナーとしても一流だな!」
「へいへーい! ビビッて手ェ出さねーからそんなことになるんだぜ! まあ出しても、結果は同じだったかもしれねーけどなwww」
「はっはっは、見ろよあのファラーシャの顔w 涙と鼻水でひでーことになってやがる!」
「いいねいいねー、普段澄ましてる分ギャップが際立つよ! A.Sとやらではいい成績だったらしいけど、所詮井の中の蛙だってよく分かったかなー?」

「いぎいいぃぃィィ~~~ッッ!!! ぎっ! はっ、はひっ……!!」

囃し立てる声の中、文字通り弓のように引き絞られるファラーシャの身体が急角度のカーブを描き、軋みを上げる! 逃れようのない圧力が背中にかけられ続けるこの体勢、ダメージを負っていた骨ばかりか、背骨の一部にまでも亀裂が入ってしまったか。
もはやファラーシャの表情に普段の余裕、ミステリアスな雰囲気などは微塵もなく、さながら拷問に耐えようとする哀れな一人の少女でしかなかった。

このままいけば、ファラーシャの肉体が限界を迎えるのも時間の問題。その瞬間を見届けようと、2人の一挙手一投足に観客の視線が集まる中…!

「はあっ、はあっ………、あ……?」

「…お? これはどうしましたか真理亜さん、フィニッシュの寸前でファラーシャさんを解放! 何かしらミスをしたようには見えませんでしたが…?」

「言ったでしょう、存分に楽しみましょうって。ほら、せっかくチャンスをあげたんだから、もう少し頑張ってみなさいな」

「なっ……!」

「はっはははっ! 真理亜の悪い癖が、ここで出やがったか! 可哀想になあファラーシャ!」
「ぎりぎりで落とさずにキャッチ&リリースを繰り返す、3期でも時折やってたアレやねw まったく、こういう性格だからパートナーなかなか決まらなかったってーのにw」
「どうせ今日はこの試合で最後だー! いくら時間かかってもいいから、じっくりねっとりといたぶってやれ―――!!」

言われるまでもなく、真理亜も最初からそのつもりだった。地下においては油断とも取れるこの行為ではあるが、骨の髄まで力の差とトラウマを刻み込むことで、万一再戦した時の勝率をも限りなくゼロに近づける真理亜の常套手段。またこれは、他の闘士にプレッシャーを与える、パフォーマンス的な意味も含んでいたりする。
…まあ相手の悲鳴や骨の折れる音が大好きという人なので、その辺の効果は本人としてはついでなのかもしれないが。

「うぐっ……! はっ、くうっ……!」

もちろんこんな舐めプに走るのも、逆転の目など完全に潰えたという確信あってのこと。事実ファラーシャはKOこそ免れさせてもらったものの、ボー・アンド・アローの影響でいびつに背中が曲がったままという状態。スープレックスはおろか、他の投げ技すらまともに打てようはずもなかった。

あまりに絶望的な状況に、ギブアップという選択肢も頭をよぎったが…それは間違いなく、A.Sの立場を地に貶めるレベルの失態。それ以前に真理亜がそんな申し出を受け入れるはずもなく、結局のところファラーシャは、棒立ちのままなす術なくサンドバッグにされるしかないのだった。

「あははははッ! どうしたの? わざわざ立ち技で付き合ってあげてるのに、手を出さないと勝負にならないわよ!!」

「あ゛っ! うぎっ! ごっ……!」

「これは珍しい真理亜さん、不得手なはずの打撃技でファラーシャさんを滅多打ち! もう練習というか、トレーニングモードの様相を呈してきました!
そして歪んだ体軸を矯正するかのように、お腹へと食い込む強烈なミドルキック―――!!」

「ぐぼおおおぉぉッッ………!!!」

身体をくの字に曲げてロープへともたれかかったファラーシャは、一拍後に反動をつけて頭からマットに投げ出される! 土下座するような姿勢でお尻を突きあげ、お腹を押さえて胃の内容物をせき止めようとするも…。

「う゛え゛え゛え゛え゛ッッッ!!! ばっ!! ぶぐお゛お゛お゛お゛!!!」

ただでさえ身体を内側からボロボロにされているところへこの衝撃。腹筋も食道の筋肉もまるで言うことを聞かず、女の子とは思えない濁ったえずき声と共に、腰を振りながらファラーシャはマットを汚い黄褐色へと染めていく。

(もう、私の負けでいいからっ………。お願い、早く………終わって………!)

勝ち誇る真理亜に頭を踏みつけられ、自らの吐瀉物を髪に絡ませながら、遂にファラーシャの心は折れた。…その思いが通じたのか、おもむろに真理亜は足をどけ、少し距離を取るような気配を見せる。
顔をうずめ突っ伏したままのファラーシャには、目の前で何が起きているのかは分からない。だが、これでようやく地獄のような時間から解放されるのかと、胸を撫で下ろした矢先…。

「はっ、はあっ……う゛ッッ!! や、やらせません………私が、相手ですっ……!」

「ふふ…そうまでしてパートナーを助けたいの? まるで芋虫じゃない…」

まあそもそもそんな慈悲の心など、真理亜が持ち合わせているはずもなかった。別に今のはファラーシャを見逃したわけではなく、這いずりながら真理亜の足首に噛みついたあげはの存在に気付いただけのこと。
あげはも狸寝入りでもしていれば、これ以上は何事もなくやり過ごせたかもしれないが…もとよりパートナーを見捨てるなど、できる性格ではなかったか。

「いいわ、片方だけ相手にするのも、不公平だしね…2人とも同じように、可愛がってあげるわ!」



かくしてあげはとファラーシャ、2人の地獄はここからが本番だった。大事な部分を隠すわずかな布はあえなく剥ぎ取られ、対照的な2組の膨らみとまだ未成熟な割れ目を観客に見せつけるように、真理亜は持ち技のレパートリーを次々と披露していく。
リバース・ゴリー・スペシャル、アトミックドロップ、キン肉バスター…の原型である、ジャンプせずにあの体勢のまま関節を締め上げる、ラ・マテマティカ…。

そして真理亜ほどのレベルになれば、人体が壊れるラインも熟知しているのは当然のこと。まさに生かさず殺さずという状態で、気を失うことすら許されないまま、あげはとファラーシャは代わる代わる練習台として嬲られ続ける。

「は………はひ……。ひゅっ…………」

「ゆ…ゆるひ………ぴい゛い゛い゛い゛ッッ!!」

「よーし真理亜! 次はキャメルクラッチとかどうだ? ファラーシャのケツがよく見える感じでひとつ頼むぜー!!」
「私はあげはさんがダブルエックス戦でやった、タランチュラを逆にかけられているところが見たいですわね。蜘蛛の巣に捕らえられた蝶…甘美な響きじゃありませんこと?」
「待て待て、ここはやっぱロシアの伝統、パロスペシャルしかないだろう! いや、真理亜ならOLAPもできるか? できるならぜひお願いするわ!」

真理亜が次の技に悩んだのをきっかけに、いつしか場内はリクエストが殺到する事態へと発展していった。そして真理亜もそれにきっちりと応え、どんな難技だろうと軽々と再現してしまうため、もうすべての観客は早い者勝ちと言わんばかりに我先にとリング前へ詰めかける!

「慌てない、慌てない…。まだ時間は、たっぷりあるんだから」

もはや息も絶え絶えで、糸の切れた人形のようにだらりと四肢を投げ出しながら、無造作に頭を掴まれ引き起こされる2羽の蝶…その身を案ずる者など、この場にはいようはずもない。
このまま不幸な事故が起ころうと、再起不能になろうと、もしくは回復して再び闘うことになろうと…観客にとっては、いずれもおいしい展開には変わりないのだから。

第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(5/5)


…………………………。


「…ふうっ、ごめんなさいね。全部の要望に応えるわけにはいかなかったけど、ま、これくらいで」

…約1時間後。さすがに疲れが溜まってきたのもあったかもしれないが、それ以上に気力も体力も尽き果てた2人の口から悲鳴が聞こえなくなったことで、真理亜もようやく満足げにロープにもたれかかる。
肩、肘、股間、膝、手首足首、指…およそ考えうる骨と骨との連結部を残さず破壊されたあげはとファラーシャは、お互いの垂れ流した体液で身体中をてからせ、潰れたカエルのような格好でその足元に横たわっていた。
いまだわずかに上下するお尻や胸から、かろうじて息があることは窺えるものの。もう真理亜が踏みつけようと蹴り飛ばそうと、ほとんど反応は示さない。

凄惨ながらもどことなく背徳感すら感じさせるその光景に、さっきまで興奮の渦中にあった場内の雰囲気も、徐々に2人の姿をじっくりと堪能する方向へと向かっていく。今ではそこかしこからわずかなざわめきと、カメラのシャッター音が聞こえるのみとなっていた。
その反応の変化に苦笑いを浮かべつつも、真理亜は仕上げとばかりに腰を上げ、2人をコーナーまで引きずっていく。

「……ぉ…………………」

「……ひゅ…………ぃ………」

「残りのリクエスト分は、この虫けら共の身体を隅々まで観察してもらうってことで、埋め合わせるとしようかしら?」

「「「おおおおおおお―――――!!!!」」」

最後まで観客の期待に応えるその発言に、再び場内は大歓声に包まれた!
そして真理亜はコーナーポストを挟んで、あげはとファラーシャを背中合わせに固定。慣れた手つきでねじ曲がった2人の四肢とロープとを複雑に絡み合わせ、哀れなる蝶の標本を完成させる!
それだけでもうガラス前を埋め尽くす観客達は顔を押し付け、食い入るようにその光景を焼き付けようとしていたが。真理亜の考えていたのは、さらなる辱めだった。

「ああ、運営さん。私が退場した後、ガラスのロックを外したままにしてもらうことはできるのかしら?」

「む? 普通試合後はロック外したまま、スタッフがリング整備に入りますが…ってあーそういうことですか」

「そういうこと。どうせもう試合はないんだし、リング整備は明日でもいいんじゃない?」

「OKですー。ただまあ、ペナルティ的なイベントじゃないので、お触りは厳禁ですよー」

真理亜の意図を察し、空気を読んだ運営発表に場内のボルテージは最高潮に達しようとしていた! もはや席に座っている観客など1人もおらず、もう人の重みでガラスが割れるんじゃと思わんばかりの有様である。

「マジか――――!! 間近で見られるのはすげー嬉しいけど、生殺しじゃねーかちくしょ―――!!」
「でも撮影はいいんだよね!? あげはタソやファラーシャタソのあんなところやこんなところを、接写してもいいんだよね!?」
「スタッフは明日も休みでいいぞー! なぜなら俺がリングを舐め尽くして、綺麗にしてしまうからだ!」
「閃いた! 触っちゃ駄目ならぶっかければいいじゃん!! あのあどけない顔の前でしごけるとか、考えただけで興奮するようひょ―――!!」

相も変わらず変態という名の紳士ばかりである。まあ表の世界ではれっきとしたセレブ、紳士であることには変わりないのでマナーはちゃんと守ってくれるだろう。多分。

真理亜もやれやれといった感じで首を振り、一旦リングを降りようとするが。何かを思い出したかのように引き返してあげはと向かい合うと…そのたわわに実った乳房に爪を立て、思い切り握り潰す!

「……ぁ……ぁぅ………!」

「その身体の奥底に、しっかりと刻み付けなさい…。あなたごときじゃ、何回やっても私には勝てないということをね…!」



ロックが解除され出入口が開くや、モーセばりにぱっかりと人の壁が割れ、真理亜の前には自然と通路が出来上がる。試合内容とパフォーマンスを考えれば、当然のリアクションと言っていいだろう。
そして惜しみなく降り注ぐ称賛に手を振って応えながら、まさに女王の風格を漂わせ、真理亜は悠々とリングを後にするのだった。

「ハラショー真理亜―――!! ハラショ――! ハラショ――!!」
「ハラショォォォ! ハラショォォォ!!」
「オーチンハラショ―――!! オーチンハラショ―――!!」

結果として今回も大人げない強さを見せつけたチャイルディッシュ。幸子が敗れた今、やはり頂上決戦は甲斐姉妹との一騎打ちになるのか、はたまたみこみこか春夏が波乱を起こすのか。
1回戦の突破チームが出揃ったことで、評論家達の予想も一層熱を帯びてくるのだった。

一方、真理亜が退出すると同時に隙間なく男達に囲まれたシュメッタリンの2人は、息のかかる距離から舐め回すような視線と幾多のフラッシュに晒されることとなる。わずかに残された意識が状況を理解してはいるが、全身骨折の上がっちりと磔にされたこの状態。
2人に出来ることはか細い声で呻き声を漏らしつつ、一刻でも早くこの時間が終わることを願うだけだった。

(も……やだ………。あんなところまで、撮られて………)

(……助け………お母……さ………)



39分57秒(+真理亜さんのデモンストレーションタイム55分)
Winner The Childish 3勝0敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser ツヴァイシュメッタリン 2勝2敗

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「………ん? 何か忘れてるような…。
まあ、忘れるってことは大したことじゃないわね。気のせいでしょう多分」

そんなわけでひっそりとリングサイドに転落していた春日が気付いた時には、訳も分からず大勢の人に踏みまくられていたりした。
早く思い出してあげてください真理亜さん。

「ぎょむっ、ちょ、痛いですやめて踏まないで! 私が気を失ってる間に何があったんですか一体―――!!」

第3試合 春夏繚乱 vs ギガントヴィエーディマ(1/2)

桜さんsno-image.jpg   ピアーチsチェーニs

春夏繚乱  オーナー:かんいち氏
生天目 桜
身長154cm 体重42kg 3サイズ B81 W53 H84 年齢:17歳
試合コス:ミニスカ和服
彩海 鮮花
身長152cm 体重44kg 3サイズ B84 W56 H86 年齢:16歳
試合コス:チャイナ服

ギガントヴィエーディマ  オーナー:雪猫氏
ピアーチ=スィニエーク
身長222cm 体重 秘密 3サイズ B111(Gカップ) W68 H100 年齢:3歳
試合コス:桃銀色のラバースパッツスク水、その上から桃色のラバーミニスカのワンピース(胸の下半分までの長さ)
“ブラックマジカルプリンセス”チェーニ=タルナーダ
身長137cm 体重25kg 3サイズ B52(AAAカップ) W48 H57 年齢:10歳
試合コス:黒と紫系の背中を開けた魔法少女風衣装



甲斐姉妹が幸子を撃破し、一躍優勝候補に躍り出た第1試合…もちろんその結果自体に、不満を抱く観客はいなかったが。
それは取りも直さず、甲斐姉妹に唯一の土を付けた春夏の実力を証明するものに他ならない。ゆえに、ギガントなら大丈夫だろうとタカをくくって大枚つぎ込んだ人達の中には、今になって内心びくびくしているのも何気に少なくはなかったりする。

「昨日までは8:2か7:3でギガント有利って予想が大半を占めてたけど。ここに来て皆6:4に流れるとか、日和すぎだろレビュー勢よぉー」
「ままままあでも、予選2試合で圧倒的な強さを見せつけたギガントだ! 蓋を開ければ春夏ごとき、簡単に捻り潰すに違いないようん!」
「月子を一撃で沈めたピアーチの破壊力は、今大会No.1と言っていいからな。その上そっちばかりを意識しすぎると、チェーニのトリッキーな動きに翻弄される二段構えだ。
春夏も予選突破がフロックじゃないのは間違いないが、さすがに今回は相手が悪すぎだろう」
「ですわね…ほほ、桁違いのパワーに蹂躙されるか、舐め回されあられもない姿を晒してくれるのか。ギガントは一粒で二度おいしいのがいいところですわ」

またギャンブルを抜きにしても、ミニスカ和服の忍者とチャイナコスのJKがリョナられる姿を見たいというのは、人として自然な欲求だろう。
予選ではお預けを食ったこともあり、場内から春夏を応援する声はまったく聞こえてこない有様だった。

「やれやれ…同じ2連勝同士なのに、ひどいものね。ま、あちらさんに比べて戦い方が地味なのは否定しないけど」

「それだけ私達の方が可愛いってことよ、鮮花。そんな子がやられるのを楽しむのが、この悪趣味な世界なんだから」

「お、言うようになったじゃん、桜。ユキーデを倒して、一皮剥けたかな?」

「倒したのは鮮花でしょ……でもおかげで、敵討ちに囚われてた視野の狭さに気付けたっていうか。…さ、始まるわよ!」

照れ隠しするように鮮花の背中を叩き、リングへと送り出す桜。気負いも気後れもしてないパートナーに安堵した表情を浮かべ、鮮花は身長差70cmのピアーチと視線を合わせる!

「にへへへー。しばらく試合がなかったから、暇でしょーがなくてさー。
久しぶりのオモチャ、たっのしみーーー!!」

相変わらずピアーチの方は遊ぶ気満々というか、目の前の鮮花をどうやって壊すか考えを巡らせ、うずうずしている様子である。
そして待ち切れないと言わんばかりにマットを蹴ったところで、高々と響き渡るゴングの音!

「ヒャッハァーーー!! もう我慢できないーーーっっ!!」

同時に突進しながら右手を振りかぶり、ゴッドプレスばりに鮮花を運送しようとするピアーチ!
しかし視界一杯に広がる相手の巨体を前にしても、鮮花は極めて冷静だった。大きく息を吐くと練り上げた気を身体の外へ放出、お馴染みのバリアーを展開して掴みかかってきたピアーチの右手を弾く!

「うわっっ!?」

さらに腰を沈めて足払いも合わせるや、後先考えずに突っ込んできたピアーチは完全にその力を逸らされる格好になり、大きくバランスを崩す! けんけんをするように転倒をこらえるも、勢いを止めることはできずそのままロープを踏み越えガラスへ激突! 
ぶっちゃけもう少し相手を見ていればというか、気がはやりすぎたがゆえの盛大な自爆である。

「いった――――――!!! 何するのさ、も―――!!!」

しかしかなり派手な音がしたにも関わらず、その一言で済ますあたりはさすがクローンというべきか。
自業自得なのを棚に上げて、額を押さえながら激高しすぐにリングへ舞い戻る! そして今度こそ人形めいたサイズ差の相手を捕らえようと、両手で挟み込むようにネックハンギングを試みるが!

パアンッ!

「!!?」

一瞬早く懐へ潜り込んだ鮮花の前に、力士並の掌はあえなく空気を打ち鳴らすのみとなる。逆に下腹部へカウンター気味に入るのは、鮮花得意のゼロ距離エルボー!

「ぐうっ!? あーもー! 生意気すぎ―――!!!」

思い通りにならない展開に子供めいて癇癪を起こしたピアーチは、ムキになって何が何でも鮮花を片手で捕まえようとする!
要は自分と同じように、ガラスに叩き付けなきゃ気が済まないという我儘だったが…そんなワンパターンな攻撃を見切ることなど、鮮花にとっては容易かった。雲を掴むように自慢の腕力を空回りさせられ、完全に周りが見えなくなってしまったピアーチはここで、ロープに足を引っかけすっ転ぶ再度の自爆!

これには鮮花も驚いた表情を見せたのはもちろんだが。
モニターで観戦していたクローン研究者達も、一様に頭を抱えたのは言うまでもない。

「オイオイオイ!? 何やってんだピアーチ! 一人相撲もいいところじゃねーか!」
「今まではあの精神的な幼さがいい方に作用してたんだが…裏返せばそのまま弱点でもあったか。ちょいと盲点だったわ」
「つーかさっさと代われよもう! ダメすぎるにも程があるだろー!!」

一斉に湧き上がったブーイングを聞くまでもなく、チェーニはおちょくるような笑顔を向けながらピアーチの元に飛来。立ち上がろうとするピアーチの背中を引っぱたいて、試合権を奪う!

「うが――――!! 勝手にタッチすんなこら―――!!」

「こんな失態やらかして、舞台から降ろされないとでもー? もう2人ともボクの獲物にしちゃっていーよね、答えは聞いてない!
ピアにゃんは指をくわえて見てるといーよざまー!」

一気に早口でまくし立て、スリットから覗く鮮花の太ももを狙いダイブするチェーニ! しかし鮮花も、このチャンスに焦って深追いせず、しっかりと迎撃態勢を整えていた。
いきなりのエロ攻撃にも動じることなく、低空から飛び込んでくるチェーニの顔面に膝を合わせカウンター。その後もチェーニは飛行しながら腋や胸へとその長い舌を這わせようとしてくるが、鮮花はバリアと体術を駆使してまともに身体を触らせない!

「こ、こんな展開になるとは、いったい誰が予想したでしょうか!? 派手な一撃こそありませんが、淡々と自分のペースでダメージを積み重ねる鮮花さん!
逆にギガントはチェーニさんの方にも、ピアーチさんの不調が移ってしまいましたか? らしくない凡ミスを繰り返し、ここまでまったくいいところがありません!」

「まあラッキーなのは確かだったが、鮮花も大会当初より確実に力をつけてきてるな。それに後ろを信頼してるからこそ、目の前の相手に集中できるってのが大きいのかもしれん」

「なるほどー。そういえば『気』を出せる持続時間も、予選の時よりだいぶ伸びてますね。
アレは結構身体に浸透するらしいので、タフネスに優れたクローンといえど、このままでは……っとお!?」

「むき――――!! いらいらする―――!! チェーニだってダメダメじゃんこの―――!!!」

大人しくしてるかと思ったピアーチだが、交代しても鮮花のやられるところが見られないとあっては、やっぱりじっとしているのは無理な話だったか。
もとよりパートナー同士の連携など微塵も考えず、各々が自分勝手に動くのがギガントというチーム。鮮花へ組み付こうとしたチェーニが巻き添えになるのも構わず、リングへなだれ込んだピアーチは一直線にチャリオットタックルを敢行する!

「嘘っ!? このタイミングで!?」

しかしこれが功を奏したというか、鮮花も相手がパートナーもろとも吹き飛ばしに来るとは予想外だった。
咄嗟にピアーチの方へバリアを向ける反応速度はさすがだったが、チェーニはそれを見逃さず一瞬で背後に回り、背中を下から上へじゅるりと舐め上げる!

「ひゃあんッッ!!?」

しまったと思ったときにはもう手遅れ。背筋に走った甘い電流とともに、鮮花がこれまで維持してきたピンク色のオーラもあっさりと霧散してしまっていた。
そして丸腰の鮮花の眼前に迫る、巨岩の如きピアーチの肩! 生意気な対戦相手とパートナーを同時に始末できると、思わずほくそ笑んだピアーチだったが…!

ゴガアアッッ!!

「? あれっ?」

会心の当たりと呼ぶには違和感のある感触。顔を上げその原因を理解したピアーチは、さらにストレスを募らせ地団太を踏む!

「ご、ごめん! まさかあの状況で仕掛けてくるなんて…」

「いやいやサンキュー! アレまともに喰らったら終わってたよ!」

そう、桜もただ漫然と鮮花の無双っぷりを眺めていたわけではない。ピアーチのタックルが命中する瞬間、横から押し倒すようにしてカバーに入り、わずかに打点をずらしていたのである。

「ぐっ……!」

とはいえあの質量を鎖骨のあたりで受けたことには変わりなく、明るく振る舞ってみせるも鮮花はすぐに苦しそうな声を上げる。
それを察した桜は気遣うようにタッチ。きっと顔を上げて、射るような視線をピアーチへと向ける。

「忘れないで。春夏繚乱は、鮮花一人のチームじゃない!」

ちなみにチェーニの方も、ちゃっかり鮮花を盾にした隙に離脱しておりノーダメージ。それがますますイライラに拍車をかけ、ノータッチにも関わらずリングを降りようとしないピアーチは、そのまま手当たり次第に暴れ続ける!

第3試合 春夏繚乱 vs ギガントヴィエーディマ(2/2)


「う――が―――!! むーかーつーく――――!!!」

リングに寝転がって手足をじたばたさせるその姿は、さながらおもちゃ屋の前で駄々をこねる子供のごとし。しかし子供であれば可愛いものだが、222cmの巨体でこれをやられては周りの人間もドン引きというか、近付こうにも近づけない。
もとい迂闊に触ろうものなら、すり潰されてミンチになるであろうことは、誰の想像にも難くなかった。

「あーあw こーなったらもうボクにも止められないねー。まーせーぜー頑張ってよお二人さん♪」

けたけたと笑いながらチェーニは上空に避難、一人高みの見物を洒落込もうとする。が、次の瞬間、彼女と同じ高さにまで跳躍してくる人影!

「ふえっ!?」

三角跳びの要領でガラスを蹴ってきた桜である! その身軽さはまさにニンジャそのもの、驚いたチェーニを一瞬のうちに蹴り落とし、ジグザグの軌道を描いてさらに高度を稼ぐ!

「ボクを踏み台にしたぁ!?」

「ルールを守れない悪い子は…!」

お約束の台詞を吐いて落下するチェーニを尻目に、桜は頂点に達したところで眼下を一瞥。目標に狙いを定めると、前方宙返りも加え力を込めて急降下する!

「少しの間、眠っていてもらいます!!」

そして強烈な重力加速度とともに振り下ろされた右脚が、寸分違わずピアーチの喉元へと着弾!

「ぐぶええッッッ!!?」

言うなれば超高高度からのギロチンドロップ! その落差によって生み出される威力は、軽量な桜の非力さを補って余りあるものだった。
文字通りギロチンの刃が落とされたに等しい衝撃を受けたピアーチは、濁った悲鳴と共に大きく目を見開き…そのまま動かなくなる。

「ななな!? ま、まさか、ピアーチまで!?」
「冗談だろ!? そう易々とあのクローンが沈むわけが…おっとキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!」

初めて見るピアーチの姿にどよめきの広がった観客席だが、すぐにそれは歓喜の声へと変わる! 墜落しつつも体勢を立て直していたチェーニが、この隙に桜の腕の下から抱きつき、コスの胸元をはだけさせていたのだ!

「きゃっ!? んっ、このっ、離れ…てっ……!」

「さっきはよくもやってくれたねー、これはお返しっ! 天国から戻れなくしてあげちゃうんだから!☆彡」

そして桜を抱えたまま、全身をまさぐりつつ上昇するチェーニ! 控えめにフリルとリボンのついた可愛らしい下着が覗き、顔を赤らめて桜も抵抗するが…そんなウブな反応を嘲笑うように、チェーニの指と舌はさらに奥へと侵入してくる!

「んっ! くふぅッ! ひんッ!?」

「えっへっへー☆ お姉ちゃんの弱点はぁー……ここかな? ここかな? それともこっち?」

「やっ、やめっ、舐めなっ、はふぅぅぅ……ッッ!!」

「よっしゃ―――!! 待ちかねたぜ、ようやく変態ょぅι゛ょの土俵に持ち込んだか!」
「もー、チェーニたんてば焦らしすぎでござるよー。でもタメが長かった分、恥じらう桜タソのリアクションがより映える…エンターティナーだね!」
「所詮桜も対魔忍同様、女の弱点を責められてはなす術もないか。くっくっくっ、古今ニンジャというものは変わらぬのう」

どうにかしてチェーニを振り払おうともがくものの、地に足のつかない空中で飛行できるチェーニに渡り合えるはずもない。されるがままに秘所をまさぐられ、嬌声をあげるたびに観客席のボルテージも上がっていく!

「桜っ!」

「知ってるー? 飛んだままイクのって、すごく気持ちいーんだよ。お姉ちゃんも、すぐ病みつきに…」

「生憎、ですがっ…! そんないやらしいことに流されるような、弱い意志は持ち合わせてませんッ…!!」

普通ならフラグ立ちまくりの台詞ではあるが…チェーニも鳥頭というか、さっき見たばかりのことを学習しなかったのが明暗を分けた。
そう、長年忍者の修業を積んできた桜にとって、空中での姿勢制御はお手のもの。確かに飛ぶことこそできず、未体験の快楽に翻弄されかけはしたが。
鮮花の呼びかけによって自分を取り戻した今、羞恥心に耐え不利な状況ながらも体勢を入れ替えていく!

「ふあっ!? なにこれなにこれー!?」

チェーニの身体を反転させ、左手で相手の右太もも裏を押さえつけるや、自分の右膝を跳ね上げ相手の右膝との間でその小さな頭を挟み込むようにロック! さらに右手はチェーニの左足首を掴み、股を開かせるように捻じ曲げる!
一見変形のキン肉バスターのようにも見えるが、桜に対しチェーニの身体が横向きであり、何より頭部を二人の膝で固定している点が異なるか。

もうお楽しみタイムだと思い込み、ぺろぺろするのに夢中になっていたチェーニが気付いた時には、すっかり身動きなど取れなくなってしまっていた。
まともに入れば命すら奪いかねない危険な技だが、桜は瞼を閉じて一旦静止した後…決意を込めた目を開いて、お尻から一直線にリングへと落下!

「奥義……釣鐘割り!!」

ガゴオォォンン!!!

そして着地の衝撃が加わり、二つの膝にがっちりと挟まれた頭蓋は、亀裂が入ってもおかしくない程のダメージを受ける!

「ゲエ――――!! 桜のヤツ、こんなえげつない技も使えたのか!?」
「誰だよ春夏は決定力不足なんて言ってた奴は? 3期とはまったくの別人じゃねーか!」
「パワーこそないが、スピードと巧みな体捌きで急所を狙い、一撃で仕留めてくる…忍者としては完璧な戦い方だなオイ」
「し、しかし…まさか、ギガントが……?」

「あばば……ばば……」

いかに頑強なクローンといえど、これはさすがに耐えられる限界を遥かに超えていた。両脚を別々の方向に曲げられ、わずかに動く上半身を痙攣させるチェーニに、もはや悪戯好きなエロ小悪魔としての面影はない。
桜が腕を放して解放すると、大量の唾液が糸を引きながら、その小さな肢体は力なくマットへと投げ出される。
相手の見た目が見た目だけに、桜もやや申し訳なさそうな表情を浮かべるが…手加減しようものなら自分がやられていたことは明らか。これが人間なら後遺症も免れなかったかもしれないが、クローンゆえぎりぎり失神しただけで済んだのは幸運だったか。

静まり返る場内の中、桜は乱れたコスを直し、鮮花の元へ向かおうとする。しかし!

「桜! 後ろっ!!」

「うがあああぁぁ――――っっ!!!!」

しばしの間リングの一角で仰向けになったままのピアーチだったが、まだ完全に意識を失ってはいなかった! やにわに立ち上げって桜へと襲いかかる、驚くべきはクローンの回復力!
さらに積み上げられたダメージの影響か、もともと不安定だった精神が振り切れたのか。いつもの無邪気な態度は影を潜め、今のピアーチはただ本能のまま、目につくものすべてを破壊する怪物へと成り果ててしまっていた。発狂したかの如く発せられる咆哮がガラスを震わせ、最前列の観客は恐怖におののき失禁する!

「…っ! まだ、抵抗するのならっ…!」

言わば規格外の体躯とパワーを持った猛獣と同じ檻に入れられているかのようなこの状況、並の闘士であれば足がすくんでしまってもおかしくはない。
だが、ユキーデに真っ向から立ち向かいメンタル面を克服した今の桜は、こんなことでは動じなかった!

「今度は本気で、落とさせてもらいます!!」

キャンパスを砕かんばかりに荒れ狂うピアーチの両腕を紙一重でかわし、相手が前かがみになった瞬間、電光石火のサマーソルトシェル! 綺麗にカウンターで入ったカカトが、大きく顎を跳ね上げピアーチの巨体をのけ反らせる! 
さらにそのまま空中で身体を捻り、横薙ぎにもう一発回し蹴りも追加!
一瞬にして上下左右に脳を揺さぶられては、どれだけ肉体が打たれ強くても脳震盪は不可避。それはクローンとて例外ではなく、天を仰いだままピアーチの両膝がマットに落ち…。

ズウゥ………ゥゥン

一呼吸置いて、頭から突っ伏すような形で上体も倒れ込んだ。

「ふうっ……」

軽快に着地した桜は、なおも集中を緩めずピアーチの様子を注視するが…完璧に入ったこの連撃はまさに必殺。鋭利なカミソリのごとく、脳と神経の接続をスッパリと切断してしまっていた。
さっきまでの暴れっぷりが嘘のように、ピアーチはもはやマットに沈んだままピクリとも動かない。そんな相手と笑顔を浮かべ駆け寄ってくる鮮花を見て、ようやく桜も肩の力を抜き、穏やかに微笑んでハイタッチを交わす!

「ジャ、ジャイアントキリング3連発――――!! 甲斐姉妹、ビッグボンバーズに続き、何と何とギガントヴィエーディマまで下しました春夏繚乱!!」

「バカな―――!! 賭け3連敗だよ俺はどうしてくれる―――!!」
「思えば初戦から覚醒の兆候はあったわけか…。ふふ、すっかりやられてしまったよ。私の目もまだまだだな桜君…」
「やばい、春夏まじやばい。もう疑う余地なんてまったくない強チームじゃん…節穴すぎんだろレビュワー共めぇー!」
「つーか、これマジで優勝も視野に入ってきた…?」
「次の相手がシュメッタリンかチャイルディッシュか分からんが、その結果次第では本気であり得るな…。何しろ甲斐姉妹には勝ってるわけだし」

「場内騒然、座布団が乱れ飛びます! 今大会、完全に台風の目!! 一体どこまで、この快進撃は続くのか―――!?
座布団を投げないでください! 座布団を投げないでください―――!!!」



…………。

なお試合中は強い意志力で抑えつけていたが、チェーニに敏感な部分を刺激されまくってた桜はしばらく火照りが収まることはなく。
鮮花には黙って早々に部屋に閉じこもり、1人たどたどしい手つきで慰めていたのは内緒の話。



21分12秒
Winner 春夏繚乱 3勝0敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser ギガントヴィエーディマ 2勝1敗

第2試合 ブラックベリー vs みこみこウォリアーズ(1/2)

ランsティアs   月子さんs貴音さんs

ブラックベリー  オーナー:武蔵氏
ラン
身長159cm 体重50kg 3サイズ B84 W56 H79 年齢:15歳
試合コス:ブラックベリーで採用されている全身をぴっちりと覆う漆黒のバトルスーツ
ティア
身長157cm 体重49kg 3サイズ B80 W55 H77 年齢:15歳
試合コス:ブラックベリーで採用されている全身をぴっちりと覆う漆黒のバトルスーツ

みこみこウォリアーズ  オーナー:sakifox氏
御山 月子
身長151cm 体重51kg 3サイズ B77 W60 H80 年齢:15歳
試合コス:白地の上着に小豆色の袴。袴の形状はキュロット型
藤宮 貴音
身長164cm 体重68kg 3サイズ B80 W69 H88 年齢:17歳
試合コス:月子と同じ巫女服。ただし月子より袴は上の位置で留め、襟の合わせ目も中心寄りか



「…つっきー、見てるだけで胸焼けしそうなんだけどコレ。」

空になった財布と「それ」を交互に見比べながら、貴音がげんなりした表情を浮かべたのも無理はない。彼女の目の前のテーブルには、山と積まれたシュークリーム。
ぶっちゃけうず高く積まれすぎて、対面に座っている月子の顔は見えないほどである。

「そうですか。私は今からこれにかぶりつけると思っただけで、胸の高鳴りが抑えきれませんが。
ああ、心配しなくても貴女には分けてあげませんので、私の食べる姿だけで胸焼けなさってください」

いつになく饒舌な月子に貴音もやや戸惑った様子を見せるが、これも好物を前にしたテンションゆえか。前髪に隠れたその瞳は、しいたけのようにキラキラと輝いているに違いなかった。

「…まあ、これでチャラにしてくれるんなら構わないけどさ。次はあの甲斐姉妹なんだから、太って動けなくなったりはしないようになー」

「甘いものは別腹です。貴女こそ、今回みたいなコンディションは御免ですよ」

「うぐっ…悪かったってば。今度はちゃんと仕事するから…」

「大体ですね、後先考えない頭悪いカウンターが貴女の持ち味なのに、それを放棄したらいったい何が残るんです? そんなんじゃこの地下では…」

そして始まる月子さんの説教タイム。貴音も余計なこと言ったと後悔するがもう遅い。
なおその間にもシュークリームはすごい勢いで減っていっており、まあ無くなるまではと観念する貴音だったが…。

「すみません、50個追加で。
代金は貴音さんへツケでお願いします」

(…くそぅ、自覚なしに相手を疲弊させるのはプライベートでも変わらないのかつっきー。
そういうのは闘ってる時だけにしてほしかった…)



―――話は、前日の試合へと遡る!

「これは意外な展開――!! 貴音さんとランさん、タイプの違うカウンター使いである両者のハイレベルな攻防が期待されたこのカードでしたが!
蓋を開けてみればティアさんとの絶妙な連携もあり、まともにジョルトを打たせませんでしたブラックベリー! リーチに勝るジャブで動きを止められたところを締め落とされ、残るは月子さん1人! 
みこみこウォリアーズ、この状況はさすがに絶望的と言っていいでしょう!」

「まったくとんだ塩試合だよ! てっきりダブルクロスカウンターとかブラッディクロスとか、見られると思って来たのにさー!!」
「まあしょっぱく見えるのも、それだけブラックベリーが貴音を研究してきてたってことだ。実力を出させずに勝負をつけるのも、また実力のうちよ」
「しかしブラックベリーとしちゃ、理想的な展開だったなー。序盤の月子との削り合いも、カウンターを駆使して優位に進めたのが大きかったか」
「加えてやっぱりみこみこは急造タッグ、うまく再交代のタイミングが計れなかったね。これはブラックベリーのカットが巧みだったのもあるけど…さて」

実況も場内の観客達の間にも、もはや勝負は決したと言わんばかりの空気が広まっていた。まあいくら鉄壁の防御を誇るとはいえ、攻撃力に乏しい月子1人では、勝ち目などないと考えるのも当然と言えよう。
ブラックベリーの2人もそれを見越して貴音を徹底的にマークしてたわけであり、まだ集中は保ちながらも、促すような口調でランが話しかける。

「…これ以上の試合続行は無意味です。ギブアップするなら受け入れますよ?」

「ふむ。それは悪くない提案ですけど…」

あまりその場の感情には左右されず、論理的な思考ができるのが月子。実際3期までの上位トーナメントなら、負けることによるペナルティは優勝の目が断たれるのみであり、ギブアップも一考の余地はあったかもしれない。しかし…。

「折角ですが遠慮しときます。それやったら、多分下位トーナメント落ちは確実ですしね」

「…確かに。では申し訳ないですが、あなたも全力で仕留めさせてもらいます!」

抽選会で告知されたこの特殊ルール。上位であっても試合を捨てる選択は禁じられたに等しく、観客は完全に決着がつくまで楽しむことができる。運営の思惑通りなのを癪に思いつつも、月子は大きく息を吐き、ランを迎え撃つべく構え直す!

かくして試合再開! もちろん観客の興味はすでに、ブラックベリーがいかにして月子の防御を崩すかという1点のみに移っている。孤軍奮闘する彼女へそのスタイルを揶揄する声が浴びせかけられるのも、酷ではあるが自然な流れではあった。

「ここからお前1人で何ができるってんだー? わざわざリョナられる方を選ぶとか、Mなんじゃねーのか月子ぉー!!」
「はははっ、でもギブアップなんて興醒めだからね、そこは褒めてあげるよ!」
「せいぜい無駄なあがきをして、儂等を楽しませるがいい! 何分持つか、賭けでもしようかのう!」

(…巴子さんなら、どう判断してたんでしょうね。っと、そんなことを考えてる場合じゃありませんか。
まあ、まだ私も相手も、全力を出し切ってはいないことですし。やるだけのことはやってみましょう)

ランもシステマということであまり自分から仕掛けるタイプではないのだが、2対1という利を生かすには積極的にプレッシャーをかけ続けるのが上策。持ち前の正確な打撃でガードの隙間を狙い、着実に月子を追い込もうとする。
後はこまめに交代して月子の体力が尽きるのを待つか、集中力が途切れた瞬間に痛打を叩き込むだけの簡単なお仕事。観客はもとより経験豊富なランとティアですら、勝負が決するのは時間の問題だと思っていた。


…しかし、それから20分が経過!

「粘ります月子さん! さすがは防御のスペシャリスト、そう易々と攻略できないのは分かっていましたが…いつも以上の難攻不落っぷり! 何とあれから、クリーンヒットを1発も許さず!
体力的には優位なはずのブラックベリーの方が、ここへ来て疲労の色を浮かべています!」

「…今まではこの雰囲気の中、集中力を維持しきれずワンチャンで落とされることも多かったイメージだが。今日は初めて先に相方が落ちたことで、何つーかいい意味で吹っ切れたな。
肩の力も抜けて自然体で渡り合ってやがる…多分周りの野次も耳に入ってねーぞコレ」

「序盤は軽めの掌打にもカウンターを合わされ、ランさんとは相性悪いかなーと思ってたんですが。長引くにつれランさんの被弾も増えてきましたね?」

「何だかんだで月子の打撃は、威力はないが隙も小さいからな。タイミングを学習して、うまく外すようになってきやがった。
…そろそろブラックベリーは、考えを改めないとまずいかもだぜ?」

ヴォイドさんに言われるまでもなく、冷静なランはすでに楽勝ムードから頭を切り替えていた。楽観的なティアの方も、思わぬ展開に渋い表情を隠そうとしない。

「データ以上のディフェンススキルね…まさか、ここまでとは」

「どーすんだラン? あたしの関節技も、全部ブロックされちまう…崩す糸口が見つからないんだが」

「大人げないと思ってたけど、もうそんなことを言っている場合じゃないわ。ティア、合わせて!」

「合点!!」

「個々の攻撃では、埒があかないと判断しましたか! ここでブラックベリー、2人同時に月子さんへと仕掛けます!
正面からランさんがジャブとストレートで注意を引きつけ、側面に回り込んだティアさんがガード中の腕を極めようとするコンビネーション!
しかし月子さん、これも肘で弾き返す!!」

「くっ!」

「まだよ! ティア、ここで休んじゃ駄目!」

第2試合 ブラックベリー vs みこみこウォリアーズ(2/2)


なおも間断なく息の合った連携で、鉄壁の防御に穴を空けようとするブラックベリーだが。死角から襲い来る2人の攻めすらも、月子はことごとく捌いてみせる!
それでも矢継ぎ早に斬り込み続けるランの姿に、ヤケになったのかと訝しむ声も出始めたがさにあらず。

この手の攻撃が月子に通用しないのは、退魔戦ですでに実証済み。もちろんランもそのデータは頭に入っており、本当の狙いはその先にあった。

「…ふっ!」

「…凌ぎ切りました月子さん! 様々な角度から執拗に攻め立てたブラックベリーでしたが、相変わらず背中に目がついてるかのような対応能力!
そしてこれは、さすがにブラックベリーの消耗も激しかった模様。ランさんティアさん共に、一旦退いて仕切り直し…い、いや!?」

「そこっ!!」

攻撃の波が止んだこの瞬間! 気が緩むまではいかないものの、わずかに息をついてガードを下ろしたその一瞬こそが、ランの目的だった。
退くと見せかけて身体を反転、大きく踏み込んでのフックが月子の顎を捉えた、かに見えたが!

「ぐふうううッッ!!?」

濁った悲鳴を上げ、ガクンと腰を落としたのはラン! その原因は胃のあたりにカウンターで入った、月子の掌打だった!

「ま、まさか…誘われた……!?」

「女子三日会わざれば刮目して見よ。…同じ失敗を繰り返すほど、愚かではありませんよ」

「く、うっ…!」

「ランっ!!」

月子の後ろにいたティアが慌てて割り込もうとするが、やや距離が離れすぎていたか。それより早くランの腕を手繰った月子は、間髪入れずに一本背負いを繰り出す!

ズダアアアァァァン!!!

「かはあっ……!」

「な、なんとぉ―――!!? 攻撃力皆無と思われていた月子さんですが、ランさんのお株を奪うカウンターからの見事な一撃!
鮮やかにランさんをマットに沈め、ティアさんとのタイマンに持ち込みました! まだ勝負は分かりません!!」

「…過去のデータに頼りすぎましたね。さて…」

改めてティアの方へ向き直り、構えを取る月子。ティアも気持ちで負けてはならないと頭では分かっていたが、信頼を寄せるランが倒された時点で、すでにそのプレッシャーに押されていた。

「最初はひよっこだと思ってたが、どうしてどうして。予選の3試合と巴子の死を経て、見違えるように成長したじゃねーか。いいねえ若いって」

「オヤジみたいですよヴォイドさん。…しかし、完全に流れが変わりましたか? もうこれ、ティアさんの攻撃が通る気がしないんですけど」

「そう思わせた時点で月子の勝ちだ。ブラックベリーも侮っていたわけじゃないだろーが、ちょっと覚醒っぷりに気付くのが遅かったな」

然り。ティアも決して攻撃の引き出しは少なくはないが…2人がかりのコンビネーションすら全部防がれ、あまつさえ直後の隙さえ罠だったという事実。
もはやティアの脳裏には、何をしても月子のディフェンスを抜くことはできないという思いが、無意識のうちに刻まれてしまっていた。

「…ぜはー……はー………はー……」

表向きはいくら諦めていない風を装っても、そんな心理状態ではヴォイドさんの言葉通り、勝負はついたに等しかった。

その後ティアは数十分に渡り月子の掌の上で転がされ、息も絶え絶えになるまでスタミナを搾り取られることになる。全身汗まみれでぐしょぐしょなため、もともとぴっちりな漆黒のバトルスーツはさらに肌に張り付き、成長途中ながら出るところが出始めた身体のラインがくっきりと浮かび上がってとてもえろい。
月子に野次を飛ばしていた観客もいつの間にか手のひらを返し、その姿を囃し立てる有様である。

なお割といつでもトドメを刺せるのにも関わらず、月子も寸止めで徹底的にティアの心が折れるまで試合を続けるあたり、博愛ドSの本領発揮といったところか(本人にその自覚はない)。

「…まだ続けますか? 続けますよね? ギブアップという選択肢はないんですからふふふ」

「こ……このっ……!」

繰り返すが本人にその自覚はない。挑発にしか聞こえない台詞ではあるが。
しかしすでにティアも限界、まだ抵抗を続ける意思は見せるものの、立っているだけで精一杯。もはや疲労のあまり、手を出すことすらできない状態だった。
それを見て取った月子は、構えを維持したまま摺り足でゆっくりと距離を詰める。

「久しぶりにお互い全力を出し尽くした、いい試合ができました。ありがとうございます」

思わず認識のズレっぷりに突っ込もうとしたティアだったが、そんな体力ももう残されてはいなかった。
お礼の言葉と共にカクンと軽く顎を揺らされただけだったが、最後の一押しとしてはそれで十分。膝が折れ、そのまま頭からマットへ突っ伏し動かなくなる。

「ぎゃ…逆転―――――!!! 月子さん、あそこからまさかの逆転勝利!!
一皮剥けた防御の化身、今日は最後まで完璧な内容を貫きました!!」

「マジか―――!! ホントに地下は何があるか分からんな…貴音が落ちたところで、賭け券破り捨てて出ていった隣の奴は元気かオイー?」
「つくづく中盤以降は、スパロボの底力がかかっているかのような補正だったな…。しかしこりゃ、次の甲斐姉妹戦も面白くなりそうで何よりだよ」
「今まではドラゴン紫龍の盾並の防御力だと思ってたが、一気に評価上がったよなあこれ。武装錬金のシルバースキン…は知名度的に微妙だろうか」
「はっはっは、しっかし圧倒的に有利なあの状況から引っくり返されるとは、ブラックベリーも情けない! 予想外の事態に対応できんようじゃ、まだまだ青いのう!」

清々しいまでの観客の豹変っぷりに、実況も解説もお前らさっきまでの言動を思い出せと言いたげな表情で顔を見合わせるが。
最終的に勝った者こそが正義。これも地下ではよくある光景、仕方のないことである。

「ふう…。あ、そういえばこのカウンター馬鹿もとい馬鹿は、一体何しに来たんでしょうかね」

すっかり忘れられていたが、貴音はいまだティアに締め落とされた時のまま、リングサイドで放置されていたりした。
つんつんと月子にほっぺをつつかれたりするも、一向に目を覚ます様子はない。

「…え。もしかしてこのカウンター馬鹿、私が連れて帰らなきゃ駄目でしょうか?」

「はいー、頑張ってくださいー」

「…ぐえー。身長差的に、背負うのとか厳しいんですけど。
やむを得ません、こうするしかありませんか」

月子も疲労は相当なものであり、もとより腕力自体大してある方ではない。
見た目など気にしてられるかと貴音の襟首を掴み、そのままずるずると引きずりながら退出。およそ勝者とは思えないシュールなひとコマではあったが、思わずほっこりした観客からは改めて今日の試合内容を讃える、惜しみない拍手が送られる。

一方で残されたブラックベリーには、容赦のない罵りと嘲笑が浴びせられるのも、またいつものこと。
予選から通してもおそらく最大の逆転劇を許してしまったこともあり、このチームも下位に落ちる可能性は十分なのではと、そこかしこで囁かれはじめるのも無理からぬことであった。



「…というわけでですね。次は私が楽に運べるように、貴女にはもっと痩せることをお勧めします。力石徹くらいに」

「やーめーてー。これ以上痩せたら、ジョルトに体重が乗らないんだってばー」

テーブルの上が空になった後も、滾々と試合内容を語りながら月子の説教タイムは終わる気配を見せず。
まあしかし、まったく役に立たなかった後ろめたさもあるのだろうが。逃げ出さずにちゃんと付き合ってあげるあたり、何だかんだで貴音も人はいいのかもしれなかった。



1時間25分42秒
Winner みこみこウォリアーズ 3勝1敗 上位トーナメント2回戦進出
Loser ブラックベリー 2勝2敗

EXマッチ ランページ・ヴィーナス vs ギガントヴィエーディマ

雫さんs2ミリアムs2   ピアーチsチェーニs

C・Aで行われている夢のタッグ編で上位と下位トーナメントに分かれてしまったギガントヴィエーディマとランページ・ヴィーナス。本選で対戦する可能性がほぼなくなってしまったことを惜しむ声は多く、急遽ながらエキシビジョンマッチが組まれることとなった。白と青の和風レオタード姿の雫とストラップレスの緋色のコスチューム姿のミリアムは自分たちのコーナーで入念に体をほぐしているが、対戦相手のピアーチとチェーニは悠々とコーナーで雫とミリアムが身体を動かすたびに揺れるバストやヒップを視姦することに余念がない。


「かーわいい!あんなスレてない子たちを壊せるなんて凄いラッキー!」

「独り占めしちゃだめだよー!ボクだってすっごく楽しみにしてたんだからねー!」


 ギガントヴィエーディマの二人にとって、この対戦は試合でも何でもなく用意された極上の生贄を蹂躙すること。このタッグトーナメントでも根性やしぶとさは群を抜いているランページ・ヴィーナスの二人だったが、所詮はそこまで。むしろ窮地に立たされて必死に抵抗を続け、そして抵抗空しくマットに沈む展開を観客の誰もが待ち望んでいる。


「ひどい歓声ね・・・誰も私たちのことを獲物としか思ってないわ・・・」

「考え方を変えればいいのよ!Giant KilLing!!私たちにとって一番いいシチュエーションよ!」


 体をほぐし終え、対角コーナーへと視線を向ける二人がまず見るのは身長2m22cmという、これまで二人が見たこともない身長のピアーチ。それも、身長に見合った身体の厚みもあり、動きも巨体からは想像もできないほど素早い。軽量級ほどではないが、普通に動けるスーパーヘビー級の選手など反則もいいところだろう。そして、ピアーチの印象が強すぎるために第一印象がかすんでしまうがもう一人のチェーニも空を飛べるという普通の人間にはないアドバンテージがある。
 表情を厳しくする雫が前に出て、あまり気負い過ぎないようにと肩を軽く叩いたミリアムがコーナーに立った。対角コーナーではピアーチが前に出て、チェーニがコーナーの上に座っている。


「もう準備運動はいいんだよね!もう壊しちゃっていい!!?いいよね!?」

「プロレスラーの耐久力を甘く見ないことね・・・壊せるものなら壊してみなさい!!」


 リング中央でお互いを睨みつけ合う雫とピアーチ。その身長差は60cmと、大人と子供ほども差がある。それでも雫は気押されずに気丈に睨み上げていくが、ピアーチから見ればその気丈さは小動物の可愛らしい強がりにしか見えていない。


 カーーーーン!!!!


 試合開始のゴングが打ち鳴らされ、早速雫を捕えようと足を前に出そうとするピアーチ。だが、それよりも早く、雫がその場でジャンプし、その場飛びドロップキックでピアーチを蹴りつけようとしていく。


「挨拶代りよ!受けてみなさいっ!!」


 普通の相手なら胸元に打ち込まれるドロップキックだったが、ピアーチの身長ではかろうじてボディに届く程度の高度になってしまう。それでも一番避けづらい場所への攻撃ならピアーチも怯むのでは、と踏んだ雫。その期待は次の瞬間にあっさりと粉砕されてしまう。


「自分から壊されに来てくれるなんてばっかじゃないのー!」


 突き伸ばした雫の両足首がピアーチの右手に鷲掴みにされ、そのまま宙づりにされてしまう。予想もしなかった返し方に一瞬どうするか迷う雫だったが、次の行動を考える間もなくピアーチの右腕が振り上げられ、雫の身体が空中高くへ放り投げられてしまった。


「え・・・!?え、ええぇっ!?」


 これまで雫が闘ってきた相手に受けきられたことも、避けられたこともあるが、こんな現実離れをした返され方をされたことはない。混乱が続く雫の身体が空中で一回転し、頭部が上に、足が下に来たところでピアーチの伸ばされた右手が雫の足首を再びつかむ。


「そぉーれっ!!壊れちゃえーっ!!」

 ぐしゃあぁぁぁっ!!

「ぎゅええええぇぇぇぇぇ・・・・・・!!」


 まるで野球の練習でピッチャーがタオルを振るように雫の身体が振り回され、マットへと背中から叩きつけられる光景に観客席から歓声が、そしてミリアムの口から悲鳴のような声援が飛ぶ。


『もう終わっちゃったかー!?』
『下位トーナメント出場は伊達じゃないってか!』

「シズクーーーッ!!立って!戻って来てーっ!!」


 コーナーで可能な限り上半身を乗り出し、雫へと向けて声を張り上げるミリアムのバストに観客の視線が集中するなか、呻きながら立ち上がっていこうとする雫。ミリアムはタッチ交代を叫ぶが、雫は強引に立ち上がりながらピアーチへとタックルを仕掛け、マットに引きずり倒そうとしていく。


「負けられない・・・!私たちは勝って戻るんだ・・・!!」


 必死に想いを込めて身体を振り立たせ、ピアーチの足へ組みつく雫だったが、ピアーチの足はまるでマットに根を張ったように動かない。それどころか悠々と右手が雫のコスチュームの腰へとのび、帯をつかんでひょい、と雫を持ち上げてしまった。


「放せ!放しなさい!!」


 バタバタと手足をもがかせてピアーチの手から離れようとする雫を、ピアーチはまるで玩具を持ち上げるように高々と上げていく。


「えーっと、どうしようかな?投げてもいいし~・・・うーん迷うー!」


 腰の部分をつかまれて持ち上げられている雫のヒップにコスチュームが食い込み、雫の背後の観客から大きな歓声が上がる中、ここからどうしようかと迷うピアーチ。華奢な体型ではあっても成人女性を吊り上げたまま顔色一つ変えず悩むピアーチにからかい混じりの観客の声がかけられる。


『プロレスごっこをやればいいんじゃないかー!?』
『それいいな、そうだな、これならブレーンバスターなんていいんじゃないか!?』

「ブレーンバスターって・・・こうだっけ?あれ、こうじゃなくて・・・ああもう、めんどくさい!」


 雫を捕まえたままブレーンバスターがどういう技だったか首をひねるピアーチだったが、すぐに飽きて力任せに雫をそのまま持ち上げていく。


「きゃああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

「壊れちゃえばなんでもいいっ!!」


 技も何もなく、コスチュームの腰をつかんだまま持ち上げた雫をそのまま真下へと投げ落としていくピアーチ。3m近い高さからピアーチのパワーで叩きつけられ、雫は後頭部からマットへとめり込んでしまった。


 ズガアァァンッ!!

「・・・・・・え・・・ぁ・・・・・・」

「シズク!シズク、大丈夫!?動けるっ!?」


 マットに叩きつけられた雫の身体がそのまま転がっていくと、そこにはミリアムの立つコーナーが。両腕をサードロープにかけ、後頭部をコーナーに寄りかからせた雫は焦点を失った瞳を宙に彷徨わせたまま動かなくなってしまう。


「もう壊れちゃった?もうちょっと持つかと思ったんだけどな~」

「いい加減にしなさいよっ!これ以上何かするなら許さないよっ!!」


 壊れてしまったお気に入りの玩具を見るような目で雫を見下ろすピアーチに憤りを隠さないままコーナーから飛び出すミリアム。歯を剥いて睨みつけていくが、ピアーチから見ればミリアムも小動物が威嚇しているような可愛らしいもの。


「・・・ミ・・・・・・リィ・・・」

「シズク!?」


 その傍らで、完全にKOされてしまったかに見える雫が声を上げる。かすれてとぎれとぎれの声だが、ピアーチの攻撃をまともに受けてまだ意識があることに観客が驚きの声を上げた。
 ピアーチから意識を反らしてしまったミリアムだったが、ピアーチがその隙を突くことはなく、雫が上げた手を叩いて試合権がミリアムに移行した。


「思ってたより脆かったけど、こっちはどうかなー?」

「言っておくけどね!シズクのしぶとさは半端じゃないのよ!そして私も・・・!!」


 闘志をむき出しに睨みつけるミリアムに対し、ピアーチの視線は対戦相手を見るものではない。怒りに燃えたミリアムはリングに乗り込む勢いのままに駆け寄ると右腕を振り上げてピアーチへと叩きつけていく。


 がしぃぃっ!!

「く・・・!身体が大きいだけでここまで厄介なんて・・・!」


 パワーには自信のあるミリアムだったが、ピアーチの圧倒的な体格の前では渾身のアックスボンバーも胸元には届かず、ボディへ打ち込むのが精いっぱい。そして与えたダメージもたいしたものにはならなかった。


「やっぱりね、プロレスラーなんてこの程度なんだー。一発目はちゃんと受けてあげたんだから、今度はそっちが受ける番・・・?」

「ピアーチばっかりずるいよ!ボクだってそろそろ遊びたいー!!」


 間合いを取って体勢を立て直そうとするミリアムを追おうとするピアーチ。だが、そこに背後からタッグパートナーのチェーニの声が割って入る。


「ふ、二人掛りで・・・!?い、いいわ、来なさいっ!!」


 雫をいとも簡単に叩きのめしたピアーチに加え、チェーニまで加わればミリアムは圧倒的に不利になってしまう。だが、ここで引くことはできないとあえて前へと向かって行くミリアムだったが・・・。


「ふふーん!ほらほら、遅いよ!鬼さん、こちらー!」

「こ、くぁっ!ふぅ、ひゃうぅっ!!ど、どこを狙ってるのぉ!!」


 まずはチェーニを捕まえて動きを止めようとするが、空を飛べるというミリアムに経験のない動きをするチェーニはひらひらと蝶のようにミリアムの伸ばした腕を避けて翻弄する。それもただ避けるのではなく、胸元の谷間が際どく露出したミリアムのバストへのアタックを巧み加えていく。これほどトリッキーな動きを初めて体験するミリアムは完全に翻弄され、それまで意識の片隅にあったピアーチという脅威を失念してしまった。


「はい、鬼さん捕まえたー!!油断大敵っていうんだよね、これー!!」


 背後から伸ばされたピアーチの腕がミリアムのボディをホールドしていく。そのままピアーチが腰を伸ばしてミリアムを持ち上げて行くと、リングを旋回して勢いをつけたチェーニがマットすれすれから持ち上げられたミリアムめがけて両足を伸ばして突っ込んできた。


「ナーイスアシスト!!そーれっ!!」

 ずむぅぅっ!!

「はうううぅぅぅっ!!」


 ミリアムのバストを下から突き上げるチェーニの飛び蹴りによってミリアムのたわわなバストが際どいコスチュームの拘束を外れてポロンと乳房が露出する。どよめく観客の中、持ち上げたピアーチがチェーニの飛び蹴りにタイミングを合わせて身体を後ろへと反り返していく。


「よいっしょぉ!!」

 ずがあぁぁぁん!!

「ぐひゅ・・・・・・」


 たった一人闘わなければならなくなったミリアムへと襲いかかる、ギガントヴィエーディマのツープラトンの洗礼。プロレスをまともにしたこともないピアーチの見よう見まねのジャーマンスープレックスがミリアムを後頭部からマットへとめり込ませていく。


「ミリィ!!ミリィーーーッ!!」


 コーナーサイドから雫が上半身を起こしながら叫ぶが、凶悪なまでの一撃を受けてしまったミリアムはまんぐり返し状態のまま動くことができない。このままでは集中攻撃を受けたミリアムを見殺しにすることになってしまう。何とか救出に入ろうと身体を起こそうとする雫だったが、その前に沈黙したと思われていたミリアムから小さな静止の声が上がる。


「だ・・・め、よ・・・・・・まだ、ダメージ・・・が・・・・・・」


 かろうじて失神していないミリアムだったが、受けてしまったダメージは深く戦闘続行は不可能に近い。だが、ダメージを押しても残った雫を少しでも楽にしようと気力を振り絞って立ち上がっていく。


「うっわぁ・・・凄い根性・・・」

「か、勝つ・・・の・・・・・・勝って、ここを出るのよ・・・・・・!!」


 その根性に関心を通り越してあきれるチェーニに息も絶え絶えのミリアムが駆け寄っていく。足元はおぼつかずにほんの少しつつけばマットに倒れるほど頼りない姿だが、その闘志はまだ衰えていない。そのままチェーニを捕まえて唯一勝っているはずのパワーで勝負しようとするのだが・・・。


「ほーらほらほらー!ここだよ、ここここー!あ、ちょっと惜しい!もう少し踏み出さないとだめだよー!」

「この・・・馬鹿に・・・・・・してぇ・・・!」


 必死にチェーニを捕まえようとするミリアムだが、おぼつかない足取りでは空を飛べるチェーニに追いすがることもできない。わざとミリアムの手が届くかどうかという絶妙な距離を保ったままチェーニはミリアムを翻弄し、呼吸が続かずに転倒しかけたところで背後からミリアムにしがみついた。


「は、放せぇ・・・あんぅっ!!」


 チェーニを振りほどこうとするミリアムだったが、その声に甘いものが混ざる。ストラップレスのミリアムのリングコスチュームの隙間にチェーニが手を滑り込ませ、直接乳房を揉みしだいたのだ。


「うわぁ・・・・・・凄い柔らかーい!なにこれ、凄いよピアーチ!!」

「ひあぁ!あんっ!んぅっ!やめろぉ・・・ひうぅっ!!」


 チェーニの手が自分の乳房を揉みしだくたびに走る快感に腰砕けになりながら必死に逃れようとするミリアム。だが、背後から足をミリアムのボディに回したチェーニはミリアムの体を支えたまま宙に浮きあがり抵抗するのに必要な足場が奪われてしまった。


『いいぞー!』
『そんな破廉恥な格好してるんだ、こういうことをしてほしいに決まってるぞー!!』


 これまでリョナられる展開は数多く経験してきたミリアムだったが快楽で攻められる経験はこれが初めて。あまりの恥ずかしさに涙をこぼしながら身をよじるがそれがかえってチェーニと観客をより興奮させていく。


『ミーリアム!!ミーリアム!!ミーリアム!!ミーリアム!!』


 観客の声をそろえたミリアムへの歓声。だが、それはミリアムを応援するものではなくミリアムの痴態を野次り楽しむもの。悲痛な表情でミリアムを助けようとする雫も受けたダメージから回復しきれずマットにはいつくばりながら叫ぶことしかできない。


「にへへー、まーぜーてっ!!」


 雫の視線の先にはチェーニの快楽攻撃に悶えるミリアムに近づくピアーチの姿が。ミリアムの背後から股間に手を回すとそのまま持ち上げてアルゼンチンバックブリーカーの体勢に持ち上げていく。


「わわわっ!ちょっといきなりはやめてよねー!」


 ピアーチの乱入に慌ててミリアムの背中から離れるチェーニだが、すぐに上空に跳び上がるとピアーチの体に担ぎあげられたミリアムのお腹へと腰を落とした。


「やめてー!!いや、こんなのいやぁーーーっ!!」


 ピアーチのアルゼンチンバックブリーカーで腰を責めつけられながら股間をつかんだ手で力任せに秘所を握りつぶされて悲鳴を上げるミリアム。そして自分の上ではコスチュームを引きずり落とされて露出したバストにチェーニがむしゃぶりついている。プロレスラーではなく一人の女性に戻って悲痛な声を上げるミリアムを助けに入ることもできずに顔をそむける雫をよそに観客が湧き上がる中、ピアーチのグレープフルーツクローに耐え切れなくなったのはミリアム本人ではなくミリアムのコスチュームだった。


 バリィッ!!ブチブチッ!!

「ひいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーっ!!」


 ミリアムのコスチュームがピアーチの握力に耐え切れずに破かれ、勢いのままに秘所の毛が引きちぎられる。経験したこともない激痛に泣き叫ぶミリアムは乳房も股間も観客からは丸見えの状態になってしまった。目を皿のようにしてミリアムに注視する観客と集中して焚かれるフラッシュ。
 さらに丸出しとなった股間に再びピアーチの手が当てられ、秘所に指が差し込まれた。


「もうこんなぐしょぐしょになっちゃってるよー!ひょっとして感じてるのかなー!?」

 グッチョグッチョグッチョグッチョ!!


 苦痛と快楽を同時にミリアムに味あわせるピアーチとチェーニに蹂躙され、声も出せずに首を振るミリアム。だが、快感に対する生理的な反応で股間から愛液が噴き出し、限界が近いことを如実に示している。


「やめて・・・お願い・・・・・・もうやめてぇ・・・・・・」

「やーだよー!!すっごいいいところなんだからすっこんでなよー!!」


 マットを這いずりながら懇願する雫だが、その目の前でつい限界を迎えたミリアムがこれまで聞いたこともない甘い絶叫を上げて身体をこわばらせ・・・。


「あ・・・ああぁ・・・!!あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

「はい、それじゃやめてあげるよー!!」

「そーれ墜ちちゃえー!!」


 ミリアムのクリトリスをつかんだピアーチの指がひときわ力を込めた瞬間に股間から潮を吹きだして絶頂を迎えるミリアム。そしてその瞬間にピアーチはアルゼンチンバックブリーカーをかけたまま身体を横に倒していき、そしてチェーニは空中高くからミリアムの硬直した足の裏へと着地してツープラトンのバーニングハンマーでミリアムを脳天からマットへと叩きつけていく。


 グキイィィッ!!

「ぎゅぶうぅぅぅ!!」


 ただでさえ危険な技がミリアムが身体を絶頂で硬直させていたことでさらに危険度を増し、首から嫌な音を立ててミリアムがマットに串刺しになる。衝撃が全て首にかかり、ミリアムの意識はそのまま叩き潰されてしまった。苦痛と快楽、そして死に至らしめかねない危険な技のショックでミリアムの身体が激しく痙攣を起こし、白目を剥いて泡を吹きこぼしながら股間から潮吹きとともに失禁してしまう。


「あ・・・ぁ・・・・・・」


 無残なミリアムの姿にマットに這いつくばったまま呆然とする雫。その目の前では残った獲物を狙うチェーニとピアーチの姿が。


「あと一人かー・・・ふふ、たーのしみー!」


 試合権利を持つチェーニに羨ましそうな眼を向けながらコーナーに戻るピアーチをしり目に雫をミリアムと同様にいたぶり抜こうとするチェーニ。よろめきながら立ち上がっていく雫をゆっくりと待ち、ミリアムと同じように翻弄する気満々だ。


「よ・・・くもぉ・・・・・・」


 ミリアムの仇に向かって噛みつきそうな険しい表情で呻く雫。だが、次の瞬間の雫の行動は会場全ての人間の予想を裏切るものだった。雫はなんとミリアムに背を向けてコーナーへと駆け戻っていく。


「え・・・えっ!?パートナーを置いて逃げちゃうの!?」


 予想もしなかった雫の行動に慌てて追いかけようとするチェーニ。しかしその行動こそ雫が狙っていたもの。


「誰が・・・逃げるって・・・!これを狙っていたのよ!!」


 つい先ほどまで立ち上がることもできなかった雫がコーナーを軽快に駆け上がる姿に思わずどよめく観客席。そして雫を追いかけていたチェーニも予想外の光景に空中で動きが止まる。その隙を見逃さずにコーナートップに足を乗せた雫が華麗な跳躍で身体を水平に回し、ミサイルキックで空中にたたずむチェーニをまともに捕えていく。


「あぐうううぅぅぅぅっ!!」


 軽量でかつ空中にいたチェーニの身体が雫の起死回生のドロップキックで吹き飛ばされ、空中をすっ飛んで行く。その身体はピアーチのすぐわきのリングを覆うガラスに叩きつけられ、コーナー下へと落下した。


「そ・・・・・・うそ、でしょ・・・?」

「クカカカカーー!!詰めが甘いよチェーニ!やっぱりアタシがいなきゃ締まらないね!」


 ただのラッキーヒットではなく、雫の魂を込めたようなドロップキックに起き上がることができず愕然とするチェーニ。にやにやとしながらチェーニを見下ろすピアーチは有無を言わさずにチェーニをつまみあげると自分の立つコーナーへと落としていった。


「どっちもパートナーが戦闘続行不能みたいだし、アタシたちで決着つけようか!」

「の・・・ぞむ・・・ところ、よ・・・・・・」


 奇しくもリング上に立つのは試合開始直後のように立つ雫とピアーチのみ。両者ともパートナーを失っているが、ダメージでは比べ物にならない。だが、雫は不屈の闘志と怒りを燃やして再びコーナーへと向けて駆け出していく。


「追いかけっこー?好きだよねー!」

「言っていなさい!!・・・この一撃に全てをかける・・・!!」


 遊び半分で雫を追いかけるピアーチに対し、雫は決意を込めたまなざしでコーナーを駆け上がると十八番のムーンサルトでピアーチへと襲いかかっていく。立つことすらままならない雫を支えているのは闘志とパートナーを無残にマットに沈められた怒りのみ。文字通り死力を尽くした跳躍でピアーチを押し潰そうとしていく雫だったが・・・。


 がしぃっ!!

「はい、つーかまーえたー!!」

「そ・・・んな・・・・・・」


 雫の残された力を全て注ぎ込んだ跳躍からのムーンサルトアタックはピアーチの身体をまともに捕えたが、強靭なピアーチの肉体はその威力を悠々と受け止めきり雫を捕まえてしまった。最後の力を使い切り愕然とする雫の体が意志に反して敗北を認め力を失い、止めを刺されるのを待つばかりの獲物を抱え上げたままピアーチがリング四方の観客へと向けて抱え込んだ雫の姿をさらしものにしていく。


「えっと・・・確かこうやるんだったかなー?」


 いつでも止めを刺せるまで雫を追い詰めたピアーチだが、まだここで止めを刺すつもりはないらしい。雫のコスチュームの胸元を左手で鷲掴みにすると股間を右手で掴み、力任せにリフトアップしていく。


 ブチィッ!!

「きゃああああああぁぁぁぁっ!!」


 力任せに雫を持ち上げたことでしっかりと補強されていたコスチュームの胸元のワイヤーが千切れる音が響く。窮屈そうにコスチュームに閉じ込められていた雫の乳房がまろび出て観客が思わず胸元へと視線を集中させた。


「あれ?これは予想外・・・・・・ちょっと無防備すぎるんじゃないかなー?」


 ピアーチもそのつもりはなかったが、結果的に会場は沸き上がり、屈辱と恥辱にまみれた雫が顔を真っ赤にして涙ぐむ。そのまま雫の身体を3m以上もの高さに持ち上げたままリングを一周したピアーチが技も何もなく雫を下へと叩きつける!


 ずだあぁぁぁぁぁんっ!!

「ぐぎゅ・・・・・・!」


 背中から叩きつけられ、リング中央で大の字に横たわる雫。乳房を丸出しにしたまま大きく胸を上下させて息を荒らげる姿からはもう闘う余力などないことは明らか。


「これで3カウント・・・だったよね?プロレスラーなら返すのは当然のはずだけどなー」


 ダウンした雫の乳房にピアーチが右足を乗せ、右腕を高々と掲げると人さし指から指を一本ずつ立てていく。一瞬何をしているのかわからない観客たちだったがすぐに気付き、カウントを数え始めた。意識が混濁したまま身体をよじろうとする雫だったが、打ちのめされきった身体は弱々しく身じろぎするのみであえなく3カウントが入る。


『だめだろー!3カウントじゃ決着つかないってー!!』
『まあプロレスラーが素人に3カウント取られたんじゃどうしようもないけどなー!!』
『あはははははははははっ!!』


 わざとだったかそれともただ単に決着方法を失念していただけなのか、ピアーチに対して野次を飛ばす観客たち。だが、野次の狙いはピアーチではなくピアーチに踏みにじられている雫だ。


「う・・・うぅ・・・・・・」


 あまりの悔しさに耐えきれず涙をこぼす雫。体のあちこちに青あざが浮かび上がり痛々しい姿となっているが、それが艶めかしさを増して観客の視線を集める。


「あーあー、泣いちゃったー。そろそろ終わりにしないと可愛そうだよねー!」

『おおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!』


 完全に勝敗の分かれた両者の姿に湧き上がる観客たちの目の前で引き起こした雫の上半身を前に倒させて背中から覆いかぶさったピアーチが空中高くへと飛び上がっていく。そのまま逆さにした雫の首に両足を巻きつけると両太ももに手をかけ、大股開きにさせて行く。


「・・・・・・ごめん・・・ミリィ・・・・・・」


 雫の身体を完全に捕まえたピアーチがお尻からマットへと落下していき、首を三角絞めにされて意識が白んでいく雫の目から一筋の涙が零れ・・・。


「アルティメットスカーバスターーーー!!」

 ドオオオオオォォォォォン!!


 首、背骨、腰、股間を凄まじい衝撃が襲い、同時に首に巻きつけられた両足が着地の衝撃でひときわ強く雫の細首を締め上げる。タフネスに定評のある雫であっても当然これに耐えきることはできず、ピアーチの体に固定されたまま舌を突き出し、白目を剥いて痙攣するばかり。


「これで・・・ジ・エンド・・・・・・なーんてね!思ったより脆かったけど、楽しかったよー!」


 立ち上がって勝ち名乗りを上げるピアーチの足元に横たわる雫とミリアム。両者とも白目を剥いて泡を吹きこぼしながら失神した無様な敗者として観客の視線にさらされ続ける。
 ピアーチはまだ立ち上がれないチェーニの首根っこを猫を持ち上げるように掴みながら退場していくが、哀れな敗者はそのまま観客の視線にさらされ続けるのだった。




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                      いつもありがとうございます!

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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1

トーナメント表2

トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

☆第5試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第6試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第7試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第8試合
ダブルエックスvs???

参加タッグ一覧

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3期参加闘士一覧

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