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新年EXマッチ ミリアム・シンクレア vs ピアーチ・スィエニーク


 大晦日を月嶋雫のリョナの鐘で締めたC・A。大晦日の次は新年ということで、エキシビジョンマッチが組まれていた。まず一人は昨日タッグパートナーの雫を病室送りにされたミリアム・シンクレア。そしてその相手は昨日からの連戦となるピアーチ・スィエニークだ。本来日をまたいでの連戦は疲労やダメージが残るために推奨はされないが、ピアーチ曰く。『これやっちゃだめ、あれやっちゃだめなんてすっごくストレスたまるんだよ!!イベントだからやりすぎちゃだめだってのはわかるけどあれだけじゃやだー!!』
 ピアーチのダダを主催者側も悪くはないと判断し、組まれたこの試合。パワーファイターであるミリアムが最も相性が悪いさらなるパワーファイターのピアーチならいいだろうとゴーサインが出る。


「よくも雫をあそこまで・・・・・・絶対に許さないからね・・・!!」

「え~?それを承知でリングに上がったんだから私に怒るのはおかしくな~い?それにほら!ちゃんとそこにセコンドで立ってるじゃない!怒ることなんてないんじゃないかなぁ?」


 表情を険しくして睨みつけてくるミリアムに対し、ピアーチはいつもと変わらない様子でミリアムのコーナーの下にいる雫を見た。ピアーチに打ちのめされ、ボディに108回パンチを打ち込まれた雫は顔色も悪く、本来なら医務室で寝ていることを推奨されていた。だが、ミリアムがピアーチとの試合に挑むと聞いていてもたってもいられずに周囲の制止を聞かず、セコンドに立ったのだ。そして、着ているのは愛用している白と青のリングコスチュームの上に白のTシャツを重ね、ミリアムに何かあれば割って入るつもりなのは明らかだった。


「ほらね、元気そうじゃない?・・・もうちょっとかわいがればよかったかなぁ?」


 顔色が悪く、両腕をリングエプロンにかけて体を預けないと立っていられないほど消耗している雫を見ていけしゃあしゃあと言ってくるピアーチにミリアムの目が大きく開く。


 パァン!!

「・・・・・・その口、閉じなよ・・・」


 普段の陽気さはなりを潜め、殺気すら漂わせてピアーチを見上げるミリアム。その視線に対し、ピアーチは頬を張り飛ばされたことに不快感も見せずにっこりと笑う。


「雫もだけど、ミリィも負けん気強いよねぇ!次も楽しめそうだし、うん!」


 負けることなど考えてもいない、無邪気なピアーチの発言にさらにミリアムの表情が険しくなる。しかも、親しくもないのに愛称で呼ばれればなおさらだ。


「次なんてないわよ!!」


 ミリアムの我慢もここで切れた。ゴングが鳴らされる前にミリアムが駆けだし、ピアーチの胸元へとエルボースマッシュを叩き込んでいく。


 ズンッ!!

「前の分と雫の分・・・ここでおまけ付けて返してやるっ!!」


 一撃でピアーチが怯むとは思っていない。右エルボーを打ち込んですぐさま左エルボーを打ち込もうと振り下ろすが、ここでピアーチの手がミリアムの肘をつかんで動きを止めさせる。


「ひっどいなぁ!!ゴング前にかかってくるなんて・・・これってヒールがやることじゃない!?もう・・・お仕置き、だよぉっ!!」


 口調は軽いがミリアムの左ひじにかかる握力は絶大。骨に食い込むピアーチの指で軋みが上がり、ミリアムの顔が怒りでなく痛みに歪む。さらにミリアムの肘をつかんだ右腕一本でミリアムを振り回し、ロープへと飛ばした。慣れていないロープスルーだが、ミリアムがうまく合わせることでロープへと降られ、跳ね返されて戻ってくる。


「そぉーれっ!!潰れちゃえーっ!!」


 タイミングを合わせて襲い掛かってくるのはピアーチの巨体。その体に見合わない跳躍力で戻ってくるミリアムにフライングボディアタックを仕掛けてくる。まともに受ければミリアムがピアーチの体で押し潰されてしまうが・・・。


「舐めるんじゃないわよっ!!こんな雑な技食らうはずないでしょうっ!!」


 激突する直前、自らマットに転がってピアーチのボディアタックをすかしていくミリアム。その上を通り過ぎ、ピアーチの巨体がまともにマットに激突。


 ズッダァァン!!

「いったあぁぁ!!」


 マットに体の前面からぶつかり、さすがにたまらずピアーチが打ち付けたお腹を抱えてマットを転がる。そして、絶好のチャンスを逃すはずもなく、ミリアムが立ち上がりざまに反対側のロープへ。もう一度体をロープに預けて勢いをつけ、ピアーチの前で渾身のジャンプ!!


「うりゃああぁぁぁっ!!」

 ズムゥッ!!


 ピアーチの胸元めがけ、右肘を鋭角に曲げた毒針エルボーを打ち下ろす。ミリアムの体重を一点にかけたエルボードロップはピアーチの胸元を抉り、その確かな手ごたえにミリアムがさらに追撃をかけようとして体を起こそうとしていくが、打ち込んだ右腕がピアーチに引っ張られ、離れられない。


「は、放せぇ!!」


 自分の腕をつかむピアーチの握力に、全体重をかけたエルボーも大してダメージを与えていないことを悟り、顔色を変えて離れようとするミリアム。捕まってしまえば同じパワーファイター同士、自分を上回る体格とパワーのピアーチが有利だということを身に染みて理解しているミリアムが腕を振りほどこうと体をひねるが、ピアーチは単純な腕力だけでミリアムの抵抗をひねりつぶし、逆側の腕を伸ばしてミリアムの喉をわしづかみにしていく。


「やーだよっ!!それに・・・痛かったんだからお返ししないと、ねぇ!!」


 ピアーチがミリアムの喉をつかんだまま体を起こし、そのまま立ち上がっていく。それにつられてミリアムも引きずり上げられ、腕一本で体全体が釣り上げられた。ワンハンドネックハンギングツリーで釣り上げられたミリアムが両手でピアーチの腕をつかみ、両足で足を蹴りつけるがピアーチはミリアムの抵抗を気にした様子も見せずにリング内を練り歩いて捕まえたミリアムを見せびらかす。


「あぐ、ぐ・・・はな、放せぇ・・・!!」


 喉に食い込むピアーチの手に苦し気にうめきながら抵抗するミリアム。だが、ピアーチはミリアムの体重を腕一本で軽く支えたままリング中央へと戻り、そのまま大きく振りかぶっていく。


「あはははっ!!今度こそ潰れちゃえーーーっ!!」

 ズガアァァンッ!!

「ごひゅ・・・・・・!!」


 ピアーチが繰り出すワンハンドチョークスラムで真っ逆さまに叩きつけられるミリアムの体。危険な角度で後頭部からマットにめり込み、あまりの勢いに仰向けに倒れずにまんぐり返しの体勢でマットに沈んだ。


「かぁ・・・・・・ま、まだぁ・・・!!」


 ピアーチのパワーがどれほどでも、技術は大したことがなく一撃でKOされるミリアムではない。だが、ダメージは確実に残り、すぐに立ち上がりはしたものの頭部への衝撃で足に力が込めづらい。
 それでもここで引けばピアーチの体格とパワーで押し込まれてしまう。無茶を承知で右腕を振りかぶりミリアムが打ってかかるが・・・。


「真っ正面からじゃ勝ち目ないって・・・覚えてないのかなっ!!」

 バァァンッ!!


 ラリアットを打ち込もうとするミリアムに対し、ピアーチは両腕を大きく広げたまま真正面から飛び込んでいく。パワー自慢の両者が真正面からぶつかり合い、打ち負けたのはもともとパワーで劣り、チョークスラムのダメージが残るミリアムだった。


「あぐうぅっ!!つ、強・・・・・・で、も・・・負けてたまるか・・・!!」


 まるでダンプカーに衝突したように吹き飛ばされ、マットを転がるミリアム。だが、これでダウンするほどミリアムも軟ではない。が、ミリアムが立ち上がるよりもピアーチが捕まえる方が早かった。膝立ちになったミリアムを捕まえ、そのまま一気にがぶりの体勢から持ち上げ、肩の上に担ぎ上げていく。


「負けてたまるかぁ?いいねっ!!もっと頑張ってもらわないと楽しめないよっ!!」

「あぐぁ!!ぎぃっ!!せっ!!背骨ぇっ!!折れぇっ!!」


 カナディアンバックブリーカーの体勢でミリアムを捕まえたピアーチ。そのまま大きく腰を上下させると、それにつられてミリアムの体が大きく揺さぶられる。本来ただの痛め技だが、ピアーチの体格とパワーで繰り出せば、掛けられた相手の背骨をへし折りかねない決め技となる。ミリアムも必死に耐えるが、ピアーチの足腰は消耗の気配を見せず、次第にミリアムの体が大きく反り返っていく。これが続けばミリアムの背骨がへし折られてしまう。


「も・・・・・・もうやめてぇっ!!ミリィは限界よ!!」


 リングサイドでミリアムを見守っていた雫もこれ以上は無理だと必死に訴えるがピアーチは雫の懇願を気にもせず、さらにミリアムの体を揺さぶっていく。


「やめてって・・・言ってるでしょう!!いい加減にしなさい・・・!!!」


 これ以上は我慢できないと、リングサイドにいた雫が飛び込みピアーチに食って掛かっていく。だが、雫のボディに残るダメージは重く、ピアーチにしがみつくのが精いっぱい。


「これって・・・乱入って言うんだよね?プロレスはちょっと勉強したからわかるよぉ?で・・・これって反則なんだよね?じゃあ、私が善玉なんだぁ!!」


 ミリアムはもう声も出せず、雫が必死に組み付くもピアーチは気にした様子も見せない。それどころか、何かのスイッチが入った様子で口元が大きく笑みの形に歪む。


「正義の側なんだから・・・悪い子たちに何しても正義だよ、ねぇ?」


 雫がしがみつく左足が大きく振られ、ろくに体に力を込められない雫がマットに投げ出された。昨日、リョナの鐘で痛めつけられた腹部に痛みが走り、雫の顔が歪む。


「お仕置き、だよぉっ!!」


 そこへ飛び込んでいくのはカナディアンバックブリーカーで攻めつけていたミリアムの体!パワーボムの要領でミリアムの体がボディに打ち込まれ、雫が大きく口を開いて体をそり返させる。


 ドポォッ!!

「おげ・・・!!げ・・・!!えおぉ・・・・・・!!」

「し・・・ずくぅ・・・・・・相手・・・私よ・・・・・・」


 自分の上に乗ったままのミリアムを押しのけることもできず、マットに倒れた雫が悶絶する。自分の体を凶器にされ、親友を攻撃された怒りに燃えるミリアムがすぐに体を起こすが、散々責めつけられた体は力を込められず、背骨の痛みにすぐ蹲ってしまう。


「ほらほらぁ!!どうしたのかなぁ!!もっと頑張んないと・・・雫が大変なことになっちゃうよぉ!!」


 ピアーチは怒りに燃えるミリアムを蹴り倒し、またしても雫の上にミリアムの体が乗ることに。ボディの痛みにあえぐ雫にこれ以上好きにさせるわけにはいかないと、気力を振り絞るがピアーチとの実力差は気力でどうにかできるものではない。音を立ててピアーチの足がミリアムの胸に踏み下ろされ、その荷重が雫のボディへとかかる。


「ぐへっ!!」

「あおおぉぉぉ・・・・・・!!」


 ミリアムを助けるどころか自分まで標的となってしまった雫に観客からの歓声が上がり、それにこたえるようにさらに体重をかけてミリアムの胸を踏みにじるピアーチ。


「ほらほら、3カウントたっぷり入ってるんじゃないのぉ?それともプロレスのリングじゃないから何でもないのかなぁ?」


 すでに試合は決着を見せており、まだ終わっていないのはピアーチがその気になっていないだけ。二人そろって踏みにじられる光景を観客はあざ笑いながら楽しみ、会場がいい感じに盛り上がる。


『お楽しみのところではありますが、ここで新年のイベントを行わせていただきます!!』


 ここから先、ピアーチがどう二人を甚振るのか、観客が期待を募らせたところへ水を差すアナウンス。ブーイングが飛ぶ中、イベントの内容が流される。


『大晦日ということで昨日はリョナの鐘を鳴らしていただきましたが、新春といえば餅つきです!!乱入のペナルティとして、ランページ・ヴィーナスの二人の餅つき大会を行わせていただきます!!列に並んでいただき、一人一回!!さあ、お並びください!!』


 観客は昨日に引き続いてのイベントに沸き上がる中、一人不満を隠さないのはここからどう二人を甚振ろうかと考えていたピアーチ。運営はうまくピアーチに再戦を約束し、何とかうまく退場してもらったが、残された雫とミリアムは仰向けに捕らえられたままバストを露出させられ、観客のパンチに胸が青黒くはれ上がるまで殴り続けられるのだった。


            SS提供:遊馬様
            本当にいつもありがとうございます!
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特別EXマッチ 月嶋雫 vs ローズ

雫さんs2   クイーンs

月嶋 雫
身長162cm 体重50kg 3サイズ B92 W58 H89 年齢:22歳
試合コス:青と白ベースの試合用レオタード

ローズ オーナー:地下闘技場運営委員会 ?勝?敗 クイーン
身長151cm 体重40kg 3サイズ:B77 W52 H83 年齢:15歳
試合コス:白スクに白いブーツ。外側黒、内側が赤いマントは取り外し可能


 鮮血に染まったアンダーグラウンドの闘いの場であるカースドエンジェル号。その中で今最も人気が高いのは美女プロレスラータッグ、ランページ・ヴィーナスの片割れである月嶋雫だ。その体躯からは想像もできないほど頑丈な体と、回復力の高さでどんな負傷をしても次の試合に後を引かず、何よりもどんな相手であっても怯えずに立ち向かい、轟沈させられる姿に注目度が高い。そして今日の対戦相手は対戦当日どころか対戦直前となる今となってもⅩのまま明かされず、いったい誰が雫の対戦相手となるのか観客が焦れる中、青のカクテルライトが場内を乱舞する。


『おぉっ、来たぞ!!』

『今日もいいやられ姿見せてくれよー!!』


 雫の入場に観客が大きな歓声を上げる中、和風レオタードに身を包んだ雫が姿を現す。豊かな胸をきわどく露出させるレオタードに観客の視線が集中する中、雫は臆することなく自分やタッグパートナーのミリアムの血が染みついたリングへと駆け上がった。そのまま髪を後ろに束ねる簪を抜き取り、艶やかな黒髪を後ろに流す。
 ただ立つだけで視線を集める雫に観客の声が上がる中、突如ライトが消されて真っ暗となる会場。観客がざわつく中、流れてきたのはリヒャルト・シュトラウス作曲の交響詩、「ツァラトゥストラはかく語りき」。


『お、おい・・・この入場曲・・・・・・』

『ひょっとして、クイーンか!?』


 入場曲が流されただけで大きくどよめく観客たち。そして雫と反対側へと目を向けるとそこに赤のカクテルライトが集中する。そこから姿を現したのは観客が予想した通り黒いマントに身を包み、白いスクール水着を着用した華奢な少女。コスチュームから覗く肌に金属のような銀色の鱗を浮かべ、般若の面で顔を隠す姿を確認した観客がどよめき声を上げる。


『本気か!?さすがの月嶋も死んじまうんじゃ・・・!?』

『いや、でもこの対戦は見たい・・・!!』


 この会場で戸惑っているのは青コーナーに立つ雫ただ一人。これまでタッグ戦で見たことのない選手と観客の反応にどう反応すればいいのかわからないまま対角コーナーに立った相手を見るが、リングに降り立ち仮面を放り投げた相手はどう見ても高校生より上には見えない。もちろん外見だけで実力を測れないのは雫もこのカースドエンジェル号で散々思い知らされている。それでも綺麗な金髪に真紅の瞳、そして露わになった顔にも銀色の鱗が張り付き、まるでファンタジー作品に登場する亜人のような印象を雫に与える。
 そんな雫の戸惑いをまったく気にしないかのように無邪気な笑顔を浮かべ、マイクを手に取って雫に話しかけるクイーン。


「こんにちわー!ここでクイーンをやってますローズって言います!初めましてですね!プロレスラーと闘うなんて初めてだからすっごく楽しみだったんですよ!」


 戸惑う雫へと人懐っこく笑いかけるクイーン・ローズに素直な雫は思わずお辞儀を返していく。いつもなら雫に野次を飛ばす観客たちだが、ここではむしろ静か・・・というよりも、まるで養豚場の豚でも見るかのような目を向けている。“かわいそうだけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね”という感じの確実な未来が来ることを確信している目だ。


「え、ええ。いい試合にしましょう・・・っ!!」


 満面の笑みで握手を求めるローズに対し、雫も右手を差し出して握手しあう。見目麗しい女性と少女の友好的な握手としか見えない光景だが、握手しあった瞬間に雫の背筋にすさまじいまでの悪寒が走った。思わず握手した腕を振りほどき、距離をとる雫。


「な、何なの・・・!?」

「え、え~・・・?何か変なことしちゃった?」


 雫の体を突き動かしたのは生存本能。自分よりも強い相手と闘うことの多かった雫が無意識のうちに感じ取ったローズとの格差が、理屈抜きで雫を突き動かしたのだ。血相を変えて構えをとる雫にしょんぼりした様子を隠さないローズ。その仕草からは外見通りの少女としか見えないが、雫も観客たちもその姿に緊張を解こうとしない。


『それではこれより・・・特別EXマッチ!!月嶋雫vsローズを始めます!!』

 カーーーーン!!!!


 打ち鳴らされる試合開始のゴング。
 油断なく構えた雫は先手を取ろうと右足を前に・・・。


「よいしょっ!!」

「っ!!?」

 バキィッ!!


 一瞬もローズから気をそらさなかったはずの雫の目の前にはローズの姿が。驚愕に思考を真っ白にしながらも本能的に腕をガードに回そうとした雫の腕が真下から弾き飛ばされ、何もわからないまま雫の顎が蹴り上げられる。華奢な体格とはいえ、成人女性の雫の体が軽々と空中へと蹴り上げられるほどの一撃。観客がわかっていた、というように息を漏らす中、空中で身動きの取れない雫に襲い掛かる重力や慣性を無視しているとしか思えないローズの追撃。この場にあるのはリングとリングロープのみ。だというのに360度すべてから襲い掛かってくるローズの攻撃に、雫は反応すらできないまま白い肌に痛々しい痣を刻まれていく。


「あぁ・・・!?ぐぎいぃぃ・・・・・・!?」


 反応できていないのは当の対戦者である雫だけではない。離れた場所から見ている観客ですらローズの動きをとらえられず、まるで雫が竜巻に飲み込まれているようにしか思えない。
 かつてローズの対戦をその目で見たことのある観客ですらその動きは全く捉えられない中、360度全方位から攻撃を受け続ける雫の体が空中で回転を速めていく。このままマットへ墜落してKOかと観客が予想するが、ここで雫が魅せる。


「・・・簡、単・・・には・・・やられない・・・・・・!!」

「ほえ?掴んだ?・・・・・・すっごーーーい!!」


 何とここでこれまでの対戦者が反応もできなかったローズの攻撃にさらされ続けた雫がローズの右腕をつかんだのだ。その勢いに振り回されながらもつかんだ手を離さずにここでローズをグラウンドへ道連れにしようとする。


「絶対に逃がさない!!私と一緒に墜ちてもらうわよ!!」


 決死の表情でローズにしがみつこうとする雫。だが、雫の目の前のローズは歓喜の表情をとったまま抵抗せずに引き込まれていく。このまま雫もろともリングへと錐揉みしながら激突するかと思われたが、観客も雫も、ローズをあまりに理解していなかった。


「大したことないなって思ってたけど・・・これなら大丈夫かなっ!?」


 まるで玩具をプレゼントされた子供のように無邪気な笑みをこぼすローズ。その表情に雫が背筋を凍り付かせた瞬間雫のボディへとすさまじい衝撃が襲い掛かった。


 ドポォッ!!

「おごぉ・・・・・・!!」


 いったいどういう身体能力なのか。錐揉みしながら落下する中、ローズが振り上げた右足が雫のみぞおちを蹴り抜いて上空高く飛び上がらせたのだ。力を込めていたはずの雫の腹筋をものともせず内臓を蹂躙し、大きく開いた口から胃液をまき散らしながら空中高く舞い上がった雫が頭を下にして落下してくる。


「一度これやってみたかったんだよね。確か、こう・・・!!」


 危うげなくマットに着地したローズと、ローズを追うように落下してくる雫。見上げるローズの目が愉しそうにゆがんだ次の瞬間、マットを蹴りつけたローズが落下してくる雫の頭部に合わせ、頭突きを打ち込み再び雫を空中へと跳ね上げていった。


 ガツーン!!

「あぎぃ・・・!!」


 重力による加速と、重力を無視できるほどのローズの脚力。それらが相乗し、頭突きを打ち込まれた雫の頭部がぱっくりと割れた。上空へとはじき上げられる雫の頭部からこぼれる流血が周囲へと飛び散り、会場を赤いバラが撒かれるように彩っていく。


『んな、ばかな・・・!!』

『あんな漫画の技が現実にできる・・・夢見てるんじゃないよな!?』


 キン肉マンスーパーフェニックスのマッスルリベンジャーのプレリュードのように何度も雫の頭部をかち上げて空中高く運んでいくローズ。漫画でしか見られないと思っていた技を現実に見ることで観客があっけにとられる中、十分な高度に達したと判断したローズが雫を捕まえる。


「・・・・・・あ、ぁ・・・・・・」

「えーっと、確かこうだった!!」


 上下逆さになっていた雫の両腕をつかみ、自分が上昇する勢いを利用して雫の体を上下正しく戻すローズ。明らかに想像していた技と違うムーブに観客がざわつく中、ローズは雫の両腕を首の後ろへと回させ、頭部を前に押し出させると同時に自分の右足を雫の首に、そして左足を雫の左足で絡めて荒々しい関節技でがっちり固めていく。


『リベンジャーじゃない!!あれは・・・!!』

『マッスル・・・いや、アロガントスパークか!?』

『あの殺戮技をこの目で実際に見られるなんて・・・!!』


 ミシィ・・・グギ、グギ、バキィ・・・!!

「ぐごほ・・・!!」


 雫の全身が引き絞られ、濁った悲鳴が弱弱しく上がる。筋組織が破断し、靱帯が悲鳴を上げ、骨があまりの負担に軋みを上げる音がはっきりと観客席に聞こえるほどの苛烈・残忍・残酷な大技。血を吐き、限界を超えた負荷に雫の目が裏返るが、これはまだ前半に過ぎない。


「これで・・・終わりだよっ!!!!」


 脱力した雫の両腕を捕まえたまま足を離し、雫をうつぶせに、そして背中合わせになるように空中で体勢を変えるローズ。雫の両足に自分の両足を絡め、両肩をねじ上げながら自分はブリッジしていく。


『あれ、死ぬんじゃないのか!?』

『止めた方が・・・!!』

『もう間に合わねぇよ!!』


 観客がざわつく中、完璧に雫の体を拘束したローズが空を切る音を立てながらリングへと落下していく。あまりのスピードに雫の首が窮屈な体勢のままのけぞっていき・・・。


 ガガアァァン!!!!

「・・・・・・がはぁ・・・」


 マットに体の全面からめり込む雫。静まり返る会場の中、ゆっくりと立ち上がるローズの背後で四肢を捻じ曲げられた雫が血を吐きそのまま動かなくなる。ローズの周囲は雫の頭部からまき散らされた血と口から吐き出された血でバラの花を敷き詰めたように真っ赤に染まり、その中で一本だけ純白のバラが残る。


「ちょっとやりすぎちゃったかも・・・でも、まだ生きてるんだ。・・・ちぇー、殺意の籠め方が足りなかったのかなぁ?」


 むしろ死んでいないのが不思議なほどのダメージを受け、それでもまだ息のある雫に少し不満そうに顔をしかめるローズ。もしも雫が死亡していても同じように軽く流すのだろう、その姿に観客が恐怖する中、般若の面をかぶりなおしたローズが場外へと飛び降りて退場していく。


「クイーンってのも結構退屈なんだよね~。雫ちゃんは気に入ったからもしもう一度やるって決まったらまた遊ぼうね~♪」


 軽い足取りで退場していくローズからなるべく距離を取ろうと観客が離れる中、CAの集中医療室に運び込まれた雫は絶対安静と診断され、全快してもしばらく悪夢にうなされるのだった。


4分59秒
winner ローズ
loser  月嶋 雫(アロガントスパーク)


                      SS提供:遊馬様
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とりあえず広告消去のみにて。
最近主催が公私とも忙しく、更新が滞っていて本当に申し訳ないです…。

下位第1試合 ランページ・ヴィーナス vs 蒼黒の第五元素(1/2)

雫さんs2ミリアムs2   涼子さんs芽依さんs


ランページ・ヴィーナス  オーナー:遊馬氏
月嶋 雫
身長162cm 体重50kg 3サイズ B92 W58 H89 年齢:22歳
試合コス:袖の長い白と青の、和風レオタ的なコスチューム
ミリアム・梨沙・シンクレア
身長173cm 体重63kg 3サイズ B93 W56 H86 年齢:23歳
試合コス:白いフリルをあしらった赤色のレオタード

蒼黒の第五元素  オーナー:T財団保安部警護課所属氏
古江 涼子
身長163cm 体重53kg 3サイズ B91G W57 H87 年齢:20歳(自己申告)
試合コス:和服アレンジっぽい上着にプリーツスカート、二―ソックス
片桐 芽依
身長155cm 体重45kg 3サイズ B73A W55 H83 年齢:16歳
試合コス:チャイナっぽい意匠の入った上着にプリーツスカート、二―ソックス



さてここからは場内の雰囲気も一変、負けた方が処分へと近づく逆トーナメント形式となる。当然贔屓のチームが勝つよう応援する観客などいるはずもなく、8チームのうちどこが最後まで転落するのか、という話題で持ちきりであった。
とはいえこの第1試合は、いわば両チームともベビーフェイスというカード。どちらが勝つにせよクリーンな内容になるであろうことは間違いなく、甲斐姉妹や真理亜さんの暴虐ぶりを見せられた後となっては、やや盛り上がりに欠けるのも仕方のないところか。

「抽選の結果とはいえ、こいつらはもっと凶悪な相手にボコられるところが見たかったがなー。ここでどっちかが消えちまうってのは、あまりにも惜しくねーか?」
「まあその辺りは、エキシビジョンに期待しましょう。お互い下位とはいえ技量は確かなチームですし、たまには格闘マニアな視点での観戦もいいものですよ」
「だがぶっちゃけ、4人とも甘ちゃんだからなぁー。気ぃ使って手ェ抜いたりしたら、承知しねえぞコラァー!!」

などと、観客からすれば好き放題言えるわけだが。リングに立つ本人達にとっては、もはや一戦一戦が命懸けと言っていい試合。言われるまでもなく、手を抜ける余裕などあろうはずもない。
なお蒼黒は、公式としてはこの試合よりコスチュームを変更。涼子はやや着物めいた、芽依は中華風の意匠をあしらった上着に、短めのプリーツスカートと二―ソックスという出で立ちで臨んでいたりする。
…数日前、そのコスのお披露目も兼ねたチャイルディッシュとのエキシビジョンでは、真理亜に弄ばれ惨敗という結果に終わってしまったのだが。その試合の模様は、またの機会に。

無論観戦していた客からは容赦のない野次が飛ぶものの、もとより普段からマイペースな涼子。気にせずストレッチに勤しむところへ、ヴォイドさんがニヤニヤしながら話しかける。

「以前の防弾防刃スーツだって、ルール的にゃー別に問題なかったんだがな。クレームを気にするようなタチでもねーだろーし、どういう心境の変化だい?」

「…防具があっては、そこに油断甘えが生じますの。予選で勝ち切れなかったのは、そういう背水の覚悟が足りなかったせいだと思いまして。
自ら窮鼠と化した今の私は、まさに涼子オブクラウド! 秘孔を突かれてもクソバカヤロウと言える気がしますの!」

「…あたしは全然なんとも思ってないけど、怪我しない方が大事だから反対したんだけどね。言い出したら聞かないからこのおっぱい」

その横で溜息をつく芽依。相変わらずツンデレ全開というか、もはやその枕詞に意味はあるのか。

「つってもお前は我の拳の使い手じゃねーんだし、その理論が当てはまるかは微妙な気はするが…ま、一理あるっちゃあるか。
あんまり真希子さんにも心配かけんなよー」

「お気遣いどうもですのー」

解説と闘士がこんな会話していいのかという気もするが、ヴォイドさんなので仕方ない。もちろん隣のローズさんにたしなめられはしたが。

「さあ、ここまで1勝2敗、予選では惜しい試合も目立ちました両チーム! まずはここで値千金の白星を挙げ、最悪の結末を回避するのは、心機一転した蒼黒の第五元素か! はたまた、ガッツには定評のあるランページ・ヴィーナスか!
お互いの先発、涼子さんと雫さんの準備も整い……今ゴングです!!」

「行きますの!」

「今度は、絶対に勝つっ!」

「両者とも一直線にコーナーを駆け出し、正面から相対! 先に仕掛けたのは雫さん、涼子さんの腕を手繰ってアームホイップ!
しかし上手く腕を畳んで防いだ涼子さん、至近距離からの掌打で反撃! これはいい感じで入りましたか? 雫さんの顔が歪みますが、この程度で怯むレスラーではない! 距離が空いたことで一旦後ろへ助走、ロープの反動も利用し、思い切り身体を捻ってのスピニングバックナックル!
モーションが大きい分ガードは間に合いましたが…それでも涼子さん、腕が痺れすぐには上がらない模様! それを見た雫さん、当然もう一発…おっと? しかし足は動く! 同じ手は食わんとばかりに、突き上げた膝がカウンターでお腹へと入りました!
さすがに雫さんの腰が落ちるも、ただでは転びませんこの人は! 今のはかなり効いたはずですが、そのまま涼子さんの足を抱え、キャプチュードへと持ち込むこの根性! 豪快なブリッジと共に、涼子さん背中から投げ捨てられました―――!!」

「いや、一瞬早く自分から飛んで、タイミングをずらしやがったな。受け身も完璧だったし、見た目ほどのダメージはねーぞ」

ローズさんの早口な実況をBGMに、小細工などほとんど考えず序盤から一歩も退かない攻防を繰り返す2人! 雫の繰り出すプロレス特有のダイナミックな動きも相まって、開始前はぐだぐだ言ってた観客達も、いつしかその視線はリング内へ釘付けになりつつあった。
…もちろん、激しく揺れ動く4つの膨らみに目を奪われてる人も少なくはないわけだが。

「侮ってたつもりはなかったですが、思った以上にやるですのね。そのタフネス、なかなかに厄介ですの」

「そっちこそ…あのキャプチュードの威力を綺麗に殺せるなんて、本職のレスラーでもそうはできないわよ。
できれば、ここ以外のところで闘いたかったわね…!」

「同感ですの。ですが、それと勝負は別ですのよ!」

「分かってるわ!」

予想できたこととはいえ、この爽やかさたるや。
その後も両者まったく譲らず、互角のぶつかり合いがしばらくの間続けられるが…的確なガードと受け身で致命打を避ける涼子と、打たれながらも前に出て押し切ろうとする雫。スタミナで勝るとはいえダメージの蓄積自体は明らかに雫の方が上であり、その動きが鈍るにつれ徐々に均衡も崩れ始めてきた。

「うっ、ぐ……まだまだっ!」

「あなたの動きは見切りましたの! そのモーションの大きい技は、そうそう食らいませんの!」

「シズクっ!」

(…っ、せめて、もう少しっ…!)

雫としてはミリアムと代わる前に、できるだけ涼子の消耗を誘い、その守りに綻びを作りたかったところだが。いかんせん攻撃がことごとく捌かれるこの状況、意地を張り続けるにも限界があった。

「何とか組み合ってボディスラムに持ち込もうとする雫さんですが、これはバレバレか!? 涼子さん、雫さんの手首を掴んで投げさせません!
そしてそのまま後ろに回るや、逆方向に捻り上げ…っと、しかしここでミリアムさんがカット!」

「シズクの悪い癖だよ! あたしがいるんだから、無理しすぎない!」

「ごめんっ…!」

さすがにジリ貧なのを、漫然と見ていられるミリアムではなかったか。ショルダータックルで突っ込み涼子の体勢を崩すや、即座にタッチ!

「次は、あたしが相手よっ!」

「いい連携ですの! ですが!」

そして雫が休む時間を作るべく、間髪入れずにショートレンジ式のラリアットを涼子の首元へと叩き込む! が、ガードごと薙ぎ倒すつもりだったその一撃に対し、涼子はスウェーという行動を選択!
不意を突かれたのはミリアム、絶妙のタイミングでかわされたこともあり、逆に大きく前方へつんのめる格好となった。

「まさかっ!?」

「クラヴ・マガ、舐めないでほしいですの! 芽依さんっ!」

「オッケー!!」

蒼黒もランページも、ややスタイルは違えど繋ぎ役とアタッカー、2人の役割がはっきりしたチーム。ゆえに早い段階でアタッカーたるミリアムを落とせれば、決め手を欠く状態になるであろうことは、涼子も芽依も事前の打ち合わせで確認していた。
そしてこの状況は、そのプランを実行するまたとないチャンス! 涼子の合図を受け、機を窺っていた芽依もすぐさまリングへ突入する!

「落ちろっ―――!!」

「カトンボ! ですの!!」

避けようのない体勢のミリアムを前後から挟み、同時に放たれるしなやかなハイキック! 蒼黒得意のコンビネーション、クロス延髄である!

「つあっっ!?」

しかし、コンマ数秒前までミリアムの白い首のあった空間には、翻る金髪のサイドテールが残るのみ! まさかここからダックされるとは夢にも思わず、勢いの止められない蒼黒2人のハイは、そのまま交差し互いの足首を打ち合う結果となってしまった。

「これはまだリングに残っていた雫さんのナイスフォロー! 咄嗟にミリアムさんの下半身を抱え、バランスを戻して間一髪、渾身のツープラトンをかわしました!
逆に大きな隙を晒してしまったのは蒼黒! 体勢を立て直すより早く、ミリアムさん立ち上がりながらのダブルラリアットが炸裂!! 
さらに弾き飛ばされた芽依さんに向け、雫さんがダイビングボディプレスで追い討ちをかける―――!!」

もとより研究熱心な雫、相手チームの戦略を入念に分析していたのは、蒼黒だけではない。
チャンスと見れば思い切りよくツープラトンを仕掛けてくる、そのスタイルは織り込み済み。これは何度も動画を見直し、あらゆるパターンへの対策を身体に染み込ませていた、ランページの練習あっての反撃と言えるだろう。

守備技術の高い涼子はこの状況でもしっかりラリアットをガードしていたが、反応の間に合わなかった芽依はそうはいかなかった。
完全に雫とマットとの間でサンドイッチにされては、柔らかそうな雫の身体であってもかなりの圧力を受けた模様。苦しげに咳き込んで、顔面にのしかかる92cmのおっぱいを睨みつける。

「覚えてなさいよ! 3日後100倍だからね!!」

…肉体より精神へのダメージの方が、大きかっただろうか73cmAカップ。

下位第1試合 ランページ・ヴィーナス vs 蒼黒の第五元素(2/2)


「序盤の綱引きのような展開から一転! わずか数秒の間に、ピンチとチャンスが目まぐるしく入れ替わった両チームですが!
この見応えのあるツープラトン合戦を制したのはランページ・ヴィーナス! 出た途端にダメージを負ってしまった芽依さんが下がり、リング上は再びミリアムさんvs涼子さんという構図に戻ります!」

「あーもーカッコわるっ……借りは作りたくなかったけど、5分だけ時間稼いで涼子!」

「お安い御用ですの! 5分と言わず、このまま私1人で倒してしまいますの!」

「そうそう、思い通りにはさせないよっ!!」

芽依を気遣い、強気な姿勢を保ったままの涼子ではあったが。実際今のツープラトンは、蒼黒に傾きかけていた流れを一気にランページ側へと引き戻した。
これで勢いに乗ったミリアムは、ガードの上からでもお構いなしにラリアットとアックスボンバーを連打! さすがに今度はリスクの高いスウェーを試みる余裕もなく、涼子は亀のように丸まり防御に徹するしか選択肢はなくなる。

しかし、ここまで雫と互角の勝負を演じ、ミリアムの攻撃をも凌いできた涼子。クリーンヒットこそもらってないが決して無傷というわけではなく、また息もかなり上がってきたのは傍目にも明らかだった。
そしてミリアムとて、アメリカのリングでは名の知られたパワーファイター。そのラッシュの前にかろうじて急所は守っているものの、コーナーに詰められてからは反撃すらままならない状況が続く。もはや力ずくでガードをこじ開けられるのは、時間の問題かと思われた。

(いけるっ…! このまま押し切って、あたし達が勝つっ……!!)

…だが! この圧倒的にミリアム優位な状況から、3分が経過! 
ラリアットを受け続けた涼子の腕は真っ赤に腫れ上がり、いまだミリアムも手は休めず局面は一切変わっていない。しかしそれは言い換えれば、フィニッシュだけは絶対に阻止されているということでもあった。

「…ちょっとミリアムさんにも、焦りが見えてきましたか? あと一歩というところなんですが、ホント直撃だけはもらいませんねー涼子さん」

「どれだけパワーがあろうと、攻撃自体は直線的、悪く言や馬鹿正直だからな。雫ともども、この辺がベビーフェイスのつらいところかね。
ルール違反だが芽依の方狙うとかして、もっと揺さぶりをかけてもいいと思うんだがなー」

「まあダーティな手段を使わないのは、本人達の性格もあるでしょう。ただ揺さぶりという点はランページも考えてましたか、ここで再び雫さんにスイッチ! 打撃から投げ技での攻勢に切り替えます!
しかし涼子さん、これも凌ぐ!!」

もとより序盤で雫の手の内は見切っている涼子、目先の相手が変わったところで動じるような要素はない。
だが雫もそれは分かっていたこと。ミリアムとアイコンタクトを交わし、すぐに次の動きへ移る!

「これは…ミリアムさんロープ際まで下がったかと思いきや! そこからリバウンドを使い、一気に加速して折り返す! スイッチしたのはこのためでしたか!!
今までとは一味違う、助走をつけた渾身のアックスボンバ―――!!」

「ぐううッ……!!」

涼子とてミリアムから目を切っていたわけではない。十字ブロックで喉だけは死守したが、それでも下から突き上げる重い衝撃に、両足が一瞬宙に浮いた。
そしてランページが狙っていたのは、まさにそのタイミング! ガード中に後ろへ回り込んでいた雫が、涼子の腋に頭を差し込み、腰と太ももを抱え上げる!

「っ!? 見事、ですのっ…!」

「息の合ったコンビネーションで、ついに涼子さんの守りを崩しましたランページ! ここでプロレスの基礎とも呼べる技、バックドロップ―――!!」

観念したかのように瞳を閉じた涼子に、雫もミリアムも半ばフィニッシュを確信した。…だがそれは、ぎりぎりまでパートナーの動きを悟らせないための涼子の罠!

「ジャスト5分っ! 待たせたわね涼子!!」

その表情が諦めではなく、信頼によるものだったと気付いた時にはすでに遅し。矢のように飛び込んできた芽依は、側転を加えライノホーンめいた飛び蹴りでバックドロップをカット! マットに落ちようとする涼子を、お姫様抱っこで救出する!

「惚れそうですの芽依さん…!」

「でぇい、こんな時に何の冗談よっっ/// とにかく、後はあたしに任せなさいっ!」

顔を赤らめ照れ隠しのようにやや強いタッチを交わすと、涼子を下ろし雫と向き合ってステップを刻む芽依。カポエイラ独特のリズムが、マットを伝わり雫の足元でも反響する。

(くっ…! でも、まだダメージは残ってるはず。この流れを止めるわけにはっ…!)

雫の目算ももっともではあったが、残念ながらそれは希望的観測と言わざるを得なかった。100パーセント涼子を信頼していた芽依は、リング上で何が起ころうと、ひたすら回復のみに専念していたのである。5分というのは決して適当に言った数字ではなく、それだけあれば万全の状態で復帰できる自信あってのことだった。

「ぐふぅっ!? あ゛うっ! はっ……げぶっ!!!」

「まるで試合開始直後のような生きのよさ! 果敢に組み付こうとする雫さんですが、マルテロ、シャーパ、ハーボジアハイア…変幻自在、切れ味抜群の蹴り技の前に、一方的にその豊満な身体が打ち据えられるのみ!
ここへ来て蒼黒側のアタッカー、芽依さんも本領発揮というところでしょうか?」

「涼子が粘った分、4人の中じゃ一番スタミナも残していたからな。逆に雫は、序盤から飛ばし気味だったツケが来ちまった感じか。
…まー芽依のあの攻勢は、個人的な感情も入ってるように見えなくもないがw」

その辺は本人しか知りえないところではあるが。しかしともかく、雫も前に出ようと頑張ってはいるが、足がついていかなくば只のサンドバッグ。太ももや二の腕に青痣を増やしながら、濁った悲鳴を上げる姿にようやく客席も沸き始める。

「はっはっはー! どうした雫ゥ、タフネスが売りじゃなかったのかぁー? そんなザマじゃレスラー失格だぞーwww」
「ほほ…見せパンか下にレオタ着てるのかは分かりませんが、脚を上げるたび白いものがチラチラと…。これはこれでよいコス変更ですわねぇ」
「ちっぱいの怒りは神の怒り! 遠慮はいりません、その無駄な脂肪の塊を叩き潰すのです片桐芽依!!」

試合を控えてる鈴木が混じってた気がするが気のせいだろう。
その盛り上がりを耳にして、不愉快そうに眉をしかめながらも。勝負は別と言わんばかりに棒立ちの雫に背を向けた芽依は、高々とバク宙しながら足の甲を撃ち下ろす! 即ちケニアのJKも使うカポエイラが技、マレットスマッシュ!

「あぐああぁぁ―――ッッ!!!」

「シズクっ!!」

まともに肩を抉った一撃に、ガクンと雫の腰が落ちる! 一旦下がって呼吸を整えていたミリアムだが、当然ここは黙って見ているはずがない。再びアックスボンバーで突撃、2人の間に割って入る!
が、疲労による動きの差はミリアム、そして芽依本人にとっても予想以上に大きかったか。
隙の大きい技だったにも関わらず、すぐさま芽依は体勢を立て直した。そして突っ込んでくるミリアムを、大きく身体を捻っての後ろ回し蹴りで迎え撃つ!

ドゴオオォォォォ―――――ンン!!!

「かはっ……!!」

「おおおおお―――!! 鮮やかにカウンターで入りましたアルマーダ! 芽依さんのカカトが寸分違わずテンプルを撃ち抜き……L字型に曲げたその腕は届かず、スローモーションのように横倒しになりますミリアムさん!
ブロンドの髪をマットに投げ出し、側臥位のまま動きません! これは完全に失神している模様!」

「ミリィっっ!!?」

「っと、恨まないでよね!? こっちだって、ぎりぎりだったんだから!」

「分かってる…あなた達2人とも、真っ向から闘ってくれて感謝するわ。
でも、まだ試合は終わってないわよ!」

「…おっけー。それだけの覚悟がある相手に、手を抜いちゃ逆に失礼か。
最後まで正々堂々、闘おうじゃない!!」

「望むところっ…!!」

満身創痍の身体に鞭打って、1対2となっても諦めずに食い下がる雫! その人並外れた根性に、芽依も感嘆の表情を向けるが…やはりここまでに蓄積した疲労とダメージは深刻だった。
起死回生の空中技すら放つ体力は残っておらず、もはや投げ技をまともに入れるくらいしか、雫の勝ち筋は残されていなかった。だが相手を認め、油断も慢心もしていない芽依が、みすみすその土俵に付き合おうはずもない!

「うぐうっ…くっ! ま、まだまだッ…!」

「ミドルの連打で、足の出ない雫さんを完全に自分の距離に固定しました芽依さん! これだけの蹴りを浴び続けて、なお前進しようとする雫さんも大したものですが…その闘志を断ち切る無情の一撃! 狙いすましたシャーパが、脇腹へと突き刺さりました―――!!」

「げぼおぉぉッッ―――!!!」

シャーパ…空手でいう横蹴りに似た、半身の体勢から足刀部を蹴り出す技である。どれだけ気力で身体を支えていようと、ボロボロになった腹筋を駄目押しと呼べるレベルで貫かれては、限界が訪れるのは必然だった。
吐瀉物と唾液を撒き散らしながら、くの字に折れ曲がった痣だらけの身体が後方へ数歩よろめき…そのままロープにもたれかかって、ずるずると力なく崩れ落ちる。

「……こんなこと言えた立場じゃないのはわかってるけど。絶対生き延びなさいよ、あんた達」

脚を戻し、複雑な表情で呟く芽依だったが。すぐに気を取り直したように、リング外へ転落しないよう雫を助け起こす。

「決着―――――!! 両チームとも持ち前のチームワークを見せつけ合い、二転三転した好勝負でしたが!
最後は涼子さんの粘りが生んだ、芽依さんの立ち直りが明暗を分けましたか! 蒼黒の第五元素、まずは下位トーナメント脱出を果たしました!」

「うお――でもせっかく新コスになったのに、本戦での出番はこれで終わりかよー? もっと見たかったぜ芽依タソの脚線美とか涼子様のおっぱいとか!」
「まあまだ全然消化してない伏線とかもあるし、出番自体はこれからもあるじゃろう多分」
「逆に言えば、これでランページが落ちていく様を見られるんだからな! ジレンマではあるがトーナメントゆえ仕方ないところよ」
「まったくだ、それにしてもざまあないぜ雫! 今回も善戦しながら結局負けちまうあたり、プロレスラーとして何求められてるか分かってんじゃねえかハハハ!」
「気合と根性だけじゃ、どうにもならないっていい加減身に沁みたかなー? まあそれが負けっぷりを引き立たせてくれてるわけだし、次も期待してるよー!」
「ってオイ―――!? 何やってんだ涼子と芽依のヤツ―――!?」

お腹を押さえうずくまった雫や、うつ伏せで失神したままのミリアムをオカズにしようとした観客達が、一様にどよめき始めたのも無理はない。芽依はまだ意識のある雫に肩を貸し、涼子はミリアムを背負って退出しようとしていたのである。
基本敗者はしばらく放置されたままの地下において、これは非常に珍しい光景だった。

「うええっ!? ちょ、待って。コレ許していいんかい運営!?」

「…地下において勝者は絶対、ですの。敗者を好きにしていいんでしたら、こういうのも許されるんじゃないですの?」

涼子もまだ両腕の腫れは引かず、痛々しい姿ではあるが。胸を張り自信に満ちた瞳で真っ向から射抜かれては、ヴォイドさんも大袈裟に腕をひらひらさせ、苦笑いを浮かべざるを得なかったか。

「ま、確かにな。一応ルール的には問題ねーけど、観客の不興買うだけだしあまり賢明とは思えねーぞ?」

「構いませんの。言いたい奴は勝手に言いやがれですの」

その隣の芽依も、涼子の言葉に賛同するように大きく頷く。

「あたしも涼子も、死力を尽くした相手を見世物にする趣味なんかないっての。ましてこんな、憎めない相手じゃね」

後くされのない試合になるであろうことは予想されていたが、さすがにこの結末は予想以上だったか。
そんなわけで、勝者を讃える声も瞬く間に掻き消え。熱戦を闘い抜いた4人は、花道の道中四方八方から容赦ないブーイングに包まれることになる。

だが、涼子も芽依もそんな雑音は気にする様子もなく。雫とミリアムを引き連れ、清々しい表情でリングを後にするのだった。



42分14秒
Winner 蒼黒の第五元素 2勝2敗 
Loser ランページ・ヴィーナス 1勝3敗 下位トーナメント2回戦転落

大晦日EXマッチ 月嶋雫 vs ピアーチ・スィエニーク

雫さんs2   ピアーチs

 C・Aで行われている夢のタッグ編。今日は大晦日ということでエキシビジョンマッチが組まれていた。タッグマッチが続く中、たまにはシングルマッチをという要望で実現したのは先日エキシビジョンタッグマッチで組まれたランページ・ヴィーナスの月嶋雫とギガントヴィエーディマのピアーチ・スィエニークの対戦。
 タッグマッチでは3カウントを奪われた挙句、完全失神KOされてしまう憂き目を見た雫が超巨漢にどう対抗するか、もしくはどんな一方的な展開で屈辱にまみれるのか熱い視線がリングに注がれる中、白と青の和風レオタード姿の雫はわずかに全身が汗ばみ呼吸が乱れない程度に体をほぐし終わり、対戦相手のピアーチと向かい合う。


「よかったぁ!また遊べるなんて思ってなかったよ!」

「・・・・・・確かに前は負けたけど、今日はそうはいかないわよ・・・!」


 ピアーチにとって、雫との試合は試合でも何でもない。前回完膚なきまでに打ちのめされてなお闘志を失っていない極上の生贄を再び蹂躙する機会を得られたことを子供のように喜んでいる。そして観客たちも雫の善戦は望んでいない。根性やしぶとさで群を抜いている雫がピアーチにどう打ちのめされ、無様な姿をさらすのかだけを待ち望んでいる。


 普段は試合前に挨拶の握手を求める雫だったが、ピアーチに対して右手を伸ばせば猛獣に肉を差し出すようなもの。端正な顔を鋭く引き締め、ピアーチに向かいファイティングポーズを構える雫に対し、ピアーチは悠然と仁王立ちになったまま雫の出方と待ち構える。
 身長差は60㎝、体の厚みは比較するのが馬鹿らしくなるほど違うが、雫はいつものように真っ向から勝負を挑む。


 カーーーーン!!!!


「うふふ・・・今日はどうやられたいのかな!前とは違うんだよね?あっさりと壊れちゃったりしないよね!?」

「前みたいにはいかないわよ!!やあああぁぁぁぁっ!!」


 試合開始のゴングが打ち鳴らされ、雫が前に出るのを待ち構えるピアーチと、体勢を低くしてピアーチへと飛び込む雫。雫が間合いに入った瞬間、その巨体からは想像もできないほど俊敏に動き、雫を捕まえようと腕を伸ばすピアーチ。だが、雫の姿はそこにはなく、巨漢に対する基本でもある足への攻撃で低空ドロップキックを打ち込んできている。


 がしぃぃっ!!

「わわっ!?」


 ピアーチの膝へまともに食い込むドロップキック。だが、ピアーチは雫が捕まえられないと悟った瞬間に本能的に足を動かし、膝の関節へのドロップキックの直撃を避けていた。分厚い脚の筋肉によって雫の低空ドロップキックは防がれ、狙っていたダメージは与えられない。だが、一発で流れを持っていけると雫も思っていたわけではなくすぐに立ち上がって次の攻撃に備える。


「いやああぁぁぁぁぁぁっ!!」


 再び飛び込んでくる雫に、また足元へと攻撃が来るのでは、と体勢を低くとるピアーチ。だが、雫の狙いはピアーチの背後のコーナーポスト。ピアーチの脇をすり抜けてコーナーを駆け上がり、コーナートップを蹴りつけて空中で旋回する雫の体。そのままスワンダイブ式ミサイルキックがピアーチへと向けて繰り出された。
 前回の対戦で序盤に繰り出したドロップキックを捕まえられ、痛恨のダメージを受けてしまったが、これだけ気を散らせば当たる、と狙った一撃だ。その一撃は矢のようにピアーチの背中へと飛び込んでいき・・・。


 どかあぁっ!!

「ちょっと気を散らしたぐらいで当たる!なんて思っちゃうかなー!ばっかだよねー!!」


 雫の足が食い込んだのは体勢を崩れさせたピアーチの背中ではなく、準備万端迎え撃つ準備を整えたピアーチの胸元。しっかりと足を踏みしめて受け切る構えをとったピアーチを蹴り飛ばすことはできず、雫の体はわずかな時間、ピアーチの胸元にとどまってしまう。


「えへへへー!前みたいに・・・潰れちゃえっ!!」


 胸元にとどまる雫の両足首をピアーチの右手が掴み、雫の体重などないかのように軽々と振り回す。このまま振り下ろされれば前回と同様、雫がマットに叩き潰されてしまう。


『早くも決まったか~!?』

『今度は誰も助けてくれないぞー!!』


 観客がはやし立てる中、ピアーチが渾身の力で雫をマットに叩きつけようと右腕を振り下ろしていく。雫の長い黒髪が外に向かってたなびき、すさまじい勢いで振り下ろされ・・・その瞬間、雫の足がピアーチの手を振り切り、雫の体は遠心力のままにロープに向って投げ飛ばされて行った。


「そうは・・・させないわよっ!!」

「え・・・うっそー!?」


 普段、反射神経でも特に優れたところのない雫。だが、今回は全く違う。ロープに勢いよく投げ飛ばされた雫の足がロープを踏み、勢いでロープが大きくしなる。そして雫の体はバランスを崩さないままロープの反動を受けて矢のようにピアーチめがけて飛び込んでいった。


「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 どぼぉぉぉっ!!


 まるで砲弾のような勢いで雫の体がピアーチめがけてとびかかり、ボディへと渾身のエルボーが食い込む!肉を抉る重い音が会場に響き、ピアーチの体が倒れこむのを幻視する観客たち。そして雫も、肘から伝わる感覚にピアーチの体がぐらつくのを感じるが、勝利の確信は一瞬で終わってしまった。


 がしぃっ!!

「え・・・き、効いてない、の・・・!!?」


 ボディに飛び込んだ雫の背中にピアーチの胸が載せられ、両腕が細くくびれた腰に巻きつけられる。そのまま有無を言わさない怪力で雫の体が上下逆さに持ち上げられた。


「き、効いた~~~~・・・・・ちょぉっとだけだけど・・・本気出しちゃおうっかな~~~・・・」


 雫の体を捕まえたピアーチの口から響く、重く暗い台詞。これまで遊び半分だったピアーチが先ほどの一撃で完全にスイッチが入ったのだ。


「は、放せ・・・放しなさいっ!!」


 嫌な予感に突き動かされ、体を暴れさせて逃れようとする雫。だが、スイッチの入ったピアーチの腕はびくとも動かず、がっちりと雫の体を捕まえたままピアーチの巨体が空中へと飛び上がった。


「こんな痛いことをするなんて・・・お仕置きしなきゃだめだよね~~~!!」

「あ、ああぁ・・・あぁぁーーーーーっ!!」


 躍り上がったピアーチの体が空中でまるで竜巻のように回転し、それに巻き込まれた雫はなすすべなく振り回される。そのまま雫の脳天がマットへと激突し、空中でねじれる勢いが首にかかって嫌な音を立てた。


 ぐしゃああぁぁぁぁっ!!

「---------っ!!」


 人体が叩きつけられて立ててはいけない音が会場に響き、ピアーチの腕に捕まえられたままの雫の体がヒクヒクと力なく痙攣する。激突の勢いで雫のコスチュームに隠されたバストが大きく揺さぶられ、コスチュームの拘束から抜け出して飛び出しているが、さすがの観客たちもまろび出た雫のバストに集中することができない。
 意識が飛んだか、首を嫌な角度でねじったまま呆然とした表情のまま口元から涎を垂れこぼす雫。不沈艦とも呼ばれるタフネスは一級品の美形プロレスラーが一瞬でマットに沈んだことに対する興奮がピアーチが腕を離して雫の体がマットに崩れ落ちた瞬間に観客の中で爆発。会場は轟々と歓声に揺さぶられる。


『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーっ!!!!』

『おい、月嶋、死んじゃったんじゃないか!?』

『すげえもん見たな!!あれ、スクリューパイルじゃ・・・ゲームの技をこの目で見られるなんて・・・!!』


 ちょっとやりすぎてしまったか、とばつの悪そうな顔をして立ち上がるピアーチ。しかし、その視線の先ではマットに轟沈したかに見えた雫がよろめきながら立ち上がろうとしている。コスチュームの上半身の部分がずれてバストが丸出しとなり、意識が飛んでいるのか虚ろな表情のまま立ち上がると本能的にファイティングポーズを構えた。決して折れない闘志が体を突き動かすのか、ピアーチに向ってよたよたと接近し、エルボーを打ち込んでいく。


 とす・・・とす・・・・・・

「すっごいね!!まさか半分失神してもやる気なんて・・・・・・こんどはちゃーんと手加減しないとね~・・・・・・」


 立ってくるだけでも驚きだが、さらに構えて打ち掛かってくる雫の姿にどよめく観客たち。だが、雫を応援するわけではなく健気に闘おうとする雫がどうなるかを期待する声ばかりだ。


「ほらほら、前だよ、前・・・そうそう、おっと、危ないよ~!」


 しゃにむに前に出ようとする雫の足はふらつき、何もないところで躓いて転びかねない。ピアーチは雫を誘いながらリング中央へと誘い込むと、やにわに両腕を伸ばしてトップレス状態となった雫のバストを鷲掴みにして持ち上げていく。


 ぐにいぃぃぃっ!!

「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」


 ただ掴んだだけではなく、ピアーチの大きな掌が雫のバスト全体をつかみ、指の隙間から乳肉がはみ出すほど強く握りしめられている。雫のバストの頂点がちょうど人差し指と中指の間から飛び出し、実に男性の目に悪い光景だ。
 しかし、雫からすれば女性の急所であるバストをつかまれたまま持ち上げられて地獄の苦痛を味わわされている状態。悲痛な絶叫を上げながら目から涙をこぼし、観客に惨めな姿を見せつけられている。


「新年へのプレゼントだよー!!ふふっ、じっくり見てねー!!見るだけだけどー!!」

『おおおぉっ!!おっぱいハンギングツリー!!』

『実に目に悪い光景だ・・・・・・もうちょっとこっちにも雫を向かせてくれ!!』

『見るだけなんてひどすぎるぞ、ピアーチーーー!!』


 雫が泣き叫ぶ光景に興奮して会場が轟々と歓声で揺らされる中、バストだけで雫を支えるピアーチがリングを練り歩いて雫の姿を見せつける。観客はあっけなく試合自体が終わってしまったが雫の姿にご満悦だ。そうしてゆっくりとリング中央に戻ったピアーチはぐったりとなった雫を肩の上に担ぎ上げ、仰向けにして太ももと顎に手を当てる。


「そーっと、そーっと・・・・・・せぇーのっ!!」

 ぎし、みしみし・・・メキメキメキィ・・・!!

「ぐぎゅ・・・・・・ぶぇ・・・・・・・・・・・・」


 アルゼンチンバックブリーカーで捕らえられ、ピアーチのパワーで背骨を折り曲げられる雫。丸見えとなったバストにはくっきりとおっぱいハンギングツリーの痕が残り、軽くやっているつもりのピアーチが体を上下させるたびに柔らかく上下する。
 濁った悲鳴を上げて苦悶する雫に観客が歓声を上げる中、背骨から悲鳴が上がり、もともとスクリューパイルドライバーでKOされていた雫はあっけなく意識を飛ばしてしまった。大きく見開いた目は白目を剥き、口元から舌を突き出す無様な敗北の姿に観客の歓声がさらに強まる。


『うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

『ピアーチ!!ピアーチ!!ピアーチ!!ピアーチ!!!!』


 連呼されるピアーチの名前。その中で少し不満そうに唇を尖らせたピアーチにスタッフが近づき、失神した雫を受け取ると、リング中央に拘束具のついたチェーンが設置され雫の両手首にはめられた。
 そのまま雫はリング中央で踵が付く程度の高さに釣り上げられる。


『さらし者にするにはずいぶん仕掛けが凝ってるな・・・』

『ん、なんだか番号が・・・』

『こっちにはないぞ。いったい何の余興だ?』


 釣り上げられた雫が気付けを施されて意識を取り戻す中、観客の座席の電光板に番号が浮かび上がる。それは全員ではなく、浮かび上がったところもあれば何も点いていないところも。観客が首をひねる中、場内アナウンスが流れた。


『えー、座席の番号が付いた方は番号に従って係員の指示に従ってお並びください!これよりC・A今年最後のイベント、リョナの鐘を行います!!番号で並んだ方は一人一度、月嶋のボディへのパンチ権が与えられます!!回数はもちろん煩悩の数の108回!!煩悩を洗い流し、来年から再開するタッグトーナメントを迎えましょう!!』

「え・・・・・・な、何なの・・・?そんなの・・・・・・聞いて、ない・・・・・・」


 釣り上げられた雫が自分をこれから待ち受ける地獄に顔を青ざめさせる中、観客の興奮と羨望の声が会場に満ちる。観客の視線は雫の細くくびれたボディに集中し、運よく選ばれた観客は自分の拳を何度も確認して自分の順番を待ちわびている。
 そして上がる、肉を抉るパンチの音。雫はどれほど泣き叫んでも内臓をボロボロにされて吐き出すものがなくなっても容赦されず108回ボディを抉られ、C・Aの新年の幕が開けられたのだった。





                      SS提供:遊馬様
                      新年からありがとうございます!
                      今年もどうか、よろしくお願いいたします。

・エキシビジョンマッチ  ミリアム・梨沙・シンクレア vs 高邑巴子

ミリアムs2   巴子さんs
ミリアム・梨沙・シンクレア
身長173cm 体重63kg 3サイズ B93 W56 H86 年齢:23歳
試合コス:薄いラセットブラウンの試合用レオタード

高邑 巴子
身長181cm 体重72kg 3サイズ B82 W56 H83 年齢:17歳
試合コス:白地の上着に赤い袴の巫女服。袴の形状はスカート型



―――3期終了後、タッグの始まる少し前―――

「ヒャッハァ―――!! マジでミリアム・梨紗・シンクレアだぜオイィ!」
「アメリカのリングで見なくなったと思ったら、何やらかしたんだ一体――!」
「何でもいいさ! 表のクリーンな試合ですら何度も抜いてたんだ俺は!
まさかそれ以上のオカズが手に入るなんて、夢のようだぜ!!」

今まで自分のいたリングとは全く異なる、耳を覆わんばかりの野次の数々に、ミリアムは思わず眉をひそめる。

プロモーターとのトラブルの末、罠にかけられこの地下へと連れ込まれたミリアム。今日はそのお披露目となるデビュー戦であり、もともと表のプロレス界でも知名度のある彼女だけあって、ゴング前から会場は本戦と遜色ない熱気に包まれていた。

と言うかそもそも知らない人間であっても、腰まで伸びた金髪に澄んだブルーの瞳、そして何よりグラビアモデル顔負けの93・56・86という、はちきれんばかりの肉感的なボディ。
そんな美女がこれからルール無用のデスマッチに挑もうというのである。男達はもちろんそっちの趣味のおばさま達も、興奮するなというのは無理な話であろう。

彼女も客層の違いは分かっていたつもりだったが…慣れない毒気をまともに浴びて、不愉快さを隠せるような性格でもない。

「本当に悪趣味な場所ね…。こんなところ一刻も早く抜け出して、あのプロモーターの鼻を明かしてやるんだから」

この試合は公式戦ではないとはいえ、勝ちを積み重ねればそれだけ立場も強くなり、脱出のチャンスも広がるということは聞かされていた。
そしてもちろん鼻を明かす以上に、ミリアムにとって親友の雫と同じリングに立つことは、長い間の悲願。急に連絡が取れなくなったことで心配をかけているのは間違いなく、一刻も早く彼女を安心させるためにも、最初から躓くわけにはいかなかった。

だが……入念にストレッチを繰り返すミリアムの対角線上。対戦相手の高邑巴子は軽く身体をほぐしただけで、あとはコーナーに寄りかかり目を瞑る…フリをして、ミリアムの一挙手一投足をじっくりと観察しているのみ。
なるべく気にしないようにはしながらも、そんな相手にやりにくさを感じるのも仕方のないことだった。

(古武術ね…シズクならもう少し詳しいのかもしれないけど。あたしに馴染みのないスタイルをいきなり当ててきたのも、勝たせる気なんかないってこと?)

ミリアムの同門にも柔道や総合などの経験者はおり、後学のためにその技術を見せてもらうことはあった。また、彼女自身も何度か異種格闘技戦は行っていたが、それはあくまで表のリングでの興行。ここまで未知の相手と闘うのは、初めてと言っていい。

加えてミリアムも女子としては長身の部類に属するものの、巴子はそれをさらに上回る181cm。めったに経験のない見下ろされているという威圧感もまた、内心の不安に拍車をかけていた。

(…っ、うだうだ考えたって始まんないか! こうなったら出たとこ勝負、あたしの力を信じるっきゃない!)

しかしそのもやもやした気持ちを振り払うように、ミリアムは最後に大きく屈伸し、平手で頬を叩いて気合を入れる!
こういういい意味で開き直れるところがミリアムの長所であり、アメリカでも好成績を残してきた所以であった。

「いくよッッ!!」

カ――――――――ン!!!

右腕をグルグル回すと同時にゴングが鳴り、キッと巴子を見据えて前傾姿勢で突撃するミリアム!
まずは最も信頼を寄せる技、アックスボンバーをブチ当て主導権を握る…デビュー戦らしからぬ速攻に、巴子も一瞬、反応が遅れたかに見えた。が、次の瞬間!

「ぢゃッッ!!」

「!!?」

謎の発声と共に巴子の姿が消え、視界一杯に広がる眩しい照明。そして右腕には、重石が絡みつくような違和感!

「飛びつき腕十字と同時に膝で顎を跳ね上げ、そのまま肩へと乗りかかりました巴子さん! 両脚でミリアムさんの頭を挟む、この体勢は――――!!!」

バリイイイィィィンッッ―――――!!!!

…何が起きたのか、ミリアムには理解する暇さえなかった。右腕を捻り上げられたまま巴子の全体重が後頭部へのしかかり、なす術もなく顔面からマットへと激突。
ガラスが粉々に砕け散ったような音が会場内に響き、身体を貫く激痛がようやく神経を伝わり襲ってくる!

「い゛ッ………~~~~~~~~~ッッッ!!!!」

大粒の涙を零し、限界まで口を開いて絶叫を上げようとしたミリアムだったが。痛みのあまりその声は途中でかすれ、マイクに拾われたのは空気を吐き出す音のみだった。

「巴子さん、ルーキーが相手でも一切の容赦なし!! 久しぶりに見せました、古武術が奥義―――!!」

「虎王、完了。…っと」

興奮する実況と周囲の歓声、ボソッと呟いた巴子の声も、もはやミリアムの耳には入ってこない。技は解かれたがいまだ右腕をおかしな方向に突き上げ、マットへ突っ伏したままミリアムは土下座するような姿勢でピクピクと身体を震わせ続ける。

「ぁ゛…………ぁ゛…………」

「…悪いね。やれる時にやっちゃうのが、ここの鉄則。生き延びたいなら、心しておくといい……よっ!!」

もはや闘える状態ではないことは明らかだったが、アドバイスを送りつつもなお気を抜かないところは巴子らしいというか何と言うか。まだ意識があるのを見て取ると、その足袋に包まれた脚を高々と上げ…今度は72kgの体重をカカト一点に集中、ミリアムの肩甲骨を一直線に踏み砕く!

バキイイイイィィィッッッ!!!!

「ぎぃ゛え゛えぇぇぇ~~~~~~ッッッッ!!!!」

…あるいはギブアップを宣言していれば、巴子も止めてくれたかもしれないが。まったく思考の追いついていないミリアムには、そんな発想すら浮かびようもなかったか。

かくして骨の叩き割られる嫌な音がまたしても空気を震わせ、今度はミリアムの悲鳴も最後まで観客の耳に届けられる!
喉の奥から絞り出すようなくぐもった声は、彼女の美貌からは想像もできないものであり…そのギャップもまた、敗者としての情けなさに拍車をかけていた。

「ぇ゛っ……………」

いかに日頃から鍛えているレスラーといえど、右肩を中心に駆け巡った、今まで経験したこともない衝撃。巴子のストンピングはミリアムの身体のみならず、意識をも完膚なきまでに粉砕してしまっていた。
根元を破壊されたことで、重力に従って右腕は人形のようにぱたりと落ち…お尻を突きあげたミリアムの姿勢も徐々に膝が開いて、ガニ股でマットに這いずるような格好となる。

それは誰の目にも、潰れたカエルとしか形容しようがない無様極まる姿だった。レオタードの股間部分が赤からえんじ色に染まり、その下のマットへも水たまりが広がっていったことで、巴子は大きく息を吐いてようやく背中から足をどける。

…そして一瞬の静寂の後、大歓声に包まれるCA特設ホール!

「瞬殺―――!! あっという間の惨劇、恐るべし虎王!!
KOタイムは22秒! 最短試合更新とはなりませんでしたが、改めて古武術の恐ろしさを見せつけ、巴子さん完勝です!!」

「ビール飲む間もなく終わっちまったか――!! 実力差ありすぎたのかもしれんけど、もうちょっと楽しませてほしかったぜ巴子ォ――!!」
「ヒャアッハッハ――ッ!! これよこれ、期待以上の負けっぷりだったぜミリアム! 所詮プロレスで実績あっても、井の中の蛙だったってことがよく分かったかな――?」
「まあ情報がなかったとはいえ、隙あらば折ってくる巴子相手に不用意ではあったけど。巴子も初手からあんな技を使ってくるとはなー」
「場慣れしている巴子ならではの判断じゃったの。ミリアムめもここがどういう世界か思い知ったじゃろうが…くっくっくっ。あの力量で、果たしてこれから渡り合っていけるかの…?」
「ほほ…渡り合えなくっても一向に構いませんわよ。毎回あんな姿を見せてくれるんでしたら…ねぇ?」
「ふうふう……うっ! うへへ…今までのどの試合よりも、たくさん出たよ…!」

早々に巴子が退出し、続いて担架で運ばれようとしている間も、泡を噴いて失神したままの金髪美女を揶揄する声はやまず。
初戦からあまりにも酷な洗礼を浴びせられたミリアムだったが、それもこの地下では日常茶飯事。彼女の地獄は、まだ始まったばかりなのである。



その後もシングルで散々打ちのめされる日々が続いた後、彼女を追ってきた雫と再会。2人でここからの脱出を目指し、タッグへと出場することになるのだが…その話はまた、本戦にて。


22秒
winner 高邑巴子
loser ミリアム・梨沙・シンクレア

下位転落チーム決定


「さー、長いことお待たせしてすみませんでした!
これにて上位1回戦はすべて終了! 告知してました通り、敗れた4チームのうちひとつは、下位トーナメントに回っていただくことになります!」

いまだコーナーの一角に張り付けられたままのあげはとファラーシャの周りで、撮影会は続けられていたが。
ひとしきり喧騒も落ち着いたところでローズさんのアナウンスが流れ、次なる話題に観客もにわかに色めき立つ。

「おおそうだ、あげはタソのおっぱいで抜きすぎてて、すっかり忘れてたよ! つまりはまたこの2人の試合を見れるってこと!?」
「待て待て。1回戦で負けたのは、幸子、ブラックベリー、ギガント、シュメッタリンの4チーム。
抽選会の説明では、一番へちょい試合をしたチームが落ちるって話だったが…?」
「へちょい……うーむ。幸子は相手が相手だっただけに、最後は情けない姿を晒してしまったが。試合自体はどっちが勝ってもおかしくない内容だったからな…」
「月子に大逆転を食らったブラックベリーも、言い換えればそこまで追いつめてはいたわけだし。…あれ? もしかして一番いいところなかったのって、ギガントヴィエーディマ?」
「あ゛ー……あげはも及ばなかったとはいえ、真理亜相手に意地は見せてたからな。うん、ギガントはチェーニのセクハラくらいしか見どころがなかったっつーか」
「それもすぐ切り返されて墓穴を掘りおったし、ピアーチはピアーチで自爆祭りじゃったからのう。これはやむを得んか…」

実際改めて1回戦の4試合を振り返ってみると、他3試合は負けたチームもそれなりに健闘してたのに対し、春夏vsギガントはほぼ一方的と言っていい内容。
へちょい試合という点に照らせば、最も有力なことに間違いはない。しかし顔を見合わせた観客達が、一様に複雑な表情を浮かべたのも無理からぬことだろう。

「下位チームを存分にリョナっていただけるなら、それはそれで面白いんじゃありませんこと?」
「しかし春夏相手にあのザマだったのを考えると、ちょっと不安が…。まあピアーチもでかすぎるだけで顔は悪くないし、調子に乗ってたあの2人が落ちてくのもアリっちゃアリか」
「でも絶頂からの転落って意味じゃ、幸子もここで終わるには惜しいんだよなあ…」
「ブラックベリーやシュメッタリンも、今回負けた後どうなるのか見てみたいしねー。てか、ここで選ばれなかったチームは、もう試合する機会はないんじゃろか運営さん?」

一斉にローズさんへと集まる視線。その疑問ももっともだと言わんばかりに、軽く咳払いして運営の代行者たる彼女は返答する。

「そうですねー。すみませんがトーナメントである以上、進むにつれチームが減ってくのは仕方のないことなので。
除外された3チームもですが、これから行う下位トーナメントで勝ち抜けたチームなども、基本的には以後本戦には参加できず待機という扱いになります。」

「むう…まあ、もとからそういうルールではあったしな。それに今回は時間かかるから試合数少なめってのは、前もって言われてたことではあるが」

「…ただし! それはあくまでトーナメント本戦の話!
各オーナーの働きかけや、その他諸々の事情で突発的に行われるエキシビジョンはその限りではありませんので、待機状態のチームにも出番が回ってくる可能性は十分にありますよー」

「ほほう! ということは……!」

いやらしく口元を吊り上げたおっさん共が、あげは達の方を振り返ったのもさもありなんと言うべきか。
そのあからさまな態度に苦笑いを浮かべつつも、隣に座っていたヴォイドさんが補足する。

「つってもそんなに期待しすぎんな。当たり前だが、優先して進めるのは本戦の方なんだからよ。
一応トーナメントから外れても、そういう形で試合を見られるチャンスはあるっつーことだ」

その説明にややざわついていた観客達も、納得したように頷き議論を再開する。…矢先にあっさり流れを無視して、アナウンスを続けるローズさん。

「はいはーい。ではすみませんが皆さん、一旦お席に戻っていただけますかー。
今日入場時に渡されたペンライトが、お手元にあるかと思います。実はこれ、幸子さんのライブを盛り上げるためだけのものじゃなくてですねー。
それぞれ落ちてほしいと思うチームに対応した色を掲げていただいて、ネット中継、審査員票も合わせた得票数によって、該当チームを決定したいと思います!」

「なるほど、つまりは大晦日のアレみたいなシステムか」
「いや待て、ってことは審査員票の比率がものすごく高いんじゃ…?」

「にへへー。まあ不安もごもっともですが、そこらへんは部外秘ってことで。
じゃあ照明を落としますよー。日本野鳥を擬人化してリョナる会の皆さん、集計よろしくお願いしますー」




………………………




「発表します! 非常に僅差の勝負となりましたが、最も多くの票を集めたのは………」

高揚感を煽るドラムロールが流れ、焦らしに焦らした末電光掲示板にでかでかと表示されるチーム名! その瞬間、悲喜こもごも入り混じった多くの声が、会場内のいたるところで木霊する!

「ギガントヴィエーディマ―――!!!」

「うわーやっぱりか―――!!」
「妥当っちゃ妥当だけど、他の3チームはエキシビジョンに期待かぁー」
「でもダブルエックスとの試合は、楽しみじゃありませんこと? あの馬鹿力でレプリロイドちゃんが壊される様を想像すると…うふふっ」
「そううまくいくかは分からんが、しかし優勝候補と思ってたギガントがなあ…。つくづく一寸先は闇よ、地下ってところは」

カクテルライトが交錯する中、やや自分達から興味が逸れてくれたあげはとファラーシャはもちろんだが。いまだ治療中の幸子とココロ、自室で中継を見ていたブラックベリーの2人も、内心ほっと胸を撫で下ろすのだった。
…もちろん、下位落ちによる処分の可能性がなくなっただけで、この先彼女達がどうなるのかは誰にも分からないのだが。

「それでは、下位1回戦のカードもすべて決まりましたところで、本日の日程はすべて終了となります!
引き続き明日より行われます下位トーナメントも、どうかご期待ください! 実況は私ローズ、解説はヴォイドさんでお送りしましたー!」



なおスタッフが撤収した後も、真理亜さんの望み通りシュメッタリンの2人は一晩に渡って放置されたままなわけで。
ほとんどの観客は存分に撮影し満足して帰ったものの、一部の熱烈なファンは泊まり込みを決行。
外気に晒され冷えた身体が、それだけの長い時間尿意に耐えられるはずもなく…JSおもらしショーを酒の肴にして盛り上がりながら、CAの長い夜は更けていくのだった。

第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(1/5)

あげファラ   真理亜s春日s

ツヴァイシュメッタリン  オーナー:asa氏
ファラーシャ・アル=ウルジュワーン
身長152cm 体重41kg 3サイズ B73(Bカップ)W47 H76 年齢:12歳
試合コス:アラビアンダンサーめいた衣装。露出度はかなり高い。
藍翅あげは
身長142cm 体重41kg 3サイズ B82(Fカップ)W52 H78 年齢:11歳
試合コス:ファラーシャとお揃いのきわどい衣装。青ビキニ状の上下に、四肢はシースルーの生地。

The Childish  オーナー:ラブリー眼帯の男&azm氏
真理亜・K・コンドラチェンコ
身長172cm 体重62kg 3サイズ B88E W61 H89 年齢:26歳
試合コス:競泳水着。アレーナ社のARN-5041W。あとオープングローブとレガース
春日(はるひ)
身長157cm 体重42kg 3サイズ B75 W54 H80 年齢:17歳
試合コス:お腹の大きく開いた、白と青ベースの水着。真理亜と同様オープングローブも。



「ふふ…あれだけ可愛がってあげたのに、まだ躾が足りなかったのかしら仔猫ちゃん?」

「…………」

ゴング前、尊大な態度で挑発する真理亜と向かい合うあげはの表情は、いつになく険しかった。
3期では最終トーナメントの1回戦で顔を合わせた両者。その時は亡き母親を侮辱された上、お尻に指を突っ込まれるという思いもよらぬ裏技をきっかけに惨敗。忘れることなどできようはずもない。
もちろんあげはも雪辱を期すため、いつ再戦してもいいようあれから相当の鍛錬を積んではきた。しかし、自分の土俵であるサブミッションで、おそらくはまだ一枚も二枚も上をいく相手。さらにこういった挑発で心を揺さぶり、念入りに勝利の確率を引き上げる老獪さもまた、真理亜という闘士がモスクワで君臨していた所以である。

「ま、とりあえず深呼吸でもしなさいな」

ファラーシャに肩を叩かれ、少々思い詰めていたことに気付かされたあげはは、アドバイス通りに大きく息を吐く。
相変わらずビジネスライクにしか接してこないファラーシャではあるが、あげはの実力は彼女も認めるところ。十分なパフォーマンスを発揮してもらわねば困るとでも言いたげな表情で、ファラーシャは背を向けて言葉を続ける。

「分かってるわね。Childishにつけ入る隙があるとすれば…」

「…まだこの地下での経験が浅い、春日。作戦に異論はないわ…でも危なくなったら、今度はすぐに出るからね」



「さ―――始まりました上位1回戦最後の組み合わせ! そして関節マスター同士、因縁の再戦という屈指の好カードです!
しかし春日さんとファラーシャさん、両チームともまずはパートナーが先発。しばらくは様子を見つつ、交代のタイミングを窺う展開に…おおっと!?」

実況の予想とは裏腹に、開始早々仕掛けたのはファラーシャ! シュメッタリンの作戦とはつまり、速攻で春日を落とし、真理亜との二対一に持ち込むこと!
シンプルではあるが真理亜の力量、そして平然と肉壁扱いされる春日の役割を考えれば、決して間違った策ではない。わたわたして接近を止めようとする春日のジャブをパリングで弾き、背後へ回り込んだファラーシャは一気にスープレックスの体勢へと入る! しかし!

「とっっ!」

「くうっ…!?」

「間一髪、ブラックベリー戦の再現ならず! いきなりの大技は春日さんの頭にもありましたか、腰を捻って上手くクラッチを切りました!」

「狙いはよかったが、前にも見せたのは失敗だったな。それに浮き足立ちながらも反応できたあたり、何気にChildishも対策は立ててきていたか?」

なおも手を休めず攻めようとするファラーシャだったが、これで春日も落ち着きを取り戻し、しっかりとその動きについていく。実のところ特にこの対戦を想定していたわけではないのだが、もとより関節技のみならず、真理亜はグラップリング全般を得意とする闘士。そんな彼女に嫌というほど稽古(という名の三途の川)をつけられていては、組まれた時の対応が身体に染み込むのも当然といえよう。

(うふふ…才能の欠片もない凡人だったけど。少しは鍛えてあげた甲斐があったかしらね)

弟子の成長を喜ぶ師匠のように、思わず真理亜も目を細める。いや、この人がやってたのは、ぬくもりのないお師さんみたいな真似だけだったわけだが。
しかし警戒すべきは真理亜のみと考えていたファラーシャにとって、ここまで攻めあぐねるのは完全に想定外。焦って動きが雑になったところへ、今度は春日のジャブやローが当たりはじめる!

「何やってんだファラーシャー! ブラックベリー2人抜きはまぐれだったのかー!!」
「げっへっへ。春日ごときにもたついてるようじゃ、A.Sとやらも大したことはないんじゃねーのかあ?」
「春日もちまちまとこすい攻撃してんじゃねーよ! もっとガツンといけガツンと!」

観客の不満ももっともではあるが、基本に忠実な春日のスタイルは見た目以上に厄介だった。固いガードに細かい打撃、派手さこそないもののこうして腰を据えられると、ファラーシャでなくとも崩すのは難しいだろう。

(あまり真理亜に引き出しは見られたくなかったけど…出し惜しみして体力を削られるのも悪手ね。仕方ない!)

意を決したファラーシャはスープレックス狙いの攻勢から一転、正面から春日の股間に腕を差し込むと、即座に抱え上げマットへと投げ落とす!
素早いボディスラムに春日も意表を突かれた格好となったが、それでもしっかり受け身を取ってダメージを殺すのは、真理亜さんとのスパーの賜物か。すぐに体勢を立て直し反撃、ファラーシャの表情からもいつもの余裕は消えつつあった。

「意外と言っては失礼ですが、春日さんがここまで互角に渡り合うとは予想外でした! いやはや、格闘技始めてまだ数ヶ月なはずなのに、目覚ましい上達ぶりです!」

「ガードと受け身を徹底的に叩き込むのは、初歩中の初歩ではあるんだが。教える奴がアレなせいもあるのか、えらいレベルで身についてやがるな…あと多分、大振りの技をまったく覚えてないのも功を奏してる」

然り、これでKOを狙うなどの色気を出してくれれば、そこを突くこともできたのだが。お互い決め手を欠くこの状況、無駄に時間ばかりが経過しては、シュメッタリンの不利が増すばかり。
これでは目先を変えるために、あげはとの交代もやむなしか…と、ファラーシャが軽くリングサイドに目をやった時だった!

「わっっ!?」

「!?」

何と、つられてよそ見をしてしまった春日のシューズが滑り、片足を大きく上げてすっ転びそうになる!

「たっ、たっ…とっとっとっ……ふう」

両手をばたばたさせてバランスを保ち、何とか無様に尻餅をつくのだけは回避。当たり前だが、気が付けば真横にいるファラーシャ!

「あ」

ドオオォォン!!

「ウカツ! ウカツにも程がありました春日さん! この棚ボタなチャンスをファラーシャさんが見逃すはずがなく、あっという間に強烈なサイドスープレックス!」

ドヤ顔でふんぞり返っていた真理亜さんが、思わずこけそうになったのは言うまでもない。

「ちょっと褒めようかと思ったらこれよ…今回も終わったらお仕置きが必要ね」

まあ、こういったアクシデントで周りが見えなくなってしまうあたりは、やはりまだ初心者ということか。
しかし真理亜さんとしても、ここでメイン盾たる春日を失うのは下策。すぐさまリングに滑り込むや、再度ファラーシャに持ち上げられかけている春日を蹴り飛ばす!
別にこれはお仕置きとかではなく、トドメを阻止するための真理亜さんなりのカットだったりする。春日にとって、痛いことには変わりないが。

「そうそう、作戦通りにはいかないものね…。仕方ない、ここからが本番よ!」

第4試合 ツヴァイシュメッタリン vs The Childish(2/5)


ゴング前はあげはの手前、平気な素振りこそしていたが。やはり幾多の修羅場をくぐってきた真理亜…間近で感じるそのプレッシャーは尋常ではなく、ファラーシャも緊張感を増した表情で構え直す。
まずは呑まれないよう先手を取るべく、お馴染みのダンスめいたステップから懐へとステップイン。うまくフェイントも交え背後を取ると、最も信頼を寄せる技…ジャーマンスープレックスの体勢へと入る! しかし!

「えっ!?」

はっきり言って真理亜の動きは、春日とは次元が違うレベル。一瞬にして腰のクラッチを切るや、ファラーシャが反応する間もなく身体を反転、片足を捉えてテイクダウンを奪う!

「は、速いっ…!」

「あなたが遅すぎるのよ…あのへっぽこに付き合ってたせいかしらね?」

実際春日の動きに目が慣れすぎていたのも一因ではあるのだが。それを差し引いても初見で真理亜についていくのは、相応のキャリアを持つファラーシャですら不可能だった。
あえなくうつ伏せに組み伏せられた相手の背中へ乗りかかった真理亜は、抱えた左足を天井に向け捻り上げる!

「うぎいいぃぃッッ!!」

「無数の関節技を持つ真理亜さんですが、まずは小手調べか! 基本とも言えるハーフボストン!」

繋ぎ技とはいえ、瞬く間に足首と膝を極める鮮やかな手際! さらにファラーシャの口かららしからぬ悲鳴が漏れたことで、それまでのしょっぱい展開の反動もあり場内のテンションは一気に上がっていく!

「ファラーシャっ!!」

当然あげはも即座にリングイン、急いでカットへ向かおうとする! が、寝そべった体勢のまま足元に絡みつくのは、さっきちょうどその手前まで飛ばされていた春日!

「なっ…は、離してくださいっ!」

「ごめんなさい離したら真理亜さんに地獄のスパー追加されてしまいますそれだけは」

一応痩せ気味とはいえ、春日も女子としては平均的な体格。あげはの力では強引に引きずったり振りほどいたりなどできようはずもない。
つまり一旦しゃがむなりして足首を掴んでいる手をほどくしかないわけだが、そうしている間にも真理亜はサーフボード・ストレッチへと移行。観客の歓声と共に、徐々にファラーシャの悲鳴も大きくなる!

「あっ、ぐっ………! まさか、あのカットも狙って…?」

「今頃気付いたの? A.S秘蔵の闘士といえど、まだまだひよっこね」

「ぐううッッ……!」

「うおおさすがだ、やっぱ氷の女帝の異名は伊達じゃねーな真理亜! グラウンドに入ったが最後、あのファラーシャが手も足も出ねーでやんの!」
「磨き上げられたグラウンド技術に冷静な観察眼、そして技量の劣るパートナーも最大限利用する試合運び…つくづく総合力では頭一つ抜けておるの」
「ああ、フィジカルで上回る闘士なら何人かいるかもだが、つけ入る隙がある分そいつらの方がマシってレベルだからな。ロシアでの戦績も納得だわ」
「ほほ…いつも余裕綽々なファラーシャさんのあの表情。いいわいいわ、もっといじめてくださいな真理亜さん!」
「あげはも何やってんだ―――www もたもたしてると、大事なパートナーがばきばきにへし折られちまうぜ―――www」

「っっ!!」

何気ない観客の野次ではあったが、その一言はあげはのトラウマを刺激したか。彼女としては珍しく、春日を踏みつけるようにして乱暴に引き剥がすと、一直線にファラーシャの元へ!

しかし真理亜もファラーシャの反応に嗜虐の表情を浮かべつつも、その動きはしっかりと把握していた。
絶妙のタイミングでホールドを解き、突っ込んでくるあげはを悠々と迎え撃つ! まずは両者関節を手繰り合いながら、マット上で激しく体勢を入れ替えまくるポジショニング争い!

「さあ――ここで来ました! やはり避けては通れません、関節マスター同士の意地の張り合い!
前回の対戦と同様、いや、それ以上にハイレベルな駆け引きと技の応酬! 制するのは果たしてどちらか―――!?」

(前より動きは見えるようになってきたけど、やっぱり強い…! でも、私だって…!)

(ふっ…この短期間で、ここまで成長するとはね。ロシアでもここまで、寝技で私と渡り合えた闘士はいなかった。
……今度は手加減抜きで、潰しておかなくちゃ駄目かしら…!)

一見互角の攻防ではあったが、下半身、特にお尻に手が触れた際、あげはが即座に切ろうとするのを真理亜は見逃してはいなかった。前回はそれが敗因となったために、警戒するのは当然ではあるのだが…あげはの反応は少し分かりやすすぎたか。
すでに地下ではそれなりのキャリアを持つとはいえ、この辺りがまだ年齢相応の青さ。そして百戦錬磨の真理亜相手に、それは致命的な隙と言ってよかった。

「やっ…! えっ!?」

「かかったわね」

形のよいヒップラインを指でなぞるや、前の試合がフラッシュバックしたあげはは思い切り腰を引き、手のひらで菊門をガード!
絵に描いたようなフェイントではあったが、あげはが真理亜の狙いを察した時にはもう遅かった。

注意の逸れた上半身をフェイスロック気味に左腕で固め、さらに両脚であげはのふくらはぎも挟み込みながら反転! 即ちこの体勢は、裏STF!

「む゛っっ!! んぐう゛ぅ゛ぅ゛ッッ……!!」

真理亜の上に乗せられた格好になったあげはは、エビ反りになりながら必死でもがくものの、ただでさえ完璧に極まれば脱出不可能と言われているこのホールド。ましてかけ手は真理亜である…四肢はおろか首や腰すらろくに動かすこともできず、たわわに実った両胸の果実が零れ落ちそうに揺れるのみ。
その姿を囃し立てる声が、一斉に湧き上がったのは言うまでもない! そしてこのまま締め続けているだけでも、十分に真理亜の勝利は固かったかもしれないが…そこからさらに体勢を変化、観客もその意図に気付いた時、場内は割れんばかりの大歓声に包まれる!!

「フェイスロックに加え、逆の腕で肩口と肘も極め上げるハンマーロックも追加! 裏STFからチキンウイングフェイスロックに移行するこの体勢…これは!! 掟やぶりの、スワロウテイル・クラッチ返し――――!!!!」

「ゲエ――――!! 一度食らっただけで、あの複雑な技を完璧にものにしてるとは! あげはもかなりのレベルと思ったが、まだまだ格が違ったか…!?」
「ざまあないぜあげは! 所詮お前はそのだらしないおっぱいで、男を楽しませるのがお似合いよ!」
「ヒャアッハハハァ!! 今まで勝ち星を稼いできたお得意のフィニッシュホールドをかけられるってどんな気分? ねえどんな気分?」

「ぶぐぅっ! ばっ、お゛お゛お゛……」
(かっ、肩、外れっ……!! 息もっ……!)

観客の下衆な煽りが降り注ぐが、もはやあげはの耳にそれが届く余裕などない。全身をバラバラにされそうな激痛の中、何とかあげはは脱出口を探そうともがき続ける!
しかし、かつてこの技から逃れられたのは、真理亜とユキーデの2人のみ。いずれもあげはには不可能な外し方であり、それこそがスワロウテイル・クラッチという技の完成度を物語っていた。

なればこの試合はタッグ、後はパートナーのカットに望みをかけるしかない。もちろんファラーシャもそれは承知、すぐに真理亜へ組み付こうとはしていたが…その前に春日が立ちはだかり、しっかりとブロック!
春日も万全の状態ではないとはいえ、真理亜への横槍を食い止めるだけなら、さほど難しい技術は必要ない。加えてファラーシャは、さっきのサーフボードのダメージがかなり大きく、本来の動きとは程遠かった。

(つっ…背中側の肋骨にちょっと、ヒビを入れられたかしら…? でもここで、あげはを落とされるわけにはっ…!)

「許してください今の真理亜さんの邪魔したら、間違いなくお仕置きフルコースです通すわけにはいきません…!」

もとより試合序盤は、ファラーシャと互角に渡り合うだけの実力も見せている春日。完全に壁役に徹されてはファラーシャも突破する術を見出すことができず、刻一刻とあげはの限界が迫るのみ! そして!

ガゴンッッ!!

「ぶふうぅぅ~~ッッ!!!」

遂に耐え切れなくなった肩関節が嫌な音と共に外れ、口元を押さえつけている腕の隙間から、あげはは涎を噴き出して絶叫する!
その無様な姿に、一層サディステックな笑みを浮かべる真理亜。もはやシュメッタリンに、逆転の糸口は残されていないかに思われたが…!

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お知らせ

トーナメント本戦 組み合わせ表

トーナメント表1-2

トーナメント表2-2

上位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合 
甲斐姉妹vs
カワイイ幸子と愉快な仲間

☆第2試合
ブラックベリーvs
みこみこウォリアーズ

☆第3試合
春夏繚乱vs
ギガントヴィエーディマ

☆第4試合
ツヴァイシュメッタリンvs
The Childish

下位トーナメント1回戦 対戦カード

☆第1試合
ランページ・ヴィーナスvs
蒼黒の第五元素

☆第2試合
忍拳潮流vs退魔コンビ

☆第3試合
ちっぱいメイドズvs
ビッグ・ボンバーズ

☆第4試合
ダブルエックスvs
ギガントヴィエーディマ

参加タッグ一覧

タッグ01 タッグ02 タッグ03 タッグ03-c タッグ04 タッグ04b タッグ06 タッグ07 タッグ08 タッグ09 タッグ10 タッグ10b タッグ10c タッグ13 タッグ14

3期参加闘士一覧

地下3-1b 地下3-2 地下3-6 地下3-6b 地下3-6c 地下3-8 地下3-9 地下3-9b 地下3-10 地下3-11 地下3-12 地下3-12b 地下3-14 地下3-14b 地下3-16 地下3-17 地下3-19 地下3-20

地下3-3 地下3-5 地下3-13 地下3-15 地下3-15b 地下3-4 地下3-4b 地下3-7

地下3-Q 地下3-λ

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